ニックネーム:   パスワード:
| MyDoblogトップ | Doblogポータル | Doblogガイド | ユーザ登録 | 使い方 | よくある質問 | ツールバー | サポート |
クラシック音楽のひとりごと
Blog
[ 総Blog数:1278件 ] [ このMyDoblogをブックマークする ] [ RSS0.91   RSS1.0   RSS2.0 ] [ ATOM ]
2008/08/05のBlog
今日も四国は猛暑です。
冷房を効かせて、熱い演奏を聴いてます。

チャイコフスキーの交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」。
フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン放送交響楽団の演奏。
1959年9月のステレオ録音。DG盤。

第1楽章冒頭のファゴットの暗さ。地獄の底から響いてくるような、救いのない暗さが印象的。恐ろしいほど。
そして各パートの生々しさ。録音が良く(まったく、1959年の録音とは信じられない)、各楽器の分離が良く、どんな風に演奏しているか実によく聴き取れる。
フリッチャイの指揮はテンペラメントに富んで、思い入れたっぷり、身を捩り、激しく泣く。テンポの伸縮も自在、奔放。これはホンマの「悲愴」であり悲劇だ。
オーケストラが素晴らしい。フリッチャイの振幅の激しいタクトにピタッとついてゆく。十分なリハーサルがあったんだろうと想像される。音楽がわめきむせび泣いても、フォルムは崩れない。さすがと云うべきだろう。

第2楽章は涙の中からこぼれてくる微笑。
ベルリン放送響が目一杯鳴っているのが分かる。音の一つひとつに気持ちがこもっている。時にその音は凄絶。凄まじい迫力を持っている。そして、音が強い。強靱な張りがある。

第3楽章も強靱な音楽。録音が素晴らしいので、様々な音が飛び出してくる。特に内声部は、今まで聞こえなかった音が一杯。
迫力も素晴らしい。弦も管も、うねるような感じ。フリッチャイがオーケストラを引きずり回す。ああ、ド迫力の第3楽章。

フィナーレは、むせび泣く弦、そして軋む弦が聴きもの。
悲痛さの極み、青白い炎が揺らめきつつ、滅びを待っているような、暗い暗い表現。
音は強いのだが、その表情には救いようのない暗さが浮かぶ。
凄まじい音楽と思う。


録音は今も最高です。
1959年の録音、約50年前の録音と云われて、さて、何人が信じられるでしょうか。この音の生々しさ、強さ、表情の濃さは特筆ものです。
初出が1996年なので、長いことお蔵入りだったもの。発売に当たって、何か特殊な処理でもしたんかな・・・。
演奏時間50分、手に汗握ること請け合いの演奏でありました。
2008/08/04のBlog
今日も四国は上天気、暑い日々が続きます。

さて、今日は夏にふさわしい音楽を。

R・シュトラウスのアルプス交響曲 作品64。
ズービン・メータ指揮ロサンゼルス・フィルの演奏。
1975年5月の録音、DECCA原盤。

メータの全盛期、ロサンゼルス・フィル時代のDECCAへの名録音。

大編成の曲を手際よく整理しつつ、豊麗豊満な音楽に作ってゆくメータの棒さばきが素晴らしい。実際の演奏会では聞こえてこないような音もどんどん飛びだしてくるので、レコード(CD)ならではの音楽作りという気もするのだが、ものの見事に格好良く決まっている。巧いもんだなぁ。
テンポは速めでリズムはよく弾む。スケールは大きいのだが、音はとてもフレッシュ。
メータ会心の作だろう。

弦楽セクションは色気をたたえて美しいし、金管の雄壮さは見事。演奏者も上手い。特にホルンの巧さは特筆もの。芯のある音で、迫力も十分。

R・シュトラウスのオーケストレーションは厚ぼったく、聴いていると音符が沢山あるんだろうなぁという感じ。メータがつくる音楽はマッチョでダイナミック、R・シュトラウスにはとても似合う。グイッと太筆で描ききった豪勢な絵画といった感じかな。
そしてロサンゼルス・フィルのアンサンブルがとても爽やかで若々しいので、耳には新鮮。とても瑞々しい響きになって心地よい。

