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クラシック音楽のひとりごと
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2008/01/14のBlog
当地、四国・伊予西条では成人式が行われました。
若者の明るく溌剌とした姿は、いつ見ても気持ちいいもんです。今年は少し人数が減った感じがするのは少子化の影響でしょう。都会との格差が拡大する地方、田舎の町を支える大人になって欲しいもんです。

晩はN響アワー。ライナー・キュッヒルがプフィッツナーのヴァイオリン協奏曲を弾いておりました。初めて聴く曲、難しそうでしたなぁ・・・・でも、さすがキュッヒル、軽やかに弾きこなしておりました。

そやそや、今日はキュッヒルを聴こう!

そこで取り出したのは。
R・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。
ゲオルグ・ショルティ指揮ウィーン・フィルの演奏。
ヴァイオリン独奏はライナー・キュッヒル。
1977年3月・1978年3月、ウィーンのソフィエンザールでの録音。DECCA輸入盤のLP。

R・シュトラウスの「英雄の生涯」は親しみやすいオーケストラ曲。
標題付きで音楽の進行が分かりやすいし、R・シュトラウスの手練手管によって見事に音のドラマになっているし、何より、オーケストラが実によく鳴る。
オーディオ的な快感もある。
金管、木管、そして弦楽セクション、それぞれの持ち味が存分に発揮されてゆく。
僕はド素人で勝手に想像するのだが、オーケストラ・プレーヤーは、この曲を弾いて(吹いて)いて、とても楽しいんじゃないかなかろうか。

クラシック音楽を聴き始めた頃から、だからこの曲は分かりやすく、今大好きな曲であります。

さて演奏。

ショルティらしいインテンポ。性急な感じもあるのだが、ウィーン・フィルの柔らかく鮮やかな響きが、それを包み込むような暖かさ。ショルティの鋭角的な踏み込みをやさしく包んで、角が少し丸みを帯びた感じの演奏になっている。
シカゴ響だったら、ショルティの(軍曹のような)命令を忠実に守って、もっとシャープな演奏になっていたかもしれないな・・・。ウィーン・フィルの演奏は、エッジを立てないのがイイ。

そして、ヴァイオリン独奏はライナー・キュッヒル。とても優美で、かつ軽快。そして巧い。音色も素晴らしい。快感。
個性を声高に主張するような演奏ではなく、オーケストラに同化する、その中に溶け込んでゆく感じの弾き方なのだが、その艶といい、品の良さといい、実に味わい深い演奏と思う。ショルティの肩肘張った指揮に丸みを持たせているのは、この人の功績かもしれないなとも、思った。

それにしても、ウィーン・フィルの響きは美しい。DECCAの録音もさすが。スタッフがオケと録音会場を熟知している強みか、全く手堅い音づくり。
音場広大で奥行き深く、倍音の美しは格別。LPならではの柔らかさ、暖かさ、トロッとした甘さ、そしてしっとり感が広がってゆく。
ウィーン・フィルが、家庭でこの音で鳴ってくれているなら、この上、もう何を望むことがあろうか・・・・とさえ思えてくる。

エエ録音であります。

<「英雄の生涯」は大好きな曲であります>
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■オーマンディ/フィラデルフィア管
■アシュケナージ/クリーヴランド管
■カラヤン/ベルリン・フィル(DG1985年録音)
2008/01/13のBlog
日曜日であります。今日は昔話をひとつ。

ブラームスの大学祝典序曲。
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1982年9月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。DG盤。

大学祝典序曲といえば、「大学受験ラジオ講座」なのであります。あの、旺文社の・・・。

文化放送JOQR、1134kHz。夜の11時半から1時間2講座。この番組を聴くのが30年前の大学受験生たる者の、たしなみであった(かどうかは分からない・・・・(^^ゞ)。
夜11時からは「百万人の英語」。J・B・ハリス先生の番組。こちらのテーマ曲はハイドンの「時計」。よく聴いたもんです。なかなか、ものにはならなかったんですが。

大学受験ラジオ講座、通称「ラ講」。これが終わると深夜放送の時間帯。文化放送は「セイ!ヤング」、TBSは「パック・イン・ミュージック」、ニッポン放送は「オールナイト・ニッポン」。1960年代後半からの全盛期に比べると、僕が聴いていた頃はブームが下り坂になっていく頃だったろうか。それでも、人気パーソナリティの時は聴取率が高く、話題になっていたと思う。

