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クラシック音楽のひとりごと
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2008/07/06のBlog
USBデジタルオーディオプロセッサーを買いました。
ONKYOの「SE-U55SX」という製品です。

早速PCにセットアップ(USBなのであっという間。マニュアル通りにやれば実に簡単)、我が家のオーディオ・システムに繋いで、今日はその試聴報告を。アンプ側はRECORDER-2に繋ぎました。

まあ、音源はiTunesのダウンロードだからねえと、あまり期待しないで聴き始めたら、これがビックリ。十分な音質ではないか。
聴いたのは
★ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」から序夜「ラインの黄金」
★ジェームズ・レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場管・合唱団の演奏。

僕はこの演奏のCDを持っていないので、比較試聴した訳ではないんですが、ダウンロード版は大変イイ音であります。圧縮AACファイル(128kbps)なのに、さて、どんな補正が行われているのか、イヤ全く驚いたなぁ。

やや低音の迫力が弱いような感じもするんですが、そう、ドイツ的な底力・ズシッと腹に響いてくる低音には不足している感じもするんです。でも、これはレヴァインが求める音ではないかという気もします。クリアな響きをワーグナーに求めれば、こんな音になるだろうと・・・・・。

高音は美しい。冒頭のラインの乙女の場面、ヴァイオリン群の響きは惚れ惚れするほど美しいし、ラストのヴァルハラへの入城のところはホンマに虹色の美しさ。ティンパニの強打も臨場感十分だし、歌手の声もそれぞれに綺麗。
これ、PCから出ている音かいなぁ・・・・と思った次第。PCの音って、もっと雑音が多いんじゃないかと僕は思っていたんです。(PCの音は悪い、PCは雑音の巣窟と聞いていたんだが・・・・我が家のPCはDELLの量販型、安物のデスクトップです。)

勿論、楽器の定位は少し甘いかな、奥行きはイマイチかな、高音の最後のひと伸びが足りないかな(少し詰まった感じ)・・・・という気もしましたが・・・・。

我が家のシステムは(いつも書いてますが(^^ゞ)、これです。
■Luxman L509S
■DENON DCD-S10Ⅲ
■TANNOY ターンベリーHE

アンプは柔らかめの音が出るもので、スピーカーは音楽の雰囲気・空気感を伝えてくれるので気に入っているんですが、それらが、このダウンロード版の圧縮音の貧弱さを音楽的に補っているのか、それとも、僕の耳が悪いのか(加齢による衰えですな・・・・・(^^ゞ)・・・・いずれにせよ、このデジタルオーディオプロセッサは凄い。
(って、ワタクシはONKYOの回し者ではありません。近頃流行のメーカー側のブロガーでもありません。アフィリエイトナンテノモボクノセカイトハチガッタセカイデアリマス 笑)

このレヴァインの「リング」、iTunes Storeの一時激安販売で1,500円で購入したものです。この価格で、家庭でこのレベルの音で聴けるなら、僕は十分に満足です。
アンダのモーツァルト・ピアノ協奏曲全集も、ピノックのモーツァルト交響曲全集も、フィッシャー=ディースカウのシューベルトも、リヒターやガーディナーのバッハも・・・楽しめそうです。
今度またiTunesの激安販売が始まりましたら、是非教えて下さい。ふつうの価格なら物として持てるCDを買いたいと思いますが、あの激安価格ならダウンロード購入で十分かなぁと思った次第です。

こうなると、次は、「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」に挑戦してみましょうか。こちらはひと月1,890円で聴き放題というのが魅力ですね。
2008/07/05のBlog
四国梅雨明け宣言。
全国の皆様、一足お先に(^。^)

いやぁ、連日の猛暑。35℃くらいなんですが、こちらの身体が真夏の暑さに慣れていないものだから、非常にこたえます。
しかし、空の青さ、緑の濃さ、田んぼを渡ってくる風の涼しさ・・・・・・田舎の真夏はそれなりにエエもんです。

