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Sylvie's Daily Life
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2006/03/13のBlog
おとといの土曜日は『三月大歌舞伎』(歌舞伎座)を見てきた。

《昼の部》
吉例寿曽我
義経千本桜~吉野山
菅原伝授手習鑑~道明寺

《夜の部》
お俊伝兵衛 近頃河原の達引
二人椀久
水天宮利生深川

『吉例寿曽我』。
短くて舞踊劇のような感じだったが、ずいぶんたくさんの割と豪華なキャストが出ていた。
途中の進之介さんと愛之助さんが踊りのような立ち回りをしていたところ、なんだか楽しそうだった(笑)この2人はがんどう返しで後ろへ消えていったのがおもしろかった。

『義経千本桜』「吉野山」。
福助さんの静御前、幸四郎さんの狐忠信、東蔵さんの逸見藤太。後見に錦弥さん、東志也さん、芝喜松さん。とこちらもなかなか豪華。
特に東蔵さんの逸見藤太がハマってて、ラストで狐忠信が投げた笠をナイスキャッチしたら、「加賀屋っ!」と大向うがたくさんかかって幕(笑)
そうそう、花道から舞台へ進んで最初の方で「荒川静香はイナバウア」とも言ってた(笑)
ところで、静御前の笠が緑色なんだけど透ける素材みたいで、金色の枠とあいまってとてもきれいだった。

『菅原伝授手習鑑』「道明寺」。
13代目片岡仁左衛門さんの十三回忌追善狂言。
仁左衛門さん、木像の菅丞相のときはなんとなく首が動かない感じで、人形ぽいというかロボットぽいというか(笑)演じ分けてるんだね。
この13代目の当たり役を当代が演じているほか、秀太郎さんも途中で死んでしまう立田の前という役で出演。

お俊伝兵衛『近頃河原の達引』。
こちらも追善狂言。
今度は我當さんが13代目の当たり役与次郎を、その妹お俊を秀太郎さん、伝兵衛を坂田藤十郎さんが演じていた。
与次郎は猿曳きなので猿が出てくるんだけども、本物じゃなくて操り人形の。巧みなうえによく動くのですごくおもしろい。特にお菓子みたいなのをもらうあたりの2匹の雌雄の猿と与次郎のやり取り最高(爆)

『二人椀久』。
傾城松山に入れあげて身を持ち崩した椀屋久兵衛が、その松山と偶然出会って2人楽しく踊るが、それは幻だった、という舞踊。
いつもならパスだけど、坂田藤十郎さんの襲名のときに見たので似たようなのがあってなかなか良かったので、これは見た。
椀久の富十郎さんが優しげな青年のようで、松山の菊之助さんが先月と違って少しアダなお姐さんに見えたのがおもしろかった。

『水天宮利生深川』。
最初はなんだか大可哀想大会みたいで暗いなと思いながら見てたけど、1回めの心中をしそこなってからはドタバタ喜劇みたいで(笑)幸兵衛役を演じた幸四郎さんて、あんなにおもしろかったんだね(爆)
幸兵衛の上の娘お雪役の壱太郎さんはすごくうまいね、遠くからでも目の不自由な様子が見てとれた。おまけに最後泣かせてくれて。雰囲気が『文七元結』の宗之助さんのお久に似てる気がした。

というわけで、たっぷり幽体離脱しても(自嘲)おもしろかった。
ちなみに終了時間は昼の部3:13、夜の部8:40。合間の時間に近くでゆっくり買い物ができたし、帰りも早かったし、これくらいでいいんじゃないかね。
休憩もたっぷりあったので、食事も買い物もトイレも充分だった。
あと、最近思いついたことなんだけど、携帯タイムテーブルがあったらいいなと。通路に貼ってある表を小さくしたものを、チラシの横などに置いて自由に取れるようにしたらどうかね。食事の取れる休憩時間とか、休憩時間の終わりとか、いちど見てもつい忘れちゃうんで。

売店情報。
西側売店で、道明寺と花びら餅とかいう2種類の桜餅を売ってる。道明寺は4個入1箱で600円、バラ売りなし。花びら餅は1個200円。いずれもこしあん。桜餅ってそうだっけ?
余談だが、はたちぐらいの頃は顔も違うほどやせてたのに(自爆)ある日桜餅をいちどに8個食べたら信じられないくらいむくんで、以来やせなくなった(自嘲)
東側売店では抹茶シャーベットが定着した模様。うれしいね(笑)
2006/03/12のBlog
昼頃着いたとき、喜之助さんとすれ違った(汗)
でも挨拶もできなかった。あれだけいろいろ勝手なこと書いていながら、失礼なワタシ(大汗)

さて第1部は初日よりおもしろかった気がする。やっぱり思い入れが違うのかな。
そろそろ第2部の開場。こちらはどうかな?
[ 09:36 ] [ Diary ]
昨日の土曜日は三月大歌舞伎(歌舞伎座)を見に行ってたんだけど、今月は13世片岡仁左衛門さんの十三回忌の追善なんだね。
おかげで始まった途端に意識が飛んだ演目が2つあって(自嘲)昼の部最後と夜の部最初の。さほど疲れてもいなかったのにおかしいなと思って気がつくと、13代目が3階席にいた私の目の前の中空に座った形でいて、毎日通ってるんだ、自分のだから、て舞台をくいいるように見てたり。次に気がついたときはいないかったので夢だったかなと思ってると、舞台で当代の仁左衛門さんや我當さんの右肩の後ろぐらいにいてセリフしゃべったり、ちゃんと演技してるのよ、13代目が(謎)
あとで確認したらその2つが追善狂言だった。
不思議な白昼夢だった(自爆)

昨日のレポは帰宅後ちょっと書いてたらいつのまにか寝ちゃって気づいたら夜中の3時ぐらいになってたので(汗)まだ終わってない。
でも今日はこれから国立劇場だ(笑)
おとといぐらいになんだか気になって、ここでもう1度見とこうと思ってチケット追加した。
というわけで、今日もレポがアップできるかどうか自信ない(汗)
2006/03/11のBlog
[ 02:38 ] [ Diary ]
また『當世流小栗判官』関連だけど(自嘲)
序幕にちょっとだけ出てくる稲村平太の件で、不思議なことに気づいてしまった。
たぶん別に重要な謎じゃないので、またたわごと程度と読み流していただければ(自嘲)

序幕で確かに横山三郎に盗んだ勝鬨の轡と譲状を渡してるようなのに、三幕目ではその轡を持って逃げたということになってて、実際平太の出身地美濃国で質流れ品として出てくる。
最初に渡したのはニセだったのか、あるいは目録だけとか(笑)

この稲村平太って『桜姫東文章』の信夫の惣太に設定が似てるね。名前も。「太」がつくのは武士だから。俵(田原)藤太(藤原秀郷)とかね。
大膳の家来というから一応武士だけど、褒美の金でもめて盗んだ宝を持って逐電したという。元武士で盗人の信夫の惣太=釣鐘権助は、褒美の金をごまかそうとする依頼人の入間悪五郎に盗んだ都鳥の一巻を渡さず、もみあって殺してしまうけど。
また、宝が質流れ品として表に出てくるところは『曽我梅菊念力弦』と一緒だね。
ちなみに『桜姫~』『曽我~』の作者は4世鶴屋南北。
2006/03/10のBlog
[ 23:57 ] [ Diary ]
まだ『當世流小栗判官』ひきずるけど(笑)
上演台本を読んだ限りでの勝手な解釈を少し。ま、たわごと程度(自嘲)

第2部のお槙とお駒母娘、不思議な話だねえ。
小栗判官が来世で夫婦に、みたいなことを言うけど、お槙はそれを願って自ら手を下したんだろうか。

お槙が語ったとおり、乳児のときお駒は実の母親に育てられていないわけで、逆にお槙は照手姫を育てているから再会を娘そっちのけで喜んだりしている。お駒は嫉妬したんじゃないかな?
結婚か死か、を母親に選ばせようとするのは、自分を生んだのも母親なら、結婚をまとめたのも母親だからなのかね。そうして母親の愛情を試そうとしているのかもしれない。
でも母親にしてみれば、母1人子1人、お互いかけがえのない関係だと思っている。

非業の死を遂げたお駒の怒りの矛先は、1.照手姫、2.小栗判官、3.お槙、の順ぐらいに向かってもいいんじゃないかと思ってるんだけど、実際にいちばんひどい目にあうのは小栗判官なんだよね。ま、照手姫はそんな男性の妻になるという苦労を背負うし、お槙は子殺しの罪にさいなまれることになる。3人ともただではすまないんだね。

実のところ、母親に殺される娘をうらやましく見ている自分がいて、少々戸惑った(自嘲)
うちの母親が亡くなったあと、祟ってもとりついてもいいからそばにいてほしいと願っていた。
そんなものだ。
2006/03/08のBlog
[ 23:58 ] [ Diary ]
感情移入の話の続きだけど。に書いたのがなんだか抽象的すぎるようなので。

『ライオンと魔女』でいえば、自分でもなんで泣くほど感動したのか不思議だったのが、中ほどの川の場面。ピーター、スーザン、ルーシーの3人が、ピーターの一瞬の判断に賭けて、水に飛び込んで沈んだのちずぶ濡れになって再び姿を現す。この後のピーターとスーザンの変化と、小さいルーシーの成長ぶりを示す最初のシーンなのである。
なぜ感動したかと考えてみると、1度最後まで見たせいで3人に思い入れがわいたんじゃないかと思う。特にピーターとスーザンは口ばかりで事なかれ主義だったというそれまでのキャラとこのシーンのがんばりとのギャップ、そしてその後のさらなる変化が、かけがえのない存在として映った。

しかし、2回見ないと思い入れがわかないというのは、やはり描きたりていないのかもしれない。つまり1回で感動させるには、それまでにそのキャラをたっぷり描いておけばいいということになるんじゃないかな?
例えば死んでしまう役なら、死んでほしくないと思わせるように。
人殺しの役なら、相手との親密あるいは重要な関係を見せつけておくとか。
つらい目にあう役なら、ざまあみろとか当然の報いだなどと思わせないように(苦笑)
などと簡単に書いてるけどね(自嘲)

でも、悲劇にあったその場面だけで悲しく見せようというのは無理があるんじゃないかと思う。見る側は登場人物への思い入れで、そんな目にあってほしくないという気持ちがわいて共感するんじゃないのかな。
2006/03/07のBlog
[ 18:59 ] [ Diary ]
當世流小栗判官』のレポ、立役さんばかりに偏ってて女方さんのことが少ないって?
そうだねえ、発端で女方の皆さんが花道に並んで順繰りにセリフを言うところなど、華やかでよかったね。
でもあとは悲劇のところが多くてね。俳優さんが泣く演技をしたり、つらそうな演技をしたりしてても、どうも泣けないんだよね。ああ大変だなあ、て思うだけで。感情移入しないっていうか。

『ライオンと魔女』で、見るのが2度めだから泣けた場面があるとに書いたけど、考えて見たらどれもセリフのない部分。最後のを除けば、登場人物たちは片方では笑顔だし、もう一方ではただ必死なんだよね。どちらも本当はつらくて泣きたいにきまってる。その気持ちを一所懸命抑えてるのを見てると、泣けてくるんだね。

話は変わるけど、鬼、紅葉、嫉妬といったら戸隠の、紅葉狩かな。
それを照手姫が。不思議な比喩だね。
2006/03/05のBlog
国立劇場三月若手花形歌舞伎『當世流小栗判官』初日、しっかり見てきた。
やっぱりおもしろいねえ。これうまくいくと思ってたからさほど心配してなかったんだ(自爆)

口上。
第1部、中央に右近さん、上手側に笑三郎さん、下手側に春猿さん。
内容は、写真を用いた人間関係の解説。
第2部、まず段治郎さん。
内容は第1部のあらすじだけど、寿猿さん、延夫さん、喜猿さん、猿弥さん、門之助さん、弘太郎さん、笑也さん、猿四郎さんが次々出てきていくつかの場面を再現。

最初に口上を述べたときの右近さんが本当にうれしそうでねえ(笑)自然に口元がほころんでる感じだった。

第1部は、発端、序幕、二幕目。
第2部は、三幕目、大詰。

休憩はそれぞれ2回で、まず10分、次が30分だった。ちょうどよかった。
ただ、第2部は三幕目の途中で休憩があった筈だけど、どこだったかもう忘れた(汗)

発端。
小栗判官(右近さん)と照手姫(笑也さん)の婚姻を邪魔するために、いろいろな犯罪が起きる。
常陸国主横山郡司(寿猿さん)の殺害、彼から小栗判官に渡す筈だった常陸国の譲状と将軍から預かっていた重宝の盗難、照手姫の誘拐。

横山家の悪役兄弟次郎と三郎といえば延夫さんと猿四郎さんかと思ってたら、延夫さんと喜猿さんだった。延夫さんの悪役が憎々しげで(笑)2人とも良かったね。
2人に殺される寿猿さんが痛々しくて。ずっと突っ伏してなければならないのも大変そうだった。
譲状と重宝を盗み出す盗賊は喜之助さん。やっぱりカッコいいね。露出が多くてちょっとどっきどき(自爆)

序幕。
横山大膳(猿弥さん)の館に監禁されていた照手姫は奴三千助(猿四郎さん)に助け出され、逃亡。
そこへ将軍の使者として小栗判官が訪問。判官は馬術を見せることになり、そこで飼っている荒馬を乗りこなし、見事に曲馬を披露。

かなり早い段階で右近さんが珍しくセリフをかんでしまって、そのあとすごく悲しそうに見えた。ひょっとしたら馬の曲乗りのことが気になってたんじゃないかな?でも第2部の口上で門之助さんがハデにかんでて会場のなごやかな笑いを誘っていた(爆)
その馬の曲乗り、前半の暴れ馬と後半の乗馬の馬とで違ったみたい。誰がやってたんだろ?プログラムには載ってなかったので残念だけど不明。でもどちらもよくがんばってたね(拍手)

二幕目。
逃亡中の照手姫をめぐり、元小栗家家臣で今は漁師の浪七(段治郎さん)と、その義兄で悪者の鬼瓦の胴八(猿弥さん)の間で、死闘が繰り広げられる。

矢橋の橋蔵(右近さん)が引っ掻き回すところや、浪七が船を招び戻すため願かけて詰め腹を切るところが、特に見もの。
『雙生隅田川』の人買いの七郎みたいな雰囲気で、共通点も、家族に悪者のいる家、元武士で帰参を願っている、小判、名前に「七」がつく、といったものがあり、構造主義的にいうと対をなしていると思う。

橋蔵が胴八の言うことを書き写しているとき、浪七の本名のあたりで力を入れてぐちゃぐちゃに書きなぐったら、四郎蔵が「おまえ大丈夫か」ってツッコんだのがもうツボで(爆)
段治郎さんの浪七が冷淡でここぞというところは決めるといった、いかにも女性をひきつけそうな役どころで(笑)顔をヘンに塗りたくった橋蔵役の右近さんがうらやましげに見てるなあと思ったら、花道の引っ込みの前に「役が悪い」と散々グチってた(苦笑)
でもイナバウアーやらウコバウアーやらあれこれやって、杖を馬代わりに花道を引っ込んでった。
あとに残された四郎蔵役の延夫さんが「やりたい放題やってった」みたいなことを言ってて(笑)すっかり疲れて呆れ顔の胴八役の猿弥さん、何度も見事なセリフと見得のリピートおつかれさまでした(笑)この2人なんか悪役だけだもんね。でも2人とも楽しんでやってたみたいだなあ。とてもよかったよ。
あと門之助さん、最初に出てきたとき『雙生隅田川』で七郎の女房役を演じてたお父さんである先代にそっくりだと思った。TVでしか見てないんだけどね。

大立ち回りもよかったね。最初に船の形を作ったりしてなかなかおもしろかった。
喜之助さんや猿琉さん(だと思う)などが活躍してた模様。あとちょっと見分けつかなくてごめんなさい(汗)

三幕目。
盗まれた重宝目当てに現在の所有者である万屋(よろずや)と婚儀を結ぶことになった小栗判官、偶然その家で人買いに売られてこき使われていた照手姫と再会。万屋の娘お駒(春猿さん)の恨みを買い、突然判官の顔にはアザができ足腰が立たなくなる。

お駒が嫉妬に狂い、その母お槙(笑三郎さん)に殺される場面がすごい。どちらが狂っているのか。不思議なシーンである。
ここは『金幣猿島郡』で源頼光と七綾姫に嫉妬する目の不自由な娘清姫とその母如月尼のくだりによく似ている。これも構造主義的にいうと対だと思う。

大詰。
熊野の霊湯で小栗判官の病が治る。そこに描かれた絵から抜け出した神馬に乗った判官と照手姫、常陸国にいる横山大膳を討伐に。

待ちに待った宙乗り(笑)文楽座の演奏に乗せて。すばらしかった。
『雙生隅田川』の宙乗りもBGMが文楽座だったので、この演奏を聴きながら宙乗りを見るの、あこがれてたんだ(笑)

さてひととおりざっと駆け足で紹介した。
チラシには演出は石川耕士さんと右近さんと書かれてたと思ったけど、アナウンスでは猿之助さんの演出ということだった。実際、舞台稽古でいろいろアドバイスなどしたのが新聞に載ってた。
第1部ラストの、浪七が腹を切ったその血が岩場をドクドクと流れていくシーン、おどろおどろしくて猿之助さんぽいなあと感じた。江戸時代の猥雑さの表現というか。
そうか猿之助さんの演出か。だから心配せずにすんだのかな(笑)

初日のせいか、やっぱりいろいろな方を見かけた。奈河彰輔さん、藤間紫さん、あとよく見かける業界の方。
あと第2部の2回めの休憩のとき、1階ロビーで寿猿さんを2回見た(爆)

ほんと、おもしろかったし、スッキリして帰って来られた。やっぱり猿之助さんワールドだね。
第1幕だけでもあれなら満足して帰れるね。いちおう通しでしか見ないけど。あと2回見る予定(自爆)
ただ、喜之助さんが第2部でキャスティングされてないらしいのが残念。馬やってるんじゃないかとひそかに思ってるんだけど、自信ない(自嘲)
2006/03/04のBlog
今日は『ライオンと魔女』(日本語吹替版)を見てきた。
やーおもしろいじゃない(自爆)
訳の違いかなと思ったけどそうじゃなくて、わかってて見るとつまらなくなってしまうところと、わかってるからこそ感情移入できるところの、両方があるんだね。
前者の方はさすがに書けないけど、後者の方はちょっと書いとこう。

最初の方の、ペベンシー兄弟姉妹が疎開するため駅での母親との別れ。列車の中からスーザンたちが窓から顔を出し、雑踏の中から母親がやっと彼らを見つけてホッとしたように、また安心させるように笑顔で送り出すところ。泣けるねえ(号泣)
中盤あたりの滝の下の川で彼らが見えなくなってから少し間があって、ピーターの剣と共に兄弟たちが再び姿を現すところ。先週見てわかってるんだけど、むしろ最後までいったん見てからこのくだりを見てるせいでもう泣けて泣けて。
最後に、ピーターとエドマンドが和解するところ。ここもお決まりなんだけど泣けるんだなぁ。

ただやっぱり、石舞台から平原での開戦までがなんだかもたつくみたい。
石舞台が冗長なほどディテールにこだわりすぎてて。まシリーズのほかの物語に関係している部分もあるからしょうがないのかもしれないけど。
それから、陣をしくところはLotR『王の帰還』のペレンノール野の戦いみたいだし、 "For Narnia!" とピーターが叫んで口火を切って突撃していくところは同じく黒門前の戦いみたいで、そのあたりがどうも好かない。

帰りがけに本屋さんに寄って、ナルニアの本のコーナーを眺めてて思ったんだけど、今回監督や編集者は、謙虚に地味に作ったんじゃないか、と。
LotRが原作の重みに負けずにドラマティックに作り、それが成功した仕上がりだったわけだけど、ナルニアはあくまでも原作に忠実にという姿勢を貫いたのかもしれない。
でもさすがディズニー、TVCMではドラマティックに作られてるね(笑)
[ 01:06 ] [ Diary ]
明日から国立劇場3月歌舞伎『當世流小栗判官』が始まるので、小栗判官についてちょっと書いてみよう。

南北朝時代の第4代鎌倉公方足利持氏が関東諸将の誅伐を積極的にやりすぎたため、のちに将軍家と対立し追討されたが、彼に討伐されたとされる諸将の1人、常陸国小栗満重の反乱とその子助重の亡命の話が元とされているらしい。記録としては助重のその後は不明となっているが、共に落ちていった名だたる武将たちが鎌倉公方の手の者に討ち取られたことははっきりしているようである。伝承で小栗判官とされているのは助重のことらしい。

平凡社の東洋文庫『説教節』を読んでおきたいと思ったんだけど近所には売ってなかったので、そこで売ってたちくま文庫の『説教 小栗判官』というコミック版をとりあえっず読んでみた。
仏教説話のために因果応報の体裁を採っているが、どこかで聞いたようなという感じのほとんどしない、オリジナルな日本固有の話に思えた。
強いて挙げれば、『さまよえるオランダ人』、あるいはエロスとプシュケー型といえるかもしれない。スーパー喜劇版『狸御殿』もそうかな(笑)いずれにしても女性が男性を追いかけるタイプの自己犠牲的なテーマが、かろうじてあてはまるのかなといったところである。
でもこの伝承では、小栗判官と照手姫の両者がそれぞれに、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある的な、より複雑な構成になっていると思う。

余談だけど、『さまよえるオランダ人』は高校生のときに新書館版の訳本を読んで以来好きなので、つい例えたくなってしまう(自爆)
ディズニーランドのアトラクションを映画化した『パイレーツ・オブ・カリビアン』なんか、まるっきりそうだもんねえ。ジョニー・デップさんの海賊はグレアムさんの『イエロー・ベアード』だけどね(苦笑)
欧米では、ほかにもLKが『ハムレット』とか、古典的名作をオマージュした作品の方が評価されるようだね。不思議だ。わかりやすいからなのかな。
2006/03/03のBlog
3/3(金) AM8:00-10:00 NHK-hi
 ハイビジョンステージ 『歌舞伎鑑賞教室』(国立劇場)
 ▽歌舞伎鑑賞教室“歌舞伎のみかた”
 ▽歌舞伎「義経千本桜~河連法眼館の場」

今頃気づいちゃった。何気にNHKの番組表見たらビックリ(自爆)
今からタイマー録画の準備しよっと。
2006/03/02のBlog
最近おもしろい話を聞いた。
うちの市内にダイエーとイトーヨーカドーが向かい合って建ってるところがあるんだけど、ダイエーがホークスを手放した頃にダメ押しみたいな感じでイトーヨーカドーが進出してきたので大丈夫かなと思ってたら、ダイエーの方は特に売り上げが落ちたりはしなかったんだとか。
イトーヨーカドーのおかげか、隣に大型マンション街みたいなのができたし、よそから人が買い物に来るようになったし、という新しい変化があったためらしい。アイワールドが市内から撤退したせいもあったかもしれないけどね。
お客さんたちは両方を行ったり来たりして、より安いもの、よりほしいものを買ってるんじゃないかと思う。実際、私もそうだから(笑)
というわけでダイエーは、イトーヨーカドーに対抗するためか当時の会社の方針か何かで始めた食料品部門の24時間を、打ち切ることにしたんだそうな。売れ残りのリスクや何かが大きいのが原因らしい。
そして、ユニクロと赤ちゃん本舗の2店が新しく入るという、主婦の皆さんが喜びそうなニュースが。ユニクロは私もうれしいけど(笑)しかもユニクロは、市内に既にある店舗を閉めて出店するそうな。
今度はイトーヨーカドーの心配をしなくちゃいけないかしらん(自爆)
2006/03/01のBlog
[ 23:34 ] [ Diary ]
毎日書いて載せるってやっぱり大変だねえ。昨日2つほど書いてみたけど、つまらないので下書きに入れた(苦笑)

ほんとだったら昨日から、今週末公開の『ライオンと魔女』の初日から1週間分の予約がシネマシティでできたのに、うっかりしてしまった。ストラップつき上映館限定特別鑑賞券を買っちゃってあるけど、そうするとPCやケータイから予約ができず、チケットボックスでしか予約できない。ということで、今日雨のなか予約のためだけに足を運ぶハメに(泣)
と思ったら、今日は水曜日でしかも毎月1日は映画の日になってて、とにかく料金が千円(驚)でもまたしても到着が遅くて、上映開始時間のちょうどいいのがなくて断念(号泣)
2006/02/27のBlog
[ 21:11 ] [ Diary ]
しばらく劇団四季のお芝居を見に行ってないことにふと気づいた。今日会報が来たけど、今上演中のはほとんど1回は見ちゃってるし。『鹿鳴館』はまだだけどね(苦笑)
柳瀬さんが出てないから見に行かないんじゃないかって?いえ、それなら去年9月の博多座遠征のときに福岡シティ劇場も行ってるって(自爆)
やっぱり電通四季劇場(夏)のチケットが思うように取れなくなってから、行こうという気力が失せたかな。だって即日どころかほぼ瞬殺なんだもの。四季が初日から売る割当分が極端に少ないんじゃないかな。
その代わり自由劇場は取りやすいので(苦笑)あそこでミュージカルがかからない限り(汗)とりあえず行っとこうかなと思ったりする。そう、『コーラスライン』をあそこで上演したのが気に入らなくて、おかげで『コーラスライン』はまだ見たことないんだ(自爆)こだわりだね。ちなみに隣の四季劇場秋でやってたら間違いなく見に行ってたな。
その四季劇場秋ではこのところ同じようなのの再演ばかりだからねえ。
ま何かまた見たいものがかかったら再演でも見に行くとは思うけどね。

こないだ『マクベス』の解釈の記事「」「嘘 その2」を書いたけど、別に能楽堂の『マクベス』の演出や俳優さんの演技を否定してるわけじゃないんで。解釈にはいろいろあるからね。
例えばマルカムとマクダフの関係って、『指輪物語』のフロドとサム、『クラバート』のクラバートとユーローみたいなのかなと思ってた。1つの大きな使命を果たさなければならない者と、彼を支えていく限りなく友だちに近い存在。
でもたぶん前回上演の際の演出だって今回と同様だっただろうと想像するので。
まいろいろな解釈があるということで。だからおもしろいんだし(笑)

でもね、なんのかんの言っても今いちばん見たいのは、猿之助さんのお芝居なんだ。せめて演出だけでも。あの人こそ不世出の演出家だと思ってるので。
2006/02/26のBlog
[ 20:18 ] [ Diary ]
今日はよく一緒にお出かけする前の職場の人から昼ご飯のお誘いがかかった。さすが主婦、セブンイレブンのポイントを貯めてスヌーピーグッズをもらうために、スヌーピーグッズは特にほしくない私からポイントをゲットしようというのだ(笑)
雨がひどかったしハッピーセットがほしかったので(自爆)うちの近くのマクドナルドで落ち会うことに。
ハッピーセットのおまけは全部で8種類あるそうで、おとといの金曜日から今度の木曜日までと、その翌日の金曜日から次の木曜日までの2週に分けて4種類ずつ配るらしい。今週は、ルーシー、エドマンド、フォーンのタムナスさん、ビーバーの旦那さん、来週は、ピーター、スーザン、白い魔女、アスランのようだ。紙製の背景にフィギュアのようなおもちゃがついている。多少動かせる部分がある(笑)笛を吹いてるタムナスさん自体が笛になってる(爆)

昨日見た『ライオンと魔女』補足。どうもいつも言葉足らずだね。
アスランはイエスさんて書いたけど、別に変身してるとかそういう意味じゃないから(笑)
イエスさんの象徴、っていうかね。
あんまり詳しく書くとストーリーのネタバレになってしまうけど、うちはキリスト教じゃないので子どもの頃読んでても気づかなくて、大学生のときたまたま『朝びらき丸 東の海へ』を読んでてラストでやっと気がついた。それから全部読み直して、またハマったわけだけど(自爆)

やっぱり西洋のものは、西洋美術の記号論が根底にあるようなので、ある程度キーワードの知識を備えて見るのが理解の助けになると思うよ。あちこちクリックするのがおもしろいように、いろいろなところに散りばめられたキーワードを見つけるだけでもおもしろいし、お互いの関連がわかっていけば構造主義的解釈ができてまた新たな発見がある。
違和感のあるところにひっかけがあるんだよ。トーンが違ってたり、なんでこんな展開になるんだろう、って思うようなところ。
モンティ・パイソンのスケッチ訳をサイトに載せてたときに気づいたんだけどね(笑)
メンバーの誰が書くんだか訳しづらいのが時々あって、たいていそこにネタの肝心な部分があるんだね。でもなんでおもしろいんだかわからない。で、あれこれ調べて見ると、実は日本では一般的でない西洋の古典ネタだったりしてね。そういう「謎解き」をしていくのはおもしろい作業だった。

ところで、ちょうど1週間後から国立劇場『當世流小栗判官』が始まるね。楽しみだなぁ(笑)
『マクベス』組の皆さんは大変だよね、シェイクスピア劇からすぐに古典歌舞伎で。でもがんばってほしいものだね。
2006/02/25のBlog
[ 23:30 ] [ Performance ]
最初に誤っときます。
すみません。デマ流しちゃいました。シネマシティ、今日『ライオンと魔女』字幕版の先行上映もありました(汗)
でその字幕版、能の帰りに見てきちゃいました(笑)
『紅天女』が思ったより早く終わったので、もしそのまままっすぐ立川へ行ってればちゃんと吹替版だって間に合ったのに、能楽堂の近くのルピシア(旧・レピシエ)に寄って午後のお茶をゆっくりして買い物までしてて。ナルニアグッズ売ってるかなと思ってシネマシティに寄ったら、吹替版の上映開始の少し後に着いちゃった(汗)ケータイも家に忘れてたから全然チェックできなかった。
グッズとパンフレットだけ買って帰ろうかと思ったんだけど、出口まで行ってから迷った挙句、戻ってまだ上映のある字幕版を見ることに。いつもなら吹替版を先に見て中身がわかってから原語(字幕版)を聴くという、リスニングを兼ねて見るところなんだけど。どうしても見たくなったのでしょうがないね。
結局かなり前の方の通路席しか取れなかったけど、シネマシティ2の座席指定はまずは1つ空けて取ってくれるので、そこそこすいたせいで隣も前の列も誰もいなくて、めちゃめちゃくつろいで見た(自爆)

感想。
うーん。なんか『ロード・オブ・ザ・リング』のダイジェスト版かTVドラマ版て感じだった。
懐かしさのあまり、ところどころ声を殺して大泣きしてたのも確かだけど(自嘲)
でもね、展開早過ぎなんだよね。始まって10分ぐらいでもうルーシーが衣装だんすの中に入っちゃうんだから(苦笑)ひょっとしたら、原作と時間配分を合わせてあるのかもしれないけど。原作を書いた順じゃなくて年代順に読んでみるとわかるんだけど、書かれた時期が早いものをあとから読むと、なんでこんなに大雑把なんだろうと思ったりする。原作者のCSルイス教授も書いてるうちに徐々にうまくなっていったんだろうね。
ところで、カーク教授という人物が登場するけど、作者自身の投影だと言われている。また、アスランはイエスさんなので。この点はわかってて見た方がいい。
あと、森の動物たち、サンタクロースといった、ディズニー映画特有のキーワードを元々持っているので、どうしてもディズニーが作りたかったんだろうね。
なんだかんだ言って、ハリウッド風ファンタジーって、その昔は『オズの魔法使』なんて純粋なファンタジーの名作もあったのにいつの頃からか、妙に突飛でSFじみてるか、お決まりのように地下組織の邪教集団が出てきたものだけど(苦笑)ハリポタ、LotRを経て、ようやくこういうまともなファンタジーが陽の目を見るようになったんだなーと感慨深いものがあった。
ま、あと1回は見るよ(笑)

さて当初の目的の『紅天女』だけど、最初に月影千草約で岩崎加根子さんが登場したら、もう泣けて泣けて。どうしたんだろうってくらい滂沱の涙。
本編も、ものすごく力入ってたね。すごい出来だった。すごすぎちゃって、シテの人とワキの人がそれぞれセリフを言い始めると途端に意識が飛んじゃう(苦笑)もうね、法事でお経を聴いてるみたいな状態。
でもラストで後シテの紅天女が金色のようにも見える「白地長尾鳥杜若梅菊模様舞衣」というのをつけて登場したら、なぜかまた泣けて。不思議なものだねえ。
とてもよかった。
なお、5月にル・テアトル銀座で再演するらしい。

帰り、なんだかドッと疲れてて、なんでかなーと思ったら、泣き疲れした模様(自嘲)
[ 02:34 ] [ Diary ]
今日土曜日は『紅天女』(国立能楽堂)を見に行くことになってる。今月は能楽堂づいてるね(笑)
『紅天女』は、マンガ『ガラスの仮面』の劇中劇として登場する舞踊劇、かな?それをイメージして創作されたものらしい。今回が実験的上演になるそうな。
『ガラスの仮面』はマンガやアニメがあるのは知ってたけど見てなくて、筒井康隆さんが出てたテレビ朝日のドラマ版にハマった。主役の安達祐実さん、ライバル訳の松本恵さん(現・松本莉緒さん)とそのお母さん訳のかとうかずこさんの3人が、絵に描いたような美女ぶりで、あれだけそろうと見てて気持ちがいいくらい(笑)あと、主人公があこがれる紫のバラの人の婚約者役が佐伯伽耶さんで、別の番組で歌ってるのを聴いたらめちゃめちゃうまいんだよね。なんでドラマなんか出てたんだろ、もったいない。
それはともかく明日は能を見に行くの。初めて(自爆)

でもそのおかげで『ライオンと魔女』の先行上映が見られない(号泣)シネマシティではせっかく日本語吹替版だけなのに。
ハリポタ3みたいに夜中にやってくれたら見られるんだけど。しょうがないので初日を狙うか、おとなしく平日の夜行くか、ってとこかな。でも遅い時間だとシネマシティは吹替版の上映がなかったりするので。3月は国立劇場で『當世流小栗判官』も歌舞伎座もあるので週末見に行くのはちょと大変かも。
とりあえずグッズがほしいので能の帰りに映画館めぐりでもしようかしらん。
そうそう、マクドナルドのハッピーセット買わないと。おじゃる丸のときはすっかり逃したけど(苦笑)

ところで、アクセス数が昨日8000を超えