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クラシック音楽のひとりごと
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2008/07/26のBlog
これだけ暑いとなかなかクラシック音楽をじっくり聴いていられないんですが、古楽器の響きは、心地よいですね。この夏、古楽器を沢山聴いてます。

モーツァルトのピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」。
マルコム・ビルソンのフォルテピアノ独奏、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏。
1986年10月、ロンドンのセント・ジョーンズでの録音。アルヒーフ盤。

古楽器の響きが何とも爽やかで、涼やか。すがすがしい冷気が部屋に満ちてくる感じ。これ、夏向きの演奏やなぁ。弦楽器の細身でクールな音が全く心地よく、これ、まさに納涼の音楽。

ビルソンの弾くフォルテピアノも、実に素朴な響き。
モーツァルトの時代は、こんな鄙びた響きでやっていたんだなぁ。小さな空間で、現代のような大ホールではなく、もっと聴衆と演奏者が近いところで演奏されていたんだろうなぁ。
「戴冠式」はギャラントな曲と思っていたのだが、それは現代楽器の大音量と、表現力に優れたピアノだからこそ出来るのであって、当時の楽器でやると、もっと質素で、飾り気のない、慎ましい音楽だったのだろうと、想像しながら楽しく聴けた。

ああ、それにしてもフォルテピアノの秘やかな美しさは何に例えよう。
ビルソンはおそらく技巧達者なピアニストなのだろうけれど、フォルテピアノの限界があって、才気走った独奏になっていないのが、かえって好ましい感じ。

第1楽章は闊達なアレグロ。カデンツァはビルソンの自作。慎ましくしなやか。

第2楽章は、フォルテピアノの音量の小ささが効果的で、ヒソヒソ話を聴くような楽しみがある。

第3楽章はアレグレット。華麗さを抑えつつも、爽やかな風が吹き抜けるような感じ。

オーケストラは小編成。CDのデータ表記によれば、34人の奏者で構成されているようだ。ヴァイオリン8・8、ヴィオラ4,チェロ4,コンバス2.管楽器とティンパニは合計10。響きがクリアで、爽快な演奏になっている。

録音上々です。
古楽器のクールな響きがよく捉えられていると思う。
小編成オケなので、音場が広く感じられるし、響きの余韻が特に美しい。
これ、気持ちいいです。
2008/07/25のBlog
お暑うございます。土用、大暑ですから暑いのは当たり前ですが、いやホンマに「お暑うございます」。

さて、土用丑の日、今年は鰻を喰わず。
僕はそんなに鰻好きではありません。しかも偽装に禁止薬物報道とくれば、もう何をか云わんや。家人には、僕に一生鰻を喰わさんでもエエぞと伝えました。
それに、今、菜園で取れすぎるキュウリにゴーヤ、プチトマトに茄子を食わんとアカンのです。食卓野菜攻撃。いやはや野菜だらけに嬉しい悲鳴。しかし、採ってきてすぐに喰うのはウマイもんです。

暑い中、今日は熱い交響曲を。

マーラーの交響曲第2番ハ短調 「復活」。
クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルの演奏。
1992年11月、ムジークフェラインザールでのライヴ録音。DGの全集盤からの1枚。

アバドらしい、しなやかで流麗、そしてスタイリッシュなマーラー。
オーケストラの艶、迫力も申し分ない。さすが天下のウィーン・フィル。

アバドはこの「復活」でセンセーショナルなデビューを飾って以後、大指揮者の道を歩み始めたという。1967年のウィーン芸術週間でのことだった。今も、アバド得意の曲目だろう。
だいたい、「復活」は若手指揮者の勝負曲になることが多い。第1楽章の緊張感一杯の出だしからラストの天国的な美しさまで聴きどころ一杯で、血湧き肉躍るシンフォニーだからかな。

だからこそ、乱痴気騒ぎになりやすい曲でもあるんだが、ここでのアバドはさすが、締めるところはキリリと潔く、そして歌わせるところは十分に歌わせる。
その歌はイタリア人気質の歌だ。朗々と胸の中をすべてはき出すような、気持ちいい歌。それがまた品良く、しなやかに歌われるのがアバドの美質。第2楽章のアンダンテ・モデラートの際だった美しさは、そのあらわれ。楽章全体に漂う静謐感と、柔らかくしなやかな歌は、何度聴いてもホンマに素晴らしい。

