ニックネーム:   パスワード:
| MyDoblogトップ | Doblogポータル | Doblogガイド | ユーザ登録 | 使い方 | よくある質問 | ツールバー | サポート |
クラシック音楽のひとりごと
Blog
[ 総Blog数:1278件 ] [ このMyDoblogをブックマークする ] [ RSS0.91   RSS1.0   RSS2.0 ] [ ATOM ]
2008/10/11のBlog
夕方から秋雨でした。
そぼ降る雨の中、聴きたくなったのはチャイコフスキーであります。
気温が下がってくると、チャイコフスキーがエエですね。
今日もまた、通俗名曲を。

チャイコフスキーの交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」。
ウラディーミル・フェドセーエフ指揮モスクワ放送響の演奏。
1981年6月、モスクワ放送大ホールでのデジタル録音。
JVC(日本ビクター)の海外録音シリーズの1枚。

デジタル初期、日本のレコードメーカーは元気だった。DENONやSONY、そしてこのJVCが盛んに海外で録音し、その音質の優秀さを謳い文句に国内発売していた。
JVCが起用したのはメロディア・レーベルを持っていたためだろう、ソ連のフェドセーエフ/モスクワ放送響。このコンビでチャイコフスキーの交響曲や管弦楽曲、ムソルグスキー、R・コルサコフ、ストラヴィンスキーなどのロシアものを録音したのだった。プロデュサー、エンジニアともに日本人(野島友雄に服部文雄)。時あたかもオーディオ・ブームの真っ最中(スピーカーの598戦争の時代ですな)、その時流に乗って、これら海外録音は結構なセールスを記録したのではなかったか。

さて演奏であります。
ソ連(ロシア)のオーケストラというと、弦はゴリゴリ、金管バリバリ、そして重低音ズシン・・・・という音が多いのだが、このフェドセーエフ/モスクワ放送響のコンビは至極まっとうな音で(というと失礼なのだが(^^ゞ)、チャイコフスキーを聴かせてくれる。とてもオーソドックス、正統派という感じ。西欧的と言ってもいいかもしれない。(尤も、チャイコフスキーはロシアの中でも最もヨーロッパ的な音楽を書こうとした人だったが)。

もちろんそうは云っても、ダイナミック・レンジは大きく、ここぞという時の金管の爆発力はスゴイ。下品なくらいのバリバリ感はある。しかし、弦はしっとりと滑らかな響きを獲得しているし、木管などは実に柔らかく、優しい響きで聴かせてくれる。これは名演奏だろうと思う。
ロシア的な土臭さは十分に残しつつも(第3楽章のリズムの処理やティンパニの強打は全くロシア的)、ほど良く、オトナびた演奏と云うべきかな。

ラストのアダージョはやはり悲痛、悲愴。凍った北の大地を思わせる侘びしさ、アンサンブルは上々で、スッキリしや響きが実によい。

録音は、低音を無理して出そうとせずに、中高音を重視した音づくりと思われます。
全体的に爽やかな響きが印象的で、音場は上下左右によく広がります。奥行きがイマイチなのはどうしてかな。

昔懐かしい、良い演奏でした。


<チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の自己リンクです>
■フリッチャイ/ベルリン放送響
■ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■小沢征爾/パリ管
■カラヤン/ベルリン・フィル(1971年 EMI)
■ベーム/ロンドン響
■ザンデルリンク/ベルリン響
■オーマンディ/フィラデルフィア管
■ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル
■ジュリーニ/ロサンゼルス・フィル
■ロストロポーヴィチ/ロンドン・フィル

2008/10/10のBlog
伊予路はスカッと晴れ上がった秋空でありました。
爽やかな風と青い空と・・・・・いやぁ、エエ気分でありました。日中は、ちと汗ばむくらい。
今日聴いたブラームスも、そんな感じの演奏であります。聴き直して、やはりこれは名演奏やなぁと、つくづく思います。

ブラームスの交響曲第4番 ホ短調 作品90。
カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィルの演奏。
1980年3月、ムジークフェラインザールでのデジタル録音。DG盤。
銀色のジャケットが実にカッコイイLP。
クライバー/VPOの交響曲録音としては、ベートーヴェンの5番、7番、シューベルトの「未完成」&3番、に続く4枚目のLPだった。そして、以後、このコンビでの録音はなくなってしまった・・・・・。