さて、今日もバロック、古楽器を聴いてます。

ヘンデルの合奏協奏曲集 作品6より第5番と6番。
トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサートの演奏。
1981~82年、ロンドンでの録音。アルヒーフ盤3枚組のLPであります。

■第5番 ニ長調 HWV323。

何とも爽やかな響き。ヘンデルの大らかさ、懐の広さをよく表出した演奏と云うべきかな。古楽器のアンサンブルも素晴らしく、技巧も冴え渡る。
アンサンブルが良いので、響きが薄いと感じるくらい。よく聴けば、楽器のバランスが良く、ピッチもよく揃っているからそう聞こえたのだが。
ヴァイオリンの音色がとても美しい。細く、透きとおって、ヒンヤリと爽やか。ソロは名手のサイモン・スタンデイジ。見事なもんだ。

■第6番 ト短調 HWV324。

短調のこの曲になると、悲痛な旋律もあって、音楽がスケール豊かに広がってゆく。
イングリッシュ・コンサートの演奏は精妙を極めて、実に美しい。
そして「ミュゼット」の美しさ、朗らかさ。牧歌的な感じがとても良い。
ヴァイオリンやチェロのソロもキレイで、ゆったりしたテンポがまた良い。ピアニシモでのデリカシーは古楽器ならでは。中間部の快速もイイ。

この演奏が出始めた頃から、古楽器演奏は一つ段階が上がったのではなかったか。
コレギウム・アウレウム合奏団の時代から考えれば、ピノックなどの登場で、もう一歩進んだ古楽を聴けるようになったように思います。

録音は今も最高です。
アルヒーフの、これは名録音でしょう。音の鮮度、音場の広さ・奥行き、そして美しい余韻、どれも文句なしに素晴らしい。
30年近く昔の、しかもデジタル初期の録音とはとても思えない新鮮さでありました。

ちょうど、田んぼの上を渡ってくる風のような爽やかな響きであります。
窓の外に、今、夏の田んぼが広がっております。
2008/07/04のBlog
四国・伊予西条はこの夏一番の暑さでした。
気温34.5℃。梅雨の晴れ間でもあるので、まあ蒸し暑かったこと。
日差しはキツイし、湿度は高いし、日中は外での営業もあって参りました。
ヘトヘトであります。なのに部下は冷房のきいた部屋でノンビリと・・・・・ヲイヲイ。

こういう暑い日には古楽器です。

J・S・バッハの管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066。
クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管の演奏。
1986年11月、ロンドンでの録音。オワゾリール原盤。

古楽器の爽やかな響きとキビキビとしたリズムが実に快い。
夏には古楽器が合う。ムウッとした暑さも古楽器の響きで涼しくなる感じがする。
避暑納涼の音楽でありますな。

ホグウッドの採るテンポは、快速過ぎず、体感としてはちょうど良い。アーティキュレーションもよく考えられていると思うが、聴き手をビックリさせるようなことはなく、エキセントリックな感じがしないのがイイ。概して円満、穏和な音楽になっている。

アンサンブルは見事なもので、1970年代末から1980年代にかけて活躍した英国の古楽器団体らしい巧さ。ピノック率いるイングリッシュ・コンサートと双璧か。
思えば、当時のイギリスの古楽器レベルは凄かったなぁと思う。

組曲のどの部分も美しいが、とりわけ木管群が味わい深い響きで印象的。
特に木管とヴァイオリン群のユニゾンが、美しい。
木管のソロもキレイで、心地よい。そして、そのリズミカルな弾みは、この組曲がそもそも舞曲で構成されていることを思い出させてくれる。

録音も大変に美しく、古楽器の清々しさが部屋一杯に広がっていきます。響きの余韻がとても綺麗で、実に涼やか。
聴き手の疲れを癒してくれるような、爽やかな音響が広がっていきます。

この響き、この音楽、やはりバッハはエエなぁと思います。
特にこの組曲第1番は、もう大好き。ホンマに心やすまる音楽です。
2008/07/03のBlog
昨日に続いて、今日もショパンのピアノ協奏曲を聴きます。

ショパンのピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11。
タマーシュ・ヴァーシャリのピアノ独奏、イェルジ・セムコフ指揮ベルリン・フィルの演奏。
1965年の録音。DG盤。

ベルリン・フィルの伴奏が柔らかい響きで耳を奪われる。大変ソフトでデリケートな音なので、あれ?ベルリン・フィルの音とちと違うぞい・・・・と思いつつ聴き始めた。
ヴァーシャリのピアノもソフトタッチで、実に暖かいショパン。録音の加減かな?データがよく分からないのだが、ロケーションは西ベルリンのイエス・キリスト教会だろう。いつも以上に柔らかく響くので、全体的に金属的な音や鋭利な刺激がなく、キツくない、柔らかなショパンになっている。

テンポは中庸だし、ピアノとオケの呼吸もよく合っている。特にオケは立派。ショパンのオーケストレーションは弱いと云われるが、どうしてどうして、さすが天下のベルリン・フィル、充実して豊かな管弦楽を展開してゆく。

第1楽章の開始11分頃の、ピアノがゆったりと旋律を弾くところは、ホンマに美しい。綺麗。ピアノの音像がやや遠いのは録音の所為だろうが、オケと一体化してステージを彷彿とさせてくれるのは好ましいと感じた。
ヴァーシャリのピアノは弱音がイイ。ピアニシモの美しさは、ハッとするところがいくつもあって、今まで沢山聴いてきた1番協奏曲の中でも特筆すべきピアニシモと思った。
14分過ぎから、メランコリックな旋律をピアニシモで弾き出すところなど、その最たるもので、いや、全く美しい。この録音の頃、ヴァーシャリは技巧達者で売るピアニストだったようだが(もちろん、後年のポリーニやアルゲリッチ、アシュケナージほどではないんでしょうが)、詩的な美しさの表出でもこの人はうまいと思う。

第2楽章のゆったりテンポ。かなりの遅さで、情緒纏綿。適度なルバートもあって、思い入れが強い感じ。抒情が静かに流れるところもイイ。こういうショパンもエエなぁと思う。
フィナーレもややソフト・フォーカスながら、ピアノが精一杯歌うのは気持ちエエもんです。

録音はベールに包まれたような、ソフトな感じ。
柔らかさが特徴で、ややボンヤリした音場感です。
しかし、これが良い味を出していて、のんびりと夏の夜に聴くのにはよろしいんじゃないでしょうか。



今日は職場対抗のソフトボール大会。6年ぶりの優勝で、夜更けまで盛り上がりました。いやぁ、よく飲むなぁ、よく喰うなぁ・・・・。若いコたちの勢いはスゴイですね。加齢生活の中で、一服の清涼剤をもらいました。
で、ワタクシは3打数2安打(1本塁打)4打点。オンナのコにもてました。ガハハ。
2008/07/02のBlog
ショパンのピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21。
クラウディオ・アラウのピアノ独奏、エリアフ・インバル指揮ロンドン・フィルの演奏。
1970年10月、ロンドンのウェンブリーでの録音。フィリップス盤。

夏の夜には、ショパンのピアノ協奏曲を聴きたくなる・・・・・。特に第2番を。

僕がクラシック音楽を聴き始めたのは、二十歳過ぎてからであって、いわゆる「ヲタク」としては遅い方になるんだろうと思います。方々のブログやWebページを拝見すると、小中学生の頃からレコードやCDを盛んに購入していらっしゃる様子が見られ、つくづく感心するのであります。皆さん早熟だなぁ、凄いなぁと僕は思いますし(晩稲なのはワタクシだけか?)、楽器が出来たり、当たり前のように楽譜が読めたりするんだなぁと敬意を表するのであります。