谷村新司とバンバンの「天才秀才バカ」シリーズは本にもなって人気があったし、レモンちゃん落合恵子は現役だったし、野沢那智・白石冬美の「ナッチャコ・パック」は、「ナッちゃん、チャコちゃん、こんばんは」で始まる「お題拝借」シリーズで大人気だった。今をときめく、みのもんたは「みのみのもんた、みのもんたっぱ」という文化放送の局アナ(当時はDJと云っていた)であったし、ライブドアの株買い占めで出てきたニッポン放送の亀淵社長など、「カメカメ・ポップス」の局アナDJだった・・・(というより。亀さんが社長になっているので大変驚いた)

時は流れました。
そして「大学祝典序曲」を聴くたびに、時は遡ります。
ああ、1月の今頃は、最後の追い込み、必死になって勉強していたなぁ。
あんなに勉強したのは、大学の卒論を書いたときと、この大学受験の時だったんじゃないかなぁ・・・・。僕らの頃は「四当五落」なんて言葉がありまして、睡眠時間4時間で頑張ったヤツが合格し、5時間寝るヤツは落ちるぞ・・・・などと云われた時代でもありました(尤も、それは結局、大嘘であったわけですが・・・・・(^^ゞ)

さて、演奏であります。

バーンスタイの熱気溢れるこの演奏には、ブラームス特有のしんねり・むっつりからは遠く、青春の意気軒昂の様子が聴かれる。

ウィーン・フィルの響きもとても美しい。
時に弦楽がざらつくのは、ライヴ録音によるものなのか、バーンスタインがアンサンブルの整頓には無頓着なのか、よく分からないのだが、音楽の表面だけを磨くような感じの美しさではなく、内部からわき上がってくる美しさという感じ。
木管は巧いし、渋い。「古典」の枠内にきっちり収めた曲を書いたブラームスに、実にふさわしい。
ラストの盛り上がりはさすがにバーンスタイン。聴いていて元気が出てきます。

録音状態良好です。
今聴いても、とても柔らかくふんわりとした音です。
ブラームス独特の曇り空のような響きもよく出ています。残響も美しく、いわゆるヨーロッパ・トーン的な味わいでありました。
2008/01/12のBlog
今日から三連休ですが、仕事の急用が入ってくるかもしれません。
四国は氷雨です。

さて、今日は大好きな曲を。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58。
クリスティアン・ツィマーマンのピアノ独奏、レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1989年9月、ウィーンのムジークフェラインザールでのライヴ録音。DG盤。

第1楽章序奏部はバーンスタインのゆったりしたテンポが印象的。ものものしい感じもある。バーンスタイン晩年の特徴がよく出ている遅さ。ただ、安定感は抜群。堂々として恰幅が良い。
主部に入ると、ライヴ録音のためか、演奏に勢いが出てきて、オーケストラは覇気に富む。エネルギッシュなバーンスタインの指揮が、オケに乗り移ってゆく感じ。
こういう伴奏を聴いていると、バーンスタインには晩年の老いなどなかったのだなぁ、としみじみ思う。(晩年の「遅さ」はあったが、あれは「老い」ではないだろう・・・・)この人はいつだって青年だったのだ。青春だったのだ。一生青春、一生感動・・・・そんな指揮者だったんだなぁ。
特に第3楽章の若々しさが素晴らしい。どんどん調子が上がって、やがて音楽が前のめりになってゆく。そこが面白い。感興の盛り上がりも十分、即興的な危なっかしさがオケにつきまとう。それがバーンスタインなんやなぁ。

あら、ピアノ協奏曲なのに伴奏のことばかり書いてしまった・・・・(^^ゞ。
ツィマーマンのピアノは、鋭敏でしなやか。特に高音が綺麗。跳ねるようなピアノで、キラキラした光がこぼれてくる。
第1楽章の正調で正統的なピアノもイイが、断然面白いのはフィナーレ第3楽章。バーンスタイン指揮の伴奏も面白かったが、指揮と独奏が互いに触発し合い、心弾む若々しさが実にイイ。勢いもあるし、なにしろ胸を張るような覇気が音楽全体にみなぎっている。
ああ、これこそベートーヴェン。
そして、この演奏は、次作「皇帝」につながる解釈なのだろう。スピード感も十分で、迫力満点の演奏になった。

録音は標準的であります。
ツィマーマンのピアノの、明るく輝くような高音がよく録れていると思います。
ウィーン・フィルの弦楽セクションが時にざらつくのが珍しいです。これ、ライヴ録音のせいなのか、バーンスタインがアンサンブルの整頓にあまり意を介さなかったのか(その分勢いは素晴らしい)、よく分からないんですが。
あるいは、この時期のDG録音の特徴でしょうかね。


