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2008/11/10のBlog
[ 05:58 ]
[ 協奏曲 ]
週末の雨で四国はグッと冷え込みました。12月半ばの陽気とのこと。
急に冷え込んだので、身体の準備ができていないのでしょう、大変寒く感じる日曜日でありました。
そろそろ暖房の支度をしておかなければいかんですね。季節は晩秋。冬支度の候になりました。
今日はピアノ協奏曲を聴いてます。
ショパンのピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11。
マルタ・アルゲリッチのピアノ独奏、クラウディオ・アバド指揮ロンドン響の演奏。
1968年2月、ウォルサムストウ・タウン・ホールでの録音。DG盤。
ショパンはピアノ協奏曲を2曲しか書かなかった。どちらもポーランド時代、青春のさなかに、故国に別れを告げてゆく時のものだった。全く、青春の瑞々しさが注ぎ込まれた傑作で、僕はこの曲を聴くと、懐かしさで一杯になる。若い頃、よく聴いたなぁ。毎日毎日ショパンを聴いていた頃を思い出すなぁ。
僕がクラシック音楽を聴き始めたのは、ようやく二十歳を過ぎた頃であって、楽器も出来ない、スコアも読めない、音楽用語も分からない、全くのド素人だった。
どうもネットで拝見していると、多くの方は小学生の頃からクラシック音楽に親しんでいたり、詳しかったりと、驚くばかりの早熟(いや、ワタクシが遅かったのか・・・)。
まあ、しかし、好きでボツボツ聴いていると結構詳しくなったり、分からん音楽が何となく分かってきたりと、クラシック音楽の楽しみは実に大きいわけで、僕などはその遅れてやってきたクラシック・ファンなのだろうが、聴き始めた頃に特に親しみやすかったのは、ショパンだったのだ。
ピアノの音色が美しく、いろいろ響きが変わり、何より旋律がロマンティック、時におセンチでとっても綺麗。ショパンのピアノ作品は芸術的にも価値が高いのだろうが、若い頃の僕のような、クラシック音楽のことが何も分からん素人が聴いても、何となく親しめるところに、ショパンの良さがあるように思う。
さて、そのショパンのピアノ協奏曲第1番。
アルゲリッチもアバドも若い。二人とも元気で前向き。若武者と女傑の、渾身のこれは名作だろう。
第1楽章のアルゲリッチの目眩くようなピアノ。絢爛にして鮮やか、情熱に富んだ演奏には、どんどん引きこまれてしまう。テンポの伸縮が頻繁に起こり、特に速いパッセージがスゴイ。指の回転に感嘆してしまう。アッチェランド気味に突進してゆくところなど、凄まじい。若いってエエなぁ。
そして、一転一閃、抒情的なところでは、今度は触れなば落ちんばかりの、はかない風情を醸し出す見事さ。素晴らしい。
第2楽章の静謐なロマンも素晴らしい。ショパンの想いが、アルゲリッチの指先に乗り移ったかのよう。アバドの協奏も素晴らしい。カッチリとした、ある意味若さに似合わない巧さが魅力。
フィナーレは豪快で迫力満点。オケも健闘して、アルゲリッチの炎と一緒に燃えさかるようだ。
録音は少し古くなった感じがしますが、演奏の熱気を十分に感じさせる見事なものと思いました。
ああ、若いってエエですね。
急に冷え込んだので、身体の準備ができていないのでしょう、大変寒く感じる日曜日でありました。
そろそろ暖房の支度をしておかなければいかんですね。季節は晩秋。冬支度の候になりました。
今日はピアノ協奏曲を聴いてます。
ショパンのピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11。
マルタ・アルゲリッチのピアノ独奏、クラウディオ・アバド指揮ロンドン響の演奏。
1968年2月、ウォルサムストウ・タウン・ホールでの録音。DG盤。
ショパンはピアノ協奏曲を2曲しか書かなかった。どちらもポーランド時代、青春のさなかに、故国に別れを告げてゆく時のものだった。全く、青春の瑞々しさが注ぎ込まれた傑作で、僕はこの曲を聴くと、懐かしさで一杯になる。若い頃、よく聴いたなぁ。毎日毎日ショパンを聴いていた頃を思い出すなぁ。
僕がクラシック音楽を聴き始めたのは、ようやく二十歳を過ぎた頃であって、楽器も出来ない、スコアも読めない、音楽用語も分からない、全くのド素人だった。
どうもネットで拝見していると、多くの方は小学生の頃からクラシック音楽に親しんでいたり、詳しかったりと、驚くばかりの早熟(いや、ワタクシが遅かったのか・・・)。
まあ、しかし、好きでボツボツ聴いていると結構詳しくなったり、分からん音楽が何となく分かってきたりと、クラシック音楽の楽しみは実に大きいわけで、僕などはその遅れてやってきたクラシック・ファンなのだろうが、聴き始めた頃に特に親しみやすかったのは、ショパンだったのだ。
ピアノの音色が美しく、いろいろ響きが変わり、何より旋律がロマンティック、時におセンチでとっても綺麗。ショパンのピアノ作品は芸術的にも価値が高いのだろうが、若い頃の僕のような、クラシック音楽のことが何も分からん素人が聴いても、何となく親しめるところに、ショパンの良さがあるように思う。
さて、そのショパンのピアノ協奏曲第1番。
アルゲリッチもアバドも若い。二人とも元気で前向き。若武者と女傑の、渾身のこれは名作だろう。
第1楽章のアルゲリッチの目眩くようなピアノ。絢爛にして鮮やか、情熱に富んだ演奏には、どんどん引きこまれてしまう。テンポの伸縮が頻繁に起こり、特に速いパッセージがスゴイ。指の回転に感嘆してしまう。アッチェランド気味に突進してゆくところなど、凄まじい。若いってエエなぁ。
そして、一転一閃、抒情的なところでは、今度は触れなば落ちんばかりの、はかない風情を醸し出す見事さ。素晴らしい。
第2楽章の静謐なロマンも素晴らしい。ショパンの想いが、アルゲリッチの指先に乗り移ったかのよう。アバドの協奏も素晴らしい。カッチリとした、ある意味若さに似合わない巧さが魅力。
フィナーレは豪快で迫力満点。オケも健闘して、アルゲリッチの炎と一緒に燃えさかるようだ。
録音は少し古くなった感じがしますが、演奏の熱気を十分に感じさせる見事なものと思いました。
ああ、若いってエエですね。
2008/11/09のBlog
[ 05:43 ]
[ 管弦楽曲 ]
四国の週末は雨です。また少し気温が下がりました。
山の紅葉は勿論、街の木々も見頃になっています。
さて、今日は懐かしいレコードを取り出してます。
ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」全曲。(1947年版)
アンタル・ドラティ指揮デトロイト響の演奏。
1981年5月、ユナイテッド・アーティスツ・オーディトリアムでの録音。
これは、ドラティ&デトロイト響のストラヴィンスキー第2作。「ペトルーシュカ」が第1作、のちに「火の鳥」が出て三部作が完成した。どれも当時の音楽ジャーナリズムでは絶賛された名演奏で、僕は3枚組5,000円の廉価盤になったときにようやく買えた。LP3枚組廉価盤ボックス仕様で5,000円・・・・・今思えば、涙がこぼれるような、レコードが高価な時代だった。当時はそうそう新譜が買えなかったし、何せワタクシはビンボー学生だった・・・・。
録音が素晴らしい。今も最高の音響を誇る。DECCA最良の録音の一つと思われる。
ステージの隅々まで見通せて、楽器の定位も抜群、左右奥行きの広がりも素晴らしい。そして個々の楽器がきわめて鮮度の高い音で迫ってくる。弦楽セクションは香り高く鳴り響き、管楽器は高雅に響き渡る。打楽器は迫力満点。
聴いていると徐々に昂奮してくるような録音。手に汗握る一枚と思う。
演奏は、これホンマに老人の指揮かいなと思わせるほど、若々しく迫力に満ちたもの。
ドラティ、このとき80歳。名指揮者はトシを取らんのだなぁ・・・・。いや、老いてますます盛んであって、当時のドラティは絶好調だったのだ。
ストラヴィンスキーがどんな音楽を書いたのか、「見える」ような演奏。アチラこちらで、新鮮な音がする。楽譜の詳細が聞こえてくる演奏とでも云おうか。聴いていて、とても分かりやすい。僕らシロウトにも分かりやすい演奏。
そういう演奏を弾き出せるドラティはスゴイと思う。芸術家というより、職人と云った方がいいのかな。
デトロイト響も好演。迫真の名演。大変巧いオーケストラと思う。と言うより、ドラティのオーケストラ・トレーナーとしての手腕が素晴らしかったということか。