ワタクシなど高校生までは洟垂れ小僧、髪を伸ばしてベルボトムを穿いてギターを抱えていればオンナのコにもてる・・・と錯覚していた年頃でありまして、クラシック音楽には縁なき衆生でありました。ようやく二十歳過ぎてクラシック音楽に触れ始め、今や全くヲタク化しておりますが(それでも、ミーハー・有名曲・メジャーレーベル路線は変わらんですなぁ・・・(^^ゞ)、その頃聴いた音楽は、今もホンマに懐かしく思い出されます。

ショパンは、よく聴きました。メロディが美しく、聴きやすかったんです。
特にピアノ協奏曲。その第2番第2楽章の美しさときたら、涙がこぼれるくらい。オケもキレイ。美しく感傷的なメロディで埋め尽くされて・・・・。

それもそのはず、この曲はショパンが恋人を想って二十歳の頃に作った曲。だから、当時青春期にあった我が身にも響いてきたのかな。

ああ、あの甘い甘い第2楽章。
ホンマによく聴きました。この曲を聴くと、フッと当時の記憶が甦ります。
日比谷公園の外灯のゆらめき、日本橋から銀座にかけての夕暮れの舗道、大学の図書館の古い本の匂い、馴染みの喫茶店の深い焙煎のコーヒー、(ああ、地下鉄口の純喫茶オリエント・・・・「純喫茶」なんて言葉はもはや死語か)・・・・。
青春時代、おそらく誰にでもある、甘い甘い一瞬でありました。


さて、演奏はアラウのピアノが素晴らしい。大人風のピアノ。グランドマナーと云うべきか。包容力があって、豊かな教養と知性を感じさせるオトナのピアノ。音には芯があって、内面から滲み出てくる靱さのようなものがある。
インバル/ロンドン・フィルの伴奏も美しいのだが、アンサンブルは少し甘い感じ。インバル独特の粘り(あのマーラー全集で聴かせてくれた独特の、しかし見事な粘り)に、オケがついていけていないところがある。インバルが若いってことかもしれません。

録音はもう40年近く前になるというのに、今も素晴らしい音で再現されます。
フィリップスの見事なアナログ録音。
音が暖かいです。

夏の風を部屋に入れつつ、今日はそんな風にショパンを聴いていたのであります。
2008/07/01のBlog
7月になりました。夏です。
しかし、梅雨の晴れ間で、蒸し暑かったこと!今年の6月は雨が多かったのと曇り空続きだったので、例年より涼しく感じたんですが、それでも晴れるとさすがに暑いですねえ。

というわけで、今日は夏の音楽を。涼を求めて聴きましょう。

ヘンデルの「水上の音楽」。
ニコラス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントス・ムジクスの演奏。
1978年2月、ウィーンのカジノ・ツェーゲルニッツでの録音。TELDEC盤。

随所に現れるアーノンクール・ショック。
ホルンのフラッター奏法など、初めて聴いた時にはたまげたものだ。若々しい、粗野といってもいい吹き方。それが鋭い推進力と迫力をつくり出していて、大変に面白い。
弦楽器群の切れ味は気持ちいいし、装飾音も全く楽しく、聴きどころ一杯。

ティンパニが追加されていて、強打・連打もイイ。ソロ・ヴァイオリンは匂うような色気もあって、装飾音多彩。
木管はひなびた音は懐かしさを漂わせ、管楽器全体に跳ねるようなリズム、生き生きとした音楽の歩み。

アーノンクール独特のアーティキュレーションには、好き嫌い、いろいろあるだろうなぁ。「こんなん、ヘンデルちゃうでぇ・・・」という場面もあります。
しかし、この音楽の弾み方、生き生きとした表情、演奏者たちの音楽をする喜び・・・そなものが、スピーカーから飛び出してきます。

僕は好きです。楽しめました。

楽譜はアーノルド/クリュザンダー版。この録音後の古楽器団体は、おおかたこの版を用いていたと思います。

録音は、音源がやや遠目のオフマイク仕様。
ホールトーンは豊富で、雰囲気豊かな録音になってます。
演奏の斬新さ、鋭さからすれば、もう少しオンマイクの方が良かったんじゃないかなとも思います。
やや乾き気味の音は、いかにも古楽器らしく、サッパリと気持ちいいんですが。

アーノンクールの「水上の音楽」を聴きながら、部屋の窓を開けると、外は涼しい夜風。舟遊びの風情にも似た、田舎の涼風でありました。
心地よいひととき、音楽と涼風で僕は過ごしたのであります。

★「水上の音楽」過去のエントリーです★・・・・・って、1年ぶりに聴いたんですなぁ・・・・・・
■ホグウッド/エンシェント室内管
■セル/ロンドン響」(ハーティ/セル編曲版)
■プレヴィン/ピッツバーグ響
■マリナー/アカデミー室内管
■バウムガルトナー/ルツェルン祝祭弦楽合奏団
■ピノック/イングリッシュ・コンサート
■コレギウム・アウレウム合奏団
■ヴェンツィンガー/バーゼル・スコラ・カントールム合奏団

2008/06/30のBlog
モーツァルトのピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271「ジュノーム」。
アルフレート・ブレンデルのピアノ独奏、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管の演奏。(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズと書くのはシンドイなぁ・・・・・ASMFと省略するべきかいな)
1978年7月の録音。フィリップス盤。

モーツァルト21歳、青春時代の傑作。

アカデミー室内管のふっくらと広がるサウンドに、ブレンデルの肌色のピアノが美しく映える。ああ、モーツァルトの幸福な気分が伝わってくるようだ。
オケが柔らかく暖かく、しかも、しなやかなサウンドを展開して、ブレンデルを優しく包み込む。反応も俊敏だ。

ブレンデルのピアノがイイ。
コロコロと転がるモーツァルト独特のパッセージは軽やかに弾きこなしてゆくし、スカッと抜けるような高音もイイ。気持ちいい。爽快。

マリナーとブレンデルの呼吸も見事。互いの個性を尊重しつつ、それぞれを引き立てるところは絶妙に受け渡ししてゆく。ピアノとオーケストラが、自己主張するところはしっかり主張しつつ、トータルで見事な作品に再現してゆく。これぞ協奏、協調、友愛の音楽と思う。

第1楽章はアレグロ。爽やかな風が頬を撫でてゆくような感触が、たまらなく気持ちいい。ブレンデルのピアニズムに酔ってしまう。

第2楽章はアンダンティーノ。悲痛な旋律なのだが、オケもピアノもベタベタしない。サラッとしているのがイイ。モーツァルトの哀しみは透明であって欲しいから。
そして、短調の中から顔を見せる長調は、天使のような微笑み。素晴らしい。

ロンド(プレスト)のフィナーレはピアノとオケが一体化して爽やかに駆け抜ける。アンサンブルも優秀。さすがアカデミー室内管と思う。
ブレンデルのピアノにはますます磨きがかかって、輝くばかり。その光は、やはり柔らかい肌色を帯びた白色。キレイ。

録音は今も素晴らしいです。
1978年といえば、もう30年も経過するんだなぁと改めて思った次第。
アナログ末期、全盛期のフィリップス録音であります。
最高です。
2008/06/29のBlog
ブログを始めてから、沢山のコメント・助言を頂戴して、僕のレパートリーは随分広がりました。刺激を頂いたんであります。特にフランス音楽を随分聴くようになったこと、ドビュッシーが聴けるようになったのは、大変有り難いことと思っています。
3年前は、あまり聴かなかったんです。何枚かLP・CDは持っていたんですが、得意ではなかったんです。過去に、そんなことを僕は書いてます

それが皆さんのアドバイスで、だいぶドビュッシーに慣れました。そして、何となく分かるようになりました。
ドビュッシーは天才であります。吉田秀和が『LP300選』の中で云ってます。「われわれの知るヨーロッパ音楽、千年の歴史を通じて、第一級の天才だった」と。

ドビュッシーの音楽は独特だと思います。その音、その響き、色彩・・・・ドビュッシーの音楽からは、それまで僕が聴いたことがないような音、色合い、光と影、ニュアンス、繊細な息づかい・・・・そういったものが聞こえてきます。

今日、聴いている「夜想曲」など、実はずっと何が何だか分からないまま聴いてきました。僕はようやく分かりました(と云うか、慣れました)。ドビュッシーはメロディを楽しむのではなく、その響き、色彩、陰影、和声、ニュアンスなどを楽しめばいいと。

というわけで、能書きが長くなりました・・・。

ドビュッシーの「夜想曲(ノクチュルヌ)」。
シャルル・デュトワ指揮モントリオール響の演奏。

デュトワのドビュッシーは大変美しい。また、楽しい。
デュトワほど、ドビュッシーの繊細な音楽をさらにデリケートに、精妙に、美麗に再現する人はいないんじゃないか・・・・・と思えるほど、この演奏は細やかで綺麗。

第1曲「雲」の、はるかな響き。ヴェールのかかったような響き。
春霞の中にいるような、微妙な音の具合がたまらない。

第2曲「祭り」は活気あるリズムが面白いが、管弦楽の微妙な味わいは変わらない。すごい音楽と思う。

第3曲「シレーヌ」は女声合唱の響きが素晴らしい。デュトワ/モントリオール響の演奏はここでも精妙を極める。ドビュッシーの鋭さよりも、音楽の暖かみを再現しているかのよう。音や響きはクールな感じなのに、出てくる音楽は暖かく、甘い。素晴らしい再現と思う。

録音は今も極上です。最高です。
デュトワ/モントリオール響のDECCA録音は、どのディスクも素晴らしいんです。
フランスものをこれほど美しく、またフランス的なセンス・肌触りで演奏し、なおかつそれを見事に捉えきった録音・・・・DECCAはスゴイですね。
2008/06/28のBlog
週末であります。ちと、休みたいです・・・・(^^ゞ。

初めてコメントを頂いた方の言葉に、こうありました。
「私は昔1曲1CDだったのに、ある時、指揮、演奏でこんなに違うのかと感じてから、同曲を何枚も買ってます。家族からもったいないと言われてます。評判を聞くと買いたくなる、聞きたくなる。中毒ですかね。」(ジュリーニさん、有り難うございました。)

まさに同感!全く、その通りです。僕も中毒です、病気です。
「こんな演奏もエエぞぉ」なんて、コメントでご紹介されると、もう矢も楯もたまらず欲しくなってしまう・・・・・ああ、煩悩。「四十にして惑わず」なんて、ありゃ、嘘ですな。五十近いのに、惑いっぱなしです。そして、我が部屋に加速度的に増殖するCD群・・・・・・昔CDは高価だったので、今のような激安時代、もう小人のワタクシは嬉しくてたまらない・・・・ナンボでも買ってしまいます・・・・・・。

さて、今日は初めてエントリーする曲です。

サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」。
ジャン=フィリップ・コラールのピアノ独奏、アンドレ・プレヴィン指揮ロイヤル・フィルの演奏。
1986年9月、ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音。

サン=サーンスがピアニストとしてパリにデビューしたのが1846年という。このとき僅か11歳。天才やなぁ。
そのサン=サーンスが1896年に楽壇生活50周年を記念する音楽会が開かれることになって、それに合わせて作曲された協奏曲がこの「エジプト風」。天才作曲家最後のピアノ協奏曲になった。

第1楽章はアレグロ・アニマート。
華やかな楽想に華やかな演奏。花屋の店先で匂い立つ花たち、その花が妍を競っているような感じの音楽。
ジャン=フィリップ・コラールのピアノは軽やかで爽やか。パリパリッとした舌触りのフランスパンのよう。おきゃんなパリ娘がはしゃいでいるようか感じでもある。いや、聴いていて全く楽しい。楽しい演奏というのは、概してエエもんです。
木管なども好演。品がよい。上品といえば、プレヴィン/ロイヤル・フィルのバックも実にエレガント。素晴らしい。

第2楽章は一転、エキゾチックな魅力にあふれる楽章。
東方の音楽というか、エジプト風から中央アジア的なメロディも出てくる。美しい旋律のオンパレード。そこをジャン=フィリップ・コラールは、大切に弾いてゆく。プレヴィンの棒も柔らかくサポートしてゆく。管楽器(ここでも木管がイイ)が素晴らしく、響きも良い。ロマンの薫りがムンムンするような音楽。

フィナーレはモルト・アレグロ。
またもパリの花屋の店先。音楽は実に華やかで、聴いているとリスニング・ルームがピンク色に染まってゆくような感じ。
ジャン=フィリップ・コラールの技巧も完璧。豪快に弾きまくるところもあれば、繊細にニュアンス豊かに弾きこんでゆくところもあって、変化にも富んでいる。実に楽しい。

録音は標準的です。
この時期のEMIにしては、まずますと云うべきでしょうか。
(1980年代デジタル以降のEMI録音は、我が家のステレオとあまり相性が良くないんです)
2008/06/27のBlog
ブラームスが作曲した「ハイドンの主題による変奏曲」は名曲と思います。
変奏曲の大家ブラームスがらしく、とても精緻でしなやかな書法で書かれた名品。管楽器のソロなどは実に美しく、チェロやヴィオラなどの内声部も充実している。曲想は変化に富むし、旋律も美しいので、大変聴きごたえがある、
ブラームス若書きの作品、管弦楽作品としては第3作なのだが、よく出来ているなぁと感心する。

変奏は全部で8つ。

主題「聖アントニー・コラール」アンダンテ
第1変奏:ポコ・ピウ・アニマート
第2変奏:ピウ・ヴィヴァーチェ
第3変奏:コン・モート
第4変奏:アンダンテ・コン・モート
第5変奏:ヴィヴァーチェ
第6変奏:ヴィヴァーチェ
第7変奏:グラツィオーソ
第8変奏:プレスト・ノン・トロッポ
終曲 アンダンテ

今日はケルテス盤で聴こう。

ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」 作品56a。
イシュトバン・ケルテス指揮ウィーン・フィルの演奏。
1973年3月の録音。DECCA盤。レコードはキング発売のLP全集からの1枚。

この演奏はケルテスが夭折した際の録音。ブラームスの交響曲全集はケルテスの白鳥の歌となった。特に、このハイドン変奏曲は、ラストのパッサカリアの収録が済んでいなかったので、ウィーン・フィルがケルテスの死を悼みつつ、自分たちだけでラストを録音したというもの。名演奏と思う。
(僕など、そんなエピソードだけでも涙がこぼれそうだ・・・・)

第7変奏の静謐感、心の平安。美しく盛り上がる弦楽器群。やがてフォルティシモに上り詰めてゆく時の美しさも格別。

フィナーレの荘厳さも素晴らしい。中庸で充実した演奏は、ケルテスの最期にふさわしいと云うべきか。あの主題が戻ってくるところなど、感動的。

ケルテスこのとき43歳。早すぎた死だった。
彼のブラームスやモーツァルト、シューベルト、ドヴォルザークなどを聴くたびに、彼こそ現代最高のシンフォニー指揮者になるべき人だったと、惜しまれてならない。

録音はさすがにDECCA、35年経過した今も十分に美しいです。
ウィーン・フィルの艶やかな響きを見事に再現しています。やはり。ウィーン・フィルは、DECCAで聴くと鮮やかだなぁと思います。迫力も十分、名録音と思います。
2008/06/26のBlog
今年の梅雨は、実に梅雨らしく、この数日は曇天つづき。
にわか雨も多く、ジョギングもこのところ出来てません。身体がちと弛んできたかいな・・・・。

そんな雨模様の中、ブラームスの室内楽を聴くのは、しかしなかなかエエもんです。

ブラームスの弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 作品18。
アルバーニ四重奏団にベスト(vla)、ウェルシュ(Vc)が参加した六重奏。
1978年の録音。CRD原盤。ブリリアント・クラシックスの「ブラームス室内楽曲集」からの1枚。

1860年の作品で、このときブラームス27歳。青年だった。
ピアノ三重奏曲につぐ、室内楽作品第2作になるもの。
楽想は平明にして晴朗、構造も明確なもので、ブラームスもさすがに若々しい。後年の晦渋さはなく、音楽は清新で瑞々しい。

第1楽章はアレグロ・マ・ノン・トロッポ。ブラームス若書きの作品を、爽やかに描き出してゆく。響きが新鮮で、少し薄く感じるくらい。しっかりと克明に演奏してゆく感じ。
第2楽章はアンダンテ・マ・モデラート。映画「恋人たち」に使われた有名な変奏曲。やはり、この楽章が一番の聴きものになるのかな。
ブラームスの若きロマンが溢れてくる。むせび泣くような第1ヴァイオリン。響きも痛切だ。チェロ2挺、ヴィオラ2挺の強い響きも良い。重層的なこの響きはブラームス特有のものだ。ああ、これロマン派の響きだなぁ。ブラームスは、時代の申し子だったのだ。

第3楽章のスケルツォは流麗で優美、フィナーレのロンドは爽やかな幕切れを演出する。

演奏者はよく知りません。無名の団体ですかな?
演奏は全体的に素直で明朗、イイ演奏と思いました。

録音はアナログらしい大らかさがエエです。
ふっくらとした響きはアナログの良さでしょう。今も十分に美しいです。
室内楽は一つひとつの楽器がクローズアップされるので、デジタルだとえてして鋭い音に聞こえてしまうんですが、アナログはふくよかに聞こえて、エエようです。
2008/06/25のBlog
さてさて、激務の間を縫って、未聴の山を整理しております。
今日のような箱物も丁寧に聴いていきたいもんです。

チャイコフスキーの交響曲第2番 ハ短調 作品17「小ロシア」。
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮ロンドン・フィルの演奏。
1976年10月、キングズウェイ・ホールでの録音。
今春発売されたEMI盤の廉価盤全集BOXからの1枚。

ロストロポーヴィチが指揮を始めて、(同時にレコーディングを始めた)、1970年代中葉の名盤が全集で復活。ロンドン・フィルの演奏も好演で、LPで何枚か持っていたのだが、長いこと廃盤になっていたので、廉価盤での復活は喜ばしい。
このデビュー当時の録音では「シェエラザード」(オケはパリ管)も素晴らしかった。ロシアの血が濃厚に反映された演奏になっていて、強い共感で貫かれていた。
チャイコフスキーでは、初期の交響曲でも手を抜かない、全力投球の演奏で、熱血漢的な指揮振りが大変好ましいと思う。

第2交響曲でもロストロポーヴィチは一生懸命。
多用されるウクライナ民謡が、この演奏ほど熱く、懐かしく、共感を持って響くものはないだろう。他の演奏では聴けない、郷愁のようなものもある。

第1楽章の熱さ。主題がとても美しく、また熱い。
この懸命さが楽章全体を貫いてゆく。

第2楽章の行進曲も美しい。ファゴットなどの木管が活躍して、美しいソロを聴かせる。ロンドン・フィルは健闘、よくついて行っていると思う。味わい深い演奏で、しかもよく歌っている。楽章後半の盛り上がりは感動的。

第3楽章はスケルツォ。
トリオではまたも民謡風の曲想に変化して、ユーモラスな感じもある。木管もイイし、弦楽器のピチカートも楽しい。

フィナーレは豪快な演奏。大胆にして細心と言うべきか。
旋律は美しく、ロシア情緒満点。チャイコフスキーが無類のメロディ・メーカーであったことを示す楽章でもある。
そして、ロストロポーヴィチの熱い思い。
これがこの演奏をホンマに素晴らしいものにしているんだろうなぁ。

録音はまずまずです。可もなく不可もなし・・・・という感じでしょうか。
高音の伸びがもう少しあればいいなぁとも思います。
弦楽セクションの響きはGOOD。いい音で鳴ってます。