<大好きな曲なので、沢山エントリーしてきました>
■ラドゥ・ルプー(Pf) メータ/イスラエル・フィル
■ルービンシュタイン(Pf) ラインスドルフ/ボストン響
■ペライア(Pf) ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■アラウ(Pf) C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
■グルダ(Pf) シュタイン/ウィーン・フィル
■ポリーニ(Pf) ベーム/ウィーン・フィル
■アシュケナージ(Pf) メータ/ウィーン・フィル
2008/01/11のBlog
今年はカラヤンの生誕100年だそうです。
沢山の記念盤が出てくるんでしょう。

さて、今日のCDは、カラヤンの夥しい録音の中でも、とてもカラヤンらしいものです。


「カラヤン・オペラ間奏曲&バレエ音楽名曲集」。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1967年9月、1971年1~9月、ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DG盤。

LPでの発売以来、曲目やメディアを変えつつ、今も売られ続けている名盤。
カラヤン/BPOの磨きに磨き上げたサウンドで、オペラやバレエの美しいところがコッテリと描き出される。もう、麻薬・媚薬のように美しい演奏。一度聴いたら、コロッとやられてしまう・・・・。
夥しいカラヤンのレコードの中でも屈指の名盤と思われる。こんなに甘く切なくやるせなく、そして美しいレコードは、なかなかないんじゃないか。

まずは、ヴェルディの「椿姫」第3幕前奏曲。
この弦楽のピアニシモ!静かさギリギリのところで、美しさの限りを発揮するベルリン・フィルの弦楽セクションこそ恐るべし。、

続いて、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲。
ねっとりと身体にからみつくような音楽。情感たっぷり、センチメンタリズム一杯、これでもかというくらいに美しい旋律が横溢する。綺麗なこと、この上なし。

3曲目はプッチーニの「修道女アンジェリカ」間奏曲。
6曲目の、「マノン・レスコー」の第3幕間奏曲もそうだが、この甘く切ないメロディはプッチーニ独特のものだが、全くカラヤン/BPOの独壇場。カラヤンはさらに甘味料を加えて、いやはや臆面もなく、砂糖菓子のように甘く歌い上げる。ハープの響きの洗練、弦楽の甘やかな響きは、切なささえかき立てる・・・。いや全くスゴイ。

マスネの「タイスの瞑想曲」は、これも絶品。このCDの白眉かな。
世界一のコンサート・マスターと謳われたミシェル・シュヴァルベのソロ・ヴァイオリン。美麗にして艶やか、カラヤンの意図を汲んで、仕上げも大層綺麗。磨き上げたヴァイオリンであるとともに、妖艶なまでの美しさ。残響成分も多いので、夢見るような味わいもある。これもスゴイ。

さらに・・・・・
ジョルダーノの「フェドーラ」第3幕間奏曲
チレアの「アドリアーナ・ルクヴルール」第3幕間奏曲
ヴォルフ=フェラーリ「聖母の宝石」第3幕間奏曲
マスカーニ「友人フリッツ」間奏曲

と続きます。胸がいっぱいになります。
胸焼けするかもしれません。胃薬が要るかも?
口直しに辛いものが欲しくなるかもしれません。

録音は今も上々。
イエス・キリスト教会の残響が心地よく、甘い夢を見るがごとく、美しい旋律が続きます。


(EMIの激安ボックス2つ、注文してしまいました。しばらくは手元不如意であります・・・・・(^^ゞ・・・・)

2008/01/10のBlog
「のだめカンタービレ」の再放送とパリ篇、三男坊が録画してあったようで、一緒に観ておりました。
なるほど、やはり何度観ても、音楽がうまいこと使われてますなぁ。感心しました。
Sオケなど実に若々しいし、可笑しいくらいにカッコイイもんです。
マングースのピアニカも良かったですね。大笑いでした。

そこで今日はガーシュウィンをいきましょう。

ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」。
アンドレ・プレヴィンの指揮とピアノ独奏、ロンドン響の演奏。
1971年6月、ロンドンのアビーロード・スタジオでの収録。EMI盤。

プレヴィンのピアノはジャズっぽい魅力を発散させつつも、綿密に、計算され尽くした美しさで聴き手に迫ってくる。ピアノの音は、柔らかく暖かく端正な感じで、雰囲気豊かに響いてゆく。そして、時にハッとするような瑞々しい音が立ちのぼる。また、しなやかで流麗な音楽を産みだしたりもする。
タッチも繊細だし、微妙はニュアンスの変化は味わい深い。才人プレヴィンの面目躍如といったところだろう。