登山道での花が咲くところから牧場~山頂は、R・シュトラウスの作曲技巧の頂点を示すものか。彼にとって、オーケストラで表現できないものはないんだろうなあ。虚仮威しのようなところもあるのだが、濃厚な味わい、爛熟した後期ロマン派の、完熟品というべきか。素晴らしいと思う。


録音状態は今も最高、実に優秀録音です。
30数年経った今も、瑞々しいサウンドで、さすがにDECCA。
音は鮮やかで艶があり、迫力も十分。音場広大、臨場感も心地よいんです。

思えば、メータはマーラー、ストラヴィンスキー、ホルスト、そしてこのR・シュトラウス・・・・、大曲が上手かった。素晴らしかったと思います。


<「アルプス交響曲」の自己リンクです>
■ケンペ/ドレスデン・シュターツカペレ
■アシュケナージ/クリーヴランド管
■ショルティ/バイエルン放送響
■プレヴィン/ウィーン・フィル
■インバル/スイス・ロマンド管
■ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
2008/08/03のBlog
来週末、1年ぶりに埼玉に帰省しようと思います。夏休みが取れました。
久しぶりに、都内のCDショップ巡りでもしてみようと思います。
新宿のディスクユニオンが品揃えが豊富と教わりました。これに御茶ノ水のディスクユニオン・秋葉原の石丸電気・・・・だいたいこんなもんでしょうか?
8月11日(月)~12日(火)ころ、都内ショップのバーゲン情報がありましたら、この四国伊予西条の田舎人に教えて下さいませ m(__)m。

さて、今日は室内楽でも・・・・・・。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 作品18の3。
アマデウス弦楽四重奏団の演奏。
1961年9月、西ドイツ・ハノーヴァーのベートーヴェンザールでの録音。DGの全集盤からの1枚。

作品18の3というが、これはベートーヴェンの弦楽四重奏曲の記念すべき第1作らしい。なるほど、モーツァルトやハイドンの影響を受けている感じが強いが、ベートーヴェンらしい主題の積み重ねなど(執拗と言ってもいいくらいの!)、彼の個性はよく出ている作品と思う。

アマデウス弦楽四重奏団によるこのベートーヴェン全集は、モーツァルトのそれと並んで、彼らの最良の遺産のひとつだろうと思う。
演奏は、1960年頃の録音が多く、さすがに音が古びた感は否めないのだが、ウィーン的な情緒・味わいに満ちた名演奏が多く含まれている。アマデウスSQが活躍したのはイギリスだったようだが、名前を冠しているように、そのスタイルの原点はオーストリアにあった。

演奏では第2楽章の楽器の対話が面白い。旋律は特別美しいわけではないのだが、(尤もベートーヴェンはいつだってそうだ。そんなにメロディは美しくない)、論理の正しさ・筋の通った説得力が、この演奏からは滲み出てくる。
アマデウスSQの柔らかい姿勢も良い。特に第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンのやりとりは美しくまた香しい。

第1楽章アレグロは、爽やかな開始。5分ちょっとの短い音楽だが、ベートーヴェンの息づかいがしっかり聞こえてくる。アンサンブル良好。音が少し硬いところがあるのが、ちと惜しい。

第3楽章はスケルツォにあたるもの。のちにベートーヴェンが交響曲で用いるスケルツォの原型が、この第1作の弦楽四重奏曲に見えているのは面白い。
この音、この響き、この音の積み重ね(「くどさ」と言ってもいいくらい)・・・・・聞こえくるはベートーヴェンの個性。

第4楽章はプレスト。精力的なフィナーレ。熱気一杯のアンサンブルも若々しく、好感が持てる。

アマデウスSQは、この録音当時、結成10年目だったろうか。円熟を迎えようとしている時期の名演奏と思います。
2008/08/02のBlog
猛暑は続きます。そして、いつの間にやら8月。
四国伊予路は7月以降まとまった雨がなく、水不足も心配されます。何しろ、この日照で屋根が焼けて、家中が暑いこと!どこにいても暑い。特に2階は暑くてたまらない。

