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クラシック音楽のひとりごと
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2008/09/29のBlog
二日続けて爽やかな天候であります。いよいよ伊予路に秋が来ましたかな?
この雨で、また気温が下がってくると思われます。

さて、この頃、ブラウザはMozilla Firefox 3.0を使ってます。これは大変軽快で気持ちいいです。ダウンロードも素早く、今まで使っていたnternet Explorer 7 の重さに比べて全く軽いのです。もうIEは使えないなと思っていたら、ここDoblogでリンクを貼るときにはFirefox 3.0ではうまくいきません。サイトによってはFirefox 3.0に対応していないんでしょう。しかし、この軽さ、便利だなぁ・・・・・・。

さて、今日のCDはクレンペラーのハイドン。HABABIさんのご紹介であります
先日、HMVから届いた輸入盤3枚組の廉価盤です。、

ハイドンの交響曲第101番 ニ長調「時計」。
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管の演奏。
1960年1月、ロンドンのアビーロード・スタジオでの録音。EMI盤。

第1楽章冒頭はものものしい序奏。スケールが大きく、途中で止まってしまいそうな遅さ。主部は堂々とした歩み。ヴァイオリンが両翼配置なので、音楽に広がりがある。特に第1ヴァイオリンが一本の節のようによく揃って、心地よい。響きも美しい。
アンサンブルも全体にわたって極上。軽く爽やかな響きを提供している。フルートやオーボエを浮き立たせて、新鮮な音楽になっている。

第2楽章はアンダンテ。
ああ、ゆったりとしたテンポ。包容力を感じさせる音楽。
表情は無骨であって、さほど優美な感じはしないのだが、この音楽に包まれるときの無類の安心感・安定感はいったい何だろう。ああ、心地よい音楽。これぞクレンペラーの音楽の大きさ、豊かさ。男のやさしさは顔(表情)じゃないのだ。
中間部の短調のところ、左右のヴァイオリンの掛け合いが楽しい。木管の音を大きく吹かせて、際だたせているのも特徴的。

第3楽章も堂々とした演奏なのだが、テンポが少し上がってゆく感じ。克明なリズムの刻みに、しなやかな弦楽が印象的なメヌエット。
後半では、また木管のソロが美しく響く。特にフルートがたまらない。

フィナーレは恰幅の大きい、これも包容力大きい。ことさらにスケール大きくやろうとしていないのに、出てくる音楽は大きく広がってしまう・・・・・そんな感じがまた実にイイ。

録音は上々です。48年も前の(半世紀も前だ!)録音とはとても思えない。
プロデューサーはウォルター・レッグ、バランス・エンジニアはハロルド・ダヴィッドソンとのクレジット有り。名録音と思います。

<ハイドンの「時計」の過去のエントリーです>
■マリナー/アカデミー室内管
■プラハ室内管
■ドラティ/フィルハーモニア・フンガリカ
■カラヤン/ベルリン・フィル
2008/09/28のBlog
爽やかな秋の陽気でした。朝晩はだいぶ気温が下がって、17℃。
日中も25℃程度で、気持ちいい一日でありましたが、我が仕事は相変わらず忙しいのです。まあ、このご時世、仕事があって定収入を頂けることこそ有り難いんですがね。(と、いつも云ってますが(^^ゞ)

さて、今日はベートーヴェンを行きましょう。
このごろは、『のだめカンタービレ』の影響か、「ベトベン」と書く人が増えたようですが(他にもその根拠があるんかな?)、まあ、僕は古いタイプの男なので、「ベートーヴェン」で行きまっしょい。
(ついでに云えば、シューベルトの未完成は「8番」、グレートは「9番」なのです・・・・・・・って、これはもうホンマに古いですかね?・・・・・・(笑)・・・)


ベートーヴェンの交響曲第7番 イ長調 作品92。
クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルの演奏。
1987年2月、ムジークフェラインザールでのライヴ録音。DG盤。

アバドにはDGに3種類のベートーヴェン全集があって、その最新のものは先頃ベルリン・フィルとのライヴ・レコーディングとして発売された。(DGに3種類とはカラヤンなみやなぁ・・・・・)。
我が職場の同僚にして盤鬼盤友かつダブり買いの心の友たるMが、その最新盤を購入したというので、「どうやったで?」と訊くと、「アカン」と一言。僕もMもBPOとのスタジオ録音盤を持っているのだが、「アレとそう変わらへん」とのこと。
BPOとの演奏は、小編成でベーレンライター版、聴いてビックリしたし大変面白かったのだが、その感動が長続きするかというと、う~む・・・という感じだった。
「すると、やっぱりアバドのベートーヴェン云うたら、VPO盤かいなぁ?」と僕が言うと、「そやなぁ・・・VPOのが一番エエなぁ」と返事。
結局、「ワシら、古いタイプの男やねぇ」と一致したのであります(笑)。

