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クラシック音楽のひとりごと
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2008/05/06のBlog
緑の風が爽やかであります。
空は五月晴れ、風は涼やか。連休最終日は、いやはや上天気であります。

さて久しぶりに取り出したのはデュトワのCDであります。

ビゼーの「カルメン」組曲第1番・2番。
シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団の演奏。
1986年10月、モントリオールでのデジタル録音。DECCA盤。

デュトワ/OSMのCDは、もうすべてが名品。
1980年代以降のDECCAの看板コンビであって、アンセルメ/スイス・ロマンド管のレパートリーをほぼ上書きして、最新のデジタル録音で僕らに聴かせてくれた。
演奏も極上なら、録音状態も今もってベストと云えると思う。
DECCAの録音には、人によっては好き嫌いもあるのだろうが、我が家ではとても素晴らしい音で再現される。鮮やかで肉厚、時に実際のコンサートホール以上ではないかと思わせる瞬間もある。ホールトーン、遠近感や楽器の定位、個々の楽器の音色の鮮烈なこと、そして弦の柔らかくも涼やかな響き・・・・ああ、云うことないなぁ・・・・。

さて、演奏はどの曲も全く素晴らしく、ウットリと聴き惚れてしまう。

特に「第3幕への前奏曲」がイイ。
ビゼーの天才を味わえる曲であって、メロディの美しさ、音楽全体から漂ってくる一種の気品が素晴らしい。
それを、デュトワ/OSMのコンビで聴くと、これがまた、実にエエんやなぁ・・・・。
何という上品な演奏。フルートは名手ティモシー・ハッチンズ。透きとおるような響きと、麗しい音色、そして少女のような清楚なスタイルで、魅入られてしまう。
デュトワのテンポは淡々としているのだが、そこから香ってくる無限のニュアンスがたまらない。

演奏時間はわずかに2分34秒。ほんの短い音楽なのだが、この曲だけでも、このCDを聴く値打ちがある・・・・・・と僕は密かに思っております。


四国伊予路の田園地帯、5月の田舎の風景が今年も広がっております。
四国山地の緑が徐々に濃くなって、空は青が眩しく、清々しい緑の風が窓から部屋に入ってきます。
庭の木々の葉擦れの音も爽やかであります。

その風景に、この音楽は実に合うのでした。
2008/04/06のBlog
沢山のコメントを恐縮です。有り難うございました。
心から御礼申し上げます。

久しぶりに休みが取れました。これを機会に、大変申し訳ないと思いつつ、まとめてご返信させていただきます。本当は、お一人おひとりに返信を書かなくちゃアカンのですが、どうぞお許し下さい。ゴメンナサイ。
(narkejpさん、転勤でお忙しい中のアドバイス、有り難うございました)

さて、更新を休んでいるのですが・・・・

■ホンマに仕事が忙しくなりました。
支店長のような立場になってしまい、休日もままなりません。CDやLPを聴く時間が全く取れなくなりました。今後も厳しそうです。全くツライです。
思えば、この10年間は、ワタクシはヒマだったんやなぁ・・・・と思います(^^ゞ

■長男の引っ越し等でバタバタしておりました。
これは、無事済みました。

■ブログを書くことが「目的」になってしまっているんではないかと、この数か月考えておりました。ブログを書くことは、もともと「手段」でありました。左欄ジャンルのところ、「初めておいでくださった方に♪」でも僕は書いておりますが、ブログを始めたのは、クラシック音楽をまじめに聴かなアカンなぁ・・・・という気持ちからでありました。クラシック音楽をより良く聴きたい・・・というのが「目的」でありました。
ブログを書き始めて3年、確かに、じっくりと音楽を聴けるようになりました。テレビを見ながらクラシック音楽を聴くようなことはなくなりました。頂いたコメントやトラックバックで、大変勉強にもなりました。大変、有り難いことでした。
しかし、この数か月、ブログを書くために、CDやLPを聴いているような気がしてきたのです。
「手段」が「目的」になってしまうと、古来、ロクなことはありません。こりゃ、イカンと思ったのです。そのために、少し休もうと思いました。
本筋は、クラシック音楽を「聴く」ことにあります。素直な気持ちでまじめに聴こう、という原点に戻りたいと思ったのです。