これだけ暑いと、音楽鑑賞どころではありません。ことクラシック音楽に関しては、「夏枯れ」・・・・本来はシーズン・オフの時候なんですよねえ・・・・・・。
と、書きつつも気を取り直して、モーツァルトのピアノ曲でも聴きましょう。

モーツァルトのピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K.457。
内田光子のピアノ独奏。
1984年5月、ロンドンのヘンリーウッド・ホールでの録音。フィリップスの全集盤から。

1980年代には大いに話題となり、各方面賞賛、日本人ピアニストがメジャー・レーベルでバンバン録音していくことに大いに驚いたものでもあった。
それまでに、日本人演奏家でこれだけ多くのメジャー契約をしていた人、小澤征爾しかいなかったんじゃないか・・・。ド素人とはいえ、同じ日本人として僕は嬉しく、LPを1枚1枚買っていった記憶がある。そしてCDの全集を購って・・・。
どのソナタも美しく、また繊細な演奏で、大いに感動したものだった。録音も、さすがにフィリップス、素晴らしかったなぁ。

後で知ったことだが、内田のソナタ全集は、曲の調性ごとにピアノの調律を変えたそうだが、それが聴感にも影響を与えているのかな。(僕は鈍感で、あまりよく分からないんだが・・・)

このK.457の演奏も素晴らしい。

第1楽章モルト・アレグロ。
モーツァルトの短調は暗くて悲痛。じっと深く沈み込んでゆくような暗さが聞こえてくる。内田光子のピアノはその辺が実によく出ていると思う。

第2楽章アダージョ。
渋く落ち着いた曲想の音楽。それを表現する内田のピアノがまた深い。
しっとりと潤いのある響きもあれば、軽くはじけるような響きもある。味わい深く、老成したピアニストのような渋い音も聞こえてくる。
それらがみんな実にいい音で、しかもニュアンス多彩、変化に富んでいる。素晴らしいと思う。

第3楽章はアレグロ・アッサイ。
軽やかなフィナーレ。内田のピアノは天馬空を行く。ああ、モーツァルトの飛翔がここにはある。


録音は、これもしっとりとしていて聴きやすいものです。
四半世紀昔の録音になりましたが、今も上々です。
内田光子はモーツァルトのこのソナタ全集で、一気にメジャーになったのでした。ブレイクしたんでした。
内田光子若かりし頃の響きであります。
今の内田なら、もう少し深い音が出るのかもしれませんが。
2008/08/01のBlog
今日は若い人の演奏を聴いてます。
といっても、もうこの人は40歳近い中堅になってしまったんですが。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18。
エレーヌ・グリモーのピアノ独奏、ヘスス・ロペス=コボス指揮ロイヤル・フィルの演奏。
1992年6月、ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音。DENON原盤。

グリモーは1969年生まれ。この録音当時は23歳。今をときめく女流ピアニストのデビュー当時の姿を、DENONが見事な録音で収録している。

グリモーの技巧が安定していて、ラフマニノフの難度の高い曲を見事に弾きこなしてゆく。特に旋律戦を大事にしている感じで、ラフマニノフのメランコリックなところがよく表出されていると思う。バリバリ弾きこなすよりも、しっとりと歌い上げる方が向いているのかもしれない。

第1楽章は、あの冒頭の和音連打から見事な演奏。若いのにあまりギラギラせずに、着実に弾いているという印象。(若いんだからもっと激しくてもエエのになぁと思うのは、僕が年寄り気分のせいかも?)
メロディの美しい中間部あたりが出色の出来。

第2楽章も大変美しい。サラサラした清冽な抒情が流れてゆく。ああ、ラフマニノフっていいな。
あまり勿体ぶったところがなく、また情緒纏綿という風でもなく、蒼いリンゴの酸っぱさが残るような感じ。そこがイイ。
弦楽器やフルートも非常に美しく、この演奏に花を添えている。