オーケストラは野性的で荒々しいところがあるのだが、ピアノは美しく品を保つ。この辺りが、プレヴィンの美質なんだろうと思う。センスが良く、行儀も良い、ということか。
ロンドン響は好演。個々のプレーヤーはとても巧いし、ロンドンのオケながらワイルドなアメリカンな魅力タップリ。アンサンブルは少し怪しいところがあるのだが、その怪しさ・微妙さが、かえってガーシュウィンの魅力を伝えているような気がする。音楽的には発展途上であったアメリカの、ジャズと融合した(その点では土俗的・民衆的なものだった)音楽の、それまでの伝統的なクラシック音楽にはないある意味怪しい部分・・・・その魅力をよく伝えていると思う。

ガーシュウィンがCMやドラマの音楽に当たり前のように用いられている現代、この演奏は、ガーシュウィンがもう十分に古典になっているんだなと思わされる1枚でもあった。最初からラストまで一気に聴かせる名演なのだが、特に、ラストはカッコイイ。
ピアノのソロが、やがてオーケストラと一体となってゆくところは圧巻。大きな盛り上がりは感動的。オケも熱演。

録音状態、良好です。
1970年代のものとしては標準的というべきかな。
上々の聴き心地なんですが、ヴァイオリンと打楽器は少し荒れている感じもします。これは経年によるものですかね。
2008/01/09のBlog
Doblog、今朝は不調です。大変に重いです。更新不如意でありました。

さて、「のだめカンタービレ」では、楽しく音楽を聴きました。
今日もその課題曲を。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35。
ヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリン独奏、フリッツ・ライナー指揮シカゴ響の演奏。1957年4月、シカゴのオーケストラホールでの録音。RCA盤。
カップリングはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。いわゆる「メン・チャイ」であります。

ハイフェッツの圧倒的な技巧を堪能できる世紀の名盤(・・・とは大げさか?)。
一音一音が光り輝くヴァイオリン。ギリシャ彫刻のように均整の取れた名演。形式と内容を高度に止揚させた演奏。この曲はホンマモンの名曲なんや、と実感させてくれる演奏。
その分、ロシア臭というか土臭いというか、そういうものからは遠く、グローバルな演奏という感じ。格好つけた言い方だが、普遍的な演奏になるんだろうなぁ。

ああ、それにしても凄いヴァイオリン。目がくらむようなテクニック。冴え渡るヴァイオリンの音。高速であればあるほど調子が出てくる感じのヴァイオリン。ハイフェッツ恐るべし。
遅いところでは情感豊か。その情感は、透明な抒情。透きとおった哀しみが流れてゆく。ドロドロした感情ではなく、高貴な、澄み切った抒情。その中に、幾多の想いが込められている感じ。
そして、何より美音。音が綺麗。高音の伸びなどゾクゾクするほど美しい。その伸びたヴァイオリンの音は、最後まで同じ太さで、まっすぐに伸びてゆく強靱なもの。先細りしたり、腰の弱い伸びだったりしないのだ。

伴奏も立派。ヴァイオリンの「付け合わせ」ではない、本物の大管弦楽。ダイナミックに、そしてシンフォニック、さすがにライナー/シカゴ響と思う。豊かにヴァイオリンを包み込んでゆく。
いや、包み込もうとしても、ハイフェッツはそこから飛翔する。自由に飛び廻る。スゴイ。これぞ協奏曲の醍醐味じゃないか。

特に第1楽章の自在さは、見事としか云いようがない。目がくらむような輝かしさ。(耳がくらむ、か?)。神々しいばかり。
第2楽章ではハイフェッツにそっと寄り添うシカゴ響の伴奏がイイ。蜜月、恋人のささやきのよう。
そして終楽章は胸のすく快演。ハイフェッツのヴァイオリンは爽快そのもの。切れ味鋭い日本刀。バッサバッサと斬って捨て、どうだと云わんばかりの大見得。しかも汗一つかいていないんじゃないか・・・?。真の名優とは、そんなもんなんだろう。