晩年の老成したブラームスではなく、青年ブラームスの爽やかさと潔さを感じさせる名演。逡巡し、ためらい、振り返り、考え込み、時に後ずさりする・・・・ようなブラームスではなく、一陣の風に乗って、蒼い香気を漂わせながら、駆け抜けてゆくブラームス。
見事なリズムの処理で、推進力に恵まれている第4交響曲であって、このタイプの演奏は、過去になかったんじゃないかと思う。クライバーが先鞭をつけたのではなかったか。

それまではワルターやバルビローリの解釈に代表されるように、晩年のブラームスの優柔不断さが際だつ演奏が多かったと思う。しかし、クライバーの描くブラームスは、若く溌剌としている。もちろん、ブラームス固有の憂愁の想いや、発散されずに内へ内へと向かってゆく感情、それは暗い情念でもあるが、そういうものは十分に感じ取れる。が、ウィーン・フィルから若々しい響きを引き出して、身体が揺れてくるような見事なリズム感を表出しえたのは、クライバーが初めてだったろう。
既成のものを壊して新しいものを創造するのが芸術家だとしたら、クライバーこそ、真の芸術家だったろう。
或いは、聴き手の官能を刺激し、感性を覚醒させる麻薬のような音楽を引き出すという点では、彼は幻術使い、マジシャンであったろう。

第1楽章のしなやかな響きと流動性、運動性にあふれた演奏は、全く素晴らしい。

第2楽章は穏やかな感情が流れてゆく。ゆったりと抒情的。響きは艶やかで明るいが、テンポは伝統的なブラームスかな。

第3楽章は激しいアレグロ・ジョコーソ。リズムはよく弾んで、グイグイ前向きに進んでゆく。クライバーの指揮棒が一閃すると、音楽はさらに迫力が増す・・・そんな感じ。ウィーン・フィルは、もうひたすら上手いの一言。

フィナーレのパッサカリアも、デュナーミクが大きく、ドライヴ感がある。ウィーン・フィルもうねりながら進んでゆくのだが、その響きは爽快で清潔、若々しい。聴いていて気持ちよいくらいの、秋の空。

録音は今も上々。
ウィーン・フィルの弦楽セクションが透きとおるような音で、とても美しいんです。
この響きは、クライバー独特のものと思います。
やや薄めの音なんですが、それが実に爽快、スッキリ。
心地よく響きます。エエ音でありました。

「木曽のあばら屋」さんも、このLPを取り上げられております。

という訳で、「秋はブラームス2008」はここまで。
2008/10/09のBlog
秋です。
クラシック音楽を聴くのには良い季節になりましたね。夏の間は、どうしても暑さにぐったりして、冷房を入れて聴いていても(僕は冷房が好かんのですが)、あまり気分のいいもんじゃありません。その点、この季節はエエです。「芸術の秋」とはよく云ったもんです。
さあ、ブラームスを聴きましょう。

ブラームスのピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15。
エミール・ギレリスのピアノ独奏、オイゲン・ヨッフム指揮ベルリン・フィルの演奏。
1972年6月、西ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DG盤のLP。
往年の名盤でしょうか。

第1楽章の冒頭、重心の低いBPOの威力が凄まじい。強靱な管弦楽。音楽が逞しく屹立する感じ。ヨッフムが振るとこういう音が出るのか。(カラヤンとは随分違う感じがする)。ふだんカラヤンで聴くBPOの技巧・美しさより、力強さ・情熱・ロマン的な血潮の滾りなどが強く感じられ、やがてそれらが渾然一体となて沸騰するような熱さが生まれる。こんなふうにBPOをドライブしてゆくヨッフムは、素晴らしい指揮者だった。

ギレリスのピアノ独奏は対照的にクールな音が持ち味。打鍵は強靱で、鋭さも併せ持つ。さすがに「鋼鉄のピアニスト」。
だが、弱音部でのデリカシーや抒情は、ギレリスが「鋼鉄」だけのピアニストではないことを物語る。このクールで鋭いピアニズムと、静謐感の中でのあふれる想い・・・これこそ、ギレリスの持ち味だろう。

第2楽章は、ホンマに美しいアダージョ。ギレリスもヨッフムも情感いっぱいに歌い上げてゆく。この歌が、ノーブルで、安っぽくないのがイイ。昂然と胸を張る哀しみとでも云おうか。
BPOの弦の音がまた良い。シルキーで柔らかく、味わい深い。木管も素朴な味わいを醸し出して好ましい。指揮するヨッフムの深々とした呼吸も見事。
ギレリスのピアノはゆったりとして、ここでも抒情的。そして、優しい感情と歌。
ああ、この音楽はシューマンの墓前に捧げられた歌か、遺されたクララの幸福を願った歌か。