アレグロ・スケルツァンドのフィナーレはグリモーの華麗なピアニズムを楽しもう。技巧は完璧、その技巧をあまり感じさせないところがまた良い。

ヘスス・ロペス=コボス率いるロイヤル・フィルは安定度抜群。練達の芸といったかんじのオーケストラで、安心して聴くことができた。


録音は上々です。
DENONの録音ですので、我が家ではあまり「ハズレ」がありません。
2008/07/31のBlog
暑くて、夜寝られません・・・・・。

いえ、クーラーを入れて寝ればエエんでしょうが、身体に良くないですし、第一電気代が勿体ない(という吝嗇倹約なワタクシ・・・・・CDはナンボでも買うのに・・・・・笑)。
この数年、我が家周辺の開発が進み、田んぼが減少したせいでしょう。中古車屋にショッピングモール、葬祭センターに住宅展示場がどんどん建って・・・・・・田んぼが減ってアスファルトになるとイケマセン。
今まではいくら暑くても「田を渡る風」が涼しく快適でありました。真夏日でも夜になると窓を閉めて寝ていたくらい。

しかし、今は暑い。アスファルトはイケマセン。田んぼがエエんです。

さて、今日は。

J・S・バッハのプレリュード、フーガとアレグロ BWV998。
バロック・リュート独奏はナルシソ・イエペス。
1972~73年、マドリードでの録音。アルヒーフ原盤。

夏の暑い夜、バロック音楽で涼むのはエエもんです。

特に、今日聴いているバロック・リュートの涼やかな響きは、蒸し暑い夜には実に心地よい。緑の木陰を思わせるような、優しく爽やかな音色に、気分がスッキリ。部屋の中を風が抜けてゆくような錯覚にとらわれる。

演奏は名手・イエペス、もう安心して音楽に身を任せればよい。

第1楽章 プレリュートは、重厚な感じ。対位法を楽しめる。
第2楽章 フーガはバッハ得意の技巧。
第3楽章 アレグロはスペインを思わせる音楽で、哀愁も漂う。

という3楽章構成、10分ちょっとの小曲だが、全くこれは佳品と思う。
鄙びた、素朴な音が、時にゾクゾクするほどデリケートな響きになって、しかも色彩的に聞こえてくるのがとても不思議。単純単調な楽器なのになぁ。
これバッハの作曲技法のなせる技かな。イエペスのたぐいまれな技巧のためか。
いろいろな聞こえ方をするから、音楽は楽しい。バッハはやっぱりスゴイ。

録音は上々です。
素朴な楽器にふさわしく、あまり弄っていない、自然で素直な録音であります。
余韻が特に美しく、うっとりします。
2008/07/30のBlog
ホルスト・シュタインの訃報が届きました。7月27日、スイスで亡くなったそうです。享年80。NHK交響楽団の名誉指揮者であり、バイロイト音楽祭の常連・ワーグナー指揮者でありました。

シュタインの遺したレコードにはイイものが多いんですが、今日はその中でも傑作を。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」。
フリードリヒ・グルダのピアノ独奏、ホルスト・シュタイン指揮ウィーン・フィルの演奏。
1970年6月、ウィーンのソフィエンザールでの録音。DECCA原盤。
今日聴いたのはキング・レコード発売のLP。懐かしい1枚でありますな。

録音からもう40年近く。今も最高の「皇帝」の一つと僕は確信する。
ピアノ、オーケストラ、録音の三拍子揃った名演中の名演。

グルダのピアノは自由闊達で実に溌剌、それでいて伝統的・正統的な格調の高さを兼ね備えていて、全くの名演。現代的なしなやかさと伝統の重みを高次に止揚させた演奏と云うべきか。ベーゼンドルファーの深々とした響きも素晴らしい。

オーケストラも最高。ウィーン・フィルの艶やかで芯のある響き、特に弦楽セクションの、輝かしく濡れたような潤い感がさすがだし、音楽が実に豊麗。シュタインがウィーン・フィルの美しさを全て引き出している感じ。時に豪放、時に穏和、素晴らしいと思う。

