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クラシック音楽のひとりごと
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2008/03/21のBlog
今日もバッハを聴いてます。

J・S・バッハのカンタータ第202番「消えよ、悲しみの影」<結婚カンタータ>
ソプラノ独唱はエリー・アメリンク。演奏はコレギウム・アウレウム合奏団。
ヘルムート・フッケ(Ob)、ウルリヒ・グレーリンク(Vn)らの独奏。
1968年ころ、キルハイム、フッガー城糸杉の間での録音。
テイチク発売の国内盤2枚組、バッハの世俗カンタータ集のCDに所収。解説書の録音データは不親切なもので、1960年代だとは思うが、見当がつかない。

バッハの世俗カンタータは、舞曲など聴きやすく分かりやすい曲も沢山含まれているので、バッハの管弦楽組曲を聴いているような感じ、明朗で楽しい音楽と思う。

この頃は通勤の車の中で、ずっとこのコレギウム・アウレウムによる、カンタータ集を聴いていた。聴けば聴くほど味わいのある演奏と思う。
音も柔らかく、古楽器のほのぼのとした素朴な響きが美しい。ヴァイオリンなどは、質朴なのだが実にふっくらとしていて心地よい。

これ、バッハのケーテン時代の作品になるのかな。
春の訪れを感じさせるような、冒頭のオーボエの旋律、ソプラノのアリアが大変美しい。寒い冬が終わって、暖かい光が差し込んでくるような、悦びを感じさせる音楽。

何より、オランダの名花、エリー・アメリンクの歌唱が素晴らしい。
清らかで軽やか、発音が美しいのだろう、声が大変澄んでいる。透明感というか、清涼な聴感というか、とにかく聴いていて、スッキリしてくるような美声。
さすが、リートを歌わせたら第一人者というだけのことはある。
このほのぼのと明るいカンタータには、全くふさわしい歌手と思う。

独奏も良い。
フッケのオーボエは、巧いだけでなく上品な響きを作り出す。
グレーリンクのヴァイオリンは、音響効果もあってよく伸びて美しい。

そう、何しろ録音が抜群に良いんです。
さすが「糸杉の間」。残響豊かでふっくらとした録音に仕上がっていて、音がとても柔らかい。いつまでも聴いていたい音と言うべきでしょうか。
とても40年も前のものとは思えない、素晴らしい音で鳴ります。


伊予路は雨模様の彼岸でありました。
三男坊が一昨日に福島に出発、今日はアンサンブル・コンテスト全国大会の予選だそうです。
さて、決勝(っていうんですかね?)に残れればエエんでしょうが、まあ行けただけで十分のような気もしますな。
2008/03/20のBlog
J・S・バッハ;2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043。
ヘンリク・シェリング(第1Vnと指揮)、ペーター・リバール(第2Vn)、コレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥールの演奏。
1965年5月、スイスのヴィンタートゥールでの録音。フィリップス盤。
CDは1988年4月発売の国内盤2枚組で、25CD3202/03というレコード番号。5,000円もする、しかし当時としては廉価盤だった。
シェリングが69歳で急逝したのが1988年3月2日、このCDははからずもシェリングの追悼盤となったもので、僕は安月給の中から工面して購入した覚えがある。

僕はシェリングが好きだった。ベートーヴェンやブラームス、チャイコフスキーにメンデルスゾーン・・・・いわゆる四大ヴァイオリン協奏曲は、シェリングに教わったようなもので、バックを務めるハイティンク/ACOとともに、今も愛聴してやまない。(アムステルダム・コンセルトヘボウ管の音が好きなのは、シェリングのレコードの影響かもしれない)。

シェリングそれらの協奏曲をはじめ、何度も録音していた。僕が好きなハイティンクとの録音は3回目であったし、今日聴いているコレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥールを弾き振りしたものは、バッハの協奏曲2回目の録音だった。3回目となるマリナー/アカデミー室内管との演奏も実に良かった。

この2つのヴァイオリンのための協奏曲も、素晴らしい演奏と思う。
心ゆくまで誠実に歌うヴァイオリン。シェリングの演奏には誠実さと気品が漂う。
真摯な気持ちで、バッハへの熱い思いを語ってゆく演奏。

響きは太めでコクがあって、フレージングは心安らぐもの。甘い旋律が美しく響き、清らかなボウイングがこれをさらに輝かせる。

第2楽章などもう絶品の美しさ。このラルゴ・マ・ノン・タントは、バッハが書いた最も美しい旋律のひとつだろうと僕は思うのだが、聴いていて、心が洗われ、少しずつ浄化されてゆくような美しさがある。僕は好きだなぁ。

第1楽章冒頭の緊迫した感じもイイ。切迫した、何か追い詰められてゆくような(或いは遁走してゆくような)ギリギリの迫力が、美しさを際だたせる。
終楽章の響きは、もう美しさの極み、と言ったら褒めすぎかな。

第2ヴァイオリンのペーター・リバールも、やや細身の音ながら、好演と思う。シェリングのヴァイオリンが圧倒的に素晴らしいのだが、リバールもなかなかの名手と思う。

録音はさすがに古ぼけてきました。
しかし、定位は見事で、シェリングとリバールがすくっと立って、端正な姿勢で演奏します。
背筋が伸びている感じが伝わる臨場感は、とてもエエです。

なお、カップリングのベートーヴェン(イッセルシュテット/LSO)も、ブラームス(ドラティ/LSO)も素晴らしい演奏。
僕はハイティンクとの再録音を好むんですが、こちら2つもベテラン指揮者の貫禄の伴奏と云うべきか、オーケストラが素晴らしく聴きごたえがあります。


伊予路は春雨です。そぼ降る雨の中、今日は墓参り。
彼岸の中日に逝った亡父の墓参であります。
少しずつ、暖かくなっていく日々であります。
2008/03/19のBlog
ようやく激務が終わりました。仕事の大山を越えました。
あと一つ二つ山がありますが、まあ平常業務に近いもの、何とかなるでしょ。
出張に休日勤務、毎年のこととはいえ、三月は疲れます。部下の若い士が、期待以上に頑張ってくれました。次年度からの成長がさらに楽しみです。

さて、今日はピアノ曲を聴いてます。

ベートーヴェンのピアノソナタ第14番 嬰ハ短調「月光」。
ウラディーミル・アシュケナージのピアノ独奏、
1977年の録音。DECCA原盤。

アシュケナージのピアノで聴くベートーヴェンは、その音がクリスタル・グラスのような硬質な輝き、響きは透明感があふれているのが、イイ。混濁せず、とてもスッキリと見通しがよく、そしてやや蒼みがかった、ヒンヤリとした感触が心地よい。
ああ、エエ音やなぁと思う。

第1楽章のアダージョ・ソステヌート。淡いロマンを漂わせながら、格調高くアシュケナージは弾く。テンポも良い。叙情的な演奏と云うべきか。この静謐感は、アシュケナージが得意とするところだろう。

第2楽章は高音だけでなく低音も澄んだクリアな響きで魅了する。重々しくならないのが良い。この、軽快でありながら、ためらいを少し含んだようなトリオを見事に再現する。安心して身を任せられる。

終楽章プレストはアシュケナージの安定した技巧を楽しむところ。
巧いなぁ。全部の音が小気味よく鳴っている感じ。低音などドンドン・ダンダンという鈍重さではなく、ジンジン・カツンカツンといった軽快なもの。指が高速回転しているんだろうなぁ・・・・。

録音は今も素晴らしいです。さすがDECCA。
アシュケナージの美音を鮮やかに捉えていると思います。
とても30年前の録音とは思えない極上さでありました。


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ここからは与太話ですので、格調高い人はお読みにならないように。

さて、今日はなぜ「月光」を聴く気になったというとですねえ・・・・。
大仕事が済んで、僕はふらっとパチンコに行ったのです。夜8時から。そして・・・・・。
CR新世紀エヴァンゲリオン「使徒、ふたたび」で大勝利を収めたのであります。
まず、投資1Kで5分ミッション・モード完遂。
これがシャムシェル粉砕のラウンド昇格いたしまして、以後5連チャン。
さらに確変終了後の時短中に綾波レイ覚醒モードに突入、これがまさかの9連チャン。
その後も順調に確変を引き戻して、都合20箱の大勝利。いやぁ、気持ちのエエこと。
カラヤンのコンプリートBOXも、カラスのコンプリートも、ついでにHMVのショッピングカートも、最近新しくしたノートパソコンも、全部賄えちゃいました。
この数ヶ月まじめに仕事していた成果かなぁ・・・。エガッタ、エガッタ。

その「綾波レイ覚醒モード」突入の音楽が、「月光」の第3楽章だったのであります。
レイちゃん、アリガトサン。
また、頼むね。明日からまたまじめに仕事するからね。
2008/03/18のBlog
穏やかな春の日でありました。

出勤前に聴いた音楽はハイドン。先日、テイトのモーツァルトを聴いておりましたら、テイトの演奏ではハイドンもエエぞとのコメントを頂きまして、ありゃ、家にもあったなぁと取り出したんです。すると、これが未開封。アカンなぁ、買ったまま放り出してあったんですなあ。(ヤマちゃんさん、有り難うございました)
イカン、イカン。まじめに音楽を聴かにゃ・・・。

ハイドンの交響曲第100番 ト長調「軍隊」。
ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管の演奏。
1986年5月、ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音。EMIの廉価盤CD。