素晴らしい録音です。
50年も昔の録音とは思えない鮮明さです。
当時のRCAの録音技術の高さを物語る1枚と云えるんじゃないかと思います。


<チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲 過去のエントリーです>
■諏訪内晶子(Vn) ・アシュケナージ/チェコ・フィル
■チョン・キョンファ(Vn) ・デュトワ/モントリオール響
■ムローヴァ(Vn) ・小澤征爾/ボストン響
■デュメイ(Vn) ・チャカロフ/ロンドン響
2008/01/08のBlog
「のだめカンタービレ」のプラティニ国際指揮者コンクール、面白かったですね。
あんな風にコンクールを行うんだなぁと興味深く観ておりました。
片平くん(石井正則)は熱演、あのジャンプには笑えました。

その中の演目、「新世界」を聴きたくなりました。

ドヴォルザークの交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」。
コリン・デイヴィス指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1977年11月、アムステルダム・コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤のLP。

当時、C・デイヴィスは絶好調。ハイドンの交響曲集にストラヴィンスキーのバレエ三部作(ACO)、シューベルトの交響曲シベリウスの交響曲全集(BSO)など、今も名演の誉れ高い演奏を、次々に録音していた。このドヴォルザークの後期交響曲集もその一つであって、スケール大きく元気いっぱいの鮮やかな演奏を聴くことが出来る。

第1楽章のテンポは颯爽として軽快。弦楽セクションの歌わせ方が実に美しく格調高く、その表情は優しい。郷愁を誘うようなやさしさ、あたたかさ。
全体的にはストレート系、直球勝負型の演奏であって、C・デイヴィスが実は熱血漢であることを示しているのだが、一線を越える手前で踏みとどまって、端正なフォルムは崩さないのがさすが英国紳士。「サー・コリン」の品格、たしなみと云えるかも。

第2楽章は、いつ聴いても涙を誘われる優しさで一杯。ああ、望郷の歌。
武蔵野の台地と雑木林の匂い、入間野のどこまでも続く茶畑、暁の天覧山、紫匂う秩父連峰・・・・ああ、イングリッシュホルンの響きは故郷のイメージを誘う。コンセルトヘボウ一杯に溶けてゆくその響きは、切ないくらい胸を締め付ける。ドヴォルザークも、そんな故郷への思いを抱いていたか・・・・・。
C・デイヴィスがつくる音楽は、実に格調高く、背筋が伸びて、ピンと張り詰めた緊迫感も漂わせる。甘くないのがイイ。だからこそ、聴き手のイメージが広がってゆく。

第3楽章スケルツォはダイナミック。そして、ここでも素晴らしいのはコンセルトヘボウの音響。オーケストラがミルクコーヒーのように溶けあって、マイルドな響きが広がってゆく。ダイナミックな演奏とマイルドな音響とのアンバランスが、実に面白い。

終楽章は貫禄の名演。低音が充実、力強い響きをつくり出している。
デイヴィスの指揮は精力的、グイグイとオケを引っ張って、勢いのある演奏。ただ、音は美しく響き、荒れないのがイイ。
コンセルトヘボウ管は、実に素晴らしいオケとつくづく思う。


録音も素晴らしいです。アナログ末期、コンセルトヘボウを知り尽くしたフィリップスの名録音。
瑞々しい弦楽、甘い金管、やさしい木管それぞれが素晴らしい音で録られています。ティンパニの音も革のイイ匂いが漂ってくるようなナマナマしさ。ホルンの残響など、惚れ惚れするほど美しい。LPのせいか、トロッとした低音がまたよろしいんです。
録音から30年、今もホンマに美しいと思います。


<「新世界交響曲」過去のエントリーであります>
■カラヤン/ベルリン・フィル(1977年録音EMI盤)
■I・フィッシャー/ブダペスト祝祭管
■ケルテス/ウィーン・フィル盤
■バーンスタイン/NYP盤
■ノイマン/チェコ・フィル盤
■ジュリーニ/シカゴ響盤
■フリッチャイ/ベルリン・フィル盤
■ドホナーニ/クリーヴランド管盤
■ショルティ/シカゴ響盤
■ジュリーニ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管盤

2008/01/07のBlog
今日はモーツァルトのホルン協奏曲集を。
アラン・シヴィルのホルン独奏、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の演奏。
1971年9月、ロンドンでの録音。フィリップス原盤。モーツァルト管楽器協奏曲集3枚組の1枚。