前置きが長くなりました。
そのウィーン・フィルとのベートーヴェン全集からの7番交響曲であります。

これは歌にあふれたベートーヴェン。
もちろん、アバドだから、ダラダラと歌って、メロディ垂れ流しをするわけはではない。構成は知性・教養を感じさせるカッチリしたもので、フレーズの処理も小気味よく、リズムの刻みも実にイイ。スッキリと「踊れる」感じ。なにせ、この交響曲は「舞踏の聖化」、心地よく弾まないと気分が出ない。その点、アバドの指揮は実に適確。

そして響きの明るさ・輝かしさが素晴らしいし、しかもその響きの透明度が実に高い。スッキリとした、羽毛のような軽さとでも云うべきか。
その中から節度あるカンタービレが鳴り渡る。これが何とも素晴らしい。ああ、アバドはエエ指揮者やなぁと思う瞬間だ。

第1楽章はあまり速くなりすぎずに、程よいテンポ。中庸の美。ウィーン・フィルの伝統の力が前面に出てくる。

第2楽章はアレグレットより遅く感じる。歌にあふれているからかな。弦の一本一本が歌っている感じ。美しい。

第3楽章とフィナーレの、ウィーン・フィルの美しさはさらに印象的。この均整の取れた美しさは、数あるウィーン・フィルのベートーヴェン全集のなかでも屈指のものと思う。(イッセルシュテットの全集がこれに近いかな?)
ああ、今さらながらウィーン・フィルって素晴らしいオーケストラなんだなぁ・・・・と感じ入った。

録音は今も上々です。
しっとりとしていて、鮮度も高いです。音の重心が少し高いのは、軽快な音を指向したアバドのセンスでしょう。
エエ録音と思います。
2008/09/27のBlog
雨は昼過ぎに上がって、強い南風が吹きました。やや冷たい風、今日辺りは気温も下がって秋本番の予報です。気分良くジョギングが出来そうですが、またもこの週末は出勤でありまして、なかなか音楽を聴く余裕が出来ません。ま、仕事の進捗は順調、それなりに充実しているのでよしとしましょう。

さて、今日はLPを聴いております。

R・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。
ズービン・メータ指揮ロサンゼルス・フィルの演奏。
ヴァイオリン独奏はデイヴッド・フリシナ。
1968年5月の収録。DECCA盤のLP。

40年も昔の録音なのに、最新録音とさして変わらない鮮烈さ。超優秀録音。
DECCAのこの録音技術に支えられて、1960年代~70年代、メータ/ロスPOは名演盤を世に送り続けた。同じDECCA専属のショルティ/CSO(LPOも)とレパートリーが重なるところ多かったのだが、メータ/ロスPOはマッチョで豊潤、そして若々しい覇気が特徴で存在感が大きかった。ショルティの剛球一直線に対して、メータは柔軟性のあるところがまた個性的でもあった。

今聴いても実に豊麗。R・シュトラウスの素晴らしいオーケストレーションが余すところなく再現される。ロサンゼルス・フィルの若々しくしなやなかアンサンブルも実に良い。楽員が張り切って一生懸命メータについている。しかも楽しんで前に向きにやっているのが伝わってくる。やや楽天的に過ぎるところもあるのだが、このヤル気十分の演奏を聴くのは楽しいものだ。

何より、メータは聴かせ上手。
冒頭の決意溢れる開始。とても雄壮で、これからの音楽の展開に期待一杯になる。
「英雄の伴侶」ではソロ・ヴァイオリンが実に妖艶、エロティックな感じさえ醸し出す。
「戦場」では果敢に突っ込み、輝かしく凱歌が奏でられる。素晴らしい盛り上がり、若武者が颯爽と見得を切る感じ。カッコイイ。
「英雄の業績」での穏やかな表情には、耳をそばだててしまったし、終曲での心安らかな回想は感動的。老人の慎みさえ感じさせるところもあり、メータ、巧いもんだなぁとつくづく思う。

ロサンゼルス・フィル、大健闘であります。
これ、数多いメータの録音の中でも、代表的な名演奏と思われる1枚でありました。
2008/09/26のBlog
蒸し暑い一日でした。残暑が逆戻り、ちっとも秋という感じがしません。
「秋はブラームス」といいつつ、気温がその雰囲気になりませんので、ちとお休みにしましょう。
今日の四国は大雨の予報、昨夜来から降り続き、雷も鳴っています。
どうも、週末はこんな天気、来週くらいから「秋」になるんでしょう。

そこで今日はバッハを。

J・S・バッハのヴァイオリン協奏曲集。
フェデリコ・アゴスティーニのヴァイオリン独奏、2ndヴァイオリンはアントニオ・ペレス。イ・ムジチ合奏団の演奏。
1989年7月、スイスのラ・ショー・ド・フォンでの録音。フィリップス盤。

イ・ムジチ合奏団としては、2度目のバッハ・ヴァイオリン協奏曲集の録音。1度目はフェリクス・アーヨとロベルト・ミケルッチによる1958年録音盤だった。このCDの主役、フェデリコ・アゴスティーニが生まれる前年のことだ。イ・ムジチも世代交代、収録当時のアゴスティーニは30歳。若々しいヴァイオリンの調べを聴かせてくれる。

何より、よく歌う。
ただ、それまでのアーヨやカルミレッリのように甘美に歌わせるよりは、一歩引いて、歌に流れすぎないように自制している感じもする。知性がやや勝る演奏と云うべきか、時にシックなイメージも浮かぶイタリアンだ。

3曲のうち、素晴らしいのは2つのヴァイオリンのための協奏曲。作品そのものが素晴らしいのだけれども。
両端楽章の緊迫感、緩徐楽章の類い希な美しさは、いつ聴いても名曲と思う。
イ・ムジチ合奏団のアンサンブルが実によく、アゴスティーニも伸び伸びと歌っている。2ndヴァイオリンのペレスもよく支える。両者の呼吸もよく合って美しい。第1楽章の緊張感など見事なものだ。

第2楽章はさらに良い。テンポがゆっくりで、柔らかな美しさを感じさせる。淡く優しい光が差し込んでくるような演奏。音色もメロディもイイ。二つのヴァイオリンが溶けあって、哀しくなるくらいの美しさ。ノスタルジーをかき立てられるような名演。

フィナーレの加速度も素晴らしい。その速さの中でも音楽のフォルムが崩れず、しかもよく歌うのだから、やはり、さすがイ・ムジチというべきか。

録音は上々です。
ハッとするような鮮やかさがないものの、フィリップス特有のウォーム・トーンが美しい。ロケーションは名にし負うラ・ショー・ド・フォン、美しいスタジオ録音盤であります。
2008/09/25のBlog
「秋はブラームス」と云っておりますが、日中はまだ気温が高いですねえ。予報によると、伊予路は、今日も30℃を越えそうなんです。本格的な秋にはまだまだのようです。
もっとも、朝晩の涼しさはまさに秋。ジョギングは快適になりました。「オクトーバー・ラン」なんて言葉もあります。走り込むにはエエ季節になってきました。

さて、今日も「秋はブラームス」であります。

ブラームスの交響曲第3番 ヘ長調 作品90。
エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団の演奏。
1963年2月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホールでの録音。DECCA原盤の全集からの1枚。現在はEloquenceシリーズの廉価盤、4枚組2,000円ちょっとで購入できる。

カラッと明るい音のブラームス。
これ、スイス・ロマンド管独特の音で、LP時代の昔よく聴いた同楽団のドビュッシーやラヴェルの音と同じ。懐かしいものだが、ブラームスとなると、ちと異質かなとも思う。
木管や金管は鼻にかかるような甘さがあって、これはフランス風の音という感じ。だから、とても面白い。
録音のせいか、ティンパニの強打が目立つ。随所でティンパニが耳につく感がある。そのティンパニの響きも明るく軽めだから、この楽団の特徴と云うべきなのだろう。

だから、全体の印象は爽やかで明朗、スッキリ系のブラームスであって、テンポが速いので実に颯爽とした感じになる。

面白いのは第1楽章のラスト、グイグイとテンポが上がって、猛烈に速くなるところ。アンサンブルが揃わないほどの激しさ。力強いのだが、ちと荒っぽいかな。

第2楽章も激しく強い演奏。ラヴェルでのクールなアンセルメを思うと、不思議なくらい。ここでのアンセルメは、明るくホットなブラームスを作り出す。

第3楽章は速いテンポ。アレグレットが足早に去ってゆく。弦楽セクションが聴きものの楽章なのだが、スイス・ロマンド管の音が明るく軽く、やや乾いた感じなのが面白い。録音の加減かな?もう少し潤いが欲しいとは思う。