特にイイのが打楽器と金管群。メリハリが利いていて、実に颯爽としてカッコイイ。
グランカッサとトランペットは強烈。胸のすく快演。部屋が震えますぞ。
CDでも買い直しました。
CDもLPもエエ音です。素晴らしい録音。さすがDECCAと思います。
山の紅葉は勿論、街の木々も見頃になっています。
さて、今日は懐かしいレコードを取り出してます。
ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」全曲。(1947年版)
アンタル・ドラティ指揮デトロイト響の演奏。
1981年5月、ユナイテッド・アーティスツ・オーディトリアムでの録音。
これは、ドラティ&デトロイト響のストラヴィンスキー第2作。「ペトルーシュカ」が第1作、のちに「火の鳥」が出て三部作が完成した。どれも当時の音楽ジャーナリズムでは絶賛された名演奏で、僕は3枚組5,000円の廉価盤になったときにようやく買えた。LP3枚組廉価盤ボックス仕様で5,000円・・・・・今思えば、涙がこぼれるような、レコードが高価な時代だった。当時はそうそう新譜が買えなかったし、何せワタクシはビンボー学生だった・・・・。
録音が素晴らしい。今も最高の音響を誇る。DECCA最良の録音の一つと思われる。
ステージの隅々まで見通せて、楽器の定位も抜群、左右奥行きの広がりも素晴らしい。そして個々の楽器がきわめて鮮度の高い音で迫ってくる。弦楽セクションは香り高く鳴り響き、管楽器は高雅に響き渡る。打楽器は迫力満点。
聴いていると徐々に昂奮してくるような録音。手に汗握る一枚と思う。
演奏は、これホンマに老人の指揮かいなと思わせるほど、若々しく迫力に満ちたもの。
ドラティ、このとき80歳。名指揮者はトシを取らんのだなぁ・・・・。いや、老いてますます盛んであって、当時のドラティは絶好調だったのだ。
ストラヴィンスキーがどんな音楽を書いたのか、「見える」ような演奏。アチラこちらで、新鮮な音がする。楽譜の詳細が聞こえてくる演奏とでも云おうか。聴いていて、とても分かりやすい。僕らシロウトにも分かりやすい演奏。
そういう演奏を弾き出せるドラティはスゴイと思う。芸術家というより、職人と云った方がいいのかな。
デトロイト響も好演。迫真の名演。大変巧いオーケストラと思う。と言うより、ドラティのオーケストラ・トレーナーとしての手腕が素晴らしかったということか。
特にイイのが打楽器と金管群。メリハリが利いていて、実に颯爽としてカッコイイ。
グランカッサとトランペットは強烈。胸のすく快演。部屋が震えますぞ。
CDでも買い直しました。
CDもLPもエエ音です。素晴らしい録音。さすがDECCAと思います。
2008/11/08のBlog
[ 03:57 ]
[ 器楽曲 ]
ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」作品24。
ペーター・レーゼルのピアノ独奏。
1972年、ドレスデンのルカ教会での録音。独シャルプラッテン原盤。
秋はブラームス。ブラームスといえばヴァリエーション。
ブラームスは変奏曲の大家だった。ハイドンの方は管弦楽の名曲。こちらヘンデルのは、ピアノの楽しさをいろいろ教えてくれる名曲と思う。約26分の演奏時間、そう長い曲ではないので、時々「ながら聴き」して楽しんできた。
レーゼルのピアノは誠実堅実にして清潔。この人の演奏は、いつ聴いても清楚で、しみじみと味わい深いものだ。派手なことはないし、地味なタイプだと思うのだが、よく聴いていると実によろしい。肌触りがイイというか、耳当たりが良いというか、聴いていて無理がないのが良いのだろう。
音も、中音が充実していて着実そのもの。高音などはことさら色彩的に奔らない。
そうそう、レーゼルは、フランスやロシアものも得意にしているから、オールラウンド・プレイヤーなんだろうな。来日してベートーヴェンのソナタの連続演奏会をやるようだし、今や大家だろう。一度、実演を聴いてみたいと思う。
この演奏も実に堅実で、一曲一曲の描き分けもしっかりとしていて、音色や響きの調合具合も理にかなった変奏と云うべきか、大変自然で無理がない。
音の強弱もビックリするようなことはなく、ダイナミックレンジはそう大きくない。しかし、フォルティシモではズドンと来る低音が見事だし、ピアニシモでは少し怖いような静寂を聴かせてくれる。中庸の美と云えばそれまでだし、何となく特徴に乏しいような気もするのだが、じっくり聴いていると、うんうんと肯いてしまう。派手さはないが、しっとりと心に響く演奏と思う。
録音状態良好であります。
濡れたようなしっとり感のあるピアノの音がエエです。この音、ブラームスにピッタリと思えます。
ルカ教会の残響も見事でありまして、ああ、家庭で聴くピアノ曲はかくありたいものと思える録音であります。
さて、この2週間は大変忙しく、ゆっくり音楽が聴けておりません。
ノンビリした時間が欲しいもんですが、中旬過ぎまではこの状態のようです。まあ、元気で頑張りまっしょい。、
ペーター・レーゼルのピアノ独奏。
1972年、ドレスデンのルカ教会での録音。独シャルプラッテン原盤。
秋はブラームス。ブラームスといえばヴァリエーション。
ブラームスは変奏曲の大家だった。ハイドンの方は管弦楽の名曲。こちらヘンデルのは、ピアノの楽しさをいろいろ教えてくれる名曲と思う。約26分の演奏時間、そう長い曲ではないので、時々「ながら聴き」して楽しんできた。
レーゼルのピアノは誠実堅実にして清潔。この人の演奏は、いつ聴いても清楚で、しみじみと味わい深いものだ。派手なことはないし、地味なタイプだと思うのだが、よく聴いていると実によろしい。肌触りがイイというか、耳当たりが良いというか、聴いていて無理がないのが良いのだろう。
音も、中音が充実していて着実そのもの。高音などはことさら色彩的に奔らない。
そうそう、レーゼルは、フランスやロシアものも得意にしているから、オールラウンド・プレイヤーなんだろうな。来日してベートーヴェンのソナタの連続演奏会をやるようだし、今や大家だろう。一度、実演を聴いてみたいと思う。
この演奏も実に堅実で、一曲一曲の描き分けもしっかりとしていて、音色や響きの調合具合も理にかなった変奏と云うべきか、大変自然で無理がない。
音の強弱もビックリするようなことはなく、ダイナミックレンジはそう大きくない。しかし、フォルティシモではズドンと来る低音が見事だし、ピアニシモでは少し怖いような静寂を聴かせてくれる。中庸の美と云えばそれまでだし、何となく特徴に乏しいような気もするのだが、じっくり聴いていると、うんうんと肯いてしまう。派手さはないが、しっとりと心に響く演奏と思う。
録音状態良好であります。
濡れたようなしっとり感のあるピアノの音がエエです。この音、ブラームスにピッタリと思えます。
ルカ教会の残響も見事でありまして、ああ、家庭で聴くピアノ曲はかくありたいものと思える録音であります。
さて、この2週間は大変忙しく、ゆっくり音楽が聴けておりません。
ノンビリした時間が欲しいもんですが、中旬過ぎまではこの状態のようです。まあ、元気で頑張りまっしょい。、
2008/11/07のBlog
[ 05:14 ]
[ 交響曲 ]
このごろDoblogが重くなりました。更新もなかなか混み合っていてうまくいかないことが多いです。「ただいま混み合っています」というメッセージがおかしい。早朝なのに・・・・・しかも、ここは人口の少ないブログサイトだと思うんですがねえ・・・・・。
困ったもんです。
チャイコフスキーの交響曲第5番 ホ短調 作品64。
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮ロンドン・フィルの演奏。
1976年10月、ロンドンのキングズウェイ・ホールでの録音。EMI盤。
輸入盤の再発なって、廉価で全集が入手できるようになったのは喜ばしい。
第1楽章、冒頭が異様に遅く、ものものしい。何か出てきそうな感じがするくらいにオドロオドロしい。暗い、とても暗い表現。オーケストラの音も暗く沈み込むような響きで、ゾッとする感もあり。恐怖、悲劇、絶望、惨劇のような雰囲気がある。
続く木管群の響きも真っ暗。弦楽の音も実に寒々とした感じがするのだから、聴いていてたまらない。
ロストロポーヴィチはこの暗鬱とした表現で、何を云いたかったのかな。当時のソ連の閉塞した社会体制でも表そうとしていたのかな・・・と想像してしまうくらい、穿った見方・聴き方をしてしまうくらい、この第1楽章の表現は暗い。
中間部ではロストロポーヴィチの指揮はミリタリー調。ちと単調に過ぎるかなと思うが、前後の暗さから思えば、少し救われた気分になる。
オーケストラは好調。音はほの暗く、柔らかい。アナログ録音らしいほんのりとした甘みが加わって、イイ響きと思う。
アンサンブルも悪くない。この時期のロンドン・フィルはヨッフムとのブラームス交響曲全集(EMI)やハイティンクとのベートーヴェン交響曲全集(フィリップス)など、素晴らしいレコーディングが相次いでいた。このチャイコフスキーもその好調さの中で録音された名演盤と云えるかもしれない。
第2楽章も遅いテンポ。ホルンのソロが出てくるまでがまず遅い。そしてまたホルンの旋律が遅い。粘り着くようなことはないのだが、独特の重々しい表現。これはロシア的なのか、ロストロポーヴィチの情念の産物なのか・・・。
ホルンもオーボエもたっぷりとしてよく歌う。やがてこれがトゥッティに発展していくところなど、涙が出るほど美しい。
第3楽章のワルツも美しいが、テンポが遅く、リズムも重い感じ。洗練されていないのが、かえってイイ感じかも。木訥さも感じられて好ましい。
フィナーレは堂々とした表現。相変わらずリズムは重いのだが、情熱的でもある。弦楽のアンサンブルが少しザラつくのだが、こってりとした表情付けがロストロポーヴィチらしく楽しい。
金管はバリバリと音を割って吼えまくる。スケール大きい。
コーダからは雄渾な表現でこれは圧倒的なクライマックス。カタルシス。
録音は今も良いです。聴きやすい音です。
やや平板な感じもあるんですが、ホールの雰囲気は良く出ていると思います。ホールで聴くとこんな感じの音、結構あるよなぁと思いつつ聴いておりました。
アナログ的な甘やかな響きがよろしいです。
困ったもんです。
チャイコフスキーの交響曲第5番 ホ短調 作品64。
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮ロンドン・フィルの演奏。
1976年10月、ロンドンのキングズウェイ・ホールでの録音。EMI盤。
輸入盤の再発なって、廉価で全集が入手できるようになったのは喜ばしい。
第1楽章、冒頭が異様に遅く、ものものしい。何か出てきそうな感じがするくらいにオドロオドロしい。暗い、とても暗い表現。オーケストラの音も暗く沈み込むような響きで、ゾッとする感もあり。恐怖、悲劇、絶望、惨劇のような雰囲気がある。
続く木管群の響きも真っ暗。弦楽の音も実に寒々とした感じがするのだから、聴いていてたまらない。
ロストロポーヴィチはこの暗鬱とした表現で、何を云いたかったのかな。当時のソ連の閉塞した社会体制でも表そうとしていたのかな・・・と想像してしまうくらい、穿った見方・聴き方をしてしまうくらい、この第1楽章の表現は暗い。
中間部ではロストロポーヴィチの指揮はミリタリー調。ちと単調に過ぎるかなと思うが、前後の暗さから思えば、少し救われた気分になる。
オーケストラは好調。音はほの暗く、柔らかい。アナログ録音らしいほんのりとした甘みが加わって、イイ響きと思う。
アンサンブルも悪くない。この時期のロンドン・フィルはヨッフムとのブラームス交響曲全集(EMI)やハイティンクとのベートーヴェン交響曲全集(フィリップス)など、素晴らしいレコーディングが相次いでいた。このチャイコフスキーもその好調さの中で録音された名演盤と云えるかもしれない。
第2楽章も遅いテンポ。ホルンのソロが出てくるまでがまず遅い。そしてまたホルンの旋律が遅い。粘り着くようなことはないのだが、独特の重々しい表現。これはロシア的なのか、ロストロポーヴィチの情念の産物なのか・・・。
ホルンもオーボエもたっぷりとしてよく歌う。やがてこれがトゥッティに発展していくところなど、涙が出るほど美しい。
第3楽章のワルツも美しいが、テンポが遅く、リズムも重い感じ。洗練されていないのが、かえってイイ感じかも。木訥さも感じられて好ましい。
フィナーレは堂々とした表現。相変わらずリズムは重いのだが、情熱的でもある。弦楽のアンサンブルが少しザラつくのだが、こってりとした表情付けがロストロポーヴィチらしく楽しい。
金管はバリバリと音を割って吼えまくる。スケール大きい。
コーダからは雄渾な表現でこれは圧倒的なクライマックス。カタルシス。
録音は今も良いです。聴きやすい音です。
やや平板な感じもあるんですが、ホールの雰囲気は良く出ていると思います。ホールで聴くとこんな感じの音、結構あるよなぁと思いつつ聴いておりました。
アナログ的な甘やかな響きがよろしいです。
2008/11/06のBlog
[ 05:31 ]
[ 管弦楽曲 ]
ジャン・フルネが死去したと、昨日の朝日新聞の報。
1813年生まれと云うから、当年95歳。世界最長老の指揮者でありました。
パリのオペラ・コミックからオランダ放送フィル、ロッテルダム・フィルの指揮者を歴任し、日本では都響を譜って素晴らしいフランス音楽を聴かせてくれた。
フルネが凄いなぁと思うのは、どんなオケを振ってもフランス音楽の美しい響きを引き出していったことだ。都響とのサン=サーンスや「幻想交響曲」は素晴らしいディスクだったし、ロッテルダム・フィルとのフォーレ「レクイエム」は忘れがたい名演だった。
今日はフルネ追悼ということで、彼のドビュッシー作品集を取り出した。
曲目は、
■イベリア(管弦楽のための映像 第2曲)
■牧神の午後への前奏曲
■夜想曲
ジャン・フルネ指揮オランダ放送フィルの演奏。
1973年、オランダのヒルフェルズム放送局スタジオでの録音。
DECCA盤。フェイズ4録音の廉価盤で、国内発売は1997年初出だったと思う。
「牧神の午後への前奏曲」が名演。
中庸のテンポで淡々と進んでゆくので、何の飾り気もない、水彩画のような印象を受けるのだが、音がフランスそのもので、管楽器の響きなど実に味わい深くニュアンス多彩、たまらない魅力を放っている。
DECCAの録音も良い。あまりオン・マイクにしていないので、鮮烈ではないのだが、そのことで音像が遠目になって、雰囲気豊かな録音になっている。余韻も美しい。ドビュッシーの繊細さがよく伝わってくる。
フルートは誰かな。普段着の演奏という感じなのだが、とても品が良い。質素な感じの演奏でもあるのだが、その洗練されていること、上品なこと、これはもう聴いていてウットリするばかり。
オランダ放送フィルの響きも絶品。巧いというかんじではないのだが、しっとりと濡れたような音が出てくるのは、オランダ系のオーケストラの特徴なのかもしれない。コンセルトヘボウ管にも通じる音と思う。
「イベリア」も「夜想曲」も、ニュアンス一杯の音楽。響きの淡さ、はかなさ、時にきらびやかな光もあって、心ゆくまでドビュッシーを堪能できます。
これ、1,000円盤CDであります。こんな名演奏を安価で聴ける幸福。有り難さを噛みしめつつ、フルネを送りたいと思います。
1813年生まれと云うから、当年95歳。世界最長老の指揮者でありました。
パリのオペラ・コミックからオランダ放送フィル、ロッテルダム・フィルの指揮者を歴任し、日本では都響を譜って素晴らしいフランス音楽を聴かせてくれた。
フルネが凄いなぁと思うのは、どんなオケを振ってもフランス音楽の美しい響きを引き出していったことだ。都響とのサン=サーンスや「幻想交響曲」は素晴らしいディスクだったし、ロッテルダム・フィルとのフォーレ「レクイエム」は忘れがたい名演だった。
今日はフルネ追悼ということで、彼のドビュッシー作品集を取り出した。
曲目は、
■イベリア(管弦楽のための映像 第2曲)
■牧神の午後への前奏曲
■夜想曲
ジャン・フルネ指揮オランダ放送フィルの演奏。
1973年、オランダのヒルフェルズム放送局スタジオでの録音。
DECCA盤。フェイズ4録音の廉価盤で、国内発売は1997年初出だったと思う。
「牧神の午後への前奏曲」が名演。
中庸のテンポで淡々と進んでゆくので、何の飾り気もない、水彩画のような印象を受けるのだが、音がフランスそのもので、管楽器の響きなど実に味わい深くニュアンス多彩、たまらない魅力を放っている。
DECCAの録音も良い。あまりオン・マイクにしていないので、鮮烈ではないのだが、そのことで音像が遠目になって、雰囲気豊かな録音になっている。余韻も美しい。ドビュッシーの繊細さがよく伝わってくる。
フルートは誰かな。普段着の演奏という感じなのだが、とても品が良い。質素な感じの演奏でもあるのだが、その洗練されていること、上品なこと、これはもう聴いていてウットリするばかり。
