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クラシック音楽のひとりごと
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2008/01/20のBlog
休日はのんびりとLPレコードを取り出しては、ゴソゴソ聴いておりました。
あ、そういえば今日もエントリーはフランス音楽になってしまいました。

ドビュッシーの交響詩「海」。
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
1976年1月、コンセルトヘボウでの録音。蘭フィリップス輸入盤LP3枚組のボックス。

ハイティンク/ACOによるフランス音楽。ラヴェルも良かったが、ドビュッシーの方が更にその上を行く名演と思われる。

まずは「海の夜明けから真昼まで」。
アムステルダム・コンセルトヘボウ管の音が素晴らしい。響きや音色は少しずつ微妙に変化してゆく。何とも美しく、時に詩的な感じさえする。ややくすんだ色調の音で、キラキラする派手さはないのだが、ドビュッシーが意識しただろう繊細な音色を、ハイティンクは誠実に描き出そうとする。その色彩は極彩色のものではなく、淡い色遣いの水彩画、パステル画のような感じ。筆のタッチもデリケートそのもの。しかし、いや、だからというべきか、音楽から無限のイメージが誘われる。
ことに弦楽セクションの響きはまこと繊細で微妙。ニュアンスに富んでいる。木管は質朴な音を出したり、時に濡れたような色っぽさを醸し出したりで、これも多彩な響き。金管はしっとりと落ち着いている。高音がキャンつかないのがイイ。
ああ、コンセルトヘボウ管。つくづくエエ音やなぁ。

2曲目は「波の戯れ」。
ここでもコンセルトヘボウ管の巧さが際だつ。一人ひとりがうまいだけでなく、アンサンブルがとても良いので、響きがスッキリしている。もたれない。少し霞がかかったような感じで、柔らかく、暖かい響きで心落ち着く音になっている。

「風と海との対話」。
徐々にスケールが大きくなって、聴いていると想像が膨らんで、大海原を彷彿とさせる演奏。ハイティンクの指揮は誠実にして成熟した感じ。無理せず、オーケストラの美質を信頼して、穏やかなドビュッシーを描き出す。決して鋭くはないのだが、繊細に、そして淡く上品なドビュッシーにしている。素晴らしい演奏と思う。

録音は極上です。
アナログ全盛期で、フィリップスらしい名録音であります。
コンセルトヘボウ・ホールの、自然で繊細な響きに品の良い残響。そして独特のACOのサウンド。音場は広大で、奥行きも十分。
録音から30年経過しても、いっこうに古びない優秀録音と思います。
CDも良い音ですが、LPの方が柔らかさと豊麗さがあって、上かなとも思います。


さて、今日は雨模様、ひょっとしたら雪が降るかもしれないとの予報です。
早朝更新しつつ、今、ジョギングに出ようかどうか思案中であります。まぁ、こういう日は無理をしない・・・・というのが加齢生活の鉄則ですかね?
で、午前中に光ファイバーの工事があります。
いよいよ、我が家でもADSLから「光」になります。四国の草深い田舎にも「光」が届きます。さてさて、結果や如何。
2008/01/19のBlog
昨日はフランスのオーケストラを聴き、今日はフランス生まれの交響曲を。
いや、いつ聴いても破天荒な交響曲。
僕はベルリオーズについて詳しくないんですが、この人、若書きのこの一発だけでも音楽史に永遠に名を残したですね。

ベルリオーズの幻想交響曲。
マイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団の演奏。
1997年7月、サンフランシスコのルイス・エム・デービス・シンフォニー・ホールでの録音。RCA輸入盤。
廉価盤で購入できるようであります。

サンフランシスコ響の弦楽セクションが腰の据わった、芯のある、いい音を響かせている。ドイツ風の重厚さではなく、やはりアメリカ的なのだろう、鋼(はがね)のような強さと筋肉質のしなやかさを併せ持った感じの音。いい音だと思うし、素晴らしい弦楽セクションと思う。
第1楽章では、この音を基調に、MTTは新鮮で瑞々しいベルリオーズを展開してゆく。リズムがよく弾み、旋律線がとても生き生きとしている。それが颯爽と流れてゆくさまは、実にカッコイイ。クールでかつシャープ。
恋に悩む青年のドロドロした感情の表現ではなく、恋と未来とを夢見る若者の(そして、彼は恐らくハンサムなのだ)、心意気、気持ちの昂揚を表現してゆく演奏だと思う。MTTのつくる音楽は、そういう音楽なのだろう。
聴いていて、実に新鮮、響きも鮮やかで色彩的、引きこまれてしまう。

第2楽章のワルツも好演。心に不安を抱えたまま踊っている感じで、明と暗の微妙な交錯をMTTは実に巧く描き出してゆく。
ハープの音は細身でシャープな美しさ、絶品と思う。金管群も、とても綺麗な音を響かせる。

第3楽章はコーラングレ。緊張感のある締まった響きが印象的。弦楽も同様で、芯のある音が実にイイ。
録音のせいか、響きがブヨブヨしない。引き締まった響きで、音が拡散しないのが良い。「野の風景」がどこまでも広がってしまっては困る。凝集力の強い演奏と云うべきかな。
やがて来るだろう破滅への不安、現実への焦燥といった雰囲気がよく出ている演奏思う。

第4楽章と終楽章では、ダイナミック・レンジが一気に拡大して、もの凄い音量になってゆく。フォルティシモの爆発がスゴイ。
(再生には要注意であります。第3楽章まで大音量で聴いていると、第4楽章以降、腰が抜けまっせ・・・・)
ティンパニの音が良い。グランカッサも強烈。部屋が震える。金管も満を持しての大音量。チューバと鐘は、不気味さをよく表出している。
サンフランシスコ響が、実は今まで力を抑えていて、ここに来て一気にそれを解放している感じ。
いやはや、巧い、スゴイ、デカイ。サンフランシスコ響の実力、端倪すべからざるものなり。

録音は万全であります。
細身の弦と金管の締まった響きが印象的で、ステージの奥まで見えてきそうな録音。
MTTの鮮烈なベルリオーズ再現を、瑞々しく捉えた好録音と思います。
ダイナミック・レンジ広大、第4楽章以降リスニングルームが激震。たまげました。
家人から、うるさいとの苦情。これ久しぶりでした。

<幻想交響曲の自己リンクです>
■ミュンシュ/パリ管
■デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■ハイティンク/ウィーン・フィル
■チョン・ミュンフン/パリ・バスティーユ管
■カラヤン/ベルリン・フィル(1964年盤)
■アバド/シカゴ響
■ブーレーズ/クリーヴランド管
■デュトワ/モントリオール響


2008/01/18のBlog
寒い日が続きます。四国伊予路は、2月上旬までこの寒さが例年続きます。
立春過ぎたころ、ちょうど建国記念日くらいから春がやってくるんですが、今は寒さを辛抱する時期です。

さて、今日は鮮烈な演奏を。

ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」(1919年版)。
チョン・ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管の演奏。
1992年9月、パリでの録音。DG盤。
(カップリングは、R・コルサコフの「シェエラザード」。名演!

熱っぽく生き生きとした響き。色彩豊かで鮮烈な音。そして何より瑞々しい音楽。
ストラヴィンスキーの天才もさることながら、それを見事に再創造してみせたチョン・ミュンフンこそ、素晴らしい指揮者と思う。
(なぜ、この人を、バスティーユ管は手放してしまったのだろう・・・・。DGでのこのコンビでの録音を聴くたびに、そう思う。あの素晴らしい「幻想交響曲」!

全編聴きどころと思うのだが、特に「王女たちのロンド」など究極の美しさ。言葉を失う。表現不能。胸の中に懐かしさがこみ上げてくるような音楽であって、不覚にも涙がこぼれた。「火の鳥」を聴いて、泣かせてくれたのは、チョン・ミュンフンしかいない。
コーラングレなど、惚れ惚れする美しさ。それに絡む弦楽のデリケートなこと。触ったら壊れてしまうほど、はかない美しさ。

「カスチェイ王の魔の踊り」の凶暴さもスゴイ。迫力十分で狂騒痴態、浅ましい姿さえ想像させる演奏。「切れば血が出る」なんていう表現は、こういう演奏にこそ相応しいんじゃないか。生々しく、聴いていてゾクゾクさせる、昂奮させる音楽になっている。

「子守歌」も洗練された表現。響きは繊細で、神経が身体の隅々まで行き届いている感じ。毛細血管まで気持ちが込められている演奏とでも云おうかな。
バスティーユ管の技術も大変高い。アンサンブルも見事。(フランスのオケなのに・・・)

そして、フランスのオケらしく、軽快で明晰な響きが印象的。おきゃんなパリ娘、フランスパンのはじける旨さ、といった感じ。見事なもんだと思う。

録音は抜群です。素晴らしい録音です。
15年も前になってしまいましたが、今も最新録音状態です。
鮮烈で爽快、大変心地よく聴けます。DG録音の最高レベルかなとも思います。

(この時期くらいから、録音技術は進歩していないんじゃないかな・・・・進歩したのはSACDなどの媒体だけで・・・)

先日、西条のブックオフで、このCD(TRINTATという丸善名曲シリーズのものらしいんですが、ジャケット違いで中身は一緒)を見つけました。
値付け250円。この名録音名演奏盤が250円かい?・・・
いやはや、何と申しましょうか・・・・・。

2008/01/17のBlog
お寒うございます。
部屋が寒いので、少し華やかな明るい曲を今日は聴きましょう。

モーツァルトのフルート四重奏曲(全曲)。
ジャン・ピエール・ランパル(fl)、アイザック・スターン(Vn)、サルヴァトーレ・アッカルド(Vla)、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)による演奏。
1986年3月、パリでの録音。CBSソニー盤。

何とも幸福な曲集。全部で4曲からなっていて、マンハイムで作曲したK.285としてくくられる3曲と、ウィーンでのK.298。このうち断然面白いのは3楽章で出来ているK.285ニ長調とK.298イ長調。ハ長調K.285bも変奏曲があって楽しめる。
K.285の3曲の受け渡しには金銭トラブルも絡んでいるらしいのだが、曲想は華やか、フルートの明るい音色が楽しめる名曲と思う。未来を開くような輝く音、春を呼ぶような燦めく音などが、次々にこぼれてくる。ああ、心地よい。

変奏曲などは、全くモーツァルトの天才としか云いようがない素晴らしさ。明るく屈託なく笑いつつ、時に哀しみの涙を見せる・・・・涙の中の微笑・笑顔の中の涙・・・・ああ、これぞ、モーツァルト!

さて、CD。演奏はもう大変華やかでスケールが大きい。
名手大家4人が揃って、時に豪快なまでの演奏を展開する。いずれも美音の持ち主で、4つの音が揃った時の響きは、言語に絶する美しさ。演奏している姿に後光が差しているんじゃないかと思えるほど圧倒的で、貫禄十分。

ヴィオラにアッカルドを配したことが大きいんじゃないか。美しく、強く、中音域を締めるので、ランパルのフルートとスターンのヴァイオリンが華やかに、そして大いに生きる感じ。

ランパルのフルートは伸びやかで、輝かしい。自在に演奏しつつ、時に飛翔するような勢いもある。巧いもんだなぁと感嘆しきり。
スターンのヴァイオリンも同様。明るく艶やかな響きに魅了される。そして実に流麗。
ロストロポーヴィチのチェロはガッシリと低域を支えつつ、雄弁。力強いだけでなく、よく歌う演奏。

録音は、オンマイク気味で、直接音が多く、ステレオ的な広がりがやや乏しい感じであります。
音そのものは鮮度が高く、4人の息づかいが聞こえてくるような臨場感も十分なんですが、観賞用にはもう少しホールトーンが欲しいところ。
音の余韻がもう少しあればなぁ・・・・というのは欲深ですか・・・。

さて、その音なんですが、どうも我が家のアンプは電源投入時では乾いた感じの音になります。アンプが暖まってくると、徐々にしっとりとした音に変わってきます。
今日は部屋が寒かったせいか、初めのうちは、どうしたんだ?と思うような音でした。
LuxmanのL509Sです。いいアンプだと思うんですが、スイッチを入れるとすぐにダッシュが効くタイプではないようです・・・・。
オーディオというのは難しいもんです。

2008/01/16のBlog
四国伊予路も、冷え込みが厳しくなりました。寒であります。
皆様、寒中お見舞い申し上げます。

さて、今日は大曲です。

マーラーの交響曲第6番 イ短調「悲劇的」。
エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団の演奏。
1986年4月、フランクフルトのアルテオパーでの録音。DENON盤(ヘッセン放送との共同制作)。

インバルのマーラー全集から20年経過した。
当時はマーラー・ブーム絶頂だった(ついでにバブル経済も絶頂だった)。
インバルのマーラーは、実に見通しの良い演奏で一世を風靡したものだった。演奏が素晴らしいのでレコード評論家は絶賛、DENONの録音も最高であってオーディオ評論家からも絶賛だった。
今聴いても、ホンマに録音は素晴らしい。超優秀録音だった。B&K社のマイクを使用するなどDENONが意欲的に海外録音に取り組んでいた頃でもあった。
ホールトーンも十分で残響が美しく、定位はビシッと決まっている。個々の楽器も実在感十分で、しかも鮮やかな音で捉えられている。家庭で聴くのに十分すぎるくらいの贅沢な録音と云うべきか。
第4楽章のハンマーも強烈。部屋が震える。ハンマーの音が大音量で収録されているから再生には気をつけろ、とジャケットにご丁寧にも注意書きが記されているほど。

オーディオ的快感が一杯のこの演奏も、今や廉価盤、クレスト1000シリーズで1,500円。エエ時代になったものです。
(ブリリアントの激安全集BOXだともっと割安になりそうです)

さて、演奏。

第1楽章は立派な構成で感嘆。フランクフルト放送響が巧い。特に金管が安定していて、音色も良い。金管群のアンサンブルも完璧、実に達者な演奏。
弦楽セクションにもう少し色気・艶があればいいのになぁと思うのだが、独特の細身の音は、インバルがつくり出すシャープなマーラーに、よく合っているとも思う。この弦の音が、インバルの基本なのかな。

第2楽章は充実した演奏。独特の粘りもある。
インバルはユダヤ人。バーンスタインなどに通ずる「粘り」がこの楽章では聴ける。
ベトベト感はないのだが、フレーズのそこかしこ、特に遅い部分での粘り・タップリ感は、インバルの特徴と思う。僕は好きだなぁ、この粘りの質は。淡泊なようでいて、実は十分に粘着するマーラーと云えるかも。

第3楽章はアンダンテ。この順番がインバルの録音当時は普通だったと思う。今は第2楽章にアンダンテを持ってくるやりかたが増えたようだが、聴き慣れているせいか、僕には第3楽章がアンダンテである方がしっくり来る。
演奏は実にクール。瑞々しく濡れたような抒情が、静かに響き渡る。粘りも少し。
ホルンがイイ。これ最高に巧い。甘い音が良く、響きもウットリするほど美しい。それを包み込む細身の弦楽セクションがまたよろしい。ヴァイオリンなど涙が出る。

フィナーレはフランクフルト放送響の実力発揮。
インバルの指揮も堂に入ったもので、聴かせ上手。30分にわたる長大な楽章を全く飽きさせずに持ってゆく。

ハンマーは確かに強烈。
再生には、ホンマにご注意ください。


<マーラーの交響曲第6番「悲劇的」 自己リンクです>
■小澤征爾/ボストン響
■マゼール/ウィーン・フィル
■アバド/シカゴ響
■ブーレーズ/ウィーン・フィル
■ヤンソンス/ロンドン響
■テンシュテット/ロンドン・フィル(EMIライヴ盤)
2008/01/15のBlog
三連休最終日は、成人の日でありました。
それにちなんで、若い人の演奏を。

ショパンのピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11。
クリスティアン・ツィマーマンのピアノ独奏、カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロサンゼルス・フィルの演奏。
1978年11月、ロスのミュージックセンターでのライヴ録音。カップリングは第2番の協奏曲。DG盤。

ショパンが若くして書いたこの曲は、時に、若いピアニストで聴きたくなる・・・・。

ツィマーマンは録音時23歳。1975年のショパン・コンクールに優勝してからまだ3年。若く、まだ蒼い音がピアノから響いてくる。そして清冽な抒情。夢見るような青年のロマンも・・・・。
ああ、爽やかな風がリスニングルームを吹き抜けてゆく。

ツィマーマンのピアノはホンマに美しい。クリスタルグラスに光が当たって、ヒンヤリとした輝きがこぼれてくる感じ。
硬質で透明な音。色でいえば、蒼みがかった感じ。タッチもとても美しい。

時に思い切りダイナミックに弾くところもある。危なっかしいくらいの一途さ。
その若々しさが、イイ。
第1楽章など、キッチリ弾こうとしながら、徐々に勢いが出てきて、その勢いのままつんのめりそうなところもある。そこが、イイ。

ジュリーニとロス・フィルは、この青年ピアニストを包むような暖かさ。
ジュリーニはロスの音楽監督に就任まもなくの頃だが、オケとよく呼吸があって、素晴らしい管弦楽を創ってゆく。ショパンのオーケストレーションは拙いとはよく言うが、どうしてどうして、このCDでの響きはとても豊かで爽やか、ピアノを優しく包んでゆく。
特に第2楽章冒頭の、静謐な演奏は、情感たっぷりで非常に美しい。

録音も良く、ライヴのハンディを感じさせない。
逆に、楽譜をめくる音や観衆の動きなども感じられて、臨場感いっぱいの気持ちよさ。
聴いていて、その実演に立ち会ったような感動を受ける。

エエ録音と思います。
ああ、やはり若いってエエなぁと思います。その勢いや、良し。
2008/01/14のBlog
当地、四国・伊予西条では成人式が行われました。
若者の明るく溌剌とした姿は、いつ見ても気持ちいいもんです。今年は少し人数が減った感じがするのは少子化の影響でしょう。都会との格差が拡大する地方、田舎の町を支える大人になって欲しいもんです。

晩はN響アワー。ライナー・キュッヒルがプフィッツナーのヴァイオリン協奏曲を弾いておりました。初めて聴く曲、難しそうでしたなぁ・・・・でも、さすがキュッヒル、軽やかに弾きこなしておりました。

そやそや、今日はキュッヒルを聴こう!

そこで取り出したのは。
R・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。
ゲオルグ・ショルティ指揮ウィーン・フィルの演奏。
ヴァイオリン独奏はライナー・キュッヒル。
1977年3月・1978年3月、ウィーンのソフィエンザールでの録音。DECCA輸入盤のLP。

R・シュトラウスの「英雄の生涯」は親しみやすいオーケストラ曲。
標題付きで音楽の進行が分かりやすいし、R・シュトラウスの手練手管によって見事に音のドラマになっているし、何より、オーケストラが実によく鳴る。
オーディオ的な快感もある。
金管、木管、そして弦楽セクション、それぞれの持ち味が存分に発揮されてゆく。
僕はド素人で勝手に想像するのだが、オーケストラ・プレーヤーは、この曲を弾いて(吹いて)いて、とても楽しいんじゃないかなかろうか。

クラシック音楽を聴き始めた頃から、だからこの曲は分かりやすく、今大好きな曲であります。

さて演奏。

ショルティらしいインテンポ。性急な感じもあるのだが、ウィーン・フィルの柔らかく鮮やかな響きが、それを包み込むような暖かさ。ショルティの鋭角的な踏み込みをやさしく包んで、角が少し丸みを帯びた感じの演奏になっている。
シカゴ響だったら、ショルティの(軍曹のような)命令を忠実に守って、もっとシャープな演奏になっていたかもしれないな・・・。ウィーン・フィルの演奏は、エッジを立てないのがイイ。

そして、ヴァイオリン独奏はライナー・キュッヒル。とても優美で、かつ軽快。そして巧い。音色も素晴らしい。快感。
個性を声高に主張するような演奏ではなく、オーケストラに同化する、その中に溶け込んでゆく感じの弾き方なのだが、その艶といい、品の良さといい、実に味わい深い演奏と思う。ショルティの肩肘張った指揮に丸みを持たせているのは、この人の功績かもしれないなとも、思った。

それにしても、ウィーン・フィルの響きは美しい。DECCAの録音もさすが。スタッフがオケと録音会場を熟知している強みか、全く手堅い音づくり。
音場広大で奥行き深く、倍音の美しは格別。LPならではの柔らかさ、暖かさ、トロッとした甘さ、そしてしっとり感が広がってゆく。
ウィーン・フィルが、家庭でこの音で鳴ってくれているなら、この上、もう何を望むことがあろうか・・・・とさえ思えてくる。

エエ録音であります。

<「英雄の生涯」は大好きな曲であります>
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■オーマンディ/フィラデルフィア管
■アシュケナージ/クリーヴランド管
■カラヤン/ベルリン・フィル(DG1985年録音)
2008/01/13のBlog
日曜日であります。今日は昔話をひとつ。

ブラームスの大学祝典序曲。
レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1982年9月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。DG盤。

大学祝典序曲といえば、「大学受験ラジオ講座」なのであります。あの、旺文社の・・・。

文化放送JOQR、1134kHz。夜の11時半から1時間2講座。この番組を聴くのが30年前の大学受験生たる者の、たしなみであった(かどうかは分からない・・・・(^^ゞ)。
夜11時からは「百万人の英語」。J・B・ハリス先生の番組。こちらのテーマ曲はハイドンの「時計」。よく聴いたもんです。なかなか、ものにはならなかったんですが。

大学受験ラジオ講座、通称「ラ講」。これが終わると深夜放送の時間帯。文化放送は「セイ!ヤング」、TBSは「パック・イン・ミュージック」、ニッポン放送は「オールナイト・ニッポン」。1960年代後半からの全盛期に比べると、僕が聴いていた頃はブームが下り坂になっていく頃だったろうか。それでも、人気パーソナリティの時は聴取率が高く、話題になっていたと思う。