フィナーレはスッキリとまとまりの良い演奏。終盤は堂々と音楽が進行して、貫禄十分のラストはさすがにカッコイイ。

録音が非常に特徴的。
音が軽く明るいんです。重心が高い、腰高のブラームスであります。
DECCAらしい音の明るさはエエんですが、弦のやや音が硬く、潤い感に欠けます。
スイス・ロマンド管の音なのだとは思うんですが、ひょっとするとマスターの経年劣化かもしれません。1960年代のDECCAサウンド、しかもアンセルメの録音としては、ちと不満が残りました。
他の演奏も聴いてみなくちゃイカンです。ただ、こちらの体調やリスニング・ルームの温度・湿度でも音は変わりますから・・・・。今日の音が不調だったのかも知れません。

2008/09/24のBlog
久しぶりにNHK-FMの生中継にかじりついた。
FM放送とはいえ、生中継になると、変に音をいじらないので、ナマナマしく鮮やかな音がする。イイ音で聴けるのは何よりの楽しみ。昔は同時にデッキに録音しながら懸命に聴いたものだが、6年前にカセットデッキ(SONYのTC-K555ESG)が壊れてからというもの、とんとエアチェックもしなくなり、カセットテープも処分してしまい、いつの間にやらFM放送も聴かなくなってしまった・・・・・。
narkejpさんに情報を頂いて、今日はウィーン・フィルの来日公演生中継なのであります。

チャイコフスキーの交響曲第5番 ホ短調 作品64。
ッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルの演奏。
2008年9月23日(火)、東京・サントリーホールでの演奏会。NHK-FM生中継。
(TUNERはKENWOOD KT-1100)

第1楽章はゆったりしたテンポ、そしてこれが柔軟に変化してゆく。それに応じてウィーン・フィルの弦楽が柔らかく優しくニュアンス豊かに色合いを変えてゆく。ああ、美しい演奏。終盤もミリタリー調にならないのがイイ。アンサンブルはさすがにウィーン・フィル。完璧。

第2楽章もゆったりとしたテンポで始まる。ホルンの音が柔らかく、メロウでタップリとしている。ああ、ふくよかなエエ音。思いの丈を歌い込んでゆく感じ。
そして、オーボエがでた瞬間に、光が差し込んでくる。音楽の色がガラッと変わる。
弦楽セクションが主役になると、テンポが上がって、そして歌う。フレーズの受け渡しが何ともカッコイイ。
この楽章、コーダに至るまで息を呑むほどの緊張感があって、実に素晴らしい演奏。オケのメンバーが音をよく聴き合わせているのも伝わってくる。

第3楽章は、オーケストラの自発性を楽しめるワルツ。各所で団員が活躍、ソロもユニゾンも見事なもんだ。それぞれに技量を競っている感じなのだが、音楽としては有機的にまとまっている。と云うより、ムーティがキチッと手綱を締めているということかな。

フィナーレは強弱の対比も鮮やか。開始部分でのデュナーミクの変化は見事と云うほかなし。実演らしい盛り上がりも十分で、会場に居合わせた人々は、興奮、生理的な快感を味わえたんじゃなかろうか。ラストは最高に格好良い。さすが、ムーティ。


KENWOODのKT-1100は往年の銘機、TRIO~KENWOODと続いた通信機メーカー最後のバリコン式チューナーであります。
生中継では特に威力を発揮、エエ音で聴けたんですが、今夜はちと不調。
アンテナが古くなったか、チューナーそのものの経年劣化か・・・・・生中継はCD同等、いやそれ以上の鮮やかさで鳴ったものなんですが、今日はイマイチの音でありました。特に高音、そして左右奥行きの広がり・音場感が・・・・・・。う~む・・・・・・。残念。
2008/09/23のBlog
今日は秋分の日。
社会人一年目の長男も帰宅しましたので、家族揃ってご先祖様の供養であります。孫たちを可愛がった亡父も喜ぶでしょう。

