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クラシック音楽のひとりごと
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2008/07/11のBlog
この数日の暑さにげんなりしております。
今日はシューベルトの室内楽でも聴きまっしょい。
弦楽器の響きで、ちと、涼しい気分になるかいなぁ・・・・・。


シューベルトの弦楽四重奏曲第15番 ト長調 D.887。
メロス弦楽四重奏団の演奏。
1974年12月、シュトゥットガルトのモーツァルト・ザールでの録音。DG盤の全集から。
メロスSQの演奏は、ドイツ的な重厚さに加えて、現代的なシャープさを押し出してくるところに特徴があると思う。その中から、シューベルトの若々しい歌が湧き上がってくる。
4人のバランスがとても良いし、時にハッとするようなパッセージが浮かび上がる。そして、ゾクッとするような深淵も。シューベルトの「未完成」交響曲にも出てくる、シューベルトの恐さ、人生の深い闇というか、芸術のコワさとでもいうか・・・そういったものが、この弦楽四重奏からも聞こえてきた。

それが最もよく出ているのが第2楽章。シューベルト的な歌が続く、美しい楽章。ゆったりとしたアンダンテ・ウン・ポコ・モートから、ゾッとするほどの美しいフレーズが浮かぶ。トレモロが作る悲痛な恐ろしさ、音が震えて、常に危うさがつきまとう。
そのあたりをメロスSQは完璧なアンサンブルで表出する。素晴らしい演奏、そして鋭い演奏と思う。

第3楽章もイイ。音が震える。32分音符が多いらしい。
トレモロのように奏でられながら、何かに追われているような切迫感がある。それが、シューベルトの哀感となって、聴き手の胸を締め付けるのかな。

録音がやや乾き気味なのが残念。
第1ヴァイオリンの高音が、金切り声的に響くことあり。
シューベルトの悲哀がよく出ているとは思うのだが、時に耳に痛く、もう少しフワッとした音で聴いてみたい気がします。


この数日、Doblogが重くて更新しかねるような状態でした。
どうかしたんかいな。
コメントも書き込めない時もありました。ご迷惑をおかけしました。
2008/07/10のBlog
梅雨明け後、暑い日が続きます。
みなさま、暑中お見舞い申し上げます。
ジョギングも早朝でないと、こたえます。朝露の中をトコトコ走るのは気持ちいいもんですが、すでに日は昇っていて、この日差しは朝からキツイです。この数日でだいぶ日焼けしました。

こんな音楽でも聴いて、それこそ昼寝出来ればエエんですが・・・・。


ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」。
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1976年の録音。蘭フィリップスの輸入盤LPボックスからの1枚。

知る人ぞ知るハイティンク/コンセルトヘボウ管の名盤。
LPは名録音と誉れ高いもの。かの長岡鉄男が絶賛していたもので、僕は石丸電気の年末キズものバーゲンで購入した。もう25年も前の話、懐かしいLPであります。

コンセルトヘボウ管の管楽器が素晴らしい。
ソロのフルートだけでなく、クラリネットやオーボエは大変に巧いし、何より響きがイイ。そしてそれを包み込む弦楽器のユニゾンもまた、美しいこと。

ヴァイオリン群の繊細でニュアンスに富んだ音色は格別。「虹色」と云いたいくらい、刻々と音色が変化して、いや全く色彩的。そして、デリカシー一杯の響き。
聴いていて、こんなに楽しいことはない。

ハイティンクの指揮は自然で誠実。作為的なところがちっともなく、ひたすら真面目に棒を振っている感じ。匠気がない。そういう演奏はあまり面白くないことが多いのだが、これは、その自然さが良い方に作用して、コンセルトヘボウ管の美しい響きが前面に出てきて、たまらない魅力を放つ演奏になっている。
指揮者の存在感が殆どないのにもかかわらず、非常な名演奏になってしまったという、これは稀有の演奏ではなかろうか。

11分11秒の短い演奏時間に、ドビュッシーの天才も、近代フランス音楽の繊細なオーケストレーションの精華も、そしてコンセルトヘボウ管のたぐいまれな響きも、すべて詰め込んでしまった名演奏と思う。