第1楽章から正々堂々とした演奏。王者というより、貴公子の歩み。
若々しく鮮やかなグルダのピアノ。響きはとても綺麗。録音が良いので、ベーゼンドルファーの包容力のある音をこころゆくまで堪能できる。
ウィーン・フィルの匂うような音も良い。管楽器の独特の輝きは、いかにもウィーン・フィルだなぁと思う。

第2楽章はここから歌うアダージョ。グルダのピアノはたっぷりとよく歌い、オーケストラがそっと寄り添う。見事な協調、協同の演奏と思う。シュタインの指揮は格調高く、通して美しい。

フィナーレではグルダのピアノがノリノリで進んでゆく。天馬空を行く演奏とは、こういう演奏を云うのだろう。ウィーン・フィルの美しさとともに、いつまでも聴いていたい、終曲を迎えるのが惜しいと思わせられる演奏。

録音は今も輝かしく、DECCAらしい鮮烈さです。
奥行き、立体感・音場感、そして高音の伸びと艶、低音のふくよかさ、どれをとっても、今も最高水準と思います。
素晴らしい録音でありました。


<ホルスト・シュタインの過去エントリーであります>
■ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番(グルダ、VPO)
■ブラームスの交響曲第2番(バンベルク響)
■シューベルトの交響曲第4番「悲劇的」(バンベルク響)
■ブラームスの交響曲第3番(バンベルク響)
■ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(グルダ、VPO)
■シューベルトの交響曲第1番(バンベルク響)
■ワーグナー名演集(VPO)
■ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」(バンベルク響)
2008/07/28のBlog
連日の猛暑日ですが、ようやくこの暑さに身体が慣れてきた感じ。
そして、7月末になると、黄昏が少し早くなりました。夜7時過ぎにウォーキングしていたところ、海沿いの夜風がとても涼しく、コオロギの声も聞こえました。真夏の暑さの中に、秋の気配が漂います。

さて、今日はブラームスのピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15。
ラドゥ・ルプーのピアノ独奏、エド・デ・ワールト指揮ロッテルダム・フィルの演奏。
1974年11月の録音。DECCA原盤。先日購入したルプーのブラームス作品集3枚組からの1枚。廉価盤化されて3枚2,400円だったか。

ロッテルダム・フィルの音がしなやかで、「細い」感じの印象。ロマン派の厚ぼったい響きを想像していたら、良い意味で見事に裏切られた。しなやかで爽快、スッキリした聴感が実に心地よい。
デ・ワールトも若々しく精力的な指揮ぶり。ブラームス若書きのコンチェルトを、ルプーとデ・ワールト2人の若い音楽家が、清新で柔軟に演奏してゆくのが、また好ましい。

ルプーのピアノも細身でしなやか、繊細。音はとても綺麗で、透明度が高い。純度の高いピアノと云うべきか。
フォルティシモでも抑え気味の音量で、居丈高になることがないのは、このピアニストの良いところだろう。ピアニシモはルプーの独壇場。「1000人に一人のリリシスト」の看板に偽りなし。まあ、何とも抒情的、感傷的。涙の筋が頬に残るような、甘く切ない、そして若々しいピアノ。こういう演奏は、ある時期、ある年齢の時しか出来ないんじゃないか。若いからこそ出来る演奏であって、きっと今のルプーでは、こうは弾けないんじゃないかと思われる。
デ・ワールトにしても、ルプーにしても、この若さ、1970年代前半のこの時代だからこそ成しえた名演かな。ルプー28歳、デ・ワールト33歳。

その最たるものは、第2楽章アダージョ。
オケの静謐さにピアノの細さがまたよく似合う。ブラームス青春の輝きを2人が見事に再現してゆく。

フィナーレは情熱的な楽想だが、ルプーで聴くと、その感情がベタつかず、サラサラとした肌触りになる。いわばクールな演奏なのだが、燃えていない・情熱的でないというより、感情に溺れず、情に流されず淡く仕上げている、と言った方が良いかもしれない。

録音は今も上々と思います。
DECCAらしいマルチモノ。個々の楽器を艶っぽくクリアに捉えております。
ピアノの音は極上でです。素晴らしい音で再現してくれます。

ことピアノ録音に関しては、DECCAは他のレーベルに抜きん出て上手いと思います。
ルプーやアシュケナージ、グルダ、ラローチャ・・・・・我が家ではみんなエエ音で聴けますもん。
2008/07/27のBlog
高校三年の三男坊が合唱をしておりますので、オヤジもその影響、このごろ合唱曲(声楽曲)をよく聴くようになりました。

その息子から教わったのがモンテヴェルディであります。
マドリガルなどは、よく歌うとのこと。
なるほど、確かに透明で美しい音楽だわなぁ・・・。

ということで今日は、独ハルモニア・ムンディの50枚組BOXから聴いております。このボックス、聴いたことがない合唱曲が沢山あってエエですね。


モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」全曲。
コンラート・ユングヘーネルの指揮とリュート、カントゥス・ケルン及びコンチェルト・パラティーノによる演奏。
1994年9月の録音。

この曲は1610年に刊行され、ローマ教皇パウロ5世に献呈された音楽。
素晴らしく透明な音楽が広がってゆく。その声の美しさが素晴らしい。
そして、余韻の美しさ、音が消えゆくときのはかないまでの美しさは絶品。音が消えたときの静寂は、こんなにも美しいのかと、改めて思った。この音楽は、沈黙・静寂の美しさを教えてくれる。
僕は音楽を楽しんでいるが、本当は、この静まった瞬間を欲しているんじゃないか、と自問するほど。この余韻、余情、休止の時の美しさは格別だった。

ワンパート、一人で歌う少人数の合唱は、響きが爽やかで、突き抜けるような心地よさがある。歌唱も巧いし、アンサンブルも見事と思う。
管弦楽も、実に爽快。気持ちいいくらいに、音が風のように駆け抜ける。

録音も抜群に良く、部屋中にクールな響きが広がります。
部屋が涼しくなりそう。
良い演奏でした。

愚息に云わせると、この演奏は「さすがプロ」となるらしい。

もっとも、職場同僚の盤鬼(「ダブり買いの友」でもあります)によれば、合唱と吹奏楽では、日本人は世界最高レベルにあるそうで、自信をもって日本の演奏家を聴くと良いと云います。社会人の合唱団など、プロはだしがナンボでもあるとのこと。なるほどなぁ。

さて、合唱の練習はなかなか厳しいらしく、愚息も中学生の頃はNHKホールに行くために、相当ハードな練習を顧問の先生の躾けよろしくこなしていたようです。
(ようです・・・というのは息子の生活をあまりよく知らんのです。無関心オヤジと云いますか、男の子なんぞ、放っておけば何とか育つもんです。男親がアレコレ細かなことを言わなアカンような息子にしちゃイケマセンわな)
で、高校になると男で合唱をするのは多くなく、女子の多さに苦労していたようでありますが(オナゴの人間関係の揉め事は、なあに、今に始まったこっちゃないから心配せんでエエ)、受験生になったこの夏も毎日練習であります。まあ、勉強は適当でよろしいわけで、好きなことする方が大事でありまして・・・・ということは、8月末までは我が家の末っ子は合唱三昧、こりゃオヤジとしては最後くらいは聴きに行ってやらにゃアカンかもなぁ・・・・と思う次第。
という訳で、本日は愛媛県民文化会館へ。全日本合唱コンクールの県大会であります。本日の画像は我が家のキュウリ、茄子にゴーヤであります。
2008/07/26のBlog
これだけ暑いとなかなかクラシック音楽をじっくり聴いていられないんですが、古楽器の響きは、心地よいですね。この夏、古楽器を沢山聴いてます。

モーツァルトのピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」。
マルコム・ビルソンのフォルテピアノ独奏、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏。
1986年10月、ロンドンのセント・ジョーンズでの録音。アルヒーフ盤。