さて、「秋はブラームス」であります。

ブラームスの交響曲第1番 ハ短調 作品68。
ジェームズ・レヴァイン指揮シカゴ響の演奏。
1975年7月の録音。RCA原盤。

レヴァインのRCA時代、若々しいブラームス全集からの1枚。
この録音当時のレヴァインはアメリカ期待の若手指揮者。RCAにはブラームスやシューマン、マーラーの交響曲全集をバリバリ録音していた時期だった。マーラーは明るくスッキリした演奏で、マーラー演奏の新時代を予感させるものだったし、今聴いてもイイ演奏やなぁと思う。ブラームスやシューマンはDG移籍後に再録音しているので、そちらが今のレヴァインの姿なのだろうが、残念ながら僕は未聴。機会があれば聴いてみたいもんです。
しかし、RCA時代の、若々しく覇気があって、少々つんのめるようなところもあるのだが、それがかえって勢いを感じさせる・・・・そんなブラームスやシューマンが好ましいと、僕は感じている。
それらは、ちょうど僕がクラシック音楽を聴き始めた頃に新譜としてリリースされて、勿論僕はビンボー学生だったので買えはしなかったが、NHKのFM放送などで盛んに取り上げられたから、エアチェックして一生懸命聴いたものだった。
そのカセットテープは6年前にソニーのデッキが故障したときに、もはや役目終了と処分したのだが、その後CDを中古盤や廉価盤で入手して聴いている。若い頃の記憶がノスタルジーとして残るのか、今聴いても、このブラームスはエエなぁと思う。

第1楽章の意気と熱。
ブラームスの作品としては珍しいくらいのもの凄い熱気を(作曲に20年以上かかったのだから、その熱気も当然か)、レヴァインは見事に表現していると思う。聴いていて、頬が火照ってしまいそうなくらい、このブラームスは勢いがあるし、熱い。熱気いっぱい。
シカゴ響もその情熱に応えて、熱っぽい演奏を展開してゆく。

第2楽章はおだやかな表情で歌われる。明朗で陽気な感じさえする歌は、昔も今もレヴァインの特質だろう。秋空の爽やかさを思わせる歌であって、ブラームス独特の屈折した感情は抑えられている。ソロ・ヴァイオリンは美音。綺麗。

第3楽章も歌。グラツィオーソ。ここでも歌がイイ。
そして感動的なフィナーレへ。ベートーヴェンの第10交響曲と称されるのもむべなるかな、レヴァイン渾身の力演。力感溢れる演奏の中から、しなやかな感性、サラサラした感興がこぼれてくるのも実にイイ。フルートやホルンも印象的な響きで迫ってくる。実にイイ。シカゴ響は巧い。文句なし。

録音はさすがに古びてきた感じがあります。
弦楽セクションの響きが少し硬くなってます。力演だけに、もう少し美しく響かせて欲しいと思いつつ、これ、録音のせいかなぁと思ってます。
2008/09/22のBlog
台風の後も雷雨が続きまして、伊予西条は急に涼しくなりました。
秋です。秋を感じます。

で、秋の風物詩を一つ。
日曜は秋の菜園造りをしました。丁寧に畝をつくって、大根と蕪の種まき、ブロッコリーは苗を植えます。順調にいけば、12月には大根を喰えそうです。

もう一つ。今年初物のワタリガニが届きました。漁に出るのが好きなご近所さんの投網であります。山ほどくれましたので、軽く湯がいて喰いました。これがまた旨いこと!瀬戸内のワタリガニは、やはり最高です。

というわけで、秋です。秋はブラームスであります。
今年で4回目になりました。我ながら、よく続くもんです。
信州で頑張る頑固店主のensembleさんのお誘いのおかげです。

今日は、ピアノ曲から。

ブラームスの「4つのバラード」作品10。
アルトゥール・ベネデッティ・ミケランジェリのピアノ独奏。
1981年2月の録音。DG原盤のLPであります。。

作品10のピアノ曲集は、ブラームス21歳、青春の作品であり若々しい佳品。
メロディの美しさをいたずらに追いかけることなく、和声の美しさや構成の美観を感じさせる曲を、ブラームスは沢山書いた。
このバラード集も、おそらく最もロマン派的で旋律の美しさを際だたせることが出来るな形式なのだろうが、ブラームスが書くと、様式美を優先しているような感じがする。

そして、ブラームスの音楽は、戸惑い、ためらい、途中で歩みを止めて、思いあぐねる。この若書きの作品も、基本的には、そういったブラームス的な作品と思う。音楽が逡巡するのだ。ホンマに個性的な作曲家だなぁと思う。