録音は初めに書いたように、今も最高級。
アナログ録音の最良の姿と思います。
しかも、このLPは蘭フィリップスの輸入盤。プレスも最高であります。

この演奏はCDでも出ています。フィリップスのDUOシリーズ。CDでもエエ音のようです。
2008/07/09のBlog
昨日の朝は、久しぶりにこのDoblogが重く、更新もままなりませんでした。
アクセス数が異様に多かったこともあるので、なんか、サーバーに負担がかかったんでしょうか。検索ロボットのせいかな・・・・・う~む・・・・。

そして猛暑が続きます。夜は激しい夕立。四国は本格的な、真夏であります。
ただ、夕立の後の夜風は涼しかったですな。自然の冷気というのはyはりエエもんです。

さて、今日はハイドン。

ハイドンの交響曲第94番 ト長調「驚愕」。
オイゲン・ヨッフム指揮ロンドン・フィルの演奏。
1972年4月、ロンドンのアッセンブリー・ホールでの録音。DG盤。

第1楽章はアダージョ~ヴィヴァーチェ・アッサイ。
堂々として恰幅がよい演奏。テンポは速く、精力的なのだが、出てくる音楽には風格があって、スケール豊かな広がりがある。安定度抜群。
色気や艶っぽさがない、男性的なハイドンなのだが、整然とした流れの中に、ふと優美な表情が見えてくるのは、大家ヨッフムの余裕かな。
素っ気ないというか、飾りだてしないというか、そんな感じなのだが、それが誠実さ・堅実さになっていて、好感が持てる。こういうハイドン、好きやなぁ。

第2楽章のアンダンテは、おなじみのびっくりシンフォニー。
ヨッフムの指揮はここでも大らか。伸び伸びとロンドン・フィルに演奏させてゆく。音も良い。アンサンブルが良いのだろう、響きも爽やかで実に心地よい。
そして楽章の終わりに、ヨッフムのオリジナルの面白さ。これは知る人ぞ知る面白さ。さすが芸が細かい。こら、ホンマにビックリや。

第3楽章とフィナーレは勢いがある。精力的だが、ハイドンらしく優美で、しなやか。汗だくで演奏しているわけではない。上品で、美しさも十分に備わった名演奏と思う。

録音は少々古くなってきた感あり。
ヴァイオリンの高音が少し硬い感じもあります。(これはCDだからかもしれません)
残響がやや少なく、音の広がりがイマイチかな。
1970年代前半のDG録音。マルチマイク録音ですので、こういう感じになるのかもしれません。
2008/07/08のBlog
巷間話題のプッチーニの20枚組ボックスが届きました。
早速、「ボエーム」から聴き始めましたが、まあなんとCDが取り出しにくいこと!
2つ折りの紙パックジャケットはイケマセン。大変出しづらい。2枚組LPのように外から出せるようにすればいいのに・・・・、内側から引き出すのはシンドイぞい。ワタクシは手先が不器用なので、ツライですわなぁ。

さて、プッチーニの「ボエーム」です。
ゲオルク・ショルティ指揮ロンドン・フィルの演奏。
1973年7月、ロンドンのウォルサムストウ・タウン・ホールでの録音。RCA原盤。
(ショルティのRCA録音は珍しいんじゃないかしらん)
キャストはなかなかの豪華版。
モンセラ・カバリエ(ミミ)、プラシド・ドミンゴ(ロドルフォ)、ジュディス・ブレゲン(ムゼッタ)、シェリル・ミルンズ(マルチェッロ)、そしてルッジェーロ・ライモンディ(コルリーネ)など。

ショルティの指揮がイキイキとしていて、実にシャープ。フレーズの切り口が鋭く、すぱっと切れ味よく音楽が進んでゆく感じ。音がモコモコしていないのもショルティ流。いつもの筋肉質で体育会系の音楽が耳に飛び込んでくる。その音の勢いの良さには圧倒されそう。
プッチーニの音楽特有の叙情性からはは少し離れているのかもしれないのだが、これ、サード・チョイスくらいの「ボエーム」だとしたら、とてもイイんじゃないか。僕はプッチーニ・ファン、特に「ボエーム」大好きなので、大変面白く聴けました。
それにしても音楽は大層立派。姿勢の人々の哀感を謳いあげたオペラが、大変格調高い、普遍的な悲哀に高められているような印象もあり。さすが、ショルティと云うべきかな。
ドミンゴの歌唱が若々しくて良い。蒼さが残っている感じなのだが、それもロドルフォには必要な要素だろう。アリアなどは若さがはじける名唱。高音の輝かしさ、強さは、この人ならでは。

カバリエの声は可憐で美しい。お針子ミミの若さをよく表出していると思う。特に弱音が綺麗。語りかけるようなピアニシモは、大変可愛らしく、また、儚い。そしてこの人も高音が綺麗。クリーミーで柔らかい高音が実にイイ。(聴き手の耳を突き刺すようなソプラノは苦手です)

脇役も充実。ラストまで飽きさせずに楽しめます。ショルティの指揮がキビキビしているのも功を奏しているのかも。

録音は今も十分に美しいものです。
ちと音が硬い感じがするのは、ショルティの作る音楽のせいでしょう。
オンマイク気味の録音で、艶やかな音を楽しめます。
2008/07/07のBlog
USBオーディオプロセッサを楽しんでます。

モーツァルトのピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482。
ゲザ・アンダ(ピアノ・指揮)とザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の演奏。
1961~69年録音のDG全集盤から。iTunes Storeのダウンロード版であります。

第1楽章の序奏、響きがとても柔らかく、穏やかなモーツァルトが始まる。ほんのり、ほんわか、無理のない自然なモーツァルトで、心やすまる感じ。
そこに、アンダのピアノが滑り込んでくるのだが、その音がとても清潔。エッジが丸みを帯びていて、コロコロとよく転がる。柔和な表情で歌われるモーツァルト。テンポは速めなのだが、あまり速く感じさせないのは、その穏やかさのせいか。
アンダは指揮も兼ねているのだが、時折忙しそうなところがある。指揮者を別に立てて、ピアノに専念した方が良かったかも・・・・・まぁ、この曲の場合には。
カデンツァはアンダ自身のものかな。品の良さ、慎ましさを感じさせる名品。

第2楽章は、モーツァルトのピアノ協奏曲中、最も悲痛な楽想をたたえた緩徐楽章。オーケストラのしっとりとした響きが涙を誘う。木管の響きが特にイイ。
アンダのピアノはここでも清潔、とても美しい。ことさら磨き上げているわけでもなく、光り輝いていることもないのだが、心に染みいる美しさと思う。乳白色の美しさとでも云おうか。感動的。

フィナーレのロンドも、やや雲のある青空といった感じ。底抜けの、スッカラカンとした青空でないのが、イイ。渋く、落ち着きのあるロンドになっている。ピアノの技巧は素晴らしく、スッキリとした味わいもある。
伴奏はここでもしっとりとして心地よい。クラリネットが活躍するせいか、どこか侘びしく、陰影のある響きが印象的。

録音は標準的。
経年を考えれば、少々古ぼけてきているのは致し方ないでしょう。
音楽のきめの細かさ、落ち着いた雰囲気、ロケーションの空気感などはよく伝わってきます。奥行きなどの音場感もまずまずであります。
ダウンロード版~USBプロセッサ再生を思えば上々と思います。


今日の画像は我が家の菜園。ダウンロード版なので、ジャケットないんです(^^ゞ
4月末に植えた野菜の苗がよく育ちました。キュウリ、茄子、プチトマトにサラダ菜。
この夏、我が家の食卓の野菜は全部自家製であります。
間もなく、ピーマンにゴーヤが収穫できそうです。
ささやかな幸福であります。
2008/07/06のBlog
USBデジタルオーディオプロセッサーを買いました。
ONKYOの「SE-U55SX」という製品です。

早速PCにセットアップ(USBなのであっという間。マニュアル通りにやれば実に簡単)、我が家のオーディオ・システムに繋いで、今日はその試聴報告を。アンプ側はRECORDER-2に繋ぎました。

まあ、音源はiTunesのダウンロードだからねえと、あまり期待しないで聴き始めたら、これがビックリ。十分な音質ではないか。
聴いたのは
★ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」から序夜「ラインの黄金」
★ジェームズ・レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場管・合唱団の演奏。

僕はこの演奏のCDを持っていないので、比較試聴した訳ではないんですが、ダウンロード版は大変イイ音であります。圧縮AACファイル(128kbps)なのに、さて、どんな補正が行われているのか、イヤ全く驚いたなぁ。

やや低音の迫力が弱いような感じもするんですが、そう、ドイツ的な底力・ズシッと腹に響いてくる低音には不足している感じもするんです。でも、これはレヴァインが求める音ではないかという気もします。クリアな響きをワーグナーに求めれば、こんな音になるだろうと・・・・・。

高音は美しい。冒頭のラインの乙女の場面、ヴァイオリン群の響きは惚れ惚れするほど美しいし、ラストのヴァルハラへの入城のところはホンマに虹色の美しさ。ティンパニの強打も臨場感十分だし、歌手の声もそれぞれに綺麗。
これ、PCから出ている音かいなぁ・・・・と思った次第。PCの音って、もっと雑音が多いんじゃないかと僕は思っていたんです。(PCの音は悪い、PCは雑音の巣窟と聞いていたんだが・・・・我が家のPCはDELLの量販型、安物のデスクトップです。)

勿論、楽器の定位は少し甘いかな、奥行きはイマイチかな、高音の最後のひと伸びが足りないかな(少し詰まった感じ)・・・・という気もしましたが・・・・。

我が家のシステムは(いつも書いてますが(^^ゞ)、これです。
■Luxman L509S
■DENON DCD-S10Ⅲ
■TANNOY ターンベリーHE

アンプは柔らかめの音が出るもので、スピーカーは音楽の雰囲気・空気感を伝えてくれるので気に入っているんですが、それらが、このダウンロード版の圧縮音の貧弱さを音楽的に補っているのか、それとも、僕の耳が悪いのか(加齢による衰えですな・・・・・(^^ゞ)・・・・いずれにせよ、このデジタルオーディオプロセッサは凄い。
(って、ワタクシはONKYOの回し者ではありません。近頃流行のメーカー側のブロガーでもありません。アフィリエイトナンテノモボクノセカイトハチガッタセカイデアリマス 笑)

このレヴァインの「リング」、iTunes Storeの一時激安販売で1,500円で購入したものです。この価格で、家庭でこのレベルの音で聴けるなら、僕は十分に満足です。
アンダのモーツァルト・ピアノ協奏曲全集も、ピノックのモーツァルト交響曲全集も、フィッシャー=ディースカウのシューベルトも、リヒターやガーディナーのバッハも・・・楽しめそうです。
今度またiTunesの激安販売が始まりましたら、是非教えて下さい。ふつうの価格なら物として持てるCDを買いたいと思いますが、あの激安価格ならダウンロード購入で十分かなぁと思った次第です。

こうなると、次は、「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」に挑戦してみましょうか。こちらはひと月1,890円で聴き放題というのが魅力ですね。
2008/07/05のBlog
四国梅雨明け宣言。
全国の皆様、一足お先に(^。^)

いやぁ、連日の猛暑。35℃くらいなんですが、こちらの身体が真夏の暑さに慣れていないものだから、非常にこたえます。
しかし、空の青さ、緑の濃さ、田んぼを渡ってくる風の涼しさ・・・・・・田舎の真夏はそれなりにエエもんです。

さて、今日もバロック、古楽器を聴いてます。

ヘンデルの合奏協奏曲集 作品6より第5番と6番。
トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサートの演奏。
1981~82年、ロンドンでの録音。アルヒーフ盤3枚組のLPであります。

■第5番 ニ長調 HWV323。

何とも爽やかな響き。ヘンデルの大らかさ、懐の広さをよく表出した演奏と云うべきかな。古楽器のアンサンブルも素晴らしく、技巧も冴え渡る。
アンサンブルが良いので、響きが薄いと感じるくらい。よく聴けば、楽器のバランスが良く、ピッチもよく揃っているからそう聞こえたのだが。
ヴァイオリンの音色がとても美しい。細く、透きとおって、ヒンヤリと爽やか。ソロは名手のサイモン・スタンデイジ。見事なもんだ。

■第6番 ト短調 HWV324。

短調のこの曲になると、悲痛な旋律もあって、音楽がスケール豊かに広がってゆく。
イングリッシュ・コンサートの演奏は精妙を極めて、実に美しい。
そして「ミュゼット」の美しさ、朗らかさ。牧歌的な感じがとても良い。
ヴァイオリンやチェロのソロもキレイで、ゆったりしたテンポがまた良い。ピアニシモでのデリカシーは古楽器ならでは。中間部の快速もイイ。

この演奏が出始めた頃から、古楽器演奏は一つ段階が上がったのではなかったか。
コレギウム・アウレウム合奏団の時代から考えれば、ピノックなどの登場で、もう一歩進んだ古楽を聴けるようになったように思います。

録音は今も最高です。
アルヒーフの、これは名録音でしょう。音の鮮度、音場の広さ・奥行き、そして美しい余韻、どれも文句なしに素晴らしい。
30年近く昔の、しかもデジタル初期の録音とはとても思えない新鮮さでありました。

ちょうど、田んぼの上を渡ってくる風のような爽やかな響きであります。
窓の外に、今、夏の田んぼが広がっております。
2008/07/04のBlog
四国・伊予西条はこの夏一番の暑さでした。
気温34.5℃。梅雨の晴れ間でもあるので、まあ蒸し暑かったこと。
日差しはキツイし、湿度は高いし、日中は外での営業もあって参りました。
ヘトヘトであります。なのに部下は冷房のきいた部屋でノンビリと・・・・・ヲイヲイ。

こういう暑い日には古楽器です。

J・S・バッハの管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066。
クリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管の演奏。
1986年11月、ロンドンでの録音。オワゾリール原盤。

古楽器の爽やかな響きとキビキビとしたリズムが実に快い。
夏には古楽器が合う。ムウッとした暑さも古楽器の響きで涼しくなる感じがする。
避暑納涼の音楽でありますな。

ホグウッドの採るテンポは、快速過ぎず、体感としてはちょうど良い。アーティキュレーションもよく考えられていると思うが、聴き手をビックリさせるようなことはなく、エキセントリックな感じがしないのがイイ。概して円満、穏和な音楽になっている。

アンサンブルは見事なもので、1970年代末から1980年代にかけて活躍した英国の古楽器団体らしい巧さ。ピノック率いるイングリッシュ・コンサートと双璧か。
思えば、当時のイギリスの古楽器レベルは凄かったなぁと思う。

組曲のどの部分も美しいが、とりわけ木管群が味わい深い響きで印象的。
特に木管とヴァイオリン群のユニゾンが、美しい。
木管のソロもキレイで、心地よい。そして、そのリズミカルな弾みは、この組曲がそもそも舞曲で構成されていることを思い出させてくれる。

録音も大変に美しく、古楽器の清々しさが部屋一杯に広がっていきます。響きの余韻がとても綺麗で、実に涼やか。
聴き手の疲れを癒してくれるような、爽やかな音響が広がっていきます。

この響き、この音楽、やはりバッハはエエなぁと思います。
特にこの組曲第1番は、もう大好き。ホンマに心やすまる音楽です。
2008/07/03のBlog
昨日に続いて、今日もショパンのピアノ協奏曲を聴きます。

ショパンのピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11。
タマーシュ・ヴァーシャリのピアノ独奏、イェルジ・セムコフ指揮ベルリン・フィルの演奏。
1965年の録音。DG盤。

ベルリン・フィルの伴奏が柔らかい響きで耳を奪われる。大変ソフトでデリケートな音なので、あれ?ベルリン・フィルの音とちと違うぞい・・・・と思いつつ聴き始めた。
ヴァーシャリのピアノもソフトタッチで、実に暖かいショパン。録音の加減かな?データがよく分からないのだが、ロケーションは西ベルリンのイエス・キリスト教会だろう。いつも以上に柔らかく響くので、全体的に金属的な音や鋭利な刺激がなく、キツくない、柔らかなショパンになっている。

テンポは中庸だし、ピアノとオケの呼吸もよく合っている。特にオケは立派。ショパンのオーケストレーションは弱いと云われるが、どうしてどうして、さすが天下のベルリン・フィル、充実して豊かな管弦楽を展開してゆく。

第1楽章の開始11分頃の、ピアノがゆったりと旋律を弾くところは、ホンマに美しい。綺麗。ピアノの音像がやや遠いのは録音の所為だろうが、オケと一体化してステージを彷彿とさせてくれるのは好ましいと感じた。
ヴァーシャリのピアノは弱音がイイ。ピアニシモの美しさは、ハッとするところがいくつもあって、今まで沢山聴いてきた1番協奏曲の中でも特筆すべきピアニシモと思った。
14分過ぎから、メランコリックな旋律をピアニシモで弾き出すところなど、その最たるもので、いや、全く美しい。この録音の頃、ヴァーシャリは技巧達者で売るピアニストだったようだが(もちろん、後年のポリーニやアルゲリッチ、アシュケナージほどではないんでしょうが)、詩的な美しさの表出でもこの人はうまいと思う。

第2楽章のゆったりテンポ。かなりの遅さで、情緒纏綿。適度なルバートもあって、思い入れが強い感じ。抒情が静かに流れるところもイイ。こういうショパンもエエなぁと思う。
フィナーレもややソフト・フォーカスながら、ピアノが精一杯歌うのは気持ちエエもんです。

録音はベールに包まれたような、ソフトな感じ。
柔らかさが特徴で、ややボンヤリした音場感です。
しかし、これが良い味を出していて、のんびりと夏の夜に聴くのにはよろしいんじゃないでしょうか。



今日は職場対抗のソフトボール大会。6年ぶりの優勝で、夜更けまで盛り上がりました。いやぁ、よく飲むなぁ、よく喰うなぁ・・・・。若いコたちの勢いはスゴイですね。加齢生活の中で、一服の清涼剤をもらいました。
で、ワタクシは3打数2安打(1本塁打)4打点。オンナのコにもてました。ガハハ。
2008/07/02のBlog
ショパンのピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21。
クラウディオ・アラウのピアノ独奏、エリアフ・インバル指揮ロンドン・フィルの演奏。
1970年10月、ロンドンのウェンブリーでの録音。フィリップス盤。

夏の夜には、ショパンのピアノ協奏曲を聴きたくなる・・・・・。特に第2番を。

僕がクラシック音楽を聴き始めたのは、二十歳過ぎてからであって、いわゆる「ヲタク」としては遅い方になるんだろうと思います。方々のブログやWebページを拝見すると、小中学生の頃からレコードやCDを盛んに購入していらっしゃる様子が見られ、つくづく感心するのであります。皆さん早熟だなぁ、凄いなぁと僕は思いますし(晩稲なのはワタクシだけか?)、楽器が出来たり、当たり前のように楽譜が読めたりするんだなぁと敬意を表するのであります。

ワタクシなど高校生までは洟垂れ小僧、髪を伸ばしてベルボトムを穿いてギターを抱えていればオンナのコにもてる・・・と錯覚していた年頃でありまして、クラシック音楽には縁なき衆生でありました。ようやく二十歳過ぎてクラシック音楽に触れ始め、今や全くヲタク化しておりますが(それでも、ミーハー・有名曲・メジャーレーベル路線は変わらんですなぁ・・・(^^ゞ)、その頃聴いた音楽は、今もホンマに懐かしく思い出されます。

ショパンは、よく聴きました。メロディが美しく、聴きやすかったんです。
特にピアノ協奏曲。その第2番第2楽章の美しさときたら、涙がこぼれるくらい。オケもキレイ。美しく感傷的なメロディで埋め尽くされて・・・・。

それもそのはず、この曲はショパンが恋人を想って二十歳の頃に作った曲。だから、当時青春期にあった我が身にも響いてきたのかな。

ああ、あの甘い甘い第2楽章。
ホンマによく聴きました。この曲を聴くと、フッと当時の記憶が甦ります。
日比谷公園の外灯のゆらめき、日本橋から銀座にかけての夕暮れの舗道、大学の図書館の古い本の匂い、馴染みの喫茶店の深い焙煎のコーヒー、(ああ、地下鉄口の純喫茶オリエント・・・・「純喫茶」なんて言葉はもはや死語か)・・・・。
青春時代、おそらく誰にでもある、甘い甘い一瞬でありました。


さて、演奏はアラウのピアノが素晴らしい。大人風のピアノ。グランドマナーと云うべきか。包容力があって、豊かな教養と知性を感じさせるオトナのピアノ。音には芯があって、内面から滲み出てくる靱さのようなものがある。
インバル/ロンドン・フィルの伴奏も美しいのだが、アンサンブルは少し甘い感じ。インバル独特の粘り(あのマーラー全集で聴かせてくれた独特の、しかし見事な粘り)に、オケがついていけていないところがある。インバルが若いってことかもしれません。

録音はもう40年近く前になるというのに、今も素晴らしい音で再現されます。
フィリップスの見事なアナログ録音。
音が暖かいです。

夏の風を部屋に入れつつ、今日はそんな風にショパンを聴いていたのであります。
2008/07/01のBlog
7月になりました。夏です。
しかし、梅雨の晴れ間で、蒸し暑かったこと!今年の6月は雨が多かったのと曇り空続きだったので、例年より涼しく感じたんですが、それでも晴れるとさすがに暑いですねえ。

というわけで、今日は夏の音楽を。涼を求めて聴きましょう。

ヘンデルの「水上の音楽」。
ニコラス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントス・ムジクスの演奏。
1978年2月、ウィーンのカジノ・ツェーゲルニッツでの録音。TELDEC盤。

随所に現れるアーノンクール・ショック。
ホルンのフラッター奏法など、初めて聴いた時にはたまげたものだ。若々しい、粗野といってもいい吹き方。それが鋭い推進力と迫力をつくり出していて、大変に面白い。
弦楽器群の切れ味は気持ちいいし、装飾音も全く楽しく、聴きどころ一杯。

ティンパニが追加されていて、強打・連打もイイ。ソロ・ヴァイオリンは匂うような色気もあって、装飾音多彩。
木管はひなびた音は懐かしさを漂わせ、管楽器全体に跳ねるようなリズム、生き生きとした音楽の歩み。

アーノンクール独特のアーティキュレーションには、好き嫌い、いろいろあるだろうなぁ。「こんなん、ヘンデルちゃうでぇ・・・」という場面もあります。
しかし、この音楽の弾み方、生き生きとした表情、演奏者たちの音楽をする喜び・・・そなものが、スピーカーから飛び出してきます。

僕は好きです。楽しめました。

楽譜はアーノルド/クリュザンダー版。この録音後の古楽器団体は、おおかたこの版を用いていたと思います。

録音は、音源がやや遠目のオフマイク仕様。
ホールトーンは豊富で、雰囲気豊かな録音になってます。
演奏の斬新さ、鋭さからすれば、もう少しオンマイクの方が良かったんじゃないかなとも思います。
やや乾き気味の音は、いかにも古楽器らしく、サッパリと気持ちいいんですが。

アーノンクールの「水上の音楽」を聴きながら、部屋の窓を開けると、外は涼しい夜風。舟遊びの風情にも似た、田舎の涼風でありました。
心地よいひととき、音楽と涼風で僕は過ごしたのであります。

★「水上の音楽」過去のエントリーです★・・・・・って、1年ぶりに聴いたんですなぁ・・・・・・
■ホグウッド/エンシェント室内管
■セル/ロンドン響」(ハーティ/セル編曲版)
■プレヴィン/ピッツバーグ響
■マリナー/アカデミー室内管
■バウムガルトナー/ルツェルン祝祭弦楽合奏団
■ピノック/イングリッシュ・コンサート
■コレギウム・アウレウム合奏団
■ヴェンツィンガー/バーゼル・スコラ・カントールム合奏団

2008/06/30のBlog
モーツァルトのピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271「ジュノーム」。
アルフレート・ブレンデルのピアノ独奏、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管の演奏。(アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズと書くのはシンドイなぁ・・・・・ASMFと省略するべきかいな)
1978年7月の録音。フィリップス盤。

モーツァルト21歳、青春時代の傑作。

アカデミー室内管のふっくらと広がるサウンドに、ブレンデルの肌色のピアノが美しく映える。ああ、モーツァルトの幸福な気分が伝わってくるようだ。
オケが柔らかく暖かく、しかも、しなやかなサウンドを展開して、ブレンデルを優しく包み込む。反応も俊敏だ。

ブレンデルのピアノがイイ。
コロコロと転がるモーツァルト独特のパッセージは軽やかに弾きこなしてゆくし、スカッと抜けるような高音もイイ。気持ちいい。爽快。

マリナーとブレンデルの呼吸も見事。互いの個性を尊重しつつ、それぞれを引き立てるところは絶妙に受け渡ししてゆく。ピアノとオーケストラが、自己主張するところはしっかり主張しつつ、トータルで見事な作品に再現してゆく。これぞ協奏、協調、友愛の音楽と思う。

第1楽章はアレグロ。爽やかな風が頬を撫でてゆくような感触が、たまらなく気持ちいい。ブレンデルのピアニズムに酔ってしまう。

第2楽章はアンダンティーノ。悲痛な旋律なのだが、オケもピアノもベタベタしない。サラッとしているのがイイ。モーツァルトの哀しみは透明であって欲しいから。
そして、短調の中から顔を見せる長調は、天使のような微笑み。素晴らしい。

ロンド(プレスト)のフィナーレはピアノとオケが一体化して爽やかに駆け抜ける。アンサンブルも優秀。さすがアカデミー室内管と思う。
ブレンデルのピアノにはますます磨きがかかって、輝くばかり。その光は、やはり柔らかい肌色を帯びた白色。キレイ。

録音は今も素晴らしいです。
1978年といえば、もう30年も経過するんだなぁと改めて思った次第。
アナログ末期、全盛期のフィリップス録音であります。
最高です。