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クラシック音楽のひとりごと
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2008/11/30のBlog
休日の今日、冬物の衣服の詰まったボックスと同じく冬物の布団を車に積んで、僕は長男の住む松山の寮へ。午前中の荷物運びの後は大街道にて長男とイタリアン。
午後からは大学校友会の愛媛県支部総会で松山全日空ホテル。僕は西条地区の幹事なので年に一度くらいは顔を出さないと。久しぶりの校歌。校友と母校の活躍の様子に元気をもらいました。利害打算のない同窓生のつきあいはエエもんです。
と思いながら、帰宅して音楽を。今日はブラームスの室内楽などを。11月も終わり、明日から師走ですのでね。「秋はブラームス」も今年のラストということで。
それにしても今日のアクセス数、スゴイですね。3800超とはビックリビックリ。どないなってますのやろ?

ブラームスのホルン三重奏曲 変ホ長調 作品40。
ナッシュ・アンサンブルの演奏。
1991年11月、ロンドンの聖ポール教会での録音。CRD原盤らしいが、聴いているのはブリリアントの激安ブラームス室内楽ボックス。

第1楽章のひなびた味わいがイイ。アダージョ・ピウ・ポコ・アニマート。ああ、これブラームスだなぁ。それぞれの楽器の穏やかな面が良く出ている演奏で心惹かれる。深々とした呼吸もイイ。重なり合う和声が印象的な音楽。メロディは美しいのだが、その美しさが原色系のものではなく、ややくすんだ色合いの美しさにしているのもブラームス的と云えるかな。

第2楽章は快活で楽しい。いかにもスケルツォという感じ。ヴァイオリンにホルン、ピアノのそれぞれのソロも楽しい。有機的なアンサンブルが続く中で、ふと浮かび上がるソロ・プレイが実に個性的。楽器そのものの美しさを表出して余すところがない。さすがブラームスと思う。

第3楽章はまたもブラームスらしいアダージョ・メスト。秋から冬への季節にぴったりの物思いの風情。憂愁、浪漫、遙かなる憧れ・・・・そんな感情に満ちたメロディが続く。ゆったりとしたテンポの中に、ブラームスのしみじみとした思いが聴ける。ホルンの響きがことのほか美しい。ヴァイオリンとピアノが、ホルンの歌を支えて、いい味を出している。

終楽章は勢いのあるアレグロ・コン・ブリオ。3つの楽器が飛び跳ねる楽しさ。そして見事なアンサンブル。音の重なり具合がしっとりとしていて、これもイイ。ナッシュ・アンサンブルは、巧いなぁと思う。

録音は素晴らしいです。
定位が抜群で、それぞれの楽器の音も良く伸びていきます。ホルンの朗々とした音など最高です。ヴァイオリンの高音も自然でとても美しいです。
きっとシンプルな録り方をしているのだろうと思います。
教会録音の響きの良さも、この素晴らしい録音に一役買っているんでしょう。

2008/11/29のBlog
我が家2階の書斎から眺める石鎚山も冬の佇まいであります。
庭の木立は木枯らしに揺れております。
ああ冬。寒い冬が来ました。

今日はしみじみヴァイオリンを聴いてました。

J・S・バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004。
ヘンリク・シェリングのヴァイオリン独奏。
1967年の録音。DG盤。

だらだらとクラシック音楽を聴く日々、時折取り出すバッハの音楽には、身の引き締まる思い。無伴奏のヴァイオリン・ソナタとパルティータは特にそう。
これだけの名曲をよくぞバッハは書いたものだ。ヴァイオリンたった一本で、遙か宇宙の彼方まで広がってゆくような音楽をつくり出す。その音楽は祈りにも似ている。

演奏はヘンリク・シェリング。
この人のヴァイオリンは真摯誠実で大変格調高いものだった。美音をひけらかすことなく、技術を前面に押し出しすぎず、精神性とか形而上学的なもの、そういったものを想起させるヴァイオリンだった。慌ただしく過ぎ去る日々の中で、ふと立ち止まらせて、聴き手の心の中での対話を思い起こさせる演奏とでも云おうか。