もちろん、ブラームスには珍しく(というか若い頃のブラームスはそうだったのか)ロマン一杯で若々しい輝きも出ている。

そういう作品を、ミケランジェリが丁寧に、デリケートに演奏してゆく。即興的なところもあるのだが、それさえも周到に考え抜かれ、計算され尽くしている感じ。理知的な演奏と云っても良いだろう。
そしてピアノの音の美しさ。一つひとつの音が粒だって、光を放っている。その光が、キラキラと輝いたり、鈍く光ったり、時には華やかな光で、あるいはボンヤリとした光で・・・・もう様々に変化してゆく。それがスゴイ。ミケランジェリの真骨頂だろうなぁ。

録音は少し硬い感じ。
デジタル初期特有の硬さと云うべきでしょうか。ミケランジェリのピアノはもともと硬質の輝きを持っているので、それに応じた録音なのかもしれません。
ミケランジェリ独特の響きの美しさ、多彩さは十分に鑑賞できます。
いいLPでありました。

<秋になると、「秋はブラームス」をエントリーしてました>
■2007年
 ●ルービンシュタインのピアノ協奏曲第1番
 ●ケルテス/VPOの交響曲第3番
 ●ケンペ/ミュンヘン・フィルの交響曲第1番
 ●ワルター/コロンビア響の交響曲第4番
■2006年
 ●ブレンデルの「恋人たち」
 ●ショルティ/シカゴ響の交響曲第1番
 ●カラヤン/BPOの交響曲第1番
■2005年
 ●ライスターのクラリネット三重奏曲
 ●ベーム/VPOの交響曲第1番 1975NHKライブ
 ●ルービンシュタインのピアノ協奏曲第1番(メータ/イスラエル・フィル)
2008/09/21のBlog
台風の去った後、久しぶりの上天気だったんですが、気温は上昇、日中は冷房が要るほどでありました。
朝夕は秋の爽やかな気候ですし、田んぼでは早稲の収穫が始まっています。着実に秋の日々が始まっています。

さて、今日はドヴォルザークを。

ドヴォルザークの交響曲第8番 ト長調 作品88。
クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルの演奏。
1993年11月16~19日、フィルハーモニー・ホールでのライヴ録音。CBSソニー盤。

僕がクラシック音楽を聴き始めた頃は、「イギリス」という副題がついていたものだったが(イギリスで楽譜が出版されたというだけの話 (^^ゞ)、今はとんと見かけなくなった。昔は、まあクラシック音楽というと、取っつきにくかったので、ニックネームでもつけて親しんでもらおう(レコードを買ってもらおう)ということだったのだろう。

さて、アバド&ベルリン・フィルによる、ドヴォルザークの第8交響曲は、まず第1楽章の冒頭、チェロのユニゾンが大変美しく、深々として、田舎の風景に溶け込んでゆくような風情がある。そこに絡んでくるフルートやオーボエの美しさは絶品。曲想がホンマに田舎風景、我が家の南面に広がる四国の田舎景色に、よく似合うこと、秋風が金色に染まりつつある田んぼの上を渡ってゆく・・・・そんな爽快感も音楽から聞こえくる。

アバドの指揮がまたイイ。ベルリン・フィルから、爽やかでスッキリした響きを引き出して、この第8交響曲の涼やかな魅力を存分に伝える。
ああ、この曲はこんなに爽快新鮮な音楽だったのかと思ったほど。厚ぼったくなく、やや軽めの音なのだが、それがとても良い。
(往年の重厚なベルリン・フィルのサウンドを好む人には嫌われるかも?)

第2楽章は、アバドらしく背筋が伸びて格調高い表現。ここでも歌がイイ。実にスッキリした歌であって、美しい旋律がベタつかないのがアバド流。
フォルティシモでのカンタービレは絶品。

第3楽章は、これぞボヘミア、ドヴォルザークのボヘミア魂丸出しの懐かしいメロディのオンパレード。暖かくも素朴さを残したワルツ。
ベルリン・フィルの弦楽セクションが美しい。弦楽が金色に輝く感じ。ダイナミック・レンジも大きく、特にピアニシモでのデリカシーは、たまらない美しさ。

フィナーレの変奏曲も綺麗。オーケストラはフル回転、管楽器、特に金管がよい。少壮気鋭と云うべきか、引き締まったリズム、爽快に響く旋律線、その上に頗る巧い金管が鳴り渡る。いや見事なもんだ。溌剌としたドヴォルザークが現れる。