第3楽章は熱演。ピアノもオケも奔流となって、熱い思いを噴出させる。
その剛毅さや、良し。ギレリスの本領が最高度に発揮された名演だろう。しかも相手はヨッフム。こちらもスケール大きく、しかも「煽る」ことではピアニストも真っ青だろう。相手にとって不足なし、互いの横綱相撲が聴ける。
この2人、イイ組み合わせだった。同時期だと、ベームとバックハウスに匹敵するかもしれない・・・・。


録音は標準的。やや古びてきた感じもしますが、鑑賞に差し支えはありません。
教会録音なので、残響豊かなんですが、録音そのものはオン・マイク気味で、直接音を多く拾おうとしている感じがします。
2008/10/08のBlog
我が家の庭の金木犀が、良い香りを放っています。
金木犀の香りは、風の加減や空気の動きで、ツンと鼻を突いたり、フワッと香ったり、そしてとても甘やかです。
この香りが漂ってくると、秋やなぁと思います。そして、伊予路は秋祭り一色になります。松山から西条、新居浜、宇摩へと、祭りが続きます。

さて、秋はブラームス。今日はハンガリー舞曲。

ブラームスのハンガリー舞曲集は、彼の作品の中でも最も楽譜が売れたと云われるもの。4手のピアノのための(連弾用)スコアは大変に売れて、そのためか、晩年のブラームスはとても裕福だったという。

今日はその作品のオーケストラ版を聴きましょう。

ブラームスのハンガリー舞曲全集。
オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレの演奏。
1989年8~9月、東ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。
DENON原盤で独シャルプラッテンとの共同制作盤。
ベルリンの壁が崩壊する2か月前の録音ということになる。この後、スウィトナーの新録音は見かけなくなった・・・というより引退同然となったようだ。

ベルリン・シュターツカペレの音がイイ。
ふっくらとしていて、柔らかく、余韻も実に美しい。地味な音色で、落ち着いたモノトーンの音なのだが、派手でない分、聴きやすくまた味わい深い。
特に弦楽セクションが美しい。ヴァイオリンの響きがとても柔らかく、包み込むような暖かとともに、涼しく爽やかな音も同居している感じ。

DENONの録音技術と教会録音というロケーションが功を奏しているのだろう。
家庭で、この音で聴けるのなら、ホンマに満足でありますな。

スウィトナーの指揮は堅実そのもの。奇を衒わず、実に着き、正攻法で全く手堅い。アンサンブルも良好で、指揮者とオケの思いが通じ合っている感じ。良い演奏と思う。

例えば、有名な第5番。背筋がよく伸びて格調高い演奏になっている。音楽は非常に充実していて、しかも品がよい。旋律の美しさに流されず、リズムは克明で、オケの細部までよく磨かれている。その磨き方が、長年の修練によるもので、一時的に光らせているわけではない・・・・といった感じなのだ。
これぞ、スウィトナーの手腕だろう。

録音は前述しましたが、実に素晴らしいものです。
音の柔らかさ、余情余韻とも申し分ありません。
ブラームスにしては少し明るめ(軽め)の音なのでしょうが、録音状態は今も最高レベルと思います。
DENONの音は、ホンマに我が家ではエエのです。システムと相性が良いんでしょう。
2008/10/07のBlog
週末を休んでの月曜日は、忙しいんです。ふつうに、土日を休んでいただけなんですが、いやはや、バンバン仕事が舞い込みます。アレしてくれ、コレを頼む、アレはどうした?、コレはこうせよ・・・・・・・。アタシャ職場のヨロズ引受人。何でもやりまっせ。まこと充実した一日でありました。

さて、秋はブラームスです。
今日は、ブラームスの最高傑作ではないかと僕が思う作品です。

ブラームスのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77。
アンネ=ゾフィー・ムターのヴァイオリン独奏、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1981年9月、フィルハーモニーでの録音。DG盤。

第1楽章の序奏部、カラヤン&BPOの雄大な伴奏で始まる。強弱の幅が大きく、ピアニシモのデリケートさはさすがに素晴らしいし、フォルティシモでの爆発力もスゴイ。BPOが凄まじい威力を発揮する。
ムターのヴァイオリンもダイナミックだが、音が細身でしなやかなので、とても鋭敏な演奏になっている。いわば、俊足で機動力溢れる攻撃力・・・・か。決然とフォルテで歌わせるところの、すがすがしいほどの潔さ、ピアニシモで柔らかく歌わせる繊細な感覚、どちらもエエなぁと思う。また、終始強い緊張感に貫かれているのも、聴いていて気持ちよいくらい。
カラヤンの伴奏は、協奏曲としては立派すぎるかなとも思うのだが、(まあ、それがカラヤン流なのだろうが)、ムターの若き才能に刺激されたのか、この演奏では、カラヤンがいきり立っているようなところも散見される。これが面白い。ムターは、カラヤンが発掘してDGで大事に育て上げた才能だが、カラヤンの目論見より遥にその才が大きかったこと、このカラヤンのいきり立ち(苛立ち?)が証明していると思う。大音量のBPOを向こうに回して、ムターは絶好調。カデンツァはヨアヒム作のもの。これも傾聴に値する名演。