モーツァルトのホルン協奏曲は、休日の昼下がりに聴きたい。幸福な気持ちになれる。
LPだとデニス・ブレインの独奏で聴くのだが(オケはカラヤン/フィルハーモニア管)、CDだとふだんはザイフェルト/カラヤン/BPO、ヘーグナー/ベーム/VPO、或いはオルフェウス室内管あたり・・・。
さて、どのCDにしようかなと、ゴソゴソ探していたのだが、なかなか見つからない。この数年のCD激安化によって、我が家のCDは大増殖大激増してしまい、ロクに整理していないものだから、見つけるのに苦労する。
この頃はCDラック・本棚のスペースも不足しているため、レーベル別に整理もできておらず、購入したCDをそのまんま積み重ねた状態しているのが悪いんだろうなぁ。言わばこれ時間軸整理法なのだが、肝心の我が記憶力が衰えてきているので、捜し物CDがどの辺にあるのか見当がつかず。整理法の意味をなしていない。だからこそ、ダブり買いも起きるわけで、いやホンマに情けない話でありますな。

で、結局取り出したのはマリナー/アカデミー室内管の3枚組。
これは整理していた頃のフィリップスの棚にあるので探すのは容易。だいたい、このCDは早くから持っていたもので、たぶん1980年代半ばの発売だったと思う(輸入盤)。懐かしい演奏でもある。

ホルンはイギリスがイイ・・・・・。
デニス・ブレイン以来の伝統か、英国奏者で聴くホルンは、ふっくらとして太く甘く、そして上品。アラン・シヴィルもその一人で甘く美しいモーツァルトを再現してくれる。実に幸福な気分になれる1枚。
シヴィルのソロは、時に即興的なノリがあって軽快。「音楽するのは楽しい」と云わんばかりの演奏。聴いていてこちらも嬉しくなってくるようなソロ。

マリナーの指揮は颯爽としていて、テンポはやや速めで気持ちよい。心地よい風のようにモーツァルトが流れてゆく。シヴィルの甘い音色のホルンを、やさしく支えてゆく。


録音は上々であります。
1971年のアナログ録音。音の艶・鮮度とも十分で不満なし。
イイ音です。

さて、月曜日。一週間の始まりです。
息子二人は大阪に帰っていきました。ワタクシも激務の始まりであります。
2008/01/06のBlog
「のだめカンタービレ」、面白かったですね。家族みんなで楽しみました。
前作から続いて、挿入のクラシック音楽が素晴らしい選曲。いちいち頷きながら観ておりました。
プラティニ指揮者国際コンクールも良かったです。ああ、指揮者のコンクールってあんな風に行うんやなぁ・・・・と感心してました。千秋くんの黒羽根、ジャンの白バラは面白かったし、片平くんのジャンプも、いやいやなかなか決まっておりました。
課題曲はR・シュトラウスの「ティル」。15分程度の小品ですが、小説家・画家のような作曲家R・シュトラウスの技巧がたっぷり詰まった名曲を、どう料理するかという課題なんでしょう。ドラマはその当たりをよく伝えておりました。

なんて思っていたら、聴きたくなったのです(^.^)。
そこで、昨日に続きMTTで。もう少しMTTを聴いてみようと。

R・シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
マイケル・ティルソン・トーマス指揮ロンドン響の演奏。
1988年4月、ロンドンのワトホード・タウン・ホールでの録音。CBSソニー盤。

MTTが若い。録音当時44歳。メリハリがきいて、溌剌とした指揮でロンドン響をよく引っ張ってゆく。これ、MTTがロンドン響の首席に就任する直前の録音。

一聴、ロンドン響の響きが優しく、ふっくらしている。CBSソニーの名録音と云えそう。高さ、奥行き、音の柔らかさなど文句なく、実にイイ録音。演奏に引きずり込まれてウットリさせられる録音と云うべきか。
R・シュトラウスが欲していた音は、この融け合い、まろやかさではないか。
ちょうど、千秋くんがコンクール本選で達成したような見事な音の融け合い(審査員が絶賛しておりましたな・・・・)は、こういう感じだったのかもしれない・・・。
いや、ホンマにエエ音。心地よい。

演奏は、悪童ティル・オイレンシュピーゲルが、軽快に華麗に舞っている感じ。
キラキラした音も素晴らしいし、強弱の鮮やかな対比、管楽器のクローズアップの仕方など、聴いていて「おお!」と思う瞬間が沢山ある。才気煥発、MTT若かりし頃の、これは佳演と思う。

あえて云えば、千秋くんの哲学的黒羽根舞う演奏というよりは、ジャンの白バラ演奏に近いかな。この曲は「愉快ないたずら」なんだと云っているような演奏。実にキラキラした演奏でありました。録音はふっくらとしていて管弦楽の響きは柔らかく、演奏は輝かしいものでありました。