シェリングのヴァイオリン、低音は朗々と、高音は余情豊かに、鳴る。そしてよく歌う。歌はベタつかず、穏やかに流れるだけでなく、情感をともなって歌われる。ヴァイオリンの音色がそう感じさせるのか、その情感には憂いが込められているようにも思える。

白眉はやはりシャコンヌ。
峻厳に迫ってくる見事な演奏。聴きながら、心にどんどん入り込んでくる。シェリングの本領発揮、面目躍如の名演と思う。

録音は今も十分に美しく、鑑賞に差し支えありません。
ヴァイオリンが静謐な空間にクッキリと浮かび上がります。
DGの器楽録音はこの時期上々たったと思います。録音からすでに40年を経て、ますます価値高い演奏であり録音と僕は思います。
2008/11/28のBlog
この数日、雨と曇天が続きます。冬枯れの季節、黄昏れるのも早くなりました。
職場のイチョウも落葉してきました。これ、綺麗なんですが、掃除は大変なんであります。

今日はオペラを聴いてます。

ビゼーの歌劇「カルメン」ハイライト。
小澤征爾指揮フランス国立管の演奏。
1988年、パリでの録音。フィリップス盤。

休日にのんびりオペラを聴くのはいいものだが、時間が取れないときや平日にはハイライト盤がエエですね。値段も手頃だし、聴き慣れたオペラなら有名なナンバーだけ聴ければ良いので、僕はハイライト盤大好きなのであります。

小澤盤の「カルメン」は録音当時大いに話題となったものだが(だって、タイトルロールが当時絶好調、おそらく全盛期のジェシー・ノーマンだもの)、きょうびは、さあ、どうなのかな。少なくとも世評では「カルメン」のファースト・チョイスではないのだろうな。
しかし、フィリップスの素晴らしい録音効果もあって、このハイライト盤は実に気持ちよい1時間を過ごせる。キャストもイイ。

そういうわけで、カルメンに、ジェシー・ノーマン。当時最強のソプラノ。リートも歌劇も、この頃のノーマンは全部良かった。美しくよく通る高音に深みのある低音が絶妙のバランスだった。体型がものをいうのか、高音だけでなく低い声も、この人の場合は美しく深く心地よかった。「ハバネラ」や「セキディーリャ」など、大変良かった。演技力もまずまずだったと思う。

ミカエラには名花ミレッラ・フレーニ。この歌手の可憐さはいつ聴いてもイイ。フレーニに駄演なし。
エスカミーリョはサイモン・エステス。強靱そのもの。
ドン・ホセがニール・シコフ。好みでいうと、この人、もう一息かな。

小澤の指揮は無難な捌きと思うのだが、どうなんだろう。
歌手はそれぞれ気持ちよく歌っているようなので、とても良い指揮だと思うのだが。
小澤はあまりオペラをやらない。ボストンが長かったせいだろうし、その昔日本には歌劇場がなかったこともあって、そんなにオペラが得意じゃないんだろう。日本人指揮者の限界なのかもしれないが、僕はこの「カルメン」、十分に楽しめた。もっと、小澤にはオペラ録音があっても良いなぁと思うのだが、さあ、クラシック録音不況の時代、難しいのだろう。

録音状態は万全です。フィリップス最盛期の音だと思います。
深く暖かく柔らかく、余韻も素晴らしい出来。
さすがと思います。
2008/11/26のBlog
枯れ葉の季節です。
早朝のジョギングでは、落ち葉の舞い散る舗道をトコトコ走ります。枯れ葉を踏みしめる音がまだ暗い中にカサコソ響いて、ああ初冬の季節だなぁと実感するんです。四国はまた少し寒くなりました。

今夜はマーラーを聴いてます。

マーラーの交響曲第5番 嬰ハ短調。
クリスト・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管の演奏。
1988年7月、マソニック・オーディトリアムでの録音。DECCA盤。