第2楽章も序奏部がスゴイ。BPOの独壇場。管楽器も弦楽器も全く美しい。そして巧い。もうメチャクチャに巧い。技巧が安定完璧で、これは天下無双の伴奏だろう。
ムターのヴァイオリンが美音。時に妖しい魅力を放つ。録音当時、ムター18歳。
この若さでこの妖しさ。後年の艶麗さは、もうここで聴かれる。栴檀は双葉より芳し、なのだ。

終楽章はジプシー風のロンド・フィナーレ。
ムターの技巧も素晴らしいが、BPOのテクニックもスゴイ。両者一体となって、力感あふれ、熱いフィナーレになっている。ヴァイオリンとオーケストラの見事なこれは「交響」だろう。
こういう演奏を聴いていると、やはりブラームスの最高傑作は、このヴァイオリン協奏曲かなぁ・・・・と思う。

録音は今も上々であります。
オケとヴァイオリンのバランスも良い。とても綺麗です。
カラヤン伴奏なので、例によってオケが少しかぶり気味なんですが、大音量で聴くと気になりません。
素晴らしい録音であり、演奏であると思います。
2008/10/06のBlog
しとしと雨の日曜日でありました。その雨の中、自治会の奉仕活動(一斉清掃)でありました。
当地伊予西条は、秋祭りの盛んな土地柄、西条祭りに向けて地域が一体となって準備をします。毎年の恒例行事の清掃であり、しかも祭りのためならということで、みんなカッパを着て黙々と作業します。びしょ濡れです。しかし不平不満は誰も云いません。偉いもんです。お百姓さんの多い土地でもあり、こういうことに慣れているんです。ああ、日本人。

さて、秋はブラームス。
この人も、不平不満を言わない、胸の内に押さえ込む人だったような気がします。


ブラームスのクラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115。
アルフレート・プリンツのクラリネット、ウィーン室内合奏団の演奏。
1979年6月、ウィーンのポリヒムニア・スタジオでの録音。独オイロディスク原盤。
国内ではDENON発売のCDで、28C37-40という番号。1985年発売当時、2,800円の「廉価盤」でありました。

晩年のブラームスの心境をうかがわせるような、沈んだ気分がひたひたと迫ってくるような演奏。そして、プリンツのクラリネットは、もう、最高の名演。深々とした音で、しっとりと柔らかいのがイイ。硬い音が全然出てこない。そしてゆったりとした包容力もある。呼気が無駄にならずに音化されているのだろうなぁ。

演奏全体も、たっぷりしたテンポと柔らかい響きで終始一貫しているのが好ましい。ウィーン情緒とでも云うべきか、時に素朴な表情が見えるのも嬉しい。

第1楽章の悲痛な表情。ブラームスの諦念が広がる。
第2楽章は、ロマンの薫りを一杯に含んだクラリネットが素晴らしい。特にその音。プリンツの音は、哀しみと柔らかい抒情をたたえて、全く美しい。これ以上のクラリネットというと・・・・ちと思いつかんぞい。
アンサンブルも見事。ゲルハルト・ヘッツェルのヴァイオリンが、キッチリと輪郭を描いて、音楽がブヨブヨと肥大化しないのがイイ。その輪郭から、ヴィオラやチェロが、淡くにじむような響きを作り出してゆく。

フィナーレも美しさの限り。プリンツの充実した演奏が聴ける。見事な演奏に息をのみつつ、ああ、終わるのが勿体ない!

録音は上々であります。
クラリネットの慎み深い音がよく捉えられているし、背後に控える弦楽四重奏の存在感も十分です。
ヘッツェルのヴァイオリンもよく伸びてます。

プリンツのクラリネットだけではない、このCDは、名手ゲルハルト・ヘッツェルのヴァイオリンも聴けるんであります。
2008/10/05のBlog
秋です。四国の田んぼに涼やかな風が渡ります。
そろそろ秋祭り、収穫の季節であります。ジョギングにも良い季節になりました。ランナーからは、「オクトーバー・ラン」と云われるくらい、心地よいんです。朝走ってもよし、夕暮れ時にトコトコやるのもよし。走った後のシャワーがまた爽やかなこと。エエ季節になりました。

そんな中、ブラームスの第2交響曲を聴いてます。これは、彼の田園交響曲。秋ののどかな田舎風景によく似合います。
さあ、「秋はブラームス」です。

ブラームスの交響曲第2番 ニ長調 作品73。
ニコラウス・アーノンクール指揮ベルリン・フィルの演奏。
1996年3月、フィルハーモニホールでのライヴ録音。TELDEC原盤の全集から。

アーノンクールは今や大御所。
ウィーン・コンツェントス・ムジクスを率いて前衛的なバロック演奏を展開していた頃は、「変わり者」という評価が多かったのだが、今はベルリン・フィルにしてもウィーン・フィルにしても定期演奏会にはなくてはならぬ指揮者になっているようだ。
このブラームス全集は1996年~97年のベルリン・フィルの演奏会を20bitデジタル・レコーディングしたもので(と解説書に書いてあった)、もう10年以上経過したことになる。
演奏はアーノンクールらしく、楽譜の様々な綾を解きほぐして、隅々に光を当てた感じのもので、新しい響きを創出することに成功している。
内声部の動きが実によく見える演奏でもある。ヴィオラや第2ヴァイオリンが何をしているのか、とてもよく分かるのだ。ブラームスの音楽は内声部の書法に凝っていて、演奏者からすると(特にヴィオラ弾き)、弾いていて実に面白いらしい・・・というのは、本で読んだことなのだが、確かにこのアーノンクール盤で聴くと、その辺がよく聞こえてきて、面白い。さすがアーノンクール、一筋縄ではいかないなぁ。

しかし、全体的には至極まっとうな演奏。
テンポは普通だし、アゴーギクも実にふつう、アーティキュレーションもアーノンクールにしては調子が悪いのではないかと思われるくらい、まっとうなものだ。
若い頃のギラギラした、先鋭的な演奏を期待すると、見事にはぐらかされる演奏と云うべきか。
実演らしいのは、後半になるほど尻上がりにオケの調子が良くなり、第4楽章などはアンサンブルも良く、熱気がこもっている。これは素晴らしい。

録音はライヴらしく、会場の雰囲気が良く伝わります。
臨場感に優れ、音の鮮度も上々です。
TELDECの録音水準は、1990年代に急速に良くなったとボクは思っています。これは、その1枚と云えるでしょう。


<ブラームスの交響曲第2番 の自己リンクです>
■カラヤン/フィルハーモニア管
■ケンペ/ミュンヘン・フィル
■モントゥー/ロンドン響
■シュタイン/バンベルク響
■ザンデルリンク/ベルリン響
■バルビローリ/ウィーン・フィル
■ズヴェーデン/オランダ放送管
■クーベリック/バイエルン放送響
■カラヤン/ベルリン・フィル(1986年録音)

2008/10/04のBlog
秋祭りが近づいています。「西条祭り」であります。
今日は、草刈りです。
我が家周辺の道路を清掃して、「だんじり」が気持ちよく運行できるようにします。

さて、今日はシューベルトの交響曲を。

シューベルトの交響曲第9番 ハ長調「グレート」。
カール・ベーム指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1979年1月12日、ドレスデンのクルトゥーア・パラストでのライヴ録音。DG原盤。
国内では、ベーム追悼盤として発売されたものだったと思う。LP以来、再発を繰り替えしてきたが、さて、今は廉価盤かな。

カラヤン生誕100年で賑わう今年だが、なに、今も昔もカラヤンのCDのセールスは一向に減らないようだ。ショップへ行けば、ナンボでも並んでいる。
それを思うと、しかし、1970年代に巨匠としてカラヤンと並び称されたベームのCDは減ったものだ。ポツポツとしか見かけなくなった。淋しい話だが、さて、ヨーロッパでのベームの忘れられ方は日本よりもっと早かったらしい。そういえば、晩年のベームに対する熱烈歓迎ぶり、日本の場合は異様だったような気もする。1975年のNHKライヴ盤は今聴いてもスゴイと思うが、レコードでの晩年のベームはリズムの衰えが目立ち、鈍足鈍重な印象を聴いていて受けたものだった。