谷村新司とバンバンの「天才秀才バカ」シリーズは本にもなって人気があったし、レモンちゃん落合恵子は現役だったし、野沢那智・白石冬美の「ナッチャコ・パック」は、「ナッちゃん、チャコちゃん、こんばんは」で始まる「お題拝借」シリーズで大人気だった。今をときめく、みのもんたは「みのみのもんた、みのもんたっぱ」という文化放送の局アナ(当時はDJと云っていた)であったし、ライブドアの株買い占めで出てきたニッポン放送の亀淵社長など、「カメカメ・ポップス」の局アナDJだった・・・(というより。亀さんが社長になっているので大変驚いた)

時は流れました。
そして「大学祝典序曲」を聴くたびに、時は遡ります。
ああ、1月の今頃は、最後の追い込み、必死になって勉強していたなぁ。
あんなに勉強したのは、大学の卒論を書いたときと、この大学受験の時だったんじゃないかなぁ・・・・。僕らの頃は「四当五落」なんて言葉がありまして、睡眠時間4時間で頑張ったヤツが合格し、5時間寝るヤツは落ちるぞ・・・・などと云われた時代でもありました(尤も、それは結局、大嘘であったわけですが・・・・・(^^ゞ)

さて、演奏であります。

バーンスタイの熱気溢れるこの演奏には、ブラームス特有のしんねり・むっつりからは遠く、青春の意気軒昂の様子が聴かれる。

ウィーン・フィルの響きもとても美しい。
時に弦楽がざらつくのは、ライヴ録音によるものなのか、バーンスタインがアンサンブルの整頓には無頓着なのか、よく分からないのだが、音楽の表面だけを磨くような感じの美しさではなく、内部からわき上がってくる美しさという感じ。
木管は巧いし、渋い。「古典」の枠内にきっちり収めた曲を書いたブラームスに、実にふさわしい。
ラストの盛り上がりはさすがにバーンスタイン。聴いていて元気が出てきます。

録音状態良好です。
今聴いても、とても柔らかくふんわりとした音です。
ブラームス独特の曇り空のような響きもよく出ています。残響も美しく、いわゆるヨーロッパ・トーン的な味わいでありました。
2008/01/12のBlog
今日から三連休ですが、仕事の急用が入ってくるかもしれません。
四国は氷雨です。

さて、今日は大好きな曲を。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58。
クリスティアン・ツィマーマンのピアノ独奏、レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1989年9月、ウィーンのムジークフェラインザールでのライヴ録音。DG盤。

第1楽章序奏部はバーンスタインのゆったりしたテンポが印象的。ものものしい感じもある。バーンスタイン晩年の特徴がよく出ている遅さ。ただ、安定感は抜群。堂々として恰幅が良い。
主部に入ると、ライヴ録音のためか、演奏に勢いが出てきて、オーケストラは覇気に富む。エネルギッシュなバーンスタインの指揮が、オケに乗り移ってゆく感じ。
こういう伴奏を聴いていると、バーンスタインには晩年の老いなどなかったのだなぁ、としみじみ思う。(晩年の「遅さ」はあったが、あれは「老い」ではないだろう・・・・)この人はいつだって青年だったのだ。青春だったのだ。一生青春、一生感動・・・・そんな指揮者だったんだなぁ。
特に第3楽章の若々しさが素晴らしい。どんどん調子が上がって、やがて音楽が前のめりになってゆく。そこが面白い。感興の盛り上がりも十分、即興的な危なっかしさがオケにつきまとう。それがバーンスタインなんやなぁ。

あら、ピアノ協奏曲なのに伴奏のことばかり書いてしまった・・・・(^^ゞ。
ツィマーマンのピアノは、鋭敏でしなやか。特に高音が綺麗。跳ねるようなピアノで、キラキラした光がこぼれてくる。
第1楽章の正調で正統的なピアノもイイが、断然面白いのはフィナーレ第3楽章。バーンスタイン指揮の伴奏も面白かったが、指揮と独奏が互いに触発し合い、心弾む若々しさが実にイイ。勢いもあるし、なにしろ胸を張るような覇気が音楽全体にみなぎっている。
ああ、これこそベートーヴェン。
そして、この演奏は、次作「皇帝」につながる解釈なのだろう。スピード感も十分で、迫力満点の演奏になった。

録音は標準的であります。
ツィマーマンのピアノの、明るく輝くような高音がよく録れていると思います。
ウィーン・フィルの弦楽セクションが時にざらつくのが珍しいです。これ、ライヴ録音のせいなのか、バーンスタインがアンサンブルの整頓にあまり意を介さなかったのか(その分勢いは素晴らしい)、よく分からないんですが。
あるいは、この時期のDG録音の特徴でしょうかね。


<大好きな曲なので、沢山エントリーしてきました>
■ラドゥ・ルプー(Pf) メータ/イスラエル・フィル
■ルービンシュタイン(Pf) ラインスドルフ/ボストン響
■ペライア(Pf) ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■アラウ(Pf) C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
■グルダ(Pf) シュタイン/ウィーン・フィル
■ポリーニ(Pf) ベーム/ウィーン・フィル
■アシュケナージ(Pf) メータ/ウィーン・フィル
2008/01/11のBlog
今年はカラヤンの生誕100年だそうです。
沢山の記念盤が出てくるんでしょう。

さて、今日のCDは、カラヤンの夥しい録音の中でも、とてもカラヤンらしいものです。


「カラヤン・オペラ間奏曲&バレエ音楽名曲集」。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1967年9月、1971年1~9月、ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DG盤。

LPでの発売以来、曲目やメディアを変えつつ、今も売られ続けている名盤。
カラヤン/BPOの磨きに磨き上げたサウンドで、オペラやバレエの美しいところがコッテリと描き出される。もう、麻薬・媚薬のように美しい演奏。一度聴いたら、コロッとやられてしまう・・・・。
夥しいカラヤンのレコードの中でも屈指の名盤と思われる。こんなに甘く切なくやるせなく、そして美しいレコードは、なかなかないんじゃないか。

まずは、ヴェルディの「椿姫」第3幕前奏曲。
この弦楽のピアニシモ!静かさギリギリのところで、美しさの限りを発揮するベルリン・フィルの弦楽セクションこそ恐るべし。、

続いて、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲。
ねっとりと身体にからみつくような音楽。情感たっぷり、センチメンタリズム一杯、これでもかというくらいに美しい旋律が横溢する。綺麗なこと、この上なし。

3曲目はプッチーニの「修道女アンジェリカ」間奏曲。
6曲目の、「マノン・レスコー」の第3幕間奏曲もそうだが、この甘く切ないメロディはプッチーニ独特のものだが、全くカラヤン/BPOの独壇場。カラヤンはさらに甘味料を加えて、いやはや臆面もなく、砂糖菓子のように甘く歌い上げる。ハープの響きの洗練、弦楽の甘やかな響きは、切なささえかき立てる・・・。いや全くスゴイ。

マスネの「タイスの瞑想曲」は、これも絶品。このCDの白眉かな。
世界一のコンサート・マスターと謳われたミシェル・シュヴァルベのソロ・ヴァイオリン。美麗にして艶やか、カラヤンの意図を汲んで、仕上げも大層綺麗。磨き上げたヴァイオリンであるとともに、妖艶なまでの美しさ。残響成分も多いので、夢見るような味わいもある。これもスゴイ。

さらに・・・・・
ジョルダーノの「フェドーラ」第3幕間奏曲
チレアの「アドリアーナ・ルクヴルール」第3幕間奏曲
ヴォルフ=フェラーリ「聖母の宝石」第3幕間奏曲
マスカーニ「友人フリッツ」間奏曲

と続きます。胸がいっぱいになります。
胸焼けするかもしれません。胃薬が要るかも?
口直しに辛いものが欲しくなるかもしれません。

録音は今も上々。
イエス・キリスト教会の残響が心地よく、甘い夢を見るがごとく、美しい旋律が続きます。


(EMIの激安ボックス2つ、注文してしまいました。しばらくは手元不如意であります・・・・・(^^ゞ・・・・)

2008/01/10のBlog
「のだめカンタービレ」の再放送とパリ篇、三男坊が録画してあったようで、一緒に観ておりました。
なるほど、やはり何度観ても、音楽がうまいこと使われてますなぁ。感心しました。
Sオケなど実に若々しいし、可笑しいくらいにカッコイイもんです。
マングースのピアニカも良かったですね。大笑いでした。

そこで今日はガーシュウィンをいきましょう。

ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」。
アンドレ・プレヴィンの指揮とピアノ独奏、ロンドン響の演奏。
1971年6月、ロンドンのアビーロード・スタジオでの収録。EMI盤。

プレヴィンのピアノはジャズっぽい魅力を発散させつつも、綿密に、計算され尽くした美しさで聴き手に迫ってくる。ピアノの音は、柔らかく暖かく端正な感じで、雰囲気豊かに響いてゆく。そして、時にハッとするような瑞々しい音が立ちのぼる。また、しなやかで流麗な音楽を産みだしたりもする。
タッチも繊細だし、微妙はニュアンスの変化は味わい深い。才人プレヴィンの面目躍如といったところだろう。

オーケストラは野性的で荒々しいところがあるのだが、ピアノは美しく品を保つ。この辺りが、プレヴィンの美質なんだろうと思う。センスが良く、行儀も良い、ということか。
ロンドン響は好演。個々のプレーヤーはとても巧いし、ロンドンのオケながらワイルドなアメリカンな魅力タップリ。アンサンブルは少し怪しいところがあるのだが、その怪しさ・微妙さが、かえってガーシュウィンの魅力を伝えているような気がする。音楽的には発展途上であったアメリカの、ジャズと融合した(その点では土俗的・民衆的なものだった)音楽の、それまでの伝統的なクラシック音楽にはないある意味怪しい部分・・・・その魅力をよく伝えていると思う。

ガーシュウィンがCMやドラマの音楽に当たり前のように用いられている現代、この演奏は、ガーシュウィンがもう十分に古典になっているんだなと思わされる1枚でもあった。最初からラストまで一気に聴かせる名演なのだが、特に、ラストはカッコイイ。
ピアノのソロが、やがてオーケストラと一体となってゆくところは圧巻。大きな盛り上がりは感動的。オケも熱演。

録音状態、良好です。
1970年代のものとしては標準的というべきかな。
上々の聴き心地なんですが、ヴァイオリンと打楽器は少し荒れている感じもします。これは経年によるものですかね。
2008/01/09のBlog
Doblog、今朝は不調です。大変に重いです。更新不如意でありました。

さて、「のだめカンタービレ」では、楽しく音楽を聴きました。
今日もその課題曲を。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35。
ヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリン独奏、フリッツ・ライナー指揮シカゴ響の演奏。1957年4月、シカゴのオーケストラホールでの録音。RCA盤。
カップリングはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。いわゆる「メン・チャイ」であります。

ハイフェッツの圧倒的な技巧を堪能できる世紀の名盤(・・・とは大げさか?)。
一音一音が光り輝くヴァイオリン。ギリシャ彫刻のように均整の取れた名演。形式と内容を高度に止揚させた演奏。この曲はホンマモンの名曲なんや、と実感させてくれる演奏。
その分、ロシア臭というか土臭いというか、そういうものからは遠く、グローバルな演奏という感じ。格好つけた言い方だが、普遍的な演奏になるんだろうなぁ。

ああ、それにしても凄いヴァイオリン。目がくらむようなテクニック。冴え渡るヴァイオリンの音。高速であればあるほど調子が出てくる感じのヴァイオリン。ハイフェッツ恐るべし。
遅いところでは情感豊か。その情感は、透明な抒情。透きとおった哀しみが流れてゆく。ドロドロした感情ではなく、高貴な、澄み切った抒情。その中に、幾多の想いが込められている感じ。
そして、何より美音。音が綺麗。高音の伸びなどゾクゾクするほど美しい。その伸びたヴァイオリンの音は、最後まで同じ太さで、まっすぐに伸びてゆく強靱なもの。先細りしたり、腰の弱い伸びだったりしないのだ。

伴奏も立派。ヴァイオリンの「付け合わせ」ではない、本物の大管弦楽。ダイナミックに、そしてシンフォニック、さすがにライナー/シカゴ響と思う。豊かにヴァイオリンを包み込んでゆく。
いや、包み込もうとしても、ハイフェッツはそこから飛翔する。自由に飛び廻る。スゴイ。これぞ協奏曲の醍醐味じゃないか。

特に第1楽章の自在さは、見事としか云いようがない。目がくらむような輝かしさ。(耳がくらむ、か?)。神々しいばかり。
第2楽章ではハイフェッツにそっと寄り添うシカゴ響の伴奏がイイ。蜜月、恋人のささやきのよう。
そして終楽章は胸のすく快演。ハイフェッツのヴァイオリンは爽快そのもの。切れ味鋭い日本刀。バッサバッサと斬って捨て、どうだと云わんばかりの大見得。しかも汗一つかいていないんじゃないか・・・?。真の名優とは、そんなもんなんだろう。

素晴らしい録音です。
50年も昔の録音とは思えない鮮明さです。
当時のRCAの録音技術の高さを物語る1枚と云えるんじゃないかと思います。


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