オランダ放送フィルの響きも絶品。巧いというかんじではないのだが、しっとりと濡れたような音が出てくるのは、オランダ系のオーケストラの特徴なのかもしれない。コンセルトヘボウ管にも通じる音と思う。
「イベリア」も「夜想曲」も、ニュアンス一杯の音楽。響きの淡さ、はかなさ、時にきらびやかな光もあって、心ゆくまでドビュッシーを堪能できます。
これ、1,000円盤CDであります。こんな名演奏を安価で聴ける幸福。有り難さを噛みしめつつ、フルネを送りたいと思います。
2008/11/05のBlog
[ 05:57 ]
[ 協奏曲 ]
高校野球秋の四国大会は、地元西条高校が20年ぶりに優勝、神宮大会への出場を決めるとともに来春の選抜甲子園出場を確実にしました。昨晩、高校のお堀周辺を散歩しておりましたら、煌々と照明をつけて一生懸命高校生が練習しておりました。まあ元気のエエこと。あの勢いのイイ声を聴いているだけで、こちらも元気が出ますな。
今年は巨漢の好投手秋山君にどうぞ皆さんご注目。140キロを軽く超す速球は威力十分。打っても満塁本塁打の活躍、絵に描いたような「エースで4番」であります。
さて、今日は懐かしいCDを取り出しまして・・・・・・。
ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲第22番 イ短調。
ローラ・ボベスコのヴァイオリン独奏、クルト・レーデル指揮ライン・パラティナ国立管弦楽団の演奏。
1980年3月の録音。フィリップス盤だが、原盤は仏フォルラーヌらしい。
第1楽章はモデラート。
冒頭から、ローラ・ボベスコの繊細で清楚なヴァイオリンを心ゆくまで味わえる。これは名演奏と思う。そして、ホンマに美しいヴァイオリン。心洗われる想い。ボベスコはヴィオッティの名品を実に美しく、薫り高く、ロマンティックに、そして気高く演奏してゆく。
作品は1792年頃のものと推定されているとライナー・ノートに書いてあるのだが、聴いていると初期ロマン派を思わせる清々しさと鮮やかさに彩られた佳品。エエ曲やなぁと思う。
カデンツァなどため息が出るほど見事。ヴァイオリンがむせび泣き、柔らかく歌う。聴かせどころ満載。ああ、これぞヴァイオリン協奏曲やなぁと思う。
カデンツァ作はE.Ysaye……読めません。
(と思っていたら、ああ、これ「イザイ」でした。ご教示いただいたピースうさぎさん、どうも有り難うございました。)
第2楽章アダージョは心の平安、慰藉の音楽。神々しい美しさ有り。
レーデルの伴奏もイイ。しっとりとした序奏で、しかし格調高くカッチリとした演奏。古典の風格もある。
そこにボベスコのヴァイオリンが滑り込んでくる。その瞬間に、リスニングルームの空気が一変する。部屋が明るくなる。ボベスコのヴァイオリンの光はピンクがかって暖かい。同時に、華やかさもある。
美音にしてニュアンス多彩。心から慰められる独奏と思う。この気品、たまらない。
第3楽章アジタート・アッサイは闊達で天馬空を行くフィナーレ。
ボベスコのような美人が、こんなに美しく歌う。天女のヴァイオリンとでも云うべきか。レーデル/ライン・パラティナ国立管の伴奏はやや硬い感じ。もう少し柔らかく包み込むような感じであったら、或いはもう少し流麗な感じであったなら良かったか。ヴァイオリンの気品と優雅さに対して、少し齟齬を感じた。
録音は上々です。
心ゆくまでボベスコの美音を味わえます。
録音から30年近く経過しましたが、まだまだ十分な鮮度と思いました。
今年は巨漢の好投手秋山君にどうぞ皆さんご注目。140キロを軽く超す速球は威力十分。打っても満塁本塁打の活躍、絵に描いたような「エースで4番」であります。
さて、今日は懐かしいCDを取り出しまして・・・・・・。
ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲第22番 イ短調。
ローラ・ボベスコのヴァイオリン独奏、クルト・レーデル指揮ライン・パラティナ国立管弦楽団の演奏。
1980年3月の録音。フィリップス盤だが、原盤は仏フォルラーヌらしい。
第1楽章はモデラート。
冒頭から、ローラ・ボベスコの繊細で清楚なヴァイオリンを心ゆくまで味わえる。これは名演奏と思う。そして、ホンマに美しいヴァイオリン。心洗われる想い。ボベスコはヴィオッティの名品を実に美しく、薫り高く、ロマンティックに、そして気高く演奏してゆく。
作品は1792年頃のものと推定されているとライナー・ノートに書いてあるのだが、聴いていると初期ロマン派を思わせる清々しさと鮮やかさに彩られた佳品。エエ曲やなぁと思う。
カデンツァなどため息が出るほど見事。ヴァイオリンがむせび泣き、柔らかく歌う。聴かせどころ満載。ああ、これぞヴァイオリン協奏曲やなぁと思う。
カデンツァ作はE.Ysaye……読めません。
(と思っていたら、ああ、これ「イザイ」でした。ご教示いただいたピースうさぎさん、どうも有り難うございました。)
第2楽章アダージョは心の平安、慰藉の音楽。神々しい美しさ有り。
レーデルの伴奏もイイ。しっとりとした序奏で、しかし格調高くカッチリとした演奏。古典の風格もある。
そこにボベスコのヴァイオリンが滑り込んでくる。その瞬間に、リスニングルームの空気が一変する。部屋が明るくなる。ボベスコのヴァイオリンの光はピンクがかって暖かい。同時に、華やかさもある。
美音にしてニュアンス多彩。心から慰められる独奏と思う。この気品、たまらない。
第3楽章アジタート・アッサイは闊達で天馬空を行くフィナーレ。
ボベスコのような美人が、こんなに美しく歌う。天女のヴァイオリンとでも云うべきか。レーデル/ライン・パラティナ国立管の伴奏はやや硬い感じ。もう少し柔らかく包み込むような感じであったら、或いはもう少し流麗な感じであったなら良かったか。ヴァイオリンの気品と優雅さに対して、少し齟齬を感じた。
録音は上々です。
心ゆくまでボベスコの美音を味わえます。
録音から30年近く経過しましたが、まだまだ十分な鮮度と思いました。
2008/11/04のBlog
[ 07:26 ]
[ 協奏曲 ]
はて、最近のここDoblog、早朝は重くてなかなか更新できません。どうしたことか、この1週間、ちとおかしいですな。
世は秋。
秋の深まりとともに、大気が冷えて澄んできました。
こういう清涼の空気を吸い込むのは気持ちがエエですね。特に田舎の空気は、やはり旨いです。
さて、そんな中、聴きたくなったのはグリーグ。この人の音楽は、聴いているだけで澄んだ空気が胸の中に入ってくる感じがしますな。
グリーグのピアノ協奏曲 イ短調 作品16。
スヴャトスラフ・リヒテルのピアノ独奏、ロブロ・フォン・マタチッチ指揮モンテ・カルロ国立歌劇場管の演奏。
1974年11月の録音。EMI盤。
先日、このコンビでのシューマンのピアノ協奏曲をエントリーした際に、グリーグの方は、リヒテル自身もその演奏と録音に満足していたとの由。コメントを頂いた際に、教えてもらいました。有り難うございます。
確かに、リヒテルのピアノは堂々としてスケール大きく、その音は深々として実に包容力が大きい。ゆったりと大見得を切るようなところもあって、格好良い。とともに、情感に富んだピアニズムで、聴き手を引っ張り込んでゆく。
マタチッチの伴奏もまた大柄でゆったりとしている。大人風。
オーケストラも上質で、ホルンのソロなどは特に巧い。チェロの響きも深々としていて大変柔らかい。メンバー全員が達者であって、リヒテルの豪快なピアノによくついて行っていると思う。
第1楽章の情熱、第2楽章の抒情もイイが、特に素晴らしいのはフィナーレ。
リヒテルはこれぞ自分の世界だと云わんばかりにグイグイ進めてゆくのだが、マタチッチがそれをしっかり受け止めてサポートしてゆく。オケだけのところでは、思い切り歌わせるし、テンポも激しく揺らしてゆく。ピアノと協調しているようで、実は競争しているのかな。聴いていて面白いことこの上ない。耳をそばだててしまうところ多く、新鮮にして、ワクワク感が大きい。
コーダなど、ただただ圧倒的。そして感動的。リヒテルのピアノは辺りを払う王者の貫禄。睥睨しているような趣きさえある。素晴らしい。ラストはまるで実演のよう、感興の盛り上がりが甚だ大きい。
録音も上々であります。
リヒテルのピアニズムを堪能できる名録音と思います。
EMIだって、頑張ればこんなエエ音の録音、出来るじゃない・・・と褒めてみたくなります。
※グリーグのピアノ協奏曲も大好きです※
■フレイレ(Pf)・ケンペ/ミュンヘン・フィル
■アラウ(Pf)・ドホナーニ/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■アンダ(Pf)・クーベリック/ベルリン・フィル
■ルイサダ(Pf)・マイケル・ティルソン・トーマス/ロンドン響
■ルプー(Pf)・プレヴィン/ロンドン響
■ペライア(Pf)・C・デイヴィス/バイエルン放送響
■ツィマーマン(Pf)・カラヤン/ベルリン・フィル
世は秋。
秋の深まりとともに、大気が冷えて澄んできました。
こういう清涼の空気を吸い込むのは気持ちがエエですね。特に田舎の空気は、やはり旨いです。
さて、そんな中、聴きたくなったのはグリーグ。この人の音楽は、聴いているだけで澄んだ空気が胸の中に入ってくる感じがしますな。
グリーグのピアノ協奏曲 イ短調 作品16。
スヴャトスラフ・リヒテルのピアノ独奏、ロブロ・フォン・マタチッチ指揮モンテ・カルロ国立歌劇場管の演奏。
1974年11月の録音。EMI盤。
先日、このコンビでのシューマンのピアノ協奏曲をエントリーした際に、グリーグの方は、リヒテル自身もその演奏と録音に満足していたとの由。コメントを頂いた際に、教えてもらいました。有り難うございます。
確かに、リヒテルのピアノは堂々としてスケール大きく、その音は深々として実に包容力が大きい。ゆったりと大見得を切るようなところもあって、格好良い。とともに、情感に富んだピアニズムで、聴き手を引っ張り込んでゆく。
マタチッチの伴奏もまた大柄でゆったりとしている。大人風。
オーケストラも上質で、ホルンのソロなどは特に巧い。チェロの響きも深々としていて大変柔らかい。メンバー全員が達者であって、リヒテルの豪快なピアノによくついて行っていると思う。
第1楽章の情熱、第2楽章の抒情もイイが、特に素晴らしいのはフィナーレ。
リヒテルはこれぞ自分の世界だと云わんばかりにグイグイ進めてゆくのだが、マタチッチがそれをしっかり受け止めてサポートしてゆく。オケだけのところでは、思い切り歌わせるし、テンポも激しく揺らしてゆく。ピアノと協調しているようで、実は競争しているのかな。聴いていて面白いことこの上ない。耳をそばだててしまうところ多く、新鮮にして、ワクワク感が大きい。
コーダなど、ただただ圧倒的。そして感動的。リヒテルのピアノは辺りを払う王者の貫禄。睥睨しているような趣きさえある。素晴らしい。ラストはまるで実演のよう、感興の盛り上がりが甚だ大きい。
録音も上々であります。
リヒテルのピアニズムを堪能できる名録音と思います。
EMIだって、頑張ればこんなエエ音の録音、出来るじゃない・・・と褒めてみたくなります。
※グリーグのピアノ協奏曲も大好きです※
■フレイレ(Pf)・ケンペ/ミュンヘン・フィル
■アラウ(Pf)・ドホナーニ/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■アンダ(Pf)・クーベリック/ベルリン・フィル
■ルイサダ(Pf)・マイケル・ティルソン・トーマス/ロンドン響
■ルプー(Pf)・プレヴィン/ロンドン響
■ペライア(Pf)・C・デイヴィス/バイエルン放送響
■ツィマーマン(Pf)・カラヤン/ベルリン・フィル
2008/11/03のBlog
[ 06:55 ]
[ 交響曲 ]
連休後半2日間は出勤であります。代休もらえるか微妙なところが苦しいですな。
さて、日曜の夜は懐かしい演奏を取り出しました。
長いことLPで聴いてきて、今はCDで聴くことが増えました。ソニーのLPは音がスカスカしているところがあって、CDの方が厚味や重量感があってエエようです。
ブルックナーの交響曲第4番 ホ長調「ロマンティック」(原典版)。
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア響の演奏。
1960年2月、ハリウッドでの録音。CBS原盤。
冒頭のホルンの響きからして、暖かく、また懐かしさを感じさせる演奏。
ワルター特有の優美な表情は、この「ロマンティック」でも聴くことができる。
スケールは大きくないのだが、テンポが遅めなので、実に穏やかで温和な音楽として耳に入ってくる。口当たりは甘口。柔らかくまろやかな舌触りで、聴いていてとても幸福な、暖かい気持ちになってくる。ああ、これぞワルター。ホンマに素晴らしい指揮者だった。
オーケストラの響きは、これも穏やかで、刺激的なところがない。上手なオケではないような気もするのだが、独特の流麗感があって、音楽に身を浸してゆく喜びがある。
第1楽章は懐かしささえ漂わせた音楽の運びが素晴らしい。ホンマ、このレコードは、昔よく聴いたなぁ。若い頃の風景や思い出がよみがえってくる感じ。
金管の雄叫びは逞しいのだが、優美さを失わないのはワルターらしいところ。
第2楽章は柔らかい歌。ワルターの美質は、この暖かく柔らかい歌だ。弦楽の滑らかな奏法が、さらにその歌の優しさを増幅させる。見事。
第3楽章は狩のスケルツォ。弦と管が絶妙のバランスで鳴っている。ワルターはオーケストラの自主性に任せている感じ。だからこそ、この見事さか。
第4楽章は美しい旋律が一杯。金管の咆吼も凄まじく、壮烈なフィナーレになっている。スッキリと気分良くラストまでいける。
録音状態はまずまずでしょう。50年近く昔のものとは思えない鮮やかさです。
ステレオ初期の硬さがやや残るんですが、音は鮮やかで左右に広がり、楽器の定位などは心地よい。
これ、もう少しで著作権切れですか?
ステレオ初期の名盤が続々安価で出される可能性があるわけですねえ。
なぁんて、もうBOXものは、新しい録音のものでも、すでに信じられないくらいの安さですが・・・・。
★ブルックナーの「ロマンティック」は大好きな曲・・・・沢山聴いてきました。★
■ショルティ/シカゴ響
■ラトル/ベルリン・フィル
■チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル
■クレンペラー/フィルハーモニア管
■カラヤン/ベルリン・フィル
■ベーム/ウィーン・フィル
■ムーティ/ベルリン・フィル
■オーマンディ/フィラデルフィア管
■チェリビダッケ/スウェーデン放送響
■クーベリック/バイエルン放送響
■ハイティンク/ウィーン・フィル
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
さて、日曜の夜は懐かしい演奏を取り出しました。
長いことLPで聴いてきて、今はCDで聴くことが増えました。ソニーのLPは音がスカスカしているところがあって、CDの方が厚味や重量感があってエエようです。
ブルックナーの交響曲第4番 ホ長調「ロマンティック」(原典版)。
ブルーノ・ワルター指揮コロンビア響の演奏。
1960年2月、ハリウッドでの録音。CBS原盤。
冒頭のホルンの響きからして、暖かく、また懐かしさを感じさせる演奏。
ワルター特有の優美な表情は、この「ロマンティック」でも聴くことができる。
スケールは大きくないのだが、テンポが遅めなので、実に穏やかで温和な音楽として耳に入ってくる。口当たりは甘口。柔らかくまろやかな舌触りで、聴いていてとても幸福な、暖かい気持ちになってくる。ああ、これぞワルター。ホンマに素晴らしい指揮者だった。
オーケストラの響きは、これも穏やかで、刺激的なところがない。上手なオケではないような気もするのだが、独特の流麗感があって、音楽に身を浸してゆく喜びがある。
第1楽章は懐かしささえ漂わせた音楽の運びが素晴らしい。ホンマ、このレコードは、昔よく聴いたなぁ。若い頃の風景や思い出がよみがえってくる感じ。
金管の雄叫びは逞しいのだが、優美さを失わないのはワルターらしいところ。
第2楽章は柔らかい歌。ワルターの美質は、この暖かく柔らかい歌だ。弦楽の滑らかな奏法が、さらにその歌の優しさを増幅させる。見事。
第3楽章は狩のスケルツォ。弦と管が絶妙のバランスで鳴っている。ワルターはオーケストラの自主性に任せている感じ。だからこそ、この見事さか。
第4楽章は美しい旋律が一杯。金管の咆吼も凄まじく、壮烈なフィナーレになっている。スッキリと気分良くラストまでいける。
録音状態はまずまずでしょう。50年近く昔のものとは思えない鮮やかさです。
ステレオ初期の硬さがやや残るんですが、音は鮮やかで左右に広がり、楽器の定位などは心地よい。
これ、もう少しで著作権切れですか?
ステレオ初期の名盤が続々安価で出される可能性があるわけですねえ。
なぁんて、もうBOXものは、新しい録音のものでも、すでに信じられないくらいの安さですが・・・・。
★ブルックナーの「ロマンティック」は大好きな曲・・・・沢山聴いてきました。★
■ショルティ/シカゴ響
■ラトル/ベルリン・フィル
■チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル
■クレンペラー/フィルハーモニア管
■カラヤン/ベルリン・フィル
■ベーム/ウィーン・フィル
■ムーティ/ベルリン・フィル
■オーマンディ/フィラデルフィア管
■チェリビダッケ/スウェーデン放送響
■クーベリック/バイエルン放送響
■ハイティンク/ウィーン・フィル
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管
2008/11/02のBlog
[ 03:38 ]
[ 交響曲 ]
土曜日はノンビリ野球観戦三昧でありました。
三男坊の通う地元の高校が、四国大会準決勝で快勝、来春の選抜甲子園出場を確実にしました。長男・次男の母校でもあり、家族みんなで応援に行けそう。ああ、目出度い。愛媛県2校の出場になりそうです。
神宮でも斎藤佑樹が快投、優勝しておりますし、いやはや、これで上原がきちんと放っていたら文句なかったのに・・・・・とは欲深かいな。
で、音楽いきます。
モーツァルトの交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」。
ヤープ・テル・リンデン指揮アムステルダム・モーツァルト・アカデミーの演奏。
2002年春、オランダのユトレヒト、マリア・ミノール(11世紀に出来た教会らしい)での録音。ブリリアントの廉価ボックス盤。とにかく安価で入手できるモーツァルト交響曲集だった。
古楽器によるモーツァルト。聴き手の方も慣れてきたので、至極ふつうに聴ける「ジュピター」。
フレージングなどもふつうで、エキセントリックなところがないので聴きやすい。・・・というか、BGMにしてもいいくらいの柔らかで甘やかなモーツァルト。
オケのテクニックは申し分なく、実に巧い。木管などもピッチは正確、怪しいところなど微塵もない。ああ、現代の古楽器団体は、どこもそうなのだが、みんな巧いもんだなぁ。アンサンブルもイイし、楽器のバランスも良いから、こんな風にスムーズに耳に飛び込んでくるんだろうなぁ。
第1楽章は中庸のテンポで爽やかな風が吹き抜けるような演奏。
音楽が今、生まれ落ちたようなナチュラルな演奏で、採れたての野菜をザーッと水洗いして、そのまんまシャクシャク喰うときの、あのフレッシュ感にも似た爽快さがある。生き生きとして心弾む演奏。
第2楽章アンダンテ・カンタービレは弱音の効果が素晴らしい。静謐な響きが全く心地よい。
第3楽章のメヌエットはニュアンス多彩。溌剌とした音楽の中から、イメージがどんどん膨らんでゆく感じ。それでいて、古典の均整美を失わない。素晴らしいモーツァルトと思う・
フィナーレはフーガが素晴らしい。やはり、この音楽はモーツァルトの最高傑作と思う。
ヴァイオリンが左右に配置され、その楽しさを十分に味わえる。スッキリと見通しの良い演奏だが、音量は小さく、迫力は今一歩という感じ。これは古楽器団体の限界かな。
録音は、教会でのものなので、残響豊かでふっくらとした響きになっているのがエエです。、
音質は実に聴きやすく、柔らかい質感に包まれてゆくのは快感であります。
各楽器はシャープに捉えられており、音も鮮やか。
トータルでは柔らかく耳当たりがよい。生々しさも抜群であります。
久しぶりのイイ休日でありました。
<モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の自己リンクです>
■ピノック/イングリッシュ・コンサート
■スウィトナー/ドレスデン・シュターツカペレ
■クレンペラー/ウィーン・フィル(ライヴ)
■ワルター/コロンビア響
■アーノンクール/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■ベーム/ウィーン・フィル(1975年NHKライヴ)
■セル/クリーヴランド管
■クリップス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■レヴァイン/ウィーン・フィル
■カラヤン/ベルリン・フィル(1970年EMI盤)
■C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
■クリヴィヌ/フィルハーモニア管
■バーンスタイン/ウィーン・フィル
■クーベリック/バイエルン放送響
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■アバド/ロンドン響
三男坊の通う地元の高校が、四国大会準決勝で快勝、来春の選抜甲子園出場を確実にしました。長男・次男の母校でもあり、家族みんなで応援に行けそう。ああ、目出度い。愛媛県2校の出場になりそうです。
神宮でも斎藤佑樹が快投、優勝しておりますし、いやはや、これで上原がきちんと放っていたら文句なかったのに・・・・・とは欲深かいな。
で、音楽いきます。
モーツァルトの交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」。
ヤープ・テル・リンデン指揮アムステルダム・モーツァルト・アカデミーの演奏。
2002年春、オランダのユトレヒト、マリア・ミノール(11世紀に出来た教会らしい)での録音。ブリリアントの廉価ボックス盤。とにかく安価で入手できるモーツァルト交響曲集だった。
古楽器によるモーツァルト。聴き手の方も慣れてきたので、至極ふつうに聴ける「ジュピター」。
フレージングなどもふつうで、エキセントリックなところがないので聴きやすい。・・・というか、BGMにしてもいいくらいの柔らかで甘やかなモーツァルト。
オケのテクニックは申し分なく、実に巧い。木管などもピッチは正確、怪しいところなど微塵もない。ああ、現代の古楽器団体は、どこもそうなのだが、みんな巧いもんだなぁ。アンサンブルもイイし、楽器のバランスも良いから、こんな風にスムーズに耳に飛び込んでくるんだろうなぁ。
第1楽章は中庸のテンポで爽やかな風が吹き抜けるような演奏。
音楽が今、生まれ落ちたようなナチュラルな演奏で、採れたての野菜をザーッと水洗いして、そのまんまシャクシャク喰うときの、あのフレッシュ感にも似た爽快さがある。生き生きとして心弾む演奏。
第2楽章アンダンテ・カンタービレは弱音の効果が素晴らしい。静謐な響きが全く心地よい。
第3楽章のメヌエットはニュアンス多彩。溌剌とした音楽の中から、イメージがどんどん膨らんでゆく感じ。それでいて、古典の均整美を失わない。素晴らしいモーツァルトと思う・
フィナーレはフーガが素晴らしい。やはり、この音楽はモーツァルトの最高傑作と思う。
ヴァイオリンが左右に配置され、その楽しさを十分に味わえる。スッキリと見通しの良い演奏だが、音量は小さく、迫力は今一歩という感じ。これは古楽器団体の限界かな。
録音は、教会でのものなので、残響豊かでふっくらとした響きになっているのがエエです。、
音質は実に聴きやすく、柔らかい質感に包まれてゆくのは快感であります。
各楽器はシャープに捉えられており、音も鮮やか。
トータルでは柔らかく耳当たりがよい。生々しさも抜群であります。
久しぶりのイイ休日でありました。
<モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の自己リンクです>
■ピノック/イングリッシュ・コンサート
■スウィトナー/ドレスデン・シュターツカペレ
■クレンペラー/ウィーン・フィル(ライヴ)
■ワルター/コロンビア響
■アーノンクール/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■ベーム/ウィーン・フィル(1975年NHKライヴ)
■セル/クリーヴランド管
■クリップス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■レヴァイン/ウィーン・フィル
■カラヤン/ベルリン・フィル(1970年EMI盤)
■C・デイヴィス/ドレスデン・シュターツカペレ
■クリヴィヌ/フィルハーモニア管
■バーンスタイン/ウィーン・フィル
■クーベリック/バイエルン放送響
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■アバド/ロンドン響
2008/11/01のBlog
[ 06:37 ]
[ 管弦楽曲 ]
3日間出張しておりました。いやはや、忙しい。しかし、元気健康で仕事させてもらっていること、有り難いもんです。この数日で、四国はまた一段と秋が深まっておりました。
職場の同僚が拾い集めた銀杏をあぶって喰っております。いやぁ、これは旨い。臭いけれど旨い。
秋ですなぁ。
さて、今日もド定盤を。
ビゼーの組曲「アルルの女」&「カルメン」。
アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管の演奏。
1964年1月、コンセルヴァトワールでの録音。仏EMIというか、パテ・マルコーニ原盤。
クリュイタンスとパリ音楽院管の演奏を聴くと、フランスへ行ってみたくなる。
上品で、オシャレで、サラサラとした肌触りの音楽。それでいて、中身は十分に詰まっていて、ニュアンス多彩、音色も華やかで多彩。デリカシーに富んでいて、味わいは品良く薄味なのだが、聴いたあとにほんのりとした旨味が残るような感じ。
独墺系の音楽・オーケストラの重さとは趣が違う、フランスの音楽の軽やかさ。パリパリッとしたフランスパンの香ばしい味わい。
・・・・とこう書きながら思うのは、こういう印象のレコード、今は減ってきたなぁということ。オーケストラの国際化が進んで、いかにもフランス風のオケって、今はあまり聴かんなぁ。一時、デュトワ/モントリオール響のコンビが、フランスのオケよりもよっぽどフランス的だと云われたもんだが、そのくらい、フランス音楽をそれっぽくやるオケがなくなってきたのかなぁと思う。
さて、このCDはLP時代からの組み合わせで、人口に膾炙して、名盤として誉れ高いもの。多くのクラシック音楽ファンが持っているだろう名演盤。
全体的に遅いテンポで、じっくり演奏してゆくのだが、そこはかとなく上品な香りが漂ってくる演奏であって、クリュイタンス&パリ音楽院管の代表的なレコードになるだろう。
弦楽のシルキー・タッチ、やや細めで軽やかな感触が実にイイ。
管楽器はそれ以上に素晴らしい。金管も木管も最高に巧いし、音がまたイイ。「管はフランス」とは昔よく云ったものだが(今もかな?)、明らかに楽器が違う。独墺系の楽器と違う。クラリネットはいかにもフランス風。そしてパソンだろう。
アンサンブルは少し緩いかな。ビシッと合っていないので、精妙精緻な演奏ではない。ただ、その緩さが微妙な美しさを醸し出しているから不思議、というより、わざと、合わせていない、巧妙にずらしているんじゃないかという気もする。
純度の高い蒸留水的な演奏を目指すのではなく、ミネラルを沢山含んだ天然水の旨さで聴かせる・・・・と云うべきかな。
この2つの組曲、フルートの名演奏が聴けます。
「アルルの女」のメヌエット、そして「カルメン」からは間奏曲。もう最高です。
僕は、この2曲、大好きなんです。
ああ、フランス、行ってみたいなぁ・・・・。
録音は今も上々です。
SN比などは、少し古びた感じがしますが、鑑賞に差し支えありません。
名演奏と思います。
※「カルメン」に「アルルの女」、名曲と思います
■カラヤン/ベルリン・フィル
■デュトワ/モントリオール響
■マリナー/ロンドン響
■オーマンディ/フィラデルフィア管
職場の同僚が拾い集めた銀杏をあぶって喰っております。いやぁ、これは旨い。臭いけれど旨い。
秋ですなぁ。
さて、今日もド定盤を。
ビゼーの組曲「アルルの女」&「カルメン」。
アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管の演奏。
1964年1月、コンセルヴァトワールでの録音。仏EMIというか、パテ・マルコーニ原盤。
クリュイタンスとパリ音楽院管の演奏を聴くと、フランスへ行ってみたくなる。
上品で、オシャレで、サラサラとした肌触りの音楽。それでいて、中身は十分に詰まっていて、ニュアンス多彩、音色も華やかで多彩。デリカシーに富んでいて、味わいは品良く薄味なのだが、聴いたあとにほんのりとした旨味が残るような感じ。
独墺系の音楽・オーケストラの重さとは趣が違う、フランスの音楽の軽やかさ。パリパリッとしたフランスパンの香ばしい味わい。
・・・・とこう書きながら思うのは、こういう印象のレコード、今は減ってきたなぁということ。オーケストラの国際化が進んで、いかにもフランス風のオケって、今はあまり聴かんなぁ。一時、デュトワ/モントリオール響のコンビが、フランスのオケよりもよっぽどフランス的だと云われたもんだが、そのくらい、フランス音楽をそれっぽくやるオケがなくなってきたのかなぁと思う。
さて、このCDはLP時代からの組み合わせで、人口に膾炙して、名盤として誉れ高いもの。多くのクラシック音楽ファンが持っているだろう名演盤。
全体的に遅いテンポで、じっくり演奏してゆくのだが、そこはかとなく上品な香りが漂ってくる演奏であって、クリュイタンス&パリ音楽院管の代表的なレコードになるだろう。
弦楽のシルキー・タッチ、やや細めで軽やかな感触が実にイイ。
管楽器はそれ以上に素晴らしい。金管も木管も最高に巧いし、音がまたイイ。「管はフランス」とは昔よく云ったものだが(今もかな?)、明らかに楽器が違う。独墺系の楽器と違う。クラリネットはいかにもフランス風。そしてパソンだろう。
アンサンブルは少し緩いかな。ビシッと合っていないので、精妙精緻な演奏ではない。ただ、その緩さが微妙な美しさを醸し出しているから不思議、というより、わざと、合わせていない、巧妙にずらしているんじゃないかという気もする。
純度の高い蒸留水的な演奏を目指すのではなく、ミネラルを沢山含んだ天然水の旨さで聴かせる・・・・と云うべきかな。
この2つの組曲、フルートの名演奏が聴けます。
「アルルの女」のメヌエット、そして「カルメン」からは間奏曲。もう最高です。
僕は、この2曲、大好きなんです。
ああ、フランス、行ってみたいなぁ・・・・。
録音は今も上々です。
SN比などは、少し古びた感じがしますが、鑑賞に差し支えありません。
名演奏と思います。
※「カルメン」に「アルルの女」、名曲と思います
■カラヤン/ベルリン・フィル
■デュトワ/モントリオール響
■マリナー/ロンドン響
■オーマンディ/フィラデルフィア管
2008/10/28のBlog
[ 05:42 ]
[ 交響曲 ]
涼しくなってきましたね。風の冷たさに秋の深まりを感じます。
風呂上がりなど、気をつけないと湯冷めをしてしまいそうです。
さて、当感想文日記、泰西名曲を相変わらず聴き続けております。
「合唱」、「運命」とくれば、次は「未完成」でしょう。
僕がクラシック音楽を聴き始めた頃はまだLP時代だったので「運命」と来ればB面は「未完成」でありました。黄金のカップリングです。ピアノ協奏曲ならシューマン&グリーグ、ヴァイオリン協奏曲ならメンデルスゾーンにチャイコフスキー、ヴァイオリン・ソナタなら春&クロイツェル、ピアノ・ソナタなら悲愴・月光・熱情・・・・・・。
我が家にもLPラックを眺めてみると「運命」&「未完成」、結構あります。A面目当てにLPを買えば、当然、B面も聴きます。ですから、僕は、「未完成」も大好きになっていきました・・・・・・。
ということで、今日はシューベルトです。
シューベルトの交響曲第8番 ロ短調「未完成」。
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1975年3月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤。
ただし、このCD(LP時代もそう)は、カップリングは同じシューベルトの第5交響曲であります。
名曲の名演奏の名録音。三拍子揃った素晴らしいCDなのだが、もしかすると、今は廃盤かしら。
ハイティンク/ACOのシューベルトが結局5番、「未完成」、「グレート」で終わってしまい、全集魔のハイティンクとしては珍しいのだが、我々ファンにとっては痛恨の極み。彼の演奏は何の変哲もない印象なのに、噛めば噛むほど味が出てくる演奏になるという、特異な指揮者であって、きっとシューベルトもそうなっただろうなと思うと、実に残念。
この「未完成」のCDは5番とのカップリング、24bitデジタルマスタリングとフィリップスが銘打って見開きの紙ジャケット仕様で発売は1995年、とにかく素晴らしい音で再現される。アムステルダム・コンセルトヘボウ管の響きを心ゆくまで堪能できる。
ハイティンクの指揮はきわめてオーソドックス。きわめて普通の演奏といった感じなのだが、堅実で、曲自体の美しさとオーケストラの美質とを最大限に引き出そうという感じで、実に好ましい。アンサンブルは完璧で、渋い音色もコンセルトヘボウ管らしい。音響も木質の肌触り。心落ち着くというか、胸一杯にその響きを吸い込みたくなると云うか、自然な音響空間が広がってゆく。実に好ましい。
現在主流のピリオド楽器によるシューベルトに比べると、その音は厚ぼったいし、重い。またテンポも遅くてコッテリとした感じなのだろう。が、コンセルトヘボウ管くらいの上質なオケで聴くと、やはり、これぞシューベルトだわいなぁ・・・と思う。古き良き伝統の中に息づくシューベルトと言ってもいいだろう。
「我が恋の終わらざる如く、この曲も終わらざるべし」とは古い文言だが、その昔の「未完成交響楽」を思い出しつつ、この演奏を聴くのも一興かもなぁ・・・・・。
録音状態は素晴らしいです。マスタリングも最良でしょう。
LP時代のふくよかな香りがCDでも聴ける感じです。
響きの艶、美しさ、余韻とも文句なしの好録音と思いました。
<シューベルトの「未完成」 自己リンクです>
■C・クライバー/ウィーン・フィル
■チョン・ミュンフン/フランス国立放送フィル
■ベーム/ベルリン・フィル
■カラヤン/ベルリン・フィル(EMI盤)
■ジュリーニ/シカゴ響
■シノーポリ/フィルハーモニア管
■ヴァント/ベルリン・フィル
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■ケルテス/ウィーン・フィル
風呂上がりなど、気をつけないと湯冷めをしてしまいそうです。
さて、当感想文日記、泰西名曲を相変わらず聴き続けております。
「合唱」、「運命」とくれば、次は「未完成」でしょう。
僕がクラシック音楽を聴き始めた頃はまだLP時代だったので「運命」と来ればB面は「未完成」でありました。黄金のカップリングです。ピアノ協奏曲ならシューマン&グリーグ、ヴァイオリン協奏曲ならメンデルスゾーンにチャイコフスキー、ヴァイオリン・ソナタなら春&クロイツェル、ピアノ・ソナタなら悲愴・月光・熱情・・・・・・。
我が家にもLPラックを眺めてみると「運命」&「未完成」、結構あります。A面目当てにLPを買えば、当然、B面も聴きます。ですから、僕は、「未完成」も大好きになっていきました・・・・・・。
ということで、今日はシューベルトです。
シューベルトの交響曲第8番 ロ短調「未完成」。
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1975年3月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤。
ただし、このCD(LP時代もそう)は、カップリングは同じシューベルトの第5交響曲であります。
名曲の名演奏の名録音。三拍子揃った素晴らしいCDなのだが、もしかすると、今は廃盤かしら。
ハイティンク/ACOのシューベルトが結局5番、「未完成」、「グレート」で終わってしまい、全集魔のハイティンクとしては珍しいのだが、我々ファンにとっては痛恨の極み。彼の演奏は何の変哲もない印象なのに、噛めば噛むほど味が出てくる演奏になるという、特異な指揮者であって、きっとシューベルトもそうなっただろうなと思うと、実に残念。
この「未完成」のCDは5番とのカップリング、24bitデジタルマスタリングとフィリップスが銘打って見開きの紙ジャケット仕様で発売は1995年、とにかく素晴らしい音で再現される。アムステルダム・コンセルトヘボウ管の響きを心ゆくまで堪能できる。
ハイティンクの指揮はきわめてオーソドックス。きわめて普通の演奏といった感じなのだが、堅実で、曲自体の美しさとオーケストラの美質とを最大限に引き出そうという感じで、実に好ましい。アンサンブルは完璧で、渋い音色もコンセルトヘボウ管らしい。音響も木質の肌触り。心落ち着くというか、胸一杯にその響きを吸い込みたくなると云うか、自然な音響空間が広がってゆく。実に好ましい。
現在主流のピリオド楽器によるシューベルトに比べると、その音は厚ぼったいし、重い。またテンポも遅くてコッテリとした感じなのだろう。が、コンセルトヘボウ管くらいの上質なオケで聴くと、やはり、これぞシューベルトだわいなぁ・・・と思う。古き良き伝統の中に息づくシューベルトと言ってもいいだろう。
「我が恋の終わらざる如く、この曲も終わらざるべし」とは古い文言だが、その昔の「未完成交響楽」を思い出しつつ、この演奏を聴くのも一興かもなぁ・・・・・。
録音状態は素晴らしいです。マスタリングも最良でしょう。
LP時代のふくよかな香りがCDでも聴ける感じです。
響きの艶、美しさ、余韻とも文句なしの好録音と思いました。
<シューベルトの「未完成」 自己リンクです>
■C・クライバー/ウィーン・フィル
■チョン・ミュンフン/フランス国立放送フィル
■ベーム/ベルリン・フィル
■カラヤン/ベルリン・フィル(EMI盤)
■ジュリーニ/シカゴ響
■シノーポリ/フィルハーモニア管
■ヴァント/ベルリン・フィル
■ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ
■ケルテス/ウィーン・フィル
2008/10/27のBlog
[ 06:04 ]
[ 交響曲 ]
週末の雨で、伊予路は急激に冷え込んできました。
ようやく秋の気候になった感じです。季節としては、クラシック音楽を聴くのに最もよろしいですね。さあ、バリバリ聴きまっしょい。
さて、本日も泰西名曲であります。
ベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」。
ピエール・モントゥー指揮ロンドン響の演奏。
1961年5月、ロンドンでの録音。DECCA原盤。
ユニヴァーサル発売の全集から。
格調高く、気品漂う巨匠の名演。
ロンドン響もモントゥーの棒によく反応している。録音のせいか、やや金管の音が明るく軽いのだが、これはモントゥーの指示した(或いは好みの)音かもしれない。
第1楽章の迫力、スピード感は相当なもの。畳みかけてくる力が強く、年齢を感じさせない若々しさもある、テンポは速く、リズムは快活、押しも強い。そして、乱痴気騒ぎにならないのがモントゥーの良いところ。さすがと思う。
第2楽章は淀みなく流れる歌がイイ。音量を抑え気味にして、ひたひたと迫ってくる感じが実にイイ。
弦楽セクションはふっくらとした音で、響きはしなやかな感じ。機敏な反応もよろしい。
木管はファゴットもオーボエも鄙びた音でとても心地よい。
第3楽章のホルンが印象的。管と弦のアンサンブルが見事で、重層的な音の群れが押し寄せてくる感じ。低弦の力感も良い。決然とした感じがよく出ている、これぞベートーヴェンだなぁと思う。
フィナーレは整然と、また堂々と進むフィナーレ。勝利の行進は格調高く、堅実。浮かれ調子にならない。リズムが安定しているんだろう。テンポは中庸で、心地よい自然な感じがまた良い。
録音はやや古びてきた感じです。
ヒスノイズが多く、高音にやや硬さが残ります。
音の広がりは上々で、全体的に艶もあるので、音質としては聴きやすいと思います。
19世紀生まれの大指揮者のベートーヴェン全集をステレオ録音で聴けるだけでも、有り難いと思わなくちゃイカンのですが。
※ベートーヴェンの「運命」
ようやく秋の気候になった感じです。季節としては、クラシック音楽を聴くのに最もよろしいですね。さあ、バリバリ聴きまっしょい。
さて、本日も泰西名曲であります。
ベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」。
ピエール・モントゥー指揮ロンドン響の演奏。
1961年5月、ロンドンでの録音。DECCA原盤。
ユニヴァーサル発売の全集から。
格調高く、気品漂う巨匠の名演。
ロンドン響もモントゥーの棒によく反応している。録音のせいか、やや金管の音が明るく軽いのだが、これはモントゥーの指示した(或いは好みの)音かもしれない。
第1楽章の迫力、スピード感は相当なもの。畳みかけてくる力が強く、年齢を感じさせない若々しさもある、テンポは速く、リズムは快活、押しも強い。そして、乱痴気騒ぎにならないのがモントゥーの良いところ。さすがと思う。
第2楽章は淀みなく流れる歌がイイ。音量を抑え気味にして、ひたひたと迫ってくる感じが実にイイ。
弦楽セクションはふっくらとした音で、響きはしなやかな感じ。機敏な反応もよろしい。
木管はファゴットもオーボエも鄙びた音でとても心地よい。
第3楽章のホルンが印象的。管と弦のアンサンブルが見事で、重層的な音の群れが押し寄せてくる感じ。低弦の力感も良い。決然とした感じがよく出ている、これぞベートーヴェンだなぁと思う。
フィナーレは整然と、また堂々と進むフィナーレ。勝利の行進は格調高く、堅実。浮かれ調子にならない。リズムが安定しているんだろう。テンポは中庸で、心地よい自然な感じがまた良い。
録音はやや古びてきた感じです。
ヒスノイズが多く、高音にやや硬さが残ります。
音の広がりは上々で、全体的に艶もあるので、音質としては聴きやすいと思います。
19世紀生まれの大指揮者のベートーヴェン全集をステレオ録音で聴けるだけでも、有り難いと思わなくちゃイカンのですが。
※ベートーヴェンの「運命」