古楽器の響きが何とも爽やかで、涼やか。すがすがしい冷気が部屋に満ちてくる感じ。これ、夏向きの演奏やなぁ。弦楽器の細身でクールな音が全く心地よく、これ、まさに納涼の音楽。

ビルソンの弾くフォルテピアノも、実に素朴な響き。
モーツァルトの時代は、こんな鄙びた響きでやっていたんだなぁ。小さな空間で、現代のような大ホールではなく、もっと聴衆と演奏者が近いところで演奏されていたんだろうなぁ。
「戴冠式」はギャラントな曲と思っていたのだが、それは現代楽器の大音量と、表現力に優れたピアノだからこそ出来るのであって、当時の楽器でやると、もっと質素で、飾り気のない、慎ましい音楽だったのだろうと、想像しながら楽しく聴けた。

ああ、それにしてもフォルテピアノの秘やかな美しさは何に例えよう。
ビルソンはおそらく技巧達者なピアニストなのだろうけれど、フォルテピアノの限界があって、才気走った独奏になっていないのが、かえって好ましい感じ。

第1楽章は闊達なアレグロ。カデンツァはビルソンの自作。慎ましくしなやか。

第2楽章は、フォルテピアノの音量の小ささが効果的で、ヒソヒソ話を聴くような楽しみがある。

第3楽章はアレグレット。華麗さを抑えつつも、爽やかな風が吹き抜けるような感じ。

オーケストラは小編成。CDのデータ表記によれば、34人の奏者で構成されているようだ。ヴァイオリン8・8、ヴィオラ4,チェロ4,コンバス2.管楽器とティンパニは合計10。響きがクリアで、爽快な演奏になっている。

録音上々です。
古楽器のクールな響きがよく捉えられていると思う。
小編成オケなので、音場が広く感じられるし、響きの余韻が特に美しい。
これ、気持ちいいです。
2008/07/25のBlog
お暑うございます。土用、大暑ですから暑いのは当たり前ですが、いやホンマに「お暑うございます」。

さて、土用丑の日、今年は鰻を喰わず。
僕はそんなに鰻好きではありません。しかも偽装に禁止薬物報道とくれば、もう何をか云わんや。家人には、僕に一生鰻を喰わさんでもエエぞと伝えました。
それに、今、菜園で取れすぎるキュウリにゴーヤ、プチトマトに茄子を食わんとアカンのです。食卓野菜攻撃。いやはや野菜だらけに嬉しい悲鳴。しかし、採ってきてすぐに喰うのはウマイもんです。

暑い中、今日は熱い交響曲を。

マーラーの交響曲第2番ハ短調 「復活」。
クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルの演奏。
1992年11月、ムジークフェラインザールでのライヴ録音。DGの全集盤からの1枚。

アバドらしい、しなやかで流麗、そしてスタイリッシュなマーラー。
オーケストラの艶、迫力も申し分ない。さすが天下のウィーン・フィル。

アバドはこの「復活」でセンセーショナルなデビューを飾って以後、大指揮者の道を歩み始めたという。1967年のウィーン芸術週間でのことだった。今も、アバド得意の曲目だろう。
だいたい、「復活」は若手指揮者の勝負曲になることが多い。第1楽章の緊張感一杯の出だしからラストの天国的な美しさまで聴きどころ一杯で、血湧き肉躍るシンフォニーだからかな。

だからこそ、乱痴気騒ぎになりやすい曲でもあるんだが、ここでのアバドはさすが、締めるところはキリリと潔く、そして歌わせるところは十分に歌わせる。
その歌はイタリア人気質の歌だ。朗々と胸の中をすべてはき出すような、気持ちいい歌。それがまた品良く、しなやかに歌われるのがアバドの美質。第2楽章のアンダンテ・モデラートの際だった美しさは、そのあらわれ。楽章全体に漂う静謐感と、柔らかくしなやかな歌は、何度聴いてもホンマに素晴らしい。