キリキリと引き締まった筋肉質のマーラー。スッキリ辛口の味わい。
「淡麗辛口」という形容がふさわしいかな。ブヨブヨと肥大したマーラーではなく、若々しく精悍なマスクのマーラー。オーケストラも機能的で、俊敏な反応を示している。機動力あふれる演奏を展開してゆく。
ショルティ&CSOの演奏に近いところがあるのだが、ドホナーニの方が感情豊かだろうか。どちらもハンガリー系(ドホナーニはドイツ出身だが、お祖父ちゃんはハンガリーの大作曲家だからなぁ)、似たところがあるのかな。

さて、ドホナーニの解釈は、濃厚なロマン一杯の世紀末的シンフォニーではなく、楽曲を突き放して、醒めた目でこの交響曲を捉え直し、形良くリフォームしたものであって、この曲のスタイリッシュでヒロイックな面を際だたせたものだと思う。

思えば、ドホナーニ&クリーヴランド管のコンビは、DECCAやワーナーに幾つも名演奏をのこした、名コンビだったと思う。セル時代の引き締まったアンサンブルが甦り、高度な合奏力と引き締まった男っぽい解釈で、実に充実していたと思う。ベートーヴェンも良かったし、ドヴォルザークやブラームスでは、スリムでスッキリした、そうそうこれも辛口の名演奏を聴かせてくれた。

それにしても、このコンビのマーラーもとても良い。
マーラーの情念的で濃厚な管弦楽の中で、溺れたい・のたうちまわりたい、という向きには歓迎されないだろうが、マーラーを古典として見つめ直した演奏としては、これは最右翼のものなんじゃなかろうか。

第5の白眉はスケルツォ。
ホルン協奏曲と云ってもいいこの楽章、クリーヴランド管のソロが大変巧く、聴き応えがある。テンポは速めで、メソメソしない。リズムがよく弾んで、ここでもスッキリ系のマーラーが聴けると思う。

録音は今も鮮烈です。
DECCAらしい、瑞々しい音で聴けます。クリーヴランド管は、こんな匂うような、エエ音を出していたんだなぁと、つくづく感心します。

ブログを初めて3年と9か月、間もなくアクセス数が100万に届きます。
お立ち寄りいただき、有り難うございます。
2008/11/25のBlog
Doblogは早朝の更新不如意です。
今では朝が軽かったので、早朝更新の癖がついたんですが、このところ、全くアキマヘン。
そこで、夜の更新にしてみます。相変わらず昔話で恐縮なんですが。

ベートーヴェンの交響曲第7番 イ長調 作品90。
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
1985年10月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤。

ハイティンク/ACOによるベートーヴェン交響曲全集の第1作。5番「運命」とのカップリングだった(「運命」は1986年4月録音)。発売は1987年だったと思う。僕は輸入盤で購った。国内盤はまだ3,500円と高価な時代、輸入盤は2,500円くらいで買えたから。
円高にシフトしつつある頃で、世はバブリーな時代だったが、僕は薄給の身。結婚して、2歳の長男もいて、なかなか好き放題CDを買うわけにはいかなかった。LPでベートーヴェンの交響曲は何枚も持っていたが、CDは1枚も持っていなかった。これが初めてのベートーヴェンの交響曲CDだった。今や懐かしい西独盤。
このCD、ホンマに欲しかったなぁ。ベートーヴェンの「運命」と第7をCDで聴いてみたかったなぁ。しかも、指揮はハイティンクで、オケはアムステルダム・コンセルトヘボウ管。もう聴く前から正調正統で気品があって、音は渋めで響きは柔らか、きっとふっくらと音が広がっていって、木質のコンセルトヘボウの音が部屋全体に響いて・・・・・ワクワクしながら想像したものだった。何より、フィリップスの録音は1970年代後半以降、最高の音質を誇っていたし・・・・・。

ああ思い出のCD。今やこれ、1,000円盤なんだから、「時」は流れるものだ。先日、西条のブックオフを覗いてみたら、250円で売っていた・・・。嗚呼。
2歳だった息子は今や大学を卒業して、地元に就職、独立しました。もう買ってから21年経つんやなぁ。