家族揃った正月も終わりであります。
明日から大学の講義開始とのこと、長男と次男が今日大阪豊中に帰ります。

<「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」の自己リンクです>
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■カラヤン/BPO(1973年録音)
■ドラティ/デトロイト響
2008/01/05のBlog
ドラマ「のだめカンタービレ」が放送されました。
相変わらずの青春ドラマ、若さがエエですね。千秋くん、ますますカッコエエですなぁ。
コンクールの場面など、名曲のオンパレード。観ていてホンマに楽しい。
家族みんなで観ておりますが、三男坊は合唱をやっているせいか特に熱心、録画もしておりました。

さて、そこで今夜はその挿入曲を。

プロコフィエフのバレエ音楽「ロミオとジュリエット」作品64 抜粋盤。
マイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団の演奏。
1995年9月、ルイス・デイヴィス・シンフォニーホールでの収録。RCA盤。

マイケル・ティルソン・トーマス(MTT)のRCA専属第1弾となった録音。バレエの進行順にMTT独自の選曲によっている抜粋盤。29曲所収。
HMVのバーゲンで購入した廉価盤。900円くらいだった。10年ほど前に3,000円で国内発売されたことを思うと、いやはや隔世の感あり。

さて、僕がこの音楽を知ったのは、つい最近のことであって、ドラマ「のだめカンタービレ」のシュトレーゼマン登場の場面の音楽、そしてソフトバンクのCMがきっかけだった。「騎士たちの踊り」の音楽は、大変印象的。どこかで耳にしたことがあったような気がするのだが、思い出せなかった。
プロコフィエフはあまり好んで聴く作曲家ではなく、「ピーターと狼」と「古典交響曲」を聴くくらいだったかな。それが、この挿入音楽をきっかけに、バレエ音楽に手を出すようになったのだから(「シンデレラ」などもなかなか楽しかった)、テレビの偉大さは大したもんだなと思うし、同時に、ド素人ミーハーはこんなことですぐにCDを買うんだから弱いもんだわい(ワタクシのことであります)、と思ったものだった。

さて、MTTの「ロミオとジュリエット」は、とてもシンフォニック。スケールが大きく、聴いていて実に楽しい音楽(演出)になっている。
録音状態も最高で、ダイナミック・レンジが大きく、心地よい管弦楽を堪能できる。
スケールの大きさに加えて、抒情が静かに流れてゆくところもあるし、聴き手に緊張を強いる表現もあり、変化に富んでいて、いささかも飽きさせない。MTTは若い頃から将来を嘱望された指揮者だが、さすがに今や中堅(ベテランか?)、聴かせどころを心得ていて、聴衆を感動させる術に長けていると云うべきかな。各曲を、鮮やかに描き分けて、見事なバトン捌きを見せてくれる。


録音はホンマに素晴らしい。
鮮度の高い音で、音場も広大、個々の楽器も美しく録られていて、聴いていて実に気分が良いです。
1枚70分程度。プロコフィエフのエキスが詰まった演奏と云えそうです。
輸入盤は録音等のデータ不備です。RCAの廉価盤は、そんなことには無頓着なのかな。少し残念。
2008/01/04のBlog
さて、本日は仕事始め。平常勤務に戻ります。(と云いつつ、明日から土日の連休ですが)
三が日は何ともなく済みました。掃除などをしておりました。息子が三人もいると、ラクなもんです。監督差配しているうちに終わりました(ワシはクチだけか・・・・(^^ゞ・・・・・・わが隠居も近いかもしれません)

さて、交響曲を聴きます。

サン=サーンスの交響曲第3番 ハ短調 作品78「オルガンつき」。
ダニエル・バレンボイム指揮シカゴ交響楽団の演奏。オルガン独奏はガストン・リテーズ。
1975年5月、シカゴのメディナ・テンプルでオケを録音し、1カ月後、パリ郊外のシャルトル大聖堂でオルガンを別録りしたもの。DG盤。

・・・・・ということで話題になったもの。「別録りかよぉ~」と思うなかれ、さすがにレコード業界の技術はスゴイ。一聴、全く分からない。その証拠に、この演奏はずっと廃盤にならず、今も立派な現役盤。(廉価盤で買えそうです)
オーディオ的に見ても、音が良く、今も大変新鮮に聞こえる。