第1楽章の迫力は実演っぽくて、感興高まる。
第3楽章のスケルツォのリズム処理も鮮やか。音楽がだれずに、淀みなく流れるのがイイ。実演とは思えないほど、アンサンブルもまとまっている。
第4楽章はワルトラウト・マイヤーの朗々とした歌が素晴らしい。
第5楽章は壮大な盛り上がり。ウィーン・フィルの能力全開、フルパワーで迫ってくる。この音響は快感。勿論、その迫力の中に優美さが失われないのはウィーン・フィルのエエところ。金管の美しさやアンサンブルの良さは、ウィーン・フィルならではだろう。
そして、シェリル・スチューダーの歌!この人の全盛期の歌唱かしら。
(今は、どうしているんでしょう・・・・・)


録音は、音の艶・厚み、ともに素晴らしく、今も最高級の録音と思います。
左右の広がりに少し欠けるかなと思いつつも、いや、これだけの音で聴けたらそんな不満、云っちゃイケマセンね。


<マーラー「復活」の自己リンクです>
■クーベリック/バイエルン放送響
■ハイティンク/ベルリン・フィル
■テンシュテット/ロンドン・フィル
■キャプラン/ウィーン・フィル
■メータ/ウィーン・フィル
■ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管(クリスマス・マチネ盤)
■ノイマン/チェコ・フィル(1980年録音盤)
2008/07/24のBlog
連日の猛暑です。雨が降らないので、我が菜園もこのところ元気がありません。
朝晩の水やりもなかなか大変です。
どうも7月いっぱいは、この天気のようです。いやホンマに暑い、そして熱いです。

暑い夏になると聴きたくなるのがこの曲です。

R・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」。
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管の演奏。
1962年4月の録音。CBSソニー原盤、CDは国内廉価盤1,000円のもの。

オーマンディは、こういう大衆名曲を振らせたら上手かった。
しかも、オケはフィラデルフィア管のゴージャス・サウンド。全く綺麗で、演出巧みで、美音が洪水のようにスピーカーから流れ出してくる。

もともと、この曲は、絵の具を原色のまま使って、グイッと太筆で塗りたくってしまった絵画のような音楽なのだが、フィラデルフィア管で聴くと、それが実によく分かるし、聴いていて楽しい。
オケの音は明るく華やかで、輝かしい。中央アジア~イスラームの雰囲気にはやや遠いかな。アメリカン・サウンドで描き尽くした「シェエラザード」と云うべきかもしれない。

特に感心したのは第2楽章と第3楽章。

特に金管の迫力・木管の鄙びたサウンドが十分に楽しめるのは、第2楽章か。
トランペットは迫力は素晴らしいし、ファゴット・オーボ・クラリネットが次々に美しい音を繰り出してくるのは圧巻。
応ずる弦楽セクションもイイ。シルキーな肌触りでしっとり聴かせる。アンサンブル極上、技術的な部分では何の不満もなし。

第3楽章「若き王子と王女」はムード満点。弦楽合奏がとてもきれい。チェロのユニゾンなど、惚れ惚れするほど美しい。
中間部はほのぼのと暖かく、大らかなサウンドが広がる。楽器が入れ替わり立ち替わりあらわれて、このあたりはオーケストラ協奏曲のような趣きがあるのだが、それぞれの楽器がピタッと見事にはまっていて、破綻がない。オーマンディの統率の賜物か。
独奏ヴァイオリンの色気たっぷりの演奏も、実に上手い。

録音は上々です。
45年も前の録音ですが、今も十分に鑑賞に耐えます。

オーマンディ/フィラデルフィア管のコンビのCBS録音は、概してエエんです。

(同じ時期のセル/クリーヴランド管の録音の悪さに比べれば・・・・って、いつも書いてますが・・・・)


<「シェエラザード」の自己リンクです>
◆ライナー/シカゴ響
◆カラヤン/ベルリン・フィル
◆プレヴィン/ウィーン・フィル
◆チョン・ミュンフン/パリ・バスティーユ管
◆コンドラシン/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆クリヴィヌ/フィルハーモニア管
◆マゼール/ベルリン・フィル
◆デュトワ/モントリオール響
◆ムーティ/フィラデルフィア管
◆アシュケナージ/フィルハーモニア管