それにしても、この弦の音!柔らかく暖かく深く、しっとりとした弦は今も変わらない。
いや、オーディオ・システムも入れ替えたので、今の方がより良い音で鳴っているはず。ハイティンクの指揮は格調高く、妙な色気や匠気もなく、ひたすら誠実にベートーヴェンに奉仕する。作曲者の云わんとするところを、きっちり音にしていこうとする真面目さ、真摯さがこの指揮者の良いところ。もう安心してベートーヴェンに浸れる。
フレージングもいつも通り無理なく自然、ああ、クラシック音楽を聴いたなぁと云う充実感が残る。

1枚1枚と発売されるごとに買っていきました。
今やあまり話題になりませんが、このベートーヴェン全集はホンマに素晴らしい出来と思います。名全集と思います。
ハイティンクとアムステルダム・コンセルトヘボウ管、ホンマにエエですね。僕は大好きです。
2008/11/24のBlog
四国は小春日和でありました。一時の冷え込みが緩んで、穏やかな晩秋の陽気でありました。
連休2日目、ワタクシは自治会の防災訓練と庭の手入れで過ごしました。芝生が伸び放題、庭石に入り込みそうな勢いだったので、ちと刈り込みをしなくちゃいけません。いやはや、鎌を使っての作業で汗だくになりました。
こんな秋の明るく良い日はブラームスにしようと思い、取り出したのはアンセルメのCDであります。

ブラームスの交響曲第4番 ホ短調 作品98。
エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管の演奏。
1963年2月、ジュネーブのヴィクトリア・ホールでの録音。DECCA原盤で、オーストラリア・ユニヴァーサル発売のELOQUENCE廉価盤。

スイス・ロマンド管の響きが明るく爽やか、今日の上天気のように心地よい。
ブラームスの第4交響曲にしては、ちと明るすぎるかなと思いつつも、この音は、今日の青空にふさわしい。

ブラームスの交響曲第4番は、ホ短調独特のの寂しさや戸惑いに満ちていて、老いの哀しみや枯れゆく季節感などを感じさせる名曲なのだが、アンセルメ盤で聴くと、その感傷的な部分が薄まって、純音楽的な、見事な音響作品となる。アンセルメのクールなアプローチがなせるワザだろう。

第1楽章は速めのテンポで走り去るような印象。そして、スイス・ロマンド管の明るくクリアな響きが実に特徴的で面白い。こういうブラームスもエエなぁ。重量感があまりなくて、ちっとも独墺的ではないのだが、弦楽セクションのクールで明晰、やや軽めのサラサラとした響きは印象的だ。

第2楽章は管楽器の明るい音で始まる。木管も金管も独特な音色で、これフランス的なんだろうなぁ。全体的にシャープな仕上げで、ブラームス的なモコモコしたところがないので、後ろ髪を引かれるような味わい、立ち止まってはまたためらうというブラームス特有の風情が感じられないのが、アンセルメ流か。

第3楽章はアンセルメ&スイス・ロマンド管のコンビニ最もふさわしい楽章か。アレグロ・ジョコーソがイキイキ、溌剌と鳴り渡る。その音は爽快で明朗、スッキリとクールな音で、聴き終えた後に一服の清涼感あり。

第4楽章も美しいフィナーレ。綺麗な音で塗り上げられた名演奏。オーケストラは上質で、実に巧いと思う。管楽器の響きがここでも爽やかで、明るく朗々と鳴るのがとても良い。

録音は標準的です。
DECCAらしい鮮やかさがエエですが、ちと高音がぱさつくところが残念。
音の広がりや余韻は十分で、スイス・ロマンド管特有の音を味わえると思います。
2008/11/23のBlog
四国は寒気が少し緩みました。小春日和の連休になりそうです。
紅葉も見頃、ジョギングしておりますと、晩秋の風景が目に染みます。トコトコ走り続けて5年。この自然との一体感は、たまりません。クラシック音楽を聴いたときの感動と、さあ、比べても仕方ないですが、どちらもホンマに生活できる、生きている有り難さを感じます。

さて、今日は・・・・・・。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35。
クリスチャン・フェラスのヴァイオリン独奏、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1965年11月、西ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DG盤。

第1楽章、ヴァイオリンのソロが入ってくると、もうフェラスの美音に酔ってしまう。音が実によく伸びる。イエス・キリスト教会の音響も素晴らしいのだろう。音がスーッと伸びていって、やがて消えてゆくときの余韻の美しさ。
そして何よりフェラスはテクニシャン。素晴らしく巧いのに、真摯に誠実に弾いてゆくところが実にイイ。模範的な演奏と思うのだが、ため息が出るほど巧い。
バックのオケの威力は凄まじい。ソロに覆い被さるような強さ。厚味も十分、しかもしなやかで美しい。レガート(テヌートかな)が多用される美しさなのだが、アンサンブルも完璧で心憎いばかりの伴奏。

第2楽章は遅めのテンポで綿々たる思いを綴ってゆく。
フェラスはここでも美しい。メロディ・メーカーであったチャイコフスキーの旋律の美を生かし切って、余すところがない。低音は朗々と鳴り渡り、高音は哀しくなるほど繊細に響く。素晴らしいソロと思う。

終楽章は爽快なフィナーレ。フェラスますます好調。気持ちよく、伸びやかに歌ってゆく。潔ささえ感じさせる名演奏と思う。
バックはもう完璧。文句なしの大オーケストラ。スケール大きく貫禄十分。
やっぱり、カラヤンは協奏曲を振らせても巧いんだわい。

録音は今も素晴らしいです。
音がよく伸びて、音響も気持ちよく、スケールの大きな音場が広がります。
空間的な広がりが大変気持ちいいんです。
40年も昔の録音なのに、この上質。
キリスト教会って、素晴らしいロケーションだったんですねえ。

Doblogの更新の重さ、変わりません。
早朝の更新がなかなかできません。困ったなぁ。
さて、間もなく100万アクセスに届きそうです。数日で突破しそうですね。
2008/11/22のBlog
出張しておりました。世間は寒いですねえ。もう真冬のような寒さでした。身体が寒さに慣れていないので、かなりこたえました。
この三連休は、ちと休めそうです。ゆっくり音楽など聴きたいですね。

さて、カラヤン&ベルリン・フィルの伴奏で聴く協奏曲シリーズであります。
(他にエエのがあったら、皆さんまた教えてください)
カラヤンのEMIボックスを開けてみると、こんなんがありました。

ブラームスのピアノ協奏曲第2番 変ロ長調。
ハンス・リヒター=ハーザーのピアノ独奏、カラヤン&ベルリン・フィルの演奏。
1958年11月、西ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。
これ、LPでは東芝EMIのセラフィム廉価盤で出ていたものだと思う。懐かしいなぁ・・・・・。

録音が素晴らしい。これ、ホンマに50年前の録音かいな。
音の伸び、艶、奥行き感、左右の広がり、どれを取っても素晴らしい。いやはや、大変な名録音ではないか。しかもEMI。ふだん僕はEMI録音の悪口ばかり書いているが、この時期のEMIって、こんなに素晴らしかったんかい。

リヒター=ハーザーは若々しく清冽なピアノを聴かせてくれる。
抒情的なフレーズの方が似合いそうなピアニスト。音は粒ぞろいでキラキラしていてとても綺麗。演奏は音楽する喜びにあふれている。

カラヤンの伴奏は、伴奏の枠を超えて見事なもの。まさに「ピアノつきの交響曲」にふさわしい堂々たるものだ。スケールが大きく、シンフォニック。そして、これもいつものことだが、音が美しく輝いている。
ブラームスが憧れたイタリアの空のような輝きと、ドイツ風の重量感が高度に融合したこれは名演奏、名伴奏と思う。ちと、カラヤンが前に出すぎている気もするが。

それにしても、リヒター=ハーザーの見事なピアノには感激。これだけの伴奏を向こうに回して、堂々たるピアニズムを披露する。

第1楽章はその輝かしいピアノがイイ。オーケストラも雄大。これは、大音量で聴きたいところだ。田舎住まいの有り難さ、近所迷惑になるほど周辺に家がないので(田んぼばかりであります・・・・)、アンプのボリュームを11時くらいまで上げて・・・・。
コーダではオケが奔ってしまい、ピアノがそれを追いかけている感じのところがあるのだが、これこそカラヤン・ペースの証拠かな。「俺についてこいっ・・」ってことかいな、ピアニストも。

第2楽章のピアノはとてもロマンティック。ブラームスらしい、ためらい・戸惑いも感じられるところもイイ。
フォルティシモは豪快。音が綺麗なのがまた良い。

第3楽章はチェロの深々とした響き。これメロディも美しい。いつ聴いてもイイなぁと思う。ピアノは穏やかな感情を漂わせ、時にフワッとした音が出る。テンポもゆったりとして、本当に美しい音楽。オケも抜群に巧い。
この楽章を聴いていると、ブラームスは内気な男だったんだろうなぁと思う。

そして見事なフィナーレ。カタルシス。ああ、素晴らしい。
2008/11/19のBlog
ひと雨ごとに四国は冷え込んできました。晩秋から初冬へ、日が短くもなってきまして、周囲の田舎景色も何となく淋しくなってきました。

さて、今日もカラヤンの伴奏で。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61。
アンネ=ソフィー・ムターのヴァイオリン独奏、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1979年9月の録音。DG盤。

第1楽章から、もう圧倒的なオーケストラ。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は単純な旋律が繰り返し寄せ返し続くのだが、聴けば聴くほど味わいが増してくる名曲。何より、居ずまいが端正で高潔、気品が香ってくる傑作と思う。貴婦人のような名作。
オーケストラ部もさすがにベートーヴェン、充実しきっていて、大変シンフォニック。トゥッティなど、全く堂々として重厚、格好良い。となると、カラヤン&ベルリン・フィルのコンビなど、まさにうってつけ、盤石の伴奏を聴かせてくれる。全く見事しか云いようがないオーケストラと思う。

アンサンブルの良さ、合わせ方の巧さ、呼吸まで合っているなじゃないかと思わせる弦楽セクションの弓遣い、そして何よりスケールの大きな表現は全く素晴らしい。
溢れるような美音の洪水であって、磨き抜かれた黄金の輝きがオーケストラから放たれる。いや、もう圧倒的な管弦楽。

ムターのヴァイオリンも飛びきりの美音。そして、オケ同様に、正々堂々とこの名曲と対峙してゆく。オケの凄さに対して、一向に引けを取らないヴァイオリン独奏。
弾き方はとても端正で、妙な弾き崩しもなく、正攻法で演奏してゆく。ムターこのとき16歳。少女のような年頃だが、しかし、演奏からはそんな初々しさがあまり感じられない。若々しさや瑞々しさ、爽快の気は感じさせてくれるが、それ以上に堂々としたところが印象的。
これが16歳のヴァイオリンかいな・・・・・・聴くたびに僕は思う。クライスラー作のカデンツァなどを聴いていると、実に素晴らしく、しみじみ感動する。

第2楽章のゆったりとしたテンポの中で、思い切り歌いきった演奏も素晴らしい。ヴァイオリンのソロが思いの丈を歌い上げてゆく。カラヤン好みのテンポだと思う。これ、カラヤンの指示であり、またマエストロの嗜好かな。
オーケストラの美しさはもはや天国的、永遠の浄福の世界。オケもヴァイオリンもホンマに美しく、この媚薬のような美しさに僕は抗うことが出来ない。

フィナーレは快活なロンド・アレグロ。ムターのヴァイオリンはここでも美音だが、中に一本強靱な芯が通っているような音がする。空虚な美ではい、中身が一杯詰まった美しさとでも云おうか。


録音状態は良好です。アナログ最末期の見事な録音と思います。
ヴァイオリンの音がとにかく美しく捉えられており、オーケストラの広がりも十分。
音の鮮度も瑞々しく、今も優秀録音と思います。
2008/11/18のBlog
いやいや参りました。
このDoblog、早朝更新が出来ません。混み合っていて、アクセスできないとのメッセージばかりで、どうすることも出来ませんでした。
この数週間、ずっと同じような状況であります。ここDoblogで、もう3年半も過ごしておりますと、今さら他のところに引っ越す気にもなれませんしねえ・・・・何とかして欲しいもんです。
コメントの返信もままならず、昨日から失礼しておりました。申し訳ありません。