第1楽章の迫力は実演っぽくて、感興高まる。
第3楽章のスケルツォのリズム処理も鮮やか。音楽がだれずに、淀みなく流れるのがイイ。実演とは思えないほど、アンサンブルもまとまっている。
第4楽章はワルトラウト・マイヤーの朗々とした歌が素晴らしい。
第5楽章は壮大な盛り上がり。ウィーン・フィルの能力全開、フルパワーで迫ってくる。この音響は快感。勿論、その迫力の中に優美さが失われないのはウィーン・フィルのエエところ。金管の美しさやアンサンブルの良さは、ウィーン・フィルならではだろう。
そして、シェリル・スチューダーの歌!この人の全盛期の歌唱かしら。
(今は、どうしているんでしょう・・・・・)


録音は、音の艶・厚み、ともに素晴らしく、今も最高級の録音と思います。
左右の広がりに少し欠けるかなと思いつつも、いや、これだけの音で聴けたらそんな不満、云っちゃイケマセンね。


<マーラー「復活」の自己リンクです>
■クーベリック/バイエルン放送響
■ハイティンク/ベルリン・フィル
■テンシュテット/ロンドン・フィル
■キャプラン/ウィーン・フィル
■メータ/ウィーン・フィル
■ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管(クリスマス・マチネ盤)
■ノイマン/チェコ・フィル(1980年録音盤)
2008/07/24のBlog
連日の猛暑です。雨が降らないので、我が菜園もこのところ元気がありません。
朝晩の水やりもなかなか大変です。
どうも7月いっぱいは、この天気のようです。いやホンマに暑い、そして熱いです。

暑い夏になると聴きたくなるのがこの曲です。

R・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」。
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管の演奏。
1962年4月の録音。CBSソニー原盤、CDは国内廉価盤1,000円のもの。

オーマンディは、こういう大衆名曲を振らせたら上手かった。
しかも、オケはフィラデルフィア管のゴージャス・サウンド。全く綺麗で、演出巧みで、美音が洪水のようにスピーカーから流れ出してくる。

もともと、この曲は、絵の具を原色のまま使って、グイッと太筆で塗りたくってしまった絵画のような音楽なのだが、フィラデルフィア管で聴くと、それが実によく分かるし、聴いていて楽しい。
オケの音は明るく華やかで、輝かしい。中央アジア~イスラームの雰囲気にはやや遠いかな。アメリカン・サウンドで描き尽くした「シェエラザード」と云うべきかもしれない。

特に感心したのは第2楽章と第3楽章。

特に金管の迫力・木管の鄙びたサウンドが十分に楽しめるのは、第2楽章か。
トランペットは迫力は素晴らしいし、ファゴット・オーボ・クラリネットが次々に美しい音を繰り出してくるのは圧巻。
応ずる弦楽セクションもイイ。シルキーな肌触りでしっとり聴かせる。アンサンブル極上、技術的な部分では何の不満もなし。

第3楽章「若き王子と王女」はムード満点。弦楽合奏がとてもきれい。チェロのユニゾンなど、惚れ惚れするほど美しい。
中間部はほのぼのと暖かく、大らかなサウンドが広がる。楽器が入れ替わり立ち替わりあらわれて、このあたりはオーケストラ協奏曲のような趣きがあるのだが、それぞれの楽器がピタッと見事にはまっていて、破綻がない。オーマンディの統率の賜物か。
独奏ヴァイオリンの色気たっぷりの演奏も、実に上手い。

録音は上々です。
45年も前の録音ですが、今も十分に鑑賞に耐えます。

オーマンディ/フィラデルフィア管のコンビのCBS録音は、概してエエんです。

(同じ時期のセル/クリーヴランド管の録音の悪さに比べれば・・・・って、いつも書いてますが・・・・)


<「シェエラザード」の自己リンクです>
◆ライナー/シカゴ響
◆カラヤン/ベルリン・フィル
◆プレヴィン/ウィーン・フィル
◆チョン・ミュンフン/パリ・バスティーユ管
◆コンドラシン/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆クリヴィヌ/フィルハーモニア管
◆マゼール/ベルリン・フィル
◆デュトワ/モントリオール響
◆ムーティ/フィラデルフィア管
◆アシュケナージ/フィルハーモニア管
2008/07/23のBlog
今日は大曲を聴きます。マーラーの交響曲第6番「悲劇的」。

マーラーの交響曲第6番は、絶望と敗北感と悲劇性に包まれている。そしてマーラー自身の個人的な心情の吐露などが見られるのだが、全体的には英雄的な姿勢を保っている交響曲だろう。
攻勢は古典的な4楽章制で据わりも良い。そんな交響曲をシカゴ響のガッチリした演奏で聴いてみようと取り出したのであります。


マーラーの交響曲第6番「悲劇的」。
ゲオルク・ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏。
1971年、シカゴのメディナ・テンプルでの録音、DECCA原盤のLPです。

ショルティがシカゴ響に着任して間もなく始めたマーラー録音。その初めは5番、ついで6番、7番と録音してマーラー全集(旧盤)を完成させたのだった。その後、ショルティはシカゴ響での全集再録音に取り組んだが、結局5~7番はこのときの録音が用いられている。

大変男性的で激しく、筋肉質で引き締まったマーラー。
粘着質のところが全然なく、テンポの伸縮も殆どない。マーラー特有の情念、屈折した感情、夢見るような憧憬とは無縁で、竹を割ったようなサッパリした感じのマーラー。クヨクヨしたところがない分、楽曲の素顔が見えるようで面白い。

それにしてもシカゴ響の巧さはどうだろう。
技巧は完璧だし、アンサンブルは鉄壁、DECCA録音のシャープさも相まって、個々の楽器が実によく鳴っている。スゴイ。迫力満点で聴き手にグイグイ寄ってくる。怒濤の寄り身だ。
金管が特にスゴイ。ハーゼスのトランペットは縦横無尽の活躍。音がでかく、とても目立つ。ホルンのグレヴェンジャーの巧さ・音のでかさも格別。これ、やはりシカゴ響の2枚看板だなぁ。

ショルティの指揮は快速テンポを基盤にして、畳みかけるような、のしかかるような感じ。劇的で激しい。ダイナミクスが大きく、クッキリと明暗を描き分けてゆく。中間色やボンヤリと淡いところは一切無し。原色的で実に鮮烈。淡彩の水彩画ではなく、鮮やかなポスターのような感じ、と云うべきか。


録音は、やや埃っぽいところがあるんですが、全体的にはシャープで鮮やか、DECCAの大編成オケ録音は、やはりエエなぁと思いました。
個々の楽器は実に綺麗です。弦楽器はもう一つでしょうか、柔らかさ・暖かさが欲しいところです。
やや音場感が弱い感じ。ペタッとしたポスターのような印象は、演奏のせいかもしれません。
2008/07/22のBlog
眼鏡を新調しました。行きつけの眼鏡屋で検眼すると、どうも近視が進行していたようで、「これじゃ免許証の書き換えにも障るぞよ」と云われて。
遠近両用とも思いましたが、それは次回作るときのこととして、今回は(おそらく最後の)近視用であります。おお!さすがによく見える。
これで、職場のソフトボール大会でも好プレー連発間違いなしぞい。ガハハ。

さて、猛暑が続いています。
せめて、音だけでも爽やかな音楽を聴きましょう。

シューベルトの交響曲第1番 ニ長調 D.82。
ロイ・グッドマン指揮ハノーヴァー・バンドの演奏。

古楽器らしい爽やかな響き。
ピッチが低いので、ややくすんだ音色になるのが特徴的。そして、時折、金管が前に出てきて独特のバランスになっていくのが面白い。
テンポは快速。特に第1楽章とフィナーレは気持ちいいくらい速く、颯爽としている。スポーツ・カー的な快感あり。涼風が吹き抜けてゆく。こういう音楽を夏に聴くのは実に気持ちよい。

第1楽章はアダージョの序奏部からアレグロ・ヴィヴァーチェへ。
序奏部の反復は堂々たる演奏。
主部への転換は颯爽として気分が良い。シューベルトの若々しいロマンがこぼれて、香気を放つ。アクセントを伴った金管の強い響きもイイ。聴いていて心地よく、幸福な気分になる。
聴き手が幸福になるのは、イイ演奏なんだろうと思います。

第2楽章は優美なアンダンテ。転調も美しい。シューベルトの綺麗な旋律が連発する。
ああ、シューベルトはホンマに歌の作曲家であったわなぁ。

第3楽章のメヌエットは伸びやかさが良い。金管がややキツめの音を響かせるので、優しさより迫力が勝るかな。
木管のソロが出てくると、途端に素朴な表情になってゆく。田園人シューベルトの趣きあり。

フィナーレはアレグロ・ヴィヴァーチェ。快速快活、一気呵成の面白さ。
全体的にはソーダ水のようなスッキリした爽やかさが支配的だが、金管が迫力に任せて吹きまくるところはグイッと強烈な味わいもある。
強弱の差も大きく、聴いていて楽しい。

録音は上々であります。
古楽器らしい爽やかな音響が広がります。
奥行き・定位とも十分に広く、ダイナミックレンジも広大。
ズバッと切れ込んでくる迫力も十分に楽しめる録音でした。
2008/07/21のBlog
寝苦しい夜が続きます。四国は熱帯夜であります。
我が家は田園地帯にあるので、真夏でも窓を開けていれば夜中は涼しいんですが、この数日はさすがに暑いです。
特に2階が暑い・・・・・・。こりゃ、1階の廊下ででも寝るかいなぁ・・・・・。

さて、今日は管弦楽が爽やかに響く音楽を。


ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58。
エミール・ギレリスのピアノ独奏、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管の演奏。
1968年4月、セヴェランス・ホールでの録音。EMI盤。

第1楽章の序奏がゆったりとしたテンポで、実に心地よい。そして、リズムの刻みが克明で、精確無比。ああ、これぞセル/クリーヴランド管!
もう、最初の数分で、セルのつくり出す格調高い古典の世界に連れて行かれる。

その上に滑りこんで来るギレリスのピアノがまた美しいこと!これも古典的で正確なタッチ。丹念に弾いてゆくピアノと思う。音色も美しい。「玲瓏玉を転がす」とはこのことか。カデンツァも見事。

クリーヴランド管も大変に巧い。ヴァイオリンやチェロの揃い方は、もう半端じゃない。鉄壁のアンサンブル。ステレオに正対して聴いていると、ヴァイオリン群とチェロ・コンバス群がしっかり対話して弾いているのが分かる。その呼吸の合い方がビンビン伝わってくる。いやぁ、スゴイ。
木管もイイ。フルートの音色は高原を渡る涼風。オーボエの響きは鄙びた田舎の散歩道。ベートーヴェンの名作を彩る、素晴らしい管弦楽と思う。

第2楽章は弦のユニゾンとピアノの対比が美しい。ギレリスのタッチはここでも清潔。テンポもゆったりとしているので、叙情性が強く出てくる。
大きめの音量で聴いていると、その美しさがいっそう引き立つ。というより、この楽章は小音量で聴くとぼやけた印象になるかもしれない。
ああ、エエ響きやなぁ・・・。

フィナーレはロンド。いつまでも聴いていたいと思わせる永遠のロンド。涼しい風が吹き抜けてくるような演奏。オケとピアノが一体となって、そのなかから情熱が迸る。
何度でも書くが、最後までアンサンブルに揺るぎなし。スゴイ管弦楽であります。

録音は今も鮮明。40年前のものとは思えないほど。
EMIでのセルはエエ音です。
(我が家で聴くCBSのセルは、硬く乾いていて、聴くのがシンドイのです。)
音場は左右の広がりが大きく、臨場感良好。
音はややオンマイクになるんでしょうか。余韻はあまりありません。
2008/07/20のBlog
昨日、ハイティンク/VPOのブルックナーの交響曲第8番が3番もセットで1,290円で買える・・・・・と書いたんですが、いやぁ、HMVを調べてみると、1,290円のバーゲン価格で2枚組CDがあるわあるわ・・・・・あっという間に「カート」の中身が増えてしまいました(^^ゞ。

安いうちに買うておかんと、いつまた入手できるか分からんしなぁ・・・・ふだんより600~700円くらい安く買えるのは魅力やしなぁ・・・・しかし、買うたら買うたで、また、未聴の山(ミチョランマ)が増えるやろうしなぁ・・・・・・・。

煩悩は尽きません。
(しかし、CD・LPは欲しいときに買っておかないと、すぐになくなってしまう・・・・というのが鉄則なので、結局「クリック」してしまうことになるんじゃないか・・・・・と僕は恐れております。これはもはや「業」ですなぁ・・・・・)


さて、現在の未聴の山を越えていかねばなりません。

ボツボツ、独ハルモニア・ムンディの50枚組BOXを聴いております。

今日はチェロです。

J・S・バッハの無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV1009。
鈴木秀美のバロック・チェロ独奏。
1995年6月、オランダ・ハールレムのルーテル教会での録音。邦人発のバロック・チェロによるバッハ無伴奏録音。

鈴木のチェロは、1570年クレモナのアマティ。バロック・チェロの響きが爽快。淡彩画のような涼やかな味わい。猛暑のこの季節にはピッタリの心地よさ。
DHM50枚BOXのCD9&10が鈴木のバッハ。古楽器演奏でも日本人演奏家のレベルが高いことを証明した1枚。

先日聴いたマイスキーのバッハに比べると、淡くアッサリした演奏なのだが、味わい深く聴き手の胸に迫ってくる名演と思う。
演奏は全く真摯なもので、バッハに奉仕するというか、バッハを信じているというか、祈りにも似たような感じの演奏と思う。真正面からバッハを捉え、ひたすら誠実に演奏している中から、300年前のバッハの時代の響きが甦ってくる。

それにしても、バロック・チェロの響きは素晴らしい。
深いところから静かに音が出てきて、聴き手の胸の内に入り込んでくる。そして、じっくりと語りかけてくる・・・・・。
今日のこと、過去のこと、周囲の景色、空気の匂い、風の音・・・・・ああ、これ内省の音。旨く云えないのだが、自分の心の中で、チェロが響いている感じ。

鈴木秀美の技巧は完璧。
しみじみとバッハの世界に浸れる。

録音状態良好で、大変聴きやすいです。
音も実に自然で、音場空間も人工臭がない。響きの余韻がまた素晴らしい。
チェロらしく低音がよく出ているのだが、その音が大変上品。
2008/07/19のBlog
週末です。大曲を聴きました。

ブルックナーの交響曲第8番 ハ短調(ハース版)。
ベルナルト・ハイティンク指揮ウィーン・フィルの演奏。
1995年1月の録音。フィリップス盤。

ハイティンク渾身の名演。
おそらくハイティンクの録音した夥しいディスクの中でも、十指に入るであろう名演。
(1、2を争う名演か)
と云いつつも、不思議なのはハイティンクが何もしていない感じで、つまり手練手管を使わずに、素直に(おそらくスコア通りに)タクトを振っていたら、ウィーン・フィルの美質が全部出てきて、滅多にないような名演奏になってしまった・・・・という感じなのだ。
そのくらい、この演奏は自然。
フレージングは深々としていて、アーティキュレーションも妙なところがなく自然で(というか、ふつう)、ダイナミックレンジは広大にして、表情づけは特になく、無色透明、澄み切った清流とでも云うべきか。
そして、聴き手の体調、心の状態にあわせるかのように、無限のイメージが膨らんでゆく・・・・。

第1楽章はスケール雄大。しかし、背伸びしすぎていないのが良い。
音楽が大げさにならず、オーケストラの鳴りっぷりが良く、過不足なく音楽が表出されている感じ。ブルックナーのイメージした音楽が、そのまま、僕の部屋で鳴っているんじゃないか、そう信じたくなるような、素晴らしい演奏。こけおどしのところが一つもないのもイイ。

第2楽章のスケルツォも、下手をすると収拾がつかなくなるところじゃないかと思うのだが、ハイティンクは丁寧に描き出してゆく。素直にして誠実。ウィーン・フィルの美しい響き、ブルックナー独特の緊張感のある響きが、ズッシリとした確かさ、重量感をもって再現されてゆく。トリオでのハープの安らかな音色は、天国的に美しい。

そして第3楽章。崇高に鳴り響くアダージョ。これはホンマに美しい。
彫琢の限りを尽くしたわけではなく、とても自然な演奏なのに、出てくる音楽はこんなにも美しい。
ハイティンクはスゴイ。このアダージョを初めて聴いた時、ハイティンクはホンマモンの巨匠になったと思った。この偉大さ、息の長さ、ゼクエンツの深さ、もう云うことなし。このアダージョだけでも、聴く値打ち有りと見た。

フィナーレも圧倒的な音楽。スケール大きく、楽器のバランスも絶妙。金管の咆吼も逞しく、腰砕けにならない。堂々とした音楽の歩み。ダイナミックレンジ大きく、オケの全合奏の音響は凄まじい。そして、ピアニシモは、天上の美しさ。光が差し込んでくるような瞬間が幾つもある。ハイティンクに後光が差しているのかも。


録音極上です。
ウィーン・フィルの弦も管も鮮やかに、そして自然な潤い、確かな質感を持って再現されます。音場も奥行き左右とも広々としていて、臨場感も最高です。
楽器の定位も抜群。

演奏・録音ともに超優秀ディスクと思います。
(この演奏、今はフィリップスのDUOシリーズ廉価盤で買えるようです。3番交響曲とセットで2,000円程度。いやはや、有り難い時代ですね)

と書きつつ、ボンヤリHMVのサイトを覗いていたら、例の「3枚買うたらお安くしまっせ」セールで、この3番8番2枚組がなんと1,290円で出ていました。これは「買い」でしょう。


※ ブルックナーの交響曲第8番の 自己リンクです ※
■シューリヒト/ウィーン・フィル
■ティーレマン/ウィーン・フィル(NHK-FM放送)
■マゼール/ベルリン・フィル
■シノーポリ/ドレスデン・シュターツカペレ
■カラヤン/ベルリン・フィル
■ベイヌム/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■ジュリーニ/ウィーン・フィル
■スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
■ベーム/ウィーン・フィル
2008/07/18のBlog
シャンドール・ヴェーグのモーツァルトは素晴らしい・・・・。
先日聴いたシフとのピアノ協奏曲集の伴奏は、目の覚めるような見事なものでありました。
そこで、今日はヴェーグとカメラータ・アカデミカのセレナード&ディヴェルティメント集を取り出しました。10枚組の廉価盤、時々ふと聴くんですが、ホンマに素晴らしい選集でありまして・・・・・・。


モーツァルトのセレナーデ第13番 ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。
シャンドール・ヴェーグ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカミデカの演奏。
1986年10月、モーツァルテウムでの録音。カプリッチョ原盤。

高貴で真摯な演奏。
テンポは中庸で心地よく、リズムはキビキビとよく弾み。フレージングは新鮮で爽快。
モーツァルト時代に戻ったような清新の気に充ち満ちている演奏。
古楽器ではなく、現代楽器によるモーツァルトなのに、軽快でいて、しかもこの若々しさ。溌剌とした響き。これぞシャンドール・ヴェーグの指揮の賜だろう。素晴らしいことこの上なし。
現代最良のモーツァルトであり、聴き慣れた「アイネ・クライネ」が、今生まれたばかりの音楽のように響く。
そして何より、この演奏は音楽する喜びにあふれている。カメラータ・アカミデカのメンバーも、さぞや気持ちよかったのではあるまいか。僕ら聴き手以上に、彼らにとってはK.525は陳腐な音楽だろうが、おそらく、新鮮に響き渡ったに違いない。

第1楽章は、あの有名な冒頭部分からして、爽快な名演奏。清冽な水の旨さを想像してしまう。すがすがしい。

第2楽章は味わい深いロマンツェ。まるで緩徐楽章のように響く。
ヴェーグ盤を聴いていると、弦楽オーケストラによるシンフォニックな演奏のように聞こえてくる。

第3楽章のメヌエットはアンサンブルの楽しみ。

フィナーレは、またキビキビしたリズムが戻ってきて、音楽する喜びを満喫できる演奏になっている。

録音は上々です。
もう20年も昔の録音になるんですねえ。CD発売がこのあいだのことのように思えるのは、聴き手の加齢のせいでしょうか・・・・。
2008/07/17のBlog
加齢進行中の身、このごろは特に早朝覚醒で困ります。
というより、睡眠時間が多く取れない、早くに目覚めてしまうのであります。

僕の就寝は夜10時頃、すると目覚めが午前3時頃・・・・・酷いときには2時頃に目覚めてしまいます。睡眠時間が4~5時間ではさすがにシンドイのです。
いったん目覚めてしまうと、すぐに二度寝が出来ないのが年寄りなのでありまして、ゴソゴソ本を読んだり、例えば今のように、記事の更新をしている訳ですが、どうも身体にはあまり良くないような感じです。まとめて6時間寝られれば体調はエエんですが、どうも「眠る体力」が衰えつつあるのかもしれません。いやはや・・・・・困ったもんです。

さて、今日は。
シューベルトのピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D.959。
ラドゥ・ルプーのピアノ独奏。
1975年7月、ロンドンのキングズウェイホールでの録音。DECCA盤。

先日、ルプーの演奏が廉価盤で安く購入できそうだったので、早速クリック。またしても、HMVの巧妙な戦略に嵌められてしまいました(^^ゞ
で、届いたものを聴いております。ルプーのシューベルト・ソナタ集4枚組のCDから。

すでに30年も昔の録音なのに、なんと鮮明な音!
DECCAのアナログ録音の見事さを物語る音。ルプーの繊細で瑞々しい音を余すところなく捉えきっている。高音は鮮やかに輝いて、澄み渡るような爽快な音。低音は底光りするような渋く充実した音。これはイイ音だ。
鮮やかな録音なので、やや人工的な感じもする。好みが分かれるかもしれない。僕は好きだなぁ・・・。
さすが録音のDECCAだわい。上質なピアノの音に、まずはウットリ。

そして、シューベルトの歌。
ルプーのピアノは抒情派らしく、淡い感情が流れてゆく。それが美しい。
思いは込められているが、お涙頂戴という雰囲気ではなく、高貴で、少し澄まし顔で、志操が高い演奏と云うべきか。
ピアノのタッチはデリケートで、透明な響きが美しい。技巧も完璧・・・・・尤も、シューベルトのピアノ曲はあまり技巧を要求してはいないか。

印象に残るのは第2楽章の憂いを含んだ表情。
ああ、これぞシューベルトの哀しみ。このD.959を含むソナタ作品群を遺して、シューベルトは夭折する。聴いていて、涙がこぼれるようなアンダンティーノ。
ルプーはここで声を潜めるように、弾く。その抑制のきいた音がとても綺麗。
そして、フォルティシモでの鮮やかさ。それは対照的に輝き、光が零れてくるようだ。

フィナーレのロンドもイイ。
美しい歌が、サラサラと流れてゆく。この後口の爽やかさが、ルプーの持ち味だろう。ベタつかない抒情が、ここにはある。

ああ、ルプーはやはり「1000人に一人のリリシスト」でありました。
2008/07/16のBlog
ブリテンの指揮するバッハ・ブランデンブルク協奏曲を入手しました。
これはクラシック音楽を聴き始めた頃、欲しかった演奏でありました。廉価盤でした。当時2枚組3,000円。

ブランデンブルク協奏曲を知ったのはまずはバウムガルトナー盤。国内盤はキング発売のオイロディスク廉価盤2枚組でした。この演奏でバッハを知ったのは良かったと思います。今聴いても素晴らしい。
ついで、テイチクから出ていたコレギウム・アウレウム合奏団のLP。これも良かった。古楽器の響きが実に新鮮、コレギウム・アウレウム合奏団の指揮者を置かない自由闊達な演奏もエエなぁと思いました。何より録音がグッド。フッガー城糸杉の間は今も最高のロケーションでしょう。

その後、アーノンクール盤かブリテン盤か、レコード屋で悩みつつ(高田馬場ムトウだったはず)、結局アーノンクール盤にしたんですな。アーノンクールは古楽器の鋭い演奏が好評、ブリテンは作曲家の視線での指揮と演奏の格調の高さが好評でありました。

やがて、この曲への興味がやや薄れ、放っておいたんであります。

爾来二十年有余、オーストラリア・ELOQUENCE盤が随分安価に入手できそうなので、先日ようやくこの演奏を聴いたのであります。
(豪ELOQUENCE盤は、往年のDG・DECCA・フィリップスの名盤が廉価盤になっていて、2枚組1,200円程度で買える優れものでありますぞ)

いやぁ、良かった。当時読んでいた評のままでありました。

というわけで、今日はJ・S・バッハのブランデンブルク協奏曲。
ベンジャミン・ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団の演奏。
1968年12月、英国スネイプのモルティングスホールでの録音。DECCA原盤。

特に良かったのは第4番。
リコーダーのかわりにフルートを使っているのだ。響きがふっくらで豊かに、そして暖かい音、豊満な音になっている。
ブリテンの指揮はシャープで誠実、格調高くまさに正調。素晴らしい構成感であるだけに、この第4番でフルートを使用しているのが楽しい。

リコーダーだと素朴な響きになるのだが、フルートだと色っぽく、妖艶な感じも出てきて実に面白い。
第2楽章など、ロマンティックな味わい。フルートのヴィヴラートが粋でイナセ、非常に美しい。同時に爽やかで、時に色気タップリ。
両端楽章が格調高く、リズムも精確で几帳面な感じが強いだけに、余計に印象的。
そして、普段はリコーダーで聴き慣れているだけに、いやぁ、面白い。
(最近の演奏は殆どリコーダーですもんね)

録音は今も美しいです。
モルティングスホールはブリテンが愛してやまなかったホールとのこと、さすがに美しい音響で、特に余情のある響きがイイ。
エエ音で聴けます。40年前の録音とは、ちと信じられません。
2008/07/15のBlog
今日はモーツァルトを聴いてます。

モーツァルトのピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503。
アンドラーシュ・シフのピアノ独奏、シャンドール・ヴェーグ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカミデカの演奏。
1988年12月、モーツァルテウムでの録音。DECCA原盤。

協奏曲はソロのプレイを聴くのが楽しいのだが、伴奏が良いとさらに演奏全体が素晴らしくなる。
モーツァルトのピアノ協奏曲は20番以降が特に好きで、いろいろ聴いてきたが、こと伴奏に関しては、このディスク、シャンドール・ヴェーグが指揮するカメラータ・アカミデカが最高ではなかろうか。

オーケストラが全体的に力強く、また輝かしく、ティンパニの強打などは胸がすくほどカッコよく、金管などもグッと前に出てきて気持ちいい。
第1楽章などは、序奏部を聴いているだけでもワクワクしてくる。

第2楽章の静謐な伴奏も美しい。ニュアンス豊かで、デリケートな管弦楽は、まるでピアノに寄り添うかのようだ。ヴェーグの指揮はホンマに雄弁。そして優しい。音楽を愛する慈愛の瞳が感じられる、素晴らしい伴奏と思う。

見事な伴奏を得て、シフのピアノはまさに水を得た魚のよう。自由に飛翔する感じ。
第1楽章の輝かしいピアにズムは聴いていて心地よいし、愉悦に満ちたモーツァルトになっている。心が弾んでくる。
モーツァルトは楽しく弾かなくちゃ・・・そして、聴き手は楽しく聴かなくちゃね。
特に、カデンツァはもう最高。「フィガロの結婚」のフレーズも登場して、たいそう楽しい。
第2楽章での安らぎ、フィナーレでの躍動も、見事なもんだ。


録音は最高レベルであります。
ピアノもオーケストラも大変美しく録られています。
DECCA、さすがであります。

このCDは20番~27番が入った4枚組。輸入廉価盤であります。
どの伴奏も美しく、品格のある優秀なもの。
満足できる4枚組でありました。


昨晩、NHKのニュース9を観ていたら、「迷惑ブログ」について報道されておりました。
要するに金儲けのためのブログが横行して、ブログ総数の3割は「迷惑ブログ」だということでした。
なるほどなぁ・・・・ランキングだのアフィリエイトだので小金を稼ごうとしているブログはナンボでもあるし(あれは眺めていて気分が良いもんじゃないですなぁ。「クリックしてくれ、クリックしてくれ」と田舎の選挙カーの運動みたい、浅ましいような気がしましてね・・・・)、出会い系の広告が載っている、いやそればかりのブログに出会ったこともあるからなぁ・・・・・この世は資本主義、仕方ないとはいえ、検索してもなかなか目指すブログに到達できないとしたら、それは困りますなぁ・・・・・・。