■というわけで、コメント欄では、いろいろありましたし、その対応もさせていただきましたし、また多くのお気遣いを頂戴いたしましたが、更新休みの理由ではありませんので、どうぞ、ご心配なさらぬようお願い申し上げます。

天ぬきさんも、ひろはやさんも、どうぞお気兼ねなくお願いします。


ただし、尻馬に乗ったようなコメントは削除させていただきました。
ふだん、全くコメントを頂戴していないのに、ここぞとばかりにコメントを書き込む方がいらっしゃったのは残念でした。そういうのは、他の場所でやって下さい。
もう一つ。物理学方面の話題は勘弁して下さい(笑)。苦手です。許して下さい。返信できませんので、ワタクシをいじめんといてください。ガハハ。

鞍馬天狗さん。
僕は、若い25歳の秋田美人の雇われ店長さんより、遙かにレパートリーは狭いですし、今後とも広がらないんじゃないかと思います。また、すでにかなり以前から、人生、守りに入っております。息子三人を大学に入れようと思ったら、馬鹿なことは出来ません。もう20年以上、守っております(笑)。ですから、そのことは実に正しいです。否定しようもありません。
ただ、「毎日毎日、深夜だか早朝だかに知ってる曲ばっかりのブログ書くのもいいけどさ、そんな生活続けてたら、・・・・・・」は、アカンです。それを云っちゃ、お仕舞いです。このブログの根幹に関わることですので、それを否定されるのなら、他のブログ等でご発言下さい。
謝罪のコメントも書かれているようですが、その前に、「最後に、もうひと暴れしてみたかったもので・・・。ああ、気持ちよかった。」と書かれておりますので、それこそ本音なのだろうと思いますから・・・・。
やはり、ブログ・Webページを開設されるのが最もよろしいかと思います。


■四国伊予路は桜満開です。今日は、桜の下で家人と昼飯を食いました。クラシック音楽を聴きたいと思いつつ、こういう時間も大切にしたいと思います。

■これをお読みいただいている皆様のところにも、エエ春が来ていることを祈りつつ。
2008/03/30のBlog
アクセスして頂き、恐縮です。
「クラシック音楽のひとりごと」、しばらく休みます。
諸般の事情でありますが、ひとりごとをボソボソつぶやくのもなかなか難しいもんです。
2008/03/25のBlog
多くの方々がそうなんでしょうが、ワタクシも年度末の引継業務に追われています。
支店のトップが異動し、その補佐をせなイカンので、ワタクシの仕事も増えます。
例年のこととはいえ、慌ただしいですな。

さて、今日はラヴェルの「スペイン狂詩曲。
エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団の演奏。
1963年、ジュネーヴでの録音。DECCA原盤の国内では1,000円の廉価盤。

デュトワ/OSMが出てくる前、DECCAのフランス音楽といえば、アンセルメ/スイス・ロマンド管だった。
ラヴェルにドビュッシーは素晴らしかったし、ロシア音楽にバレエものも最高級の演奏を聴かせてくれた。デュトワ/OSMは、そのアンセルメのレパートリーをきれいに上書きしていった感がある。

そのアンセルメのレコードの中でも、特に優れているのがラヴェルと思う。
このコンビ特有の、ヒンヤリとしたクールな音色が、「スイスの時計職人」と称されたラヴェルの音楽にピッタリと僕には思えるから。
それに演出力。ラヴェルのオーケストレーションの面白さを余すところなく伝えてくれる見事な指揮ぶり。一聴、淡泊なのだが、明晰でメリハリのある音楽づくり。テンポも比較的速く、サラサラした感じがとても良い。

そのアンセルメの指揮に敏感に反応するスイス・ロマンド管も大変に巧い。このオケは、実演でがボロが出たという評を読んだことがあるが、LPやCDで聴く限り、たいそう上手と思われる。特に弦楽器群の、一本一本の弦が見えるような感じの繊細な響きは、いかにもラヴェル。エエ音やなぁと思う。管楽器の多彩なニュアンスも実によろしい。

さて、今日聴いた「スペイン狂詩曲」は、10分あまりの小曲なのだが、聴いていて実に楽しい。
第1曲「夜の前奏曲」や第2曲「マラゲーニャ」での精妙で新鮮な響き。ああ、フランス的だなぁ。
第3曲「ハバネラ」の異国情緒、第4曲の「祭り」でのスッキリとした管弦楽などは、アンセルメならではだろうと思う。

録音は今も十分に素晴らしい。
鮮烈な録音で、ちょいと化粧しすぎかな、とも思いますが、さすがにDECCA、エエ音です。もう45年も昔の録音ですが、信じられないくらいの鮮やかさです。

こういう録音も、あと5年で著作権が切れて、自由にネット配信されるようになるんですかね・・・。スゴイ時代です。
2008/03/24のBlog
気温が少し下がって、春まだ浅き休日。
家人は長男の卒業式のために大阪豊中へ。次男坊も同じ豊中の下宿なので、下宿の掃除を兼ねてであります。
雨がしとしと日曜日、僕は一人でクラシック音楽を聴いておりました。
(君の帰りを待っていた・・・・・ではありません。古いな(^^ゞ。これ、若い人には分からないフレーズでありましょう)
そんな日に似合いそうな音楽ということで、僕はモーツァルトのK.595を取り出したのです。モーツァルトが生涯にわたって書き続けたピアノ協奏曲の、最後の作品。

モーツァルトのピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595。
サー・クリフォード・カーゾンのピアノ独奏、ベンジャミン・ブリテン指揮イギリス室内管の演奏。
1970年9月、スネイプ、モールティングス・コンサートホールでの録音。
DECCAの国内盤で、1,000円の廉価盤。

第1楽章、カーゾンのソフトなタッチがとても美しい。コロコロと転がりながらよく響く音。研ぎ澄ましたような音ではなく、程よい感じに磨いた音。あまりツルツルにせずに、自然の蝕感を残しておいた感じの磨き方。冬が終わって、待ちわびた早春の柔らかい日差しを思わせるような、ほの暖かいピアノの音。
特に美しいのは7分30秒ころの、弦とピアノが一体となってフガート風に演奏するところ。絶品と思う。
カーゾンは余裕十分で、包容力のあるピアノを聴かせてくれる。ゆったりとしたテンポと穏やかな表情で、大人の寛容のようなものを感じさせてくれる。速すぎず遅すぎず、聴いていて実に心地よい。そして時々現れるルバート風の音楽が、またたまらない魅力。カーゾン晩年の境地と云うべきか。カーゾンは録音嫌いだったというから、このCDは貴重と思う。

第2楽章のラルゲットは、ブリテン/イギリス室内管が作り出す響きが印象的。たっぷりとして、ひそやかで、そして清潔で上品、涙が出るほど美しい管弦楽。
カーゾンのピアノは淡々としているのだが、だからこそ寂寥感が増してくる感じ。清らかで、透明で、瑞々しい音もイイ。特にピアニシモが綺麗。そしてそのかそけき音に反応するオケも素晴らしいと思う。ブリテンの指揮の賜物か。
楽章の最後の方で、フルートとピアノのユニゾンのところなど、最高に美しい。

フィナーレはアレグロ。永遠のロンド。
長調なのに哀しい、明るいのに寂しいという、彼岸の境地と云うべき音楽。あ、モーツァルトはキリスト教徒だから、天国的な音楽と言うべきか。
カーゾンのピアノは相変わらず瑞々しく、そして小粒でよく響く音で、この天国的な音楽を慈しむように弾いていく。英国紳士の誠実さを感じさせる見事な演奏と思う。

録音は上々です。
40年前のものとは思えない、瑞々しさがあります。
さすがDECCA、エエ録音と思います。
2008/03/23のBlog
だいぶ暖かくなってきました。
ジョギングしていても、頬に当たる風が柔らかいこと。近くの公園の桜も、もう少しで開花です。

さて、今日は室内楽を。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調「ハープ」。
ベルリン弦楽四重奏団(ズスケ四重奏団)の演奏。
1977年の録音。独シャルプラッテン原盤で、現在はedelというレーベルから激安廉価盤(4,000円くらい!)で発売されているもの。

ラズモフスキー四重奏曲のあとの3年間、ベートーヴェンは弦楽四重奏曲を全く書かなかった。この「ハープ」は、そのあと、ベートーヴェンの中期様式が頂点を極めたころに書かれた作品。
聴いていて、くどくなく(説教調でなく)、スッキリとしたまとまりの良い音楽が特徴と思う。優しく、穏やかな感情が流れている佳品。透明感があると云うべきか、端麗で爽やかな聴感が残る作品でもある。
ラズモフスキー四重奏曲の緊張度、あの息詰まるような迫力がないかわりに、柔らかい日差しを受けたようなほのぼの感が良い。

ベルリンSQの演奏は、この作品のそういう特徴を十分に弾き出したものと云えそう。
リーダーのカール・ズスケが素晴らしい。緊密なアンサンブルなのに、息苦しくなく、朗らかささえ感じさせる呼吸感がエエなぁと思う。
よく合っている、というより、普通に四人が演奏したら合ってしまったという自然さがイイ。

第1楽章の、例の「ハープ」の由来となったピツィカートも楽しい。響きはとても晴朗だ。
第2楽章は引き締まった演奏。甘い旋律も低俗に流れず、気品があって志操の高ささえ感じさせてくれる名演。姿勢が良いというか、身だしなみがよいというか、この清潔感がこのアンサンブルの良いところと思う。

第3楽章のプレストは流麗感が強い演奏。音楽は峻厳だが、演奏は滑らかで潤いが感じされるもの。
そしてフィナーレの変奏曲。くすんだ音色の中に、微妙な変化があって、聴いていて実に楽しい。ニュアンスが多彩で、いろいろ変化するのがイイ。

録音は上々であります。
すでに30年前になってしまったが、思えば、このころアナログ録音は絶頂期であったわけで、柔らかさや鮮度が十分に保たれている感じです。
独シャルプラッテン特有の、渋めの音が特にエエです。
2008/03/21のBlog
今日もバッハを聴いてます。

J・S・バッハのカンタータ第202番「消えよ、悲しみの影」<結婚カンタータ>
ソプラノ独唱はエリー・アメリンク。演奏はコレギウム・アウレウム合奏団。
ヘルムート・フッケ(Ob)、ウルリヒ・グレーリンク(Vn)らの独奏。
1968年ころ、キルハイム、フッガー城糸杉の間での録音。
テイチク発売の国内盤2枚組、バッハの世俗カンタータ集のCDに所収。解説書の録音データは不親切なもので、1960年代だとは思うが、見当がつかない。

バッハの世俗カンタータは、舞曲など聴きやすく分かりやすい曲も沢山含まれているので、バッハの管弦楽組曲を聴いているような感じ、明朗で楽しい音楽と思う。

この頃は通勤の車の中で、ずっとこのコレギウム・アウレウムによる、カンタータ集を聴いていた。聴けば聴くほど味わいのある演奏と思う。
音も柔らかく、古楽器のほのぼのとした素朴な響きが美しい。ヴァイオリンなどは、質朴なのだが実にふっくらとしていて心地よい。

これ、バッハのケーテン時代の作品になるのかな。
春の訪れを感じさせるような、冒頭のオーボエの旋律、ソプラノのアリアが大変美しい。寒い冬が終わって、暖かい光が差し込んでくるような、悦びを感じさせる音楽。

何より、オランダの名花、エリー・アメリンクの歌唱が素晴らしい。
清らかで軽やか、発音が美しいのだろう、声が大変澄んでいる。透明感というか、清涼な聴感というか、とにかく聴いていて、スッキリしてくるような美声。
さすが、リートを歌わせたら第一人者というだけのことはある。
このほのぼのと明るいカンタータには、全くふさわしい歌手と思う。

独奏も良い。
フッケのオーボエは、巧いだけでなく上品な響きを作り出す。
グレーリンクのヴァイオリンは、音響効果もあってよく伸びて美しい。

そう、何しろ録音が抜群に良いんです。
さすが「糸杉の間」。残響豊かでふっくらとした録音に仕上がっていて、音がとても柔らかい。いつまでも聴いていたい音と言うべきでしょうか。
とても40年も前のものとは思えない、素晴らしい音で鳴ります。


伊予路は雨模様の彼岸でありました。
三男坊が一昨日に福島に出発、今日はアンサンブル・コンテスト全国大会の予選だそうです。
さて、決勝(っていうんですかね?)に残れればエエんでしょうが、まあ行けただけで十分のような気もしますな。
2008/03/20のBlog
J・S・バッハ;2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043。
ヘンリク・シェリング(第1Vnと指揮)、ペーター・リバール(第2Vn)、コレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥールの演奏。
1965年5月、スイスのヴィンタートゥールでの録音。フィリップス盤。
CDは1988年4月発売の国内盤2枚組で、25CD3202/03というレコード番号。5,000円もする、しかし当時としては廉価盤だった。
シェリングが69歳で急逝したのが1988年3月2日、このCDははからずもシェリングの追悼盤となったもので、僕は安月給の中から工面して購入した覚えがある。

僕はシェリングが好きだった。ベートーヴェンやブラームス、チャイコフスキーにメンデルスゾーン・・・・いわゆる四大ヴァイオリン協奏曲は、シェリングに教わったようなもので、バックを務めるハイティンク/ACOとともに、今も愛聴してやまない。(アムステルダム・コンセルトヘボウ管の音が好きなのは、シェリングのレコードの影響かもしれない)。

シェリングそれらの協奏曲をはじめ、何度も録音していた。僕が好きなハイティンクとの録音は3回目であったし、今日聴いているコレギウム・ムジクム・ヴィンタートゥールを弾き振りしたものは、バッハの協奏曲2回目の録音だった。3回目となるマリナー/アカデミー室内管との演奏も実に良かった。

この2つのヴァイオリンのための協奏曲も、素晴らしい演奏と思う。
心ゆくまで誠実に歌うヴァイオリン。シェリングの演奏には誠実さと気品が漂う。
真摯な気持ちで、バッハへの熱い思いを語ってゆく演奏。

響きは太めでコクがあって、フレージングは心安らぐもの。甘い旋律が美しく響き、清らかなボウイングがこれをさらに輝かせる。

第2楽章などもう絶品の美しさ。このラルゴ・マ・ノン・タントは、バッハが書いた最も美しい旋律のひとつだろうと僕は思うのだが、聴いていて、心が洗われ、少しずつ浄化されてゆくような美しさがある。僕は好きだなぁ。

第1楽章冒頭の緊迫した感じもイイ。切迫した、何か追い詰められてゆくような(或いは遁走してゆくような)ギリギリの迫力が、美しさを際だたせる。
終楽章の響きは、もう美しさの極み、と言ったら褒めすぎかな。

第2ヴァイオリンのペーター・リバールも、やや細身の音ながら、好演と思う。シェリングのヴァイオリンが圧倒的に素晴らしいのだが、リバールもなかなかの名手と思う。

録音はさすがに古ぼけてきました。
しかし、定位は見事で、シェリングとリバールがすくっと立って、端正な姿勢で演奏します。
背筋が伸びている感じが伝わる臨場感は、とてもエエです。

なお、カップリングのベートーヴェン(イッセルシュテット/LSO)も、ブラームス(ドラティ/LSO)も素晴らしい演奏。
僕はハイティンクとの再録音を好むんですが、こちら2つもベテラン指揮者の貫禄の伴奏と云うべきか、オーケストラが素晴らしく聴きごたえがあります。


伊予路は春雨です。そぼ降る雨の中、今日は墓参り。
彼岸の中日に逝った亡父の墓参であります。
少しずつ、暖かくなっていく日々であります。
2008/03/19のBlog
ようやく激務が終わりました。仕事の大山を越えました。
あと一つ二つ山がありますが、まあ平常業務に近いもの、何とかなるでしょ。
出張に休日勤務、毎年のこととはいえ、三月は疲れます。部下の若い士が、期待以上に頑張ってくれました。次年度からの成長がさらに楽しみです。

さて、今日はピアノ曲を聴いてます。

ベートーヴェンのピアノソナタ第14番 嬰ハ短調「月光」。
ウラディーミル・アシュケナージのピアノ独奏、
1977年の録音。DECCA原盤。

アシュケナージのピアノで聴くベートーヴェンは、その音がクリスタル・グラスのような硬質な輝き、響きは透明感があふれているのが、イイ。混濁せず、とてもスッキリと見通しがよく、そしてやや蒼みがかった、ヒンヤリとした感触が心地よい。
ああ、エエ音やなぁと思う。

第1楽章のアダージョ・ソステヌート。淡いロマンを漂わせながら、格調高くアシュケナージは弾く。テンポも良い。叙情的な演奏と云うべきか。この静謐感は、アシュケナージが得意とするところだろう。

第2楽章は高音だけでなく低音も澄んだクリアな響きで魅了する。重々しくならないのが良い。この、軽快でありながら、ためらいを少し含んだようなトリオを見事に再現する。安心して身を任せられる。

終楽章プレストはアシュケナージの安定した技巧を楽しむところ。
巧いなぁ。全部の音が小気味よく鳴っている感じ。低音などドンドン・ダンダンという鈍重さではなく、ジンジン・カツンカツンといった軽快なもの。指が高速回転しているんだろうなぁ・・・・。

録音は今も素晴らしいです。さすがDECCA。
アシュケナージの美音を鮮やかに捉えていると思います。
とても30年前の録音とは思えない極上さでありました。


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ここからは与太話ですので、格調高い人はお読みにならないように。

さて、今日はなぜ「月光」を聴く気になったというとですねえ・・・・。
大仕事が済んで、僕はふらっとパチンコに行ったのです。夜8時から。そして・・・・・。
CR新世紀エヴァンゲリオン「使徒、ふたたび」で大勝利を収めたのであります。
まず、投資1Kで5分ミッション・モード完遂。
これがシャムシェル粉砕のラウンド昇格いたしまして、以後5連チャン。
さらに確変終了後の時短中に綾波レイ覚醒モードに突入、これがまさかの9連チャン。
その後も順調に確変を引き戻して、都合20箱の大勝利。いやぁ、気持ちのエエこと。
カラヤンのコンプリートBOXも、カラスのコンプリートも、ついでにHMVのショッピングカートも、最近新しくしたノートパソコンも、全部賄えちゃいました。
この数ヶ月まじめに仕事していた成果かなぁ・・・。エガッタ、エガッタ。

その「綾波レイ覚醒モード」突入の音楽が、「月光」の第3楽章だったのであります。
レイちゃん、アリガトサン。
また、頼むね。明日からまたまじめに仕事するからね。
2008/03/18のBlog
穏やかな春の日でありました。

出勤前に聴いた音楽はハイドン。先日、テイトのモーツァルトを聴いておりましたら、テイトの演奏ではハイドンもエエぞとのコメントを頂きまして、ありゃ、家にもあったなぁと取り出したんです。すると、これが未開封。アカンなぁ、買ったまま放り出してあったんですなあ。(ヤマちゃんさん、有り難うございました)
イカン、イカン。まじめに音楽を聴かにゃ・・・。

ハイドンの交響曲第100番 ト長調「軍隊」。
ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管の演奏。
1986年5月、ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音。EMIの廉価盤CD。

第1楽章はアダージョ~アレグロ。
静謐でゆったりとしたアダージョの序奏部が終わると、リズムがよく弾むアレグロへ。いかにもハイドンらしい愉悦の表情がたまらない。大人の微笑み、たしなみを感じさせる笑顔。英国紳士の上品さを漂わせるアレグロと云うべきか。
オケの響きがスッキリとして爽快、フレッシュな感じ。澄んだ空気感が実に心地よい。テンポも速過ぎず、遅すぎず、気持ちの良いものだ。ああ、ハイドンはエエなぁ。一日の始まり、爽やかな朝にふさわしい音楽と、つくづく思う。

第2楽章はアレグレット。
この楽章もテンポが中庸でイイ。心が豊かに広がってゆく、くつろげるテンポ。
テイトの採るテンポは、モーツァルトの交響曲でも感じたことだが、実にイイ。心地よい。無理がなく、とても自然な感じで、素直な気持ちで聴ける。
例の「軍隊」と呼ばれる所以の部分も、妙に派手にならず、品の良い演奏に仕上げている、小編成のオケの音がイイ。特に管楽器は明るく可愛らしく、時にひなびた感じもあってニュアンス多彩。こういうハイドンを聴くのは楽しい。

第3楽章はメヌエットで、とても明るい響きが印象的。
前の2つの楽章とちょっと音が変わった感じがするのだが、録音のせいかな?(テイクの日が違うのかもしれない)。少し軽めの響きになっている。

フィナーレは心弾むプレスト。あまり速くならないのがイイ。しっかりとした足取りで進んでゆく。ティンパニの音が、奥の方で気持ちよく鳴っている。

録音状態良好であります。
室内オーケストラらしい、スッキリとした響きが心地よく捉えられていると思います。
欲を言えば、もう少し奥行きがほしいかな。いつものEMIのコンサート・プレゼンスを意識した音作りとは、やや違う感があります。
アビーロード・スタジオでの録音、悪くないです。尤も、そう感じるのは、僕が1980年代デジタル以降のEMI録音に、あまり期待していないせいかもしれませんが・・・・、
2008/03/17のBlog
田舎住まいとはいえ、便利な世の中になったもんです。
たとえばHMVのインターネット・サイトでクリック一発、まとめ買いで送料無料とくれば、居ながらにして実に簡単にCDが買えてしまう時代になりました。今までは東京に行った折に、買い出しの気分で大量に持って帰ったもんです。今や、その往復の交通費分まで買えてしまうんですから、有り難いですなあ。

(あ、僕はHMVの回し者ではありません・・・・・・・。ここDoblogは近頃はやりのアフィリエイトなんぞは無縁のところ、だいたい、こんな拙いブログをご覧頂くだけで有り難いのに、そのひとさまをアフィリエイトに、あまっさえ・・・・・・・なんて、ワタクシは、そんなことようしませんです)

いや、しかし注文は簡単なので、ついつい余計なものまでクリックしてしまい、まんまとHMVの罠にはまっているわけですな(^^ゞ。しかも、巧妙なことに、隔週末になると、HMVから誘惑のメールが来るんです。「こんなん安いのが出まっせ・・・・」って。こりゃ、たまらん。
今もワタクシのショッピングカートには、独ハルモニア・ムンディの50枚組とか、ロストロポーヴィチのチャイコフスキー交響曲全集(これは廃盤久しかったもの。廉価盤化は実に嬉しい)が入っております。

で、未聴CDがどんどん増えていくんです。アカンなぁ・・・・聴かなアカン。ブログ書いてる暇があったら、聴かなアカン・・・。


今日はそんな思いで、シューベルトの室内楽を聴いてます。

シューベルトの弦楽四重奏曲第13番 イ短調 D.804「ロザムンデ」。
シネ・ノミネ弦楽四重奏団の演奏。
1989年、スイスのサル・ドゥ・シャトネルでの録音。レーベルはCascavelle。(何て読むんですかね?)
全集は1980年代末から1990年代前半にかけてのもので、比較的新しい録音。HMVでは2,500円程度の激安価格。
そして演奏も素晴らしい。

精度が高く、しかもロマンの香りが一杯匂ってくる名演奏。
第2楽章の、あの有名な旋律も響きが純粋で気持ちがいい。ヴァイオリンの高音がよく伸びて、録音状態も上々と思われる。
何よりアンサンブルがよろしい。

後半に2つの楽章はさらに好調で、ハンガリー風の楽想が生き生きと、また陰影を含んで奏される。そのアンサンブルはいかにもデリケート、精密な工芸品のような感じで、少し堅さもあるのだが、(その点ではウィーン風ではないようだ)、触ると壊れてしまいそうなシューベルトの純な楽想を見事に描き出していると思う。
そして、シューベルト独特の、ゾッとするような瞬間(何か深いもの、恐るべきもの、深いところからジッとこちらを見つめているような恐ろしい感じ)が、この演奏にはある。

これ、5枚組です。
精を出して、聴いていかにゃ・・・・・・。
こんな立派なCDを出してくれている演奏家・レコード会社に申し訳ないですから・・・・・(^^ゞ
2008/03/16のBlog
ポカポカ、春の陽気。エエ土曜日でした。
窓外でウグイスが鳴きます。田舎はエエでしょ?庭の木立にウグイスがやってくるんですから。ところが、このウグイス、まだまだ鳴き方が下手なんです。春先のウグイスは「ホー ケッキョ」と詰まるような鳴き方をします。巧くなると(つまり、春たけなわになると)、「ホ~~~~~ ホケキョッ」とよく伸びた声になるんです。そして最後にキュッとお尻が上がるんですな。この上がり方が、エエんです。
今日のウグイスなどを聴いていると、上天気とはいえ、まだ寒さが戻るかもしれんなぁ、と思っておりました。

しかし、ああ、そんな良い春の日に、ワタクシは休日出勤で、月曜からの会議の準備をしておりました。部下も数名出てきてくれて、何とか仕上げたものの、今日は別件で出勤せにゃなりません。
この良い天気に出勤かよ・・・・・と思いつつも、まあ定期的に給料をもらっている訳であって、贅沢は言えません。このご時世、有り難いと思いつつ、今日も若い士と仕事に励みまっしょいっ。ちとこのごろ偉くなってしまって、責任と仕事が増えて困ります。いやはやであります。

さあ、今日もモーツァルトであります。
晴れた青空にふさわしい、ハ長調のスッキリとしたピアノ協奏曲を取り出しました。

モーツァルトのピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503。
エリック・ハイドシェックのピアノ独奏、アンドレ・ヴァンデルノート指揮パリ音楽院管弦楽団の演奏。
1962年の録音。EMI盤。
長らく東芝EMI(セラフィム)の廉価盤LP、例の緑色のジャケット1,300円盤で聴いていたのだが、数年前にCD2枚組を購入して、今はCDを聴くことの方が多い。ピアノの音は、どうもCDの方がスッキリ聞こえる感じがする。

演奏はもうハイドシェックの魅力満載で、実に楽しい。
自由奔放、才気煥発、ピアノは天馬空を行く勢いで、聴いていて実に面白く楽しい。ある意味では好き放題な感じなのだが、即興的な装飾音など、ゾクゾクするほどセンス抜群。そして、勢い。若者らしい覇気と、清冽な抒情が同居している演奏であって、ピアノの音色が刻々と変化してゆくところなどは、ああ、巧いなぁと思う。
青年独特のナイーヴさもイイ。

そして、オケと合わない・・・・。合わせようとしていないのかもしれない。
ヴァンデルノート/パリ音楽院管は、よくついているのだが、何せハイドシェックがどんどん弾いてしまうので、(速いところなど、すっ飛ばしてゆく感じ)、これはオケも大変だっただろうなぁ。
そのオケは、今はなき名オーケストラ・パリ音楽院管。巧いのだが、ハイドシェック同様で、精妙さには欠ける感もあるのだが(だからこそ、これぞフランスのオケと云うべきか?)、そんなことよりも、管楽器の素晴らしい音色を聴いていると、ウットリとするほど巧いし、実に洗練されていると思う。
ピアノと木管の絡みが多い第1楽章など、聴いていてとても楽しい。特に良いのはバソン。多分バソンと思う。ファゴットとは少し違う音色に聞こえるから・・・・。テナー・サックスのような感じ。その響きがとてもイイ。

カデンツァはハイドシェック自作のもの。これもセンス溢れるもので、キラキラしたピアノがとても良い。

詩的な表現の第2楽章、フィナーレは愉悦に満ちた演奏。どちらもハイドシェックの快演が(好き勝手のようなところもあるが)楽しめる。ただ、彼の本領は速い楽章の方にあるような気もする。

録音はさすがに古びてきました。ヒスノイズが目立つ感じ、SN比も良くない感じです。
ただ、音はイキイキしています。演奏の勢いが反映しているのか、聴いていて心地よい音だと思います。
フランスのオケによる(特にパリ音楽院管!)モーツァルトは、あまり持っていないので、この演奏は大事にしたいと思います。