この「グレート」は、そのベーム最晩年に、ドレスデン・シュターツカペレを振って録音した実況録音盤。このころのベームはウィーン・フィルか、会長を務めていたロンドン響しか、レコードでは振らなかったので、ドレスデン・シュターツカペレで出てきたときには珍しいと思ったものだった。しかし、よく考えてみれば、ベームは戦前にザクセン州立歌劇場と称していた時代からドレスデンには馴染みの指揮者、この演奏会も里帰り的な歓迎だったようだ。

演奏は貫禄十分、風格豊かなもので、後半になるとライブ的な感興の盛り上がりもあって実に素晴らしい。
晩年のベームゆえ、リズムのキレはないものの、スケール豊かで大らかなシューベルトを聴かせてくれる。

第1楽章は序奏部がとても美しく、ふっくらと優しく広がる名演。アッチェランドからの主部は、もう少しキビキビした感じが欲しいかな。ドレスデン・シュターツカペレの音は、出だしはやや硬い感じ。いつものまろやかさが足りない感じなのは、実演の緊張感だろうか。
第2楽章は美しい。木管が大変にイイ。メロディアスで、メロウなサウンド。聴いていて、音の感触が頬に優しい。この甘美な音は、ドレスデン・シュターツカペレらしい。

スケルツォ楽章は、金管も活躍。抒情的な感じがよろしい。徐々に演奏も盛り上がって、演奏会の雰囲気が良く伝わってくる。オケも調子が上向き。ホンマに美しい、まろやかなサウンドが広がってゆく。そうそう、この音でなくちゃね。

フィナーレはもう最高の演奏。ベームは、やはり実演の人。老いたるとはいえ、この壮大な音楽は、時に剛直な表情を見せつつ、しっかりと締めくくってゆく。
サウンドは美しさの限り、さすがドレスデンでありますな。

録音はちと古くなりました。
少し乾いた感じがするのは、経年劣化か、演奏家録音の条件の悪さか・・・・よく分かりません。
後半に行くほど、音が良くなります。耳が慣れるんでしょうか、後半楽章の方が音がスッキリしてきます。


<シューベルトの「グレート」の過去のエントリーです>
◆バレンボイム/ベルリン・フィル
◆ケンペ/ミュンヘン・フィル
◆ジュリーニ/バイエルン放送響
◆レヴァイン/シカゴ響
◆レーグナー/ベルリン放送響
◆スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
◆ワルター/コロンビア響
◆デイヴィス/ボストン響
◆ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
◆ジュリーニ/シカゴ響
2008/10/03のBlog
この夏にCDを狂ったように大人買いしてしまい、未聴のCDが山のようになっております。ミチョランマであります。

にもかかわらず、HMVのサイトを覗くと、「箱物」の激安盤がこの秋も沢山・・・・・・。アンドラーシュ・シフのバッハとかDECCAのピアノ組物50枚、カラヤンの1970年代の交響曲集38枚組・・・・・BCJのバッハ声楽曲のボックス・・・・・欲望は尽きません。大いにダブる、少々ダブる、それぞれでありますが、欲しいなぁ。これ、「業」であります。ワタクシは因業オヤジであります・・・・・。そんなに買って、聴く時間が取れるのか?・・・・・自問します。しかし、「CDは見つけたときに買っておかないとそのうちになくなってしまう、見かけなくなってしまう」というのはLP時代からの鉄則・・・・・こりゃ、少々無理をしてでも購っておかねばなるまいなぁ・・・・・・。以上、文字通り「クラシック音楽の(煩悩の)ひとりごと」でありました。

さて、今日は室内楽を。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番 ハ長調 作品59の2「ラズモフスキー第3番」。
ジュリアード弦楽四重奏団の演奏。
1982年3月、アメリカ国会図書館、クーリッジ・ホールでの実況録音盤。
ロバート・マン(第1Vn)、アール・カーリス(2ndVn)
サミュエル・ローズ(Vla)、ジョエル・クロスニック(Vc)。

涼しくなってくると、室内楽などエエもんです。秋風の中で聴くベートーヴェン、ラズモフスキー第3番。
ジュリアードSQの新盤が全集として一気に発売されたのは昭和59年のことだった。
まだLPが主流の時代、箱物3つ(初期・中期・後期)で全10枚組は大冊だった。
1960年代の演奏が素晴らしく、その精度と充実度の高さではジュリアードかブダペストかと並び称された時代だったから、新しい実況録音盤は、大いに話題になったと思う。・・・・が、もはや四半世紀も昔の話。

演奏はロバート・マンが中心で、良くも悪くもマンのキャラクターが前面に出た演奏だった。ジュリアードらしい(ロバート・マンらしい、と言うべきか)、緊密さ、息詰まるような緊張感に加えて、柔軟さもあって、一種独特の暖かさがある。鋼のような強靱さが演奏全体に一本の筋を通していて、その骨格に豊かな肉付きを与えてゆくような感じもある。