録音は標準的でしょう。
1990年代の録音にしては左右前後の広がりがやや不足している感じ。ライヴ録音のハンディかな。
逆に、音の鮮度は上々で、ライヴ独特の熱気をはらんで進んでゆくところは、エエもんです。
2008/09/20のBlog
台風は各地で大雨を降らせながら東上してるようですが、当地北四国ではあまり雨が降りませんでした。高知沖・太平洋上を進んだためでしょうが、もう少し降って欲しかったところです。水不足解消にまでは至りませんでした。

さて、ここのところ交響曲ばかり聴いていたので、今日は軽めの協奏曲などを聴いてみましょう。・・・・・・となると、モーツァルトですね。

モーツァルトのピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K.459 。
ゲザ・アンダのピアノと指揮ザルツブルク・モーツァルテウム管の演奏。
全集は1961~69年の録音。DG原盤。

iTunes Stores のダウンロード音源をONKYOのUSBオーディオ・プロセッサを介して再生しております。
十分な音質で、音場感も良好。奥行き・高さもまずまず。楽器の鮮度や定位も上々であって、家庭で一般的に再生するのには何の不満もないのではないかと思う。

アンダのピアノは清楚で、時に気品さえも漂わせる美しさ。モーツァルテウム管の伴奏もしっとりとして美しい。派手さや鮮やかさはない分、落ち着いていて、秋空のような朗らかさを感じさせる伴奏であって、聴いていて実に心地よい。
ピアノとの呼吸、間合いも程よいもの・・・・・って、これはアンダの弾き振りだから当たり前かな。まあこの息のあいかたは、練り上げられた上等上質の絹のような触感であって、これがパソコンを介して、しかも元々は小さなファイルであって(圧縮版だもんねえ)、そんなちっぽけなものから、こんな風に美しく伝わることが、スゴイ。技術の進歩にただただ唖然。

さて、演奏であります。

第1楽章は爽やか朗らか、明るい響きが印象的。すがすがしい秋空の趣き。
空気が澄んできて、しっとりと露がおりた秋の早朝といった感じ。

第2楽章は、もうひたすらアンダのピアノが美しい。優しく微笑みながら語りかけてくる。気品ある佇まい、身なりも端正で、たいそう美しい。
際だって美しいのは、中間部の短調に転じる瞬間。木管とのアンサンブルも素晴らしく、ウットリするほど綺麗。

終楽章はモーツァルトらしい軽快さ。楽しいロンドが続く。
ここでもピアノとオーケストラの協奏、アンサンブルが美しく、渾然一体となった、まろやかさも良い。
ピアノがあまり派手でないのがイイ。しっとりとして、ややくすんだ感じの音が味わい深い。ラストのカデンツァは知的で上品。

思えば、個性的でドキドキワクワクするような演奏ではないんでしょう。
でも、トシを取ると、こういう演奏がよくなるもんです。
2008/09/19のBlog
台風はどうやら高知沖を行きそうです。
今のところ風雨は強くないんですが、さて、今日一日どうなることでしょうか。

さて、この頃はベートーヴェン全集も安価で購入できるようになりました。今日聴いているプレトニョフのものなど、最新のものですが、中古盤だと3,000円ちょっとで買えてしまいます。いつも書いてますが、ホンマにエエ時代になりましたね。

そして、この全集、大変「面白く」聴けました。で、その中からの1枚を。

ベートーヴェンの交響曲第3番 変ホ長調「英雄」。
ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団の演奏。
2006年6~7月、モスクワ音楽院大ホールでの収録。DGの全集盤。

ロシアの指揮者とロシアのオーケストラによるベートーヴェン全集は、初めて購入した(というか、かつて、純ロシアのベートーヴェン全集ってあったのかしら?)。
録音は最新なのに、今ひとつの聴感。奥行き不足で、鳴り方が少し埃っぽい感じがする。そして、あまり鳴らない。オケの編成が少なく、ヴィヴラートをあまりかけないためか、鳴り方がおとなしい感じがする。
ただし、演奏は精力的で、プレトニョフはかなり鳴らそうとしているようだ。デュナーミクが独特で、個性的。「あれ、こんなところで音を絞るかな・・?」という場面が多く、テンポも激しく揺れる。