第1楽章はアダージョ~アレグロ。
静謐でゆったりとしたアダージョの序奏部が終わると、リズムがよく弾むアレグロへ。いかにもハイドンらしい愉悦の表情がたまらない。大人の微笑み、たしなみを感じさせる笑顔。英国紳士の上品さを漂わせるアレグロと云うべきか。
オケの響きがスッキリとして爽快、フレッシュな感じ。澄んだ空気感が実に心地よい。テンポも速過ぎず、遅すぎず、気持ちの良いものだ。ああ、ハイドンはエエなぁ。一日の始まり、爽やかな朝にふさわしい音楽と、つくづく思う。

第2楽章はアレグレット。
この楽章もテンポが中庸でイイ。心が豊かに広がってゆく、くつろげるテンポ。
テイトの採るテンポは、モーツァルトの交響曲でも感じたことだが、実にイイ。心地よい。無理がなく、とても自然な感じで、素直な気持ちで聴ける。
例の「軍隊」と呼ばれる所以の部分も、妙に派手にならず、品の良い演奏に仕上げている、小編成のオケの音がイイ。特に管楽器は明るく可愛らしく、時にひなびた感じもあってニュアンス多彩。こういうハイドンを聴くのは楽しい。

第3楽章はメヌエットで、とても明るい響きが印象的。
前の2つの楽章とちょっと音が変わった感じがするのだが、録音のせいかな?(テイクの日が違うのかもしれない)。少し軽めの響きになっている。

フィナーレは心弾むプレスト。あまり速くならないのがイイ。しっかりとした足取りで進んでゆく。ティンパニの音が、奥の方で気持ちよく鳴っている。

録音状態良好であります。
室内オーケストラらしい、スッキリとした響きが心地よく捉えられていると思います。
欲を言えば、もう少し奥行きがほしいかな。いつものEMIのコンサート・プレゼンスを意識した音作りとは、やや違う感があります。
アビーロード・スタジオでの録音、悪くないです。尤も、そう感じるのは、僕が1980年代デジタル以降のEMI録音に、あまり期待していないせいかもしれませんが・・・・、
2008/03/17のBlog
田舎住まいとはいえ、便利な世の中になったもんです。
たとえばHMVのインターネット・サイトでクリック一発、まとめ買いで送料無料とくれば、居ながらにして実に簡単にCDが買えてしまう時代になりました。今までは東京に行った折に、買い出しの気分で大量に持って帰ったもんです。今や、その往復の交通費分まで買えてしまうんですから、有り難いですなあ。

(あ、僕はHMVの回し者ではありません・・・・・・・。ここDoblogは近頃はやりのアフィリエイトなんぞは無縁のところ、だいたい、こんな拙いブログをご覧頂くだけで有り難いのに、そのひとさまをアフィリエイトに、あまっさえ・・・・・・・なんて、ワタクシは、そんなことようしませんです)

いや、しかし注文は簡単なので、ついつい余計なものまでクリックしてしまい、まんまとHMVの罠にはまっているわけですな(^^ゞ。しかも、巧妙なことに、隔週末になると、HMVから誘惑のメールが来るんです。「こんなん安いのが出まっせ・・・・」って。こりゃ、たまらん。
今もワタクシのショッピングカートには、独ハルモニア・ムンディの50枚組とか、ロストロポーヴィチのチャイコフスキー交響曲全集(これは廃盤久しかったもの。廉価盤化は実に嬉しい)が入っております。

で、未聴CDがどんどん増えていくんです。アカンなぁ・・・・聴かなアカン。ブログ書いてる暇があったら、聴かなアカン・・・。


今日はそんな思いで、シューベルトの室内楽を聴いてます。

シューベルトの弦楽四重奏曲第13番 イ短調 D.804「ロザムンデ」。
シネ・ノミネ弦楽四重奏団の演奏。
1989年、スイスのサル・ドゥ・シャトネルでの録音。レーベルはCascavelle。(何て読むんですかね?)
全集は1980年代末から1990年代前半にかけてのもので、比較的新しい録音。HMVでは2,500円程度の激安価格。
そして演奏も素晴らしい。

精度が高く、しかもロマンの香りが一杯匂ってくる名演奏。
第2楽章の、あの有名な旋律も響きが純粋で気持ちがいい。ヴァイオリンの高音がよく伸びて、録音状態も上々と思われる。
何よりアンサンブルがよろしい。

後半に2つの楽章はさらに好調で、ハンガリー風の楽想が生き生きと、また陰影を含んで奏される。そのアンサンブルはいかにもデリケート、精密な工芸品のような感じで、少し堅さもあるのだが、(その点ではウィーン風ではないようだ)、触ると壊れてしまいそうなシューベルトの純な楽想を見事に描き出していると思う。
そして、シューベルト独特の、ゾッとするような瞬間(何か深いもの、恐るべきもの、深いところからジッとこちらを見つめているような恐ろしい感じ)が、この演奏にはある。

これ、5枚組です。
精を出して、聴いていかにゃ・・・・・・。
こんな立派なCDを出してくれている演奏家・レコード会社に申し訳ないですから・・・・・(^^ゞ
2008/03/16のBlog
ポカポカ、春の陽気。エエ土曜日でした。
窓外でウグイスが鳴きます。田舎はエエでしょ?庭の木立にウグイスがやってくるんですから。ところが、このウグイス、まだまだ鳴き方が下手なんです。春先のウグイスは「ホー ケッキョ」と詰まるような鳴き方をします。巧くなると(つまり、春たけなわになると)、「ホ~~~~~ ホケキョッ」とよく伸びた声になるんです。そして最後にキュッとお尻が上がるんですな。この上がり方が、エエんです。
今日のウグイスなどを聴いていると、上天気とはいえ、まだ寒さが戻るかもしれんなぁ、と思っておりました。

しかし、ああ、そんな良い春の日に、ワタクシは休日出勤で、月曜からの会議の準備をしておりました。部下も数名出てきてくれて、何とか仕上げたものの、今日は別件で出勤せにゃなりません。
この良い天気に出勤かよ・・・・・と思いつつも、まあ定期的に給料をもらっている訳であって、贅沢は言えません。このご時世、有り難いと思いつつ、今日も若い士と仕事に励みまっしょいっ。ちとこのごろ偉くなってしまって、責任と仕事が増えて困ります。いやはやであります。

さあ、今日もモーツァルトであります。
晴れた青空にふさわしい、ハ長調のスッキリとしたピアノ協奏曲を取り出しました。

モーツァルトのピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503。
エリック・ハイドシェックのピアノ独奏、アンドレ・ヴァンデルノート指揮パリ音楽院管弦楽団の演奏。
1962年の録音。EMI盤。
長らく東芝EMI(セラフィム)の廉価盤LP、例の緑色のジャケット1,300円盤で聴いていたのだが、数年前にCD2枚組を購入して、今はCDを聴くことの方が多い。ピアノの音は、どうもCDの方がスッキリ聞こえる感じがする。

演奏はもうハイドシェックの魅力満載で、実に楽しい。
自由奔放、才気煥発、ピアノは天馬空を行く勢いで、聴いていて実に面白く楽しい。ある意味では好き放題な感じなのだが、即興的な装飾音など、ゾクゾクするほどセンス抜群。そして、勢い。若者らしい覇気と、清冽な抒情が同居している演奏であって、ピアノの音色が刻々と変化してゆくところなどは、ああ、巧いなぁと思う。
青年独特のナイーヴさもイイ。

そして、オケと合わない・・・・。合わせようとしていないのかもしれない。
ヴァンデルノート/パリ音楽院管は、よくついているのだが、何せハイドシェックがどんどん弾いてしまうので、(速いところなど、すっ飛ばしてゆく感じ)、これはオケも大変だっただろうなぁ。
そのオケは、今はなき名オーケストラ・パリ音楽院管。巧いのだが、ハイドシェック同様で、精妙さには欠ける感もあるのだが(だからこそ、これぞフランスのオケと云うべきか?)、そんなことよりも、管楽器の素晴らしい音色を聴いていると、ウットリとするほど巧いし、実に洗練されていると思う。
ピアノと木管の絡みが多い第1楽章など、聴いていてとても楽しい。特に良いのはバソン。多分バソンと思う。ファゴットとは少し違う音色に聞こえるから・・・・。テナー・サックスのような感じ。その響きがとてもイイ。

カデンツァはハイドシェック自作のもの。これもセンス溢れるもので、キラキラしたピアノがとても良い。

詩的な表現の第2楽章、フィナーレは愉悦に満ちた演奏。どちらもハイドシェックの快演が(好き勝手のようなところもあるが)楽しめる。ただ、彼の本領は速い楽章の方にあるような気もする。

録音はさすがに古びてきました。ヒスノイズが目立つ感じ、SN比も良くない感じです。
ただ、音はイキイキしています。演奏の勢いが反映しているのか、聴いていて心地よい音だと思います。
フランスのオケによる(特にパリ音楽院管!)モーツァルトは、あまり持っていないので、この演奏は大事にしたいと思います。
2008/03/15のBlog
暖かくなりました。
出張から帰ってみれば、伊予路は春。春の風に春の雨。
弥生も中旬、エエ陽気になってきました。

さて、帰宅して取り出したのはモーツァルトでありました。

モーツァルトの交響曲第36番 ハ長調 K.425「リンツ」。
ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管の演奏。
1985年、ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音。EMI盤。

EMIの、いわゆるクリスマス・ボックス。2000年頃の購入。
このころから、輸入盤CDが激安になった(というか、そのことに気づいた)。特にEMIのBOX物は当時としては驚くべき価格、CD1枚が300円くらいであって、アルバ・ベルクSQのベートーヴェン全集や、ヨッフムのブルックナー全集、ケンペのR・シュトラウスなど、名演盤の目白押し。僕は喜んだなぁ。つくづくエエ時代になったと感激したもんだったなぁ。

このテイトのBOXは、比較的録音が新しく、1980年代のもの。CDがまだまだ高価だったので、なかなか買えなかったものだけに嬉しかった。新譜当時『レコード芸術』では諸井誠が絶賛していたのではなかったか。曰く「クレンペラーの再来」・・・。

演奏スタイルは伝統的なもので、室内オケの小編成といいながらも十分に厚味がある。古楽器によるモーツァルトに慣れた今の耳で聴くと、古い感じがしないでもない。
しかし、その中で、テイトの指揮によるキビキビしたリズムの刻みと、時にスケールの大きな音楽づくりで、独特の楽しみがあるとも思う。

第1楽章はリズムがよく弾んで実にシャープ。オケのバランスが絶妙で、聴きごたえ十分。
第2楽章は、スケール豊かでゆったりとした演奏がたまらない。そして、ややゴツゴツしたところなどは、「クレンペラーの再来」と云われる所以か。

第3楽章もやや遅めのテンポで、丁寧な歌が響く。じっくりとした演奏は、聴いていて安定感十分。音楽を慈しむような味わいが、とても好ましい。
そして、フィナーレは大変精力的。心地よい風が吹いてくるような爽やかな名演と思う。
録音は良好です。
EMIの1980年代録音なので、そう芳しいものではありませんが、音量を大きめにして聴くと、音場が左右へ広がってゆく感じ。
結構エエ音で聴けました。


ようやく自宅に帰りましたので、コメントの返信をこれから書きます。
いつも、ホンマに有り難うございます。
返信遅れましたこと、どうぞご容赦ください。


<モーツァルトの「リンツ」、イイ曲であります>
■クリップス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■スウィトナー/ドレスデン・シュターツカペレ
■ハンス・グラーフ/モーツァルテウム管
■クーベリック/バイエルン放送響
2008/03/11のBlog
イイ天気でした。春の陽気でありました。
伊予路はホンマに暖かい一日でありまして、気分よく仕事が出来ました。
このまま。春の日が続くとエエんですが。

さて、今日はカラヤンを聴いてます。

ブルックナーの交響曲第7番 ホ長調(ハース版)。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1970年11月~1971年2月、ベルリンのイエス・キリストの録音。EMIのカラヤン・コンプリートBOX所収の1枚。

壮麗な威容を誇るブルックナー。細部まで美しく磨かれて、妖艶な雰囲気さえ漂わせるブルックナー。素朴で野性的な味わいを感じさせるブルックナーではなく、もっと都会的で洗練されている印象が強い。
金管の咆哮も荒々しくなく、甘くネットリした響きで迫ってくる。大変巧いし、鮮やかなもんだなぁと感心する。

第1楽章など出だしからスゴイのだが、特にコーダなど圧倒的な音響で迫ってくる。それがまた、きわめて甘く美しい。ベルリン・フィルも素晴らしい出来なのだが、こんな響きを作り出すカラヤンこそ、スゴイんじゃないか。

第2楽章はさらに感動的。この楽章はワーグナーの死を悼んだものと云うが、その弦楽合奏は何処までも美しい。神々しいばかり。
教会録音のせいか、ヴァイオリン群の倍音もよく伸びて、天井から残響として降り注いでくるような感じ。天啓のような弦楽群と云ったら、褒めすぎかな。
テンポもイイ。ベタつかず、といって速すぎることもなく、実に心地よいテンポ。
楽章終わりでの、盛り上がりは強烈。最強音で、リスニング・ルームが震え出す。ダイナミクス広大、若干カラヤンの演出臭を感じるが、見事なもんだなぁと思う。

第3楽章とフィナーレは金管と弦楽が一体となって、強烈な演奏という印象を受ける。トリオの部分では、一転テンポが落ちて、ゾッとする美しさを醸し出す。さすがカラヤン、音楽の表情付けが巧みと思う。
もっとも、ブルックナーだけに、この表情付けは、聴き手の好き嫌いが分かれるところかもしれないな・・・・。

録音は素晴らしいです。今聴いても実にいい音で鳴ります。
1970年代前半のEMIは、良かったなぁと思います。
上下左右の広がりが大きく、残響も豊かなコンサート・プレゼンスが素晴らしいです。
我が家のシステムとの相性がよろしいのかもしれません。
エエ音でありました。

カラヤンのコンプリートBOXの1枚。
単価を考えると、こんな名演奏がこんな価格でエエんかいな、と不安になるくらいです。


今朝から出張に出ます。
しばらく、「ひとりごと」を喋るのをお休みします。
2008/03/10のBlog
今日は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58。
アルフレート・ブレンデルのピアノ、ベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン・フィルの演奏。
1975年11月の録音。フィリップス盤の、現在は1,000円の廉価盤で出ているもの。カップリングは「皇帝」。
ブレンデルとしては2度目のベートーヴェンの協奏曲全集だった。フィリップスでは、この後、レヴァイン/シカゴ響、ラトル/ウィーン・フィルと2度の全集を完成させている。ソナタ全集も2度録音するなど、ブレンデルはウィーンの作曲家の作品を何度も録音した。シューベルトやモーツァルトも再録音盤が多い。そのブレンデルも今年で引退、ああ、時代は変わったなぁ。

さて、演奏。
ハイティンク/LPOの颯爽としたテンポがまずは印象的。若々しく軽快な音楽の運びで、時に性急かなと感じるところもある。もちろん、ハイティンクのこと、全体を通じて丁寧にブレンデルの後をつけてゆくのだが、時に前のめりになる部分あり。今や大巨匠のハイティンクも(ブルックナーなどで聴かせるあのゆったりしたテンポとフレージング!)、この録音当時は、まだ若かったのだ・・・・。

ブレンデルのピアノが入ってくると、前方の視界がサーッと広がるような、音楽の風景が全く違ったものになる。ピアノの響きがクリアで、実にイイ音色。ああ、ピアノって何ていい音を出す楽器なんだろうと、つくづく思う。そう思わせられるほど、この曲でのブレンデルのピアノは良い。
だいたい、ブレンデルの弾くピアノは、響きが綺麗で温もりがあって、音は実に粒立ちがよい。炊きたてのごはんの、米が一粒一粒立って、輝いている・・・・あの美しさに似ている。色は真っ白ではなく、人肌の白い感じのもの。エエ音やなぁ。この音を聞くのは全く快感やなぁ。

高音も低音も素晴らしいのだが、特に高音の突き抜ける爽やかさは、ブレンデルならではという感じ。テクニックは完璧で、唖然とするほどの巧さ。高速パッセージでは、アクロバティックな快感さえある。しかも、その技巧の中に上品ささえ漂わせているのだから、ブレンデルはスゴイ。

カデンツァも素晴らしい。技巧だけでなく詩的な抒情が底の方を流れている。
そのポエジーは、第2楽章でも美しく発揮されていて、清冽な印象を受ける。
フィナーレは、気持ちがどんどん明るくなって、晴れ渡るような気分にさせられるロンド。

ああ、それにしてもベートーヴェンは、素敵な音楽を書いたなぁ。
こんな幸福な、春が来たときの悦びにも似た、心弾むような明るい協奏曲・・・・・・こういう音楽はベートーヴェンの他の作品にはあまりない。いつ聴いても幸福になる、素晴らしい作品と思う。

四国の霊峰・石鎚山の雪が徐々に溶けていきます。春です。
雪が清流をつくって、当地、伊予西条の地下水になっていきます。これが名水「うちぬき」になります。

ブレンデルのピアノを聴いていて、そんな水のうまさに思いを馳せておりました。
我が家の水道は(というより西条市の多くの家庭の水道は)、地下水です。
ポンプで汲み上げてます。これが、全く旨いんです。清冽な水のうまさは、何物にも代え難いなぁと・・・・ああ、これブレンデルのピアノにも云えそうです。


<ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番 の自己リンクです>
■ツィマーマン(Pf) バーンスタイン/ウィーン・フィル
■ラドゥ・ルプー(Pf) メータ/イスラエル・フィル
■ルービンシュタイン(Pf) ラインスドルフ/ボストン響
■ペライア(Pf) ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■アラウ(Pf) C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
■グルダ(Pf) シュタイン/ウィーン・フィル
■ポリーニ(Pf) ベーム/ウィーン・フィル
■アシュケナージ(Pf) メータ/ウィーン・フィル
2008/03/09のBlog
今日は、30年前に発売された古いLPを聴いてます。

{ヨーロッパのバロック音楽」。
ルドルフ・バウムガルトナー指揮ルツェルン祝祭管弦楽団の演奏。
1966~67年、ルツェルンの交通会館での録音。DG盤。
「グラモフォン・スペシャル」という国内盤廉価盤シリーズの中の1枚で、MGW5110というレコード番号。1,300円というのは、購入当時ビンボー学生だった僕にはとても有り難かった。

これ、僕が初めて買ったクラシック音楽のレコードであります。
僕がクラシック音楽を聴くようになったのは大学生になってからであって、それまでは洋楽のロックや日本のフォーク・ソング、ニュー・ミュージックなどを聴いておりました。髪を伸ばして、ベルボトムをはいて、ギターを弾いていれば、女のコにもてる・・・・と錯覚していた年頃でもありました。青春であります(^^ゞ。

同時に青春の悩みを抱えていた時期でもありました。今思えばバカバカしいことで悩んだもんです。多くの若者がそうしてきたように、哲学書を読み耽ったり(何の解決にも結局はならなかったが)、友人の汚い下宿で朝まで語り明かしたり・・・・そんな時期でもありました。

そういうとき、このレコードから流れてくる音楽は、心慰められたなぁ。
なんて綺麗な、美しい音楽だろう。幾つかは耳にしたことがある音楽なのだが、耳を澄ませて真剣に聴いていると、心洗われるような音楽だったなぁ。
(今思うと、あの頃は音楽をホンマに真剣に、それこそ必死で聴いておりました。)

「パッヘルベルのカノン」の、しっとりと落ち着いた響き。音楽も美しいが、演奏も丁寧で、ゆっくりしたテンポの中から、暖かい幸福な気分が流れてくる。アンサンブルもとても綺麗。バウムガルトナー&ルツェルンのコンビには、オイロディスクでの再録音があるのだが、テンポが速くなってしまって、この録音ほどの柔らかい雰囲気がない。DG盤のこちらの方が、演奏は素晴らしいと思う。
「パッヘルベルのカノン」は、ピチカートが品の良いパイヤール室内管の旧盤も最高に素晴らしいのだが、こと、過去への想いということでは、このバウムガルトナー盤は、かけがえのない演奏であります・・・・・。

J・S・バッハの「エア ニ長調」(管弦楽組曲の第3番から)も、大変ゆったりとしたテンポで心地よい。演奏時間6分47秒。情緒纏綿といった感じの演奏で、心が落ち着く。この曲にも、暖かいものに包み込まれたような幸福感がある。録音のせいか、CDではない、LPのせいか、雰囲気豊かで潤いのある響きになっている。

「イエスはわが喜び」
ああ、これもエエなぁ。僕は何度も救われたなあ。若い頃の、ささくれだった心が、少しずつ丸くなっていったなぁ。だから、今でも僕はカンタータなら第147番が好きです。

他には「アルビノーニのアダージョ」やバッハの小品、パーセルの「シャコンヌ」などが収められています。
録音はもう40年も昔のもの、少し古ぼけた感じがしますが、柔らかい落ち着いた響きが心地よく聴けます。LP独特の音と云えそうです。
ジャケットは公園の花壇か何かでしょうか。実にシンプルな(安ぽい感じもする)写真で、いかにも廉価盤風なんですが、愛着のあるレコードであります。

いつぞや書きましたが、僕はクラシック音楽を聴き始めるのは、遅かった方だと思います。(各方面のブログやWebページを拝見すると、皆さん驚くほど早熟であります。イヤ、それが普通であって、僕が遅かったんでしょう)
そのクラシック音楽の世界へ僕を誘ってくれた、これは大切なLPであります。

バウムガルトナーの「ヨーロッパのバロック音楽」、そしてバーンスタイン/VPOのベートーヴェン「合唱」、この2つがクラシック音楽遍歴の始まりでした。
いつか、そのことをブログに書きたいと思っていたんです。3年前から思ってました。
ああ、書けて良かった(^.^)、
2008/03/07のBlog
伊予路に早春の風と陽光。日中は随分暖かくなりました。
本格的な春までは、もう一息ですね。

今日はブラームスを聴いてます。

ブラームスの交響曲第1番 ハ短調 作品68。
オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレの演奏。
1986年、東ベルリンのキリスト教会での録音。独シャルプラッテン盤。

ベルリン・シュターツカペレらしい、渋い響きのブラームス。シャルプラッテン録音の特徴と云うべきか、地味なくらいに落ち着いた響きが素晴らしい。教会録音の適度な残響も良いし、音場が深々として、奥行きたっぷりの空間が楽しめる。いや、全くエエ音であります。
これぞ、ブラームスの音、という感じがする。暖かいのだが、やや暗めの音色で、渋く底光りするようなオーケストラの音。長年、ブラームスを演奏してきたであろう、その自信がたっぷり乗っている音。弦楽器と管楽器の溶けあいも見事で、個々の楽器が突出することがない。耳を刺すような音がないのがまたイイ。だから、音全体がまろやかになって、様々な響きが渾然一体となって聴き手に迫ってくる。素晴らしいコンサート・プレゼンスと思う。
これ、聴いた時に、アンプが十分暖まっている状態でありました。だからかもしれませんが、ホンマに心地よいエエ音であります。

さて、演奏。

第1楽章は冒頭から確信に満ちた音楽。スウィトナーがこうと信じ、オーケストラが培ってきた伝統に対する自信とピッタリと合わさって、盤石の演奏になっている。悪口を言えば、きっちりと決まりすぎて、面白みが足りない。でも、そのくらい素晴らしい演奏。このブラームスはイイ。

第2楽章はオーボエをはじめとした木管がとても美しい。弦楽がそっと支えつつ、オーボエやクラリネットが心を込めて歌うところは、聴きものと思う。
弦楽セクションも良い。フレージングが清潔。そして、コンマスの美しいソロとホルンののどかな響きが、何と安らかなことか。ベルリン・シュターツカペレは、いいオケだなぁとつくづく思う。

第3楽章は金管も活躍。しかも、オケの中にうまく収まって、素晴らし溶けあいを聴かせる。オーケストラの響きは相変わらず渋く美しい。「いぶし銀」という表現がピッタリ来る感じ。

ラストはロマンいっぱいの表現。
ベートーヴェンの第10交響曲と呼ばれるくらいの音楽、オーケストラ全体が相当盛り上がってゆくのでが、スウィトナーの手綱で、シックにまとめ上げられてゆく。
地味なのだが、トシを取ると、これがまたイイ。どの楽器も過不足なく鳴っているのだが、実は、その「過不足なく鳴る」というのがなかなか難しいことなんじゃないか、とこのごろはよく思う。
終曲に向かって盛り上がるところは、いつ聴いても感動的。ブラームスは、あまり凱歌が似合うタイプではないが、このラストは名曲。ブラームスの勝利の叫びかな。

録音は素晴らしい、と、初めに書きましたね・・・・。


<ブラームスの交響曲第1番 自己リンクです>
■ケンペ/ミュンヘン・フィル
■ムーティ/フィラデルフィア管
■クレンペラー/フィルハーモニア管
■バーンスタイン/ウィーン・フィル
■ショルティ/シカゴ響
■カラヤン/ベルリン・フィル
■ベイヌム/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■ベーム/ウィーン・フィル NHKライヴ
■マゼール/クリーヴランド管
■ザンデルリンク/ドレスデン・シュターツカペレ


2008/03/06のBlog
日中の日差しは暖かいのですが、気温はまだまだ低いです。
春は、すぐそこにいそうなんですがね。

さて、今日はモーツァルトであります。

モーツァルトの交響曲第38番 ニ長調 K.504「プラハ」。
ヨーゼフ・クリップス指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1972年11月、コンセルトヘボウでの録音。DECCA盤の廉価盤全集からの1枚。
このクリップスのモーツァルトは、日本ではずっとフィリップスから発売されていたのだが、このごろは、輸入盤ではDECCAが出しているようだ。もっとも、同じユニヴァーサル系列なので、どっちでもイイのだろうが。

第1楽章の序奏部がとてもスッキリとして爽やかな開始。もったいぶって、ゆっくりやる演奏が多い中で、クリップスはサラッと通過する。淡泊な感じでもたれない。気持ちよい。瀬戸内の白身魚の旨さ。しつこくなく、サラッとして、しかし味わいは奥深い。玄妙な味わいというと、ちと大げさかな。
主部に入ると、さらに溌剌快活。コンセルトヘボウ管の響きがまた実にイイ。柔らかいのに芯があって、やがてふっくらと広がってゆく残響も快感。これは愉悦と幸福のモーツァルトだ。あまり手の込んだことはせずに(少なくともそう聞こえる)、サラリと演奏してこの旨さ、この味わい。おそらく、リハーサルもそんなに長い時間していないんじゃないか。
玄人指揮者クリップスと、伝統のオーケストラ・コンセルトヘボウ管との幸福な邂逅と思う。

第2楽章アンダンテも心地よいテンポ。この楽章もサラッとしているのだが、第1楽章の速さがあるので、聴き手には、ゆったりとした感じになる。これもモーツァルトの天才的な曲作りのなせるわざかな。それともクリップスの指揮が正鵠なものだからかな。
響きは新鮮で瑞々しく、朝露に濡れた草花のような、自然なしっとり感がとてもイイ。

第3楽章は、もはや貫禄の名演。コンセルトヘボウ管も万全な応答で、クリップスを支える。目の詰んだ綿織物の質感。鮮やかさとか派手さにはあまり縁はないが、しっかりとした手触りで安心感が広がる。聴いていて、嬉しくなるようなイイ音。コンセルトヘボウ管には、そんな音がある。

クリップスのモーツァルトは確信と喜びのモーツァルト。安定していてスキがない。
いや、スキはある。でも、それはわざと作っているようなスキというか、キチキチとやらない余裕から生まれている隙であって、だからこそ、聴いていて心が豊かになって、心地よいのだろうと思う。

録音は上々であります。
DECCAレーベルですが、音の感じはフィリップス的なものを感じます。
さて、どちらなんでしょう。


いよいよ仕事のピークを迎えました。
年に数度ある、猛烈に忙しい時期であります。
エントリーが滞ったら、「おっ?mozart1889が真面目に仕事をしよるな・・・・・」と、お笑い下さい。
もっとも、それでもなおかつクラシック音楽を聴くのが、好きな人間のサガとも思いますが。まあ、バリバリ仕事して、バリバリ音楽を聴くというのが最も健康には良いようです。