特に第2楽章の哀しみ、第3楽章の弾むような快活さは、それぞれに親しみやすく、前向きな名演奏。堅く引き締まったジュリアードSQに、優美さが加わった感もあって、とても心地よく聴けた。

録音は実演のハンディを乗り越えて、良く捉えられていると思います。
音も柔らかく、聴きやすい音質です。いつものジュリアードの「硬さ」に比べると、音の広がりもあって、響きにも余裕がある感じです。
ロバート・マンのヴァイオリンは惚れ惚れするほど美しく、よく伸びて、そしてカッコエエんです。
2008/10/02のBlog
台風が南のコースを行ったので雨はあまり降りませんでした。
先週末から曇天続き、そろそろ秋の爽やかな空、柔らかい日差しが恋しくなってきました。

さて、今日も昔懐かしい演奏を。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23。
エミール・ギレリスのピアノ独奏、ズービン・メータ指揮ニューヨーク・フィルハーモニックの演奏。
1979年11月14日、ニューヨークのリンカーン・センター、エイブリー・フィッシャーホールで行われた定期演奏会の実況録音盤。
デジタルのライヴ録音として発売当初は話題になったもの。CBSソニー盤。
ギレリスとしては6回目の録音。メータ/NYPとは初共演のレコードだった。

ギレリスのピアノが貫禄十分、大人風であって、フォルティシモで豪快にバリバリ弾きこなすところなどは、往年の「鋼鉄のピアニスト」なのだが、メランコリックなところでは大変抒情的、テンポを落としたり揺らしたりしながら、フッとため息をつくような風情を織り込んで実に美しい。
その表現は、風格があって、大人というか、またゴージャスというか、聴きながら惚れ惚れ、ピアノに酔ってしまいそうな感じ。見事なもんだなぁ。

メータ/NYPの伴奏も迫力と美しさに満ちて、時に豪快。怒濤の寄り身。フォルティシモでは少々荒っぽいが全く豪放、弱音でのデリカシーも美しい。ギレリスのピアノによく合わせるとともに、屈託なく伸び伸びと歌っていくのもイイ。これはメータの美質だろう。

第1楽章は、迫力と抒情性が同居する見事な演奏。冒頭は全く豪快で、これは大音量で聴きたい。主部以降では、ギレリスのピアノのタッチの変化を聴いているだけで楽しくなる。唖然とするほどの巧さ、美しさ。
メータ/NYPの伴奏も抉りが利いていて、メリハリがある。心地よい。

第2楽章は速めに過ぎてゆく緩徐楽章。ギレリスのピアニズムは鮮やか。

フィナーレは豪快にして壮麗。ピアノもオケもよく鳴っていて、爽快な気分になる。
ギレリスはたった一人で、圧倒的な音響のオケに対峙してゆく。その強靱さが凄い。
ラストはグイグイと加速、観客の拍手はフライング。曲が終わらぬうちに、猛烈な歓呼。昂奮したんだろうなぁ。

録音は少し古びてきました。
デジタル初期の硬さがCDになると出てしまうのかも知れません。
個々の楽器の音は実にクリアで見通しがよく、爽快な聴感を得られます。ただ、潤いがもう少し欲しいかな・・・と思いました。


<チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の自己リンクです>
■クライバーン(Pf)・コンドラシン/交響楽団
■ボレット(Pf)・デュトワ/モントリオール響
■ポゴレリチ(Pf)・アバド/ロンドン響
■ワイセンベルク(Pf)・カラヤン/パリ管
■アルゲリッチ(Pf)・コンドラシン/バイエルン放送響
2008/10/01のBlog
10月になりました。今年もあと3か月。早いもんです。
このごろ、特に月日の経過が早く感じられるのは、トシをとったせいでしょうか。

さて、今日は大曲。ようやく、欲しかったCDを入手しました。

ブルックナーの交響曲第8番 ハ短調(ハース版)。
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1981年5月、コンセルトヘボウでのデジタル録音。フィリップス原盤の国内盤CD。

渇望久しかったCD。もう欲しくてたまらんかったCD。長らく廃盤であって、(2000年頃だったか、一時、外盤で再発されたらしいのだが僕はその情報を知らずに入手できなかった・・・)某オークションにてようやく入手できたもの。