今日はベートーヴェンを聴いてます。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37。
アレクシス・ワイセンベルクのピアノ独奏、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏。
1977年、ベルリンでの録音。EMIのカラヤンBOXからの1枚。

カラヤン&ベルリン・フィルの美しく華やかで流麗な伴奏が印象的。
冒頭数小節の音が鳴り響いた瞬間に、この美しさの虜になってしまう。ああ、やはりカラヤンの伴奏は美しい。そして巧い。「音楽を必要以上に磨き上げる云々」というカラヤン批判は十分承知の上で、しかし、この伴奏は素晴らしい。その美麗さに身体が蕩けて、麻痺してゆくような不思議な気分になる。

ワイセンベルクも一流の巧さと思う。そして、羽目を外さない、知的なコントロールのよく効いた演奏。やや機械的・ロボット的なところも感じられるのだが、全体的にクールな態度の演奏は、このピアニスト独特の雰囲気と思われる。

演奏によっては、この曲、ハ短調でもあるから(ベートーヴェンのハ短調といえば、「運命」だ)、劇的・情念的といった感じでやれるんじゃないかとも思うのだが、ワイセンベルクとカラヤン両者とも分別があるというか、カッコイイ表現を狙っているというのか、あまりドロドロしないし、燃えさかる炎のようなものが感じられず、大変客観的、爽やかであるとともに、実にクールな印象を受ける。その点では、とても面白い演奏だろう。ちと、表面的な演奏という感じもするのだが。

役者としてはカラヤンが一枚も二枚も上手であって、伴奏がガッチリしている。独奏者の意向よりも、指揮者が好きなように振るぞい、と云っているような風情。ワシはワシの演奏をするということかな。
ピアニストが、その伴奏に合わせてしまった協奏曲と云うべきか。

白眉は第2楽章。
ワイセンベルクの硬質なピアノが青白い炎のように浮かび上がってくる。
カラヤン&ベルリン・フィルのバックも、それは見事なもので、ため息が出るほどデリケートに伴奏してゆく。ピアノの青白さと一緒になって、オーケストラもブルー系の光を放っている。やっぱり、このコンビはスゴイや。


録音は上々で、オケもピアノも美しく録られています。
1970年代のEMIは良い録音が沢山ありました。
このCDもその一つと言えると思います。
2008/11/16のBlog
ずっと出張しておりました。疲れました。忙しいのは構わんのですが、ゆっくり音楽を聴けないというのは、ツライもんです。
留守の間、沢山のコメントを有り難うございました。沢山頂戴したのはベームのブラームスです。さすがですね。今でもベームは強いです。

さて、疲れた身体にはLPがエエかなぁと思い、久しぶりに懐かしいLPをまたまた取り出しているのです。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23。
ウラディーミル・アシュケナージのピアノ独奏、ロリン・マゼール指揮ロンドン響の演奏。
1963年4月、ロンドンのウォルサムストウでの録音。DECCA原盤で国内キング発売の2LPシリーズ。
再録音の多いアシュケナージだが、チャイコフスキーのピアノ協奏曲はこの録音だけだったと思う。

アシュケナージもマゼールも大変若々しい。青年ピアニストと青年指揮者がそれぞれの個性をぶつけ合った名演奏と思う。
マゼールの指揮はギラギラとしていて、情熱が迸り、気合い十分。新しい何ものかを創造しようとする意欲に溢れていて、全く精力的な指揮ぶり。オーケストラから勢いのある響きを引き出して、大変面白い。
DECCAの録音にもよるのだろうが、ピアノ以外のソロ・プレイも浮き立たせるような感じで、聴いていて実に楽しい。チャイコフスキーのピアノ協奏曲で、オーケストラ部がこれほど面白いのは、他にないんじゃないかな。脂っこいくらいの伴奏で、いやぁ、快感でさえある。これ、マゼール好きにはたまらんだろうなぁ。