だいたい、シカゴ響のDG録音は良いものが多い。アバドのマーラー、ジュリーニの第9交響曲シリーズ、レヴァインの「惑星」等、いずれも素晴らしい音で聴ける。

さて、演奏は、天才バレンボイムが指揮の才能を併せ持っていたことを天下に示したものと云えそう。オーケストラのドライブ、堂々たるテンポ、細部の彫琢など、実に立派で、しかも自信に満ちている。(バレンボイムは、そもそも、いつでも自信タップリなのだが・・・)
特に第1楽章後半のアダージョ、ここでの平安は素晴らしい。涙がこぼれてくるほどに磨きぬかれた美しさ。ホンマの慰藉がある。祈りがある。シカゴ響の腕も達者なのだろうけれど、バレンボイムのここでの表現は、スゴイと思う。

第2楽章に入ると、シカゴ響の機能が全開。テンポが上がってもアンサンブルは全く揺るがず、力強くグイグイと進んでゆく。その迫力は気持ちいいほど。
弦楽器の響きにもう少し潤いがあれば良いなぁと思うが、これは欲張りすぎるかな。
そして、フランスの名手リテーズのオルガン!この盲目のオルガニストの、最高の名演。ああ、シャルトル大聖堂のオルガンが、残響豊かに鳴り渡る。
シカゴ響も圧倒的パワーで応じてゆく。まだまだ余力がナンボでもありそうなオケのパワー。金管など、音も良いし迫力も素晴らしい。オルガンに負けない底力を聴かせてくれる。

録音状態は、実に良好であります。
今も十分に美しく再現されます。
これホンマに合成?
エエ録音と思います。
ジャケットも懐かしいです。
2008/01/03のBlog
早くも三が日が終わります。
明日からは平常勤務であります。いやはや、ワタクシは怠け者なので、もっとのんびりしていたいと、日々思います・・・・・(^^ゞ
その怠け者を家人は叱咤激励、なんと昨日は年末に残した大掃除を敢行、正月2日目にして、家族総出で窓拭きをしておりました。
(今年は喪中なので、初詣もなし、新年行事は関係ないと云うことか・・・・・やれやれ)
昨日は2階の窓、そして今日は1階の窓であります・・・・・・ガハハ。

で、その後はモーツァルト三昧でありました。

モーツァルトのディヴェルティメント第17番 ニ長調 K.334。
ウィーン八重奏団員の演奏。
1961年4月の録音。DECCA盤。

録音から45年あまり経過して、今なお愛聴されているであろう名盤。
往年のウィーン・スタイルを彷彿とさせる素晴らしい演奏。ヴァイオリンのポルタメントに独特の間合いが素晴らしく、演奏全体が上品でイキで、情趣も十分。録音状態も良く(さすがDECCA)、今聴いても実に清々しい。

第1楽章はサラッと始まる感じで、やや速めのテンポ設定。スッキリした感じの演奏。
響きがイイ。ヴァイオリンもヴィオラも伸びやかに歌う。その余韻の美しいこと!後方のホルン2本は慎ましく上品に弦を支える。

第2楽章は主題と変奏のアンダンテ。アントン・フィーツのヴァイオリンが艶やかで美しい。よく伸びて、またよく歌う。第4変奏でのホルンの二重奏も見事で、のどかな雰囲気がとても良い。一転、第5変奏では悲哀の表情。弦五部のアンサンブルが良く、透明感のある響きで、哀しみを歌う。モーツァルトの透徹した哀しみが、風のように漂ってゆく。
第3楽章は、もう昔から大好きなメヌエット。K.334で最も有名な楽章だろう。
トリオでのフィーツのヴァイオリンが自在で、モーツァルト音楽の神髄、優雅な表情を伝えてくれる。いかにも典雅。これぞ、ウィーン・スタイルと云うべきだろう。

第4楽章はヴァイオリン協奏曲風の楽しさ。こんな素敵なアダージョはモーツァルトにしか書けないんだろうなぁ・・・。聴きながら幸福な気持ちになる。フィーツ絶好調、アンサンブルも素晴らしい。ホンマに息のあったアンサンブルと思う。日頃から顔を合わせているとはいえ、実に見事。音楽が自然に呼吸して、優美でふくよか、柔軟にして流麗。全く洗練されている。

第5楽章はメヌエット。快活で明朗さが心地よい。特に綺麗なのはヴァイオリンの倍音。よく伸びて、広がる。

フィナーレはロンド。モーツァルトらしい永遠のロンド。
聴いていると、いつまでも続いて欲しい、ああ、これで終わってしまうのは勿体ないな・・・という気分になる。華麗で艶やか、極上の美しさ。


録音もホンマに素晴らしい。
新鮮で瑞々しさ一杯。フレッシュフルーツの舌触り。