特に第1楽章がスゴイ。揺れ揺れ。リタルダンドとアッチェランドが頻出して、聴いていてドキドキする。金管なども野性的で、バリバリ行こうとする。今まで聴いたことないような、英雄の進行。ルバートも多い。いやはや、もう好き勝手。プレトニョフやり放題。面白い。
新しい楽譜(新ベーレンライター版っていうんですかね)を用いているのだと思うが、これ多分にプレトニョフ独自版。聴いていて実にスリリング、ハチャメチャな感じもするが、こちら聴き手も沢山のベートーヴェン演奏を聴いてきているわけで、こんな毒のある演奏もたまにはエエなぁと聴き入ってしまった。
毎日、こういう演奏だと食傷してしまいそうだが。。。。(^^ゞ

第2楽章は感情豊かな葬送行進曲。大変ロマンティックで、時に、うねるような感じになる。管楽器を実によく鳴らしていて、盛り上がりも大きい。アンサンブルはちと粗いかな。
ラストでは、引きずるような感じで音楽が進む。テンポが重く、独特。

第3楽章は快速スケルツォ。ここでもデュナーミクが大きく、テンポは激しく揺れ動く。トリオではグッとテンポが落ちて、ホルンの咆吼が来る。ホルンは巧い。
そして再び元気一杯のスケルツォ。そうそう、この第3楽章を聴くと、元気が出そう。

フィナーレもプレトニョフ絶好調。
絶好調ということは好き放題と云うことで、もう、やりまくり。快速でグイグイすっ飛ばしながら、時にフッとテンポを落として歌ってみたり・・・・・。

いやぁ、面白いです。
ただ、何度も聴いていると飽きてしまいそうな気もします。
抱腹絶倒とは云いませんが、ゲテモノを聴いてみたい人にはお勧めしたいもんです。
(「ゲテモノ」とは、プレトニョフのファンの方には申し訳ないですが・・・・。でも、やはりこの全集は、いわゆる伝統・正統派路線ではないでしょ?)
2008/09/18のBlog
台風接近中です。
今日から明日にかけて四国に最接近・上陸とのこと。予報によれば、明日0時頃に佐多岬の沖、夜に室戸岬のあたりということなので、どうも我が家周辺を通過しそうな勢いであります。
もともと四国は台風の多いところなんですが、今年は初めて。月曜から天気はぐずついていて、この台風でさらに雨が降るでしょう。松山や今治は水不足気味、早明浦ダムもこれで潤うかな・・・・・?

さて、今日はハイドンを聴いてます。

ハイドンの交響曲第93番 ニ長調。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1981年の録音。DG盤。
このころカラヤンはハイドンのパリ交響曲、ロンドン交響曲を盛んに録音していた。

美しく煌びやかで、堂々と恰幅の良いハイドン。
カラヤンのハイドンは、威容辺りを払う行進のよう。これぞ王者の風格。
この貫禄は、現代的なハイドン演奏と比べれば、ちと古い。しかし、古いスタイルと云われようが、お構いなし。カラヤンはカラヤンの王道を行くのだ。

この演奏で描かれるハイドンは、20世紀後半のオーケストラの威力と、伝統的なハイドン解釈の最後にして最良の姿を示しているんじゃないか・・・・と思えてしまうほど、カラヤンのハイドンは美麗を極める。

曲の長さはたった20分。
後年のロマン派の交響曲群に比べれば、小品といってもいいような交響曲なのだが、カラヤン/ベルリン・フィルは、それこそ全力を尽くす。美しく、優美に、雅に、そして力強く・・・・その懸命さがイイ。こんな作品(と言うと、ハイドンに怒られそうだが)でも、カラヤンは力の限り指揮するのだ。というか、ベルリン・フィルに演奏させるのだ。
そして、音楽の仕上げは超一級。こんなコンビ、後にも先にもなかったんじゃないかいな。

第1楽章は、堂々とした姿勢が全くカッコイイ。
第2楽章は、室内楽的な美しさを味わえる。ソロを受け持つそれぞれの楽器がまた美しい。優美でトロけるような甘さ。この甘さに、僕は大喜び。素人受けするんだろうなぁ。

メヌエットの第3楽章は、スタイリッシュ。スマートでつんと澄ましたような格好良さ。フィナーレは、弦楽セクションと管楽器が一体となって、ラストまで一気に持ってゆく。時々前面に出てくる管楽器群の巧いこと。ソロも最高の美しさ。
さすが天下のベルリン・フィル。
なんか、最後に「どや?参ったか?」と云われてるみたい(^^ゞ

録音はデジタル初期のわりに聴きやすいです。
この録音はカラヤンのロンドン・セット第1弾でありました。
今は懐かしい演奏になりましたね。