そして、期待に違わぬ素晴らしい演奏。
ハイティンクは録音当時52歳。指揮者の世界ではまだ若手、その若さにしてすでに巨匠的であり、スケールの大きなブルックナーを聴かせてくれる。
フレージングが自然で、実に深々としている。テンポもゆったりと遅く、煽らず、急がず、慌てず、悠久と流れてゆく大河のようなブルックナーになっている。

アムステルダム・コンセルトヘボウ管の音が、また、全く素晴らしい。柔らかく、暖かく、しなやかで、そしてほの暗い渋さ。聴き疲れしない自然さ。特に弦楽セクション。
ああ、何という素晴らしいオーケストラだろう。そして指揮者だろう。そして、このコンビから生まれるブルックナーの、何と自然で穏やかな表情だろう。
金管の爆発も凄まじいが、野卑で下品なところがないのが、伝統の底力。アンサンブルも見事で、整然とした管楽器群の巧さは感動的。

第1楽章のスケールの大きさ、ゆったり感、そして自然な包容力。妙な匠気もなく、ただひたすらブルックナーに奉仕している感じ、それが好ましい。
そして、出てくる音はもう最高の音。完璧なブルックナーの響き。

第2楽章は、しっとりとした弦楽セクションに唖然。見事しか云いようがない。
オーディオ的に云えば、ダイナミック・レンジが大きく、壮大なフォルティシモが特にイイ。オーケストラがフルに鳴り渡って、崩れるところがない。綺麗に爆発している感じ。
また、個々の楽器が過不足なく鳴っていて、スコアの隅々にまで光が当てられた演奏でもある。その光は、優しく暖かく、そして淡い繊細さもある。素晴らしい。

第3楽章は崇高なアダージョ。深いフレージング、意味深いゼクエンツ。コンセルトヘボウ管のサウンドも全く美しい。瑞々しく柔らかい弦楽セクションは最高の響きを聴かせるし、ホルンの音色がまた深々として何とも美しい。
テンポも良い。ゆったりとした歩みで、演奏に29分以上かけるのだが、ちっとも遅さを感じさせない。いや、いつまでも続けて欲しい、ずっと聴き続けていたいと思わせる演奏と言うべきか。

フィナーレも圧倒的迫力。
冒頭部分では、珍しく音楽が前のめりになるハイティンクにしては珍しく、煽っている感じもする(これ、若さの意気込みかも?・・・後年1995年録音のVPO盤では、急がず慌てず、じっくりと楽章に入ります)。
中盤以降は息の長い音楽。音響も素晴らしい。コンセルトヘボウの木質の音がイイ。茜ね雲の空に音が広がってゆくような、美しい残響。

ああ、ブルックナーってエエなぁ。こんな良い演奏聴かせてもらって、僕は幸福な男やなぁ・・・・つくづく思います。

録音は今も抜群。
コンセルトヘボウの響きを、実に美しく捉えて、感動的でした。
名録音と思います。

やっと入手できたCD、大切に聴いていきたいと思います。


※ ブルックナーの交響曲第8番の 自己リンクです ※
■ハイティンク/ウィーン・フィル
■シューリヒト/ウィーン・フィル
■ティーレマン/ウィーン・フィル(NHK-FM放送)
■マゼール/ベルリン・フィル
■シノーポリ/ドレスデン・シュターツカペレ
■カラヤン/ベルリン・フィル
■ベイヌム/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■ジュリーニ/ウィーン・フィル
■スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
■ベーム/ウィーン・フィル
2008/09/30のBlog
日中の雨と風で、四国は冷え込みました。9月末になって、急に寒くなりましたね。半袖ではホンマに寒いくらい。台風の影響か、この数日は雨のようですから、上着を用意して出かけましょう。

しとしと雨なので、音楽もしっとりしたのを聴きたいと思い、取り出したのは室内楽、ズスケのベートーヴェンでありました。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 作品59の2「ラズモフスキー第2番」。
ベルリン弦楽四重奏団(ズスケSQ)の演奏。
1967年の録音。独シャルプラッテン原盤でedel発売の廉価盤全集から。

ラズモフスキー四重奏曲の第2番は、悲劇が内へ内へ向かってゆくような趣がある。
第1番の雄渾さに比べると、主題も悲痛。しかしベートーヴェンらしい推進力もあって、グイグイと聴き手を引きこんでゆく。その推進力が内へ向かってゆくのか、外に放射されるのか、1番との違いはそんなところかもしれない。

ベルリンSQの全集はedelの廉価盤で安価に入手できるものだが、その価格で売るには勿体ないくらい、滋味あふれる演奏ばかりで、つくづく感心する。その演奏の