アシュケナージのピアノは変化に富んで、とてもフレキシブル。
フォルティシモでは豪快豪放に鳴り渡るし、ピアニシモでは繊細の限りを尽くす。本質的には抒情的なピアノ。
テンポは速めで、歩みは颯爽としている。若者の軽やかな足取りを思わせる。心地よい。
ピアノの音色はいつもながらホンマにキレイで、アシュケナージ独特の青みがかったクリスタルのような輝きが、大変美しい。いつ聴いても僕は最高と思う。

第2楽章がことのほか美しい。マゼールは管楽器を浮き立たせて、ピアノとの見事なアンサンブルを形作る。チェロのソロも良い。これはしっとりとした楽章になった。

一気呵成のフィナーレも楽しい。アシュケナージのピアニズムは最高だし、マゼール指揮のロンドン響がまた白熱。熱く激しく、時に荒々しい。カッコイイ。どうも、主導権がマゼールにあるのかしら。

録音は今も瑞々しく、45年も昔の録音とは思えないほどです。
DECCAの録音はホンマに優秀なんですね。奥行きも十分ですし、出てくる音の鮮やかさが、他のレーベルと違います。輝いてます。
見事なもんだなぁと、つくづく思うんです。

2008/11/11のBlog
寒くなりました。電気ストーブを出しました。冬支度です。
ただ、四国は暖地ですので、自室にこのストーブがあれば一冬過ごせます。暖房費があまりかからないのは(そういえば、我が家の周りは田んぼばかりなので、夏の涼しさもよろしいから、冷房費もあまりかからんのですが)、有り難いことやと思います。

さて、今日も古いレコードを取り出してます。

ブラームスの交響曲第1番 ハ短調 作品68。
カール・ベーム指揮ベルリン・フィルの演奏。
1959年10月、西ベルリンのイエス・キリスト教会での録音。DG原盤で、国内ポリドール発売の懐かしい2LPシリーズ3,000円の廉価盤。

これぞ骨太のドイツの音。ゲルマン魂炸裂の名演奏。
背筋がピンと伸びて、表情は無愛想、態度も無骨なのだが、演奏を聴き終わったときには熱い感動がこみ上げている演奏。細部にこだわるより、全体の構成で勝負している演奏。ベームに「細かいところをあげつらわんと、最後までシャンと聴かんかいっ!」と怒られそうな感じ。

アナログLPの良さか、音がゴリゴリと前に出てくる。ヒスノイズも多く、古い盤ゆえパチパチ・ノイズも盛大。しかし、音の一つひとつに芯があって、魂がこもっている。全く音が強い。強靱で逞しい。
しかもこの交響曲はブラームスが20年もかけた、入魂の作品。ベートーヴェンの第十交響曲とさえ云われるくらいのもの。まさに乾坤一擲、ベームのように、音が強く、逞しく、迫力がある方がイイ。

それにしても50年前のベルリン・フィルの威力は凄まじい。強烈な音が塊のようになって押し出してくる感じ。現在のような洗練・軽快さではなく、もっと職人的な感じ、手彫りの暖かさ、ガッシリとした手応えを感じさせる音と思う。
弦楽器全体が力強いし、木管の芯の通った、張りのある音も素晴らしい。金管の咆吼は迫力満点だ。信念すら感じさせる名演奏。

第1楽章から、ベームはインテンポでひたすら結末を目指す。
ガッチリした逞しい音楽づくりで、まこと、男らしいブラームスになった。
第2楽章のヴァイオリン・ソロはミシェル・シュヴァルベ。絶品の美しさ。匂うような美を誇る。
第4楽章のホルンも素晴らしい。
フィナーレはベームの独壇場。コーダなど圧倒的な盛り上がり。感動的。

録音はさすがに古びてきました。
ただ、このレコード、当時としては優秀録音だったと思います。
教会での音響の素晴らしさは、さすがであります。


さて、週末まで出張です。更新を休みます。寒くなりましたので、皆様、風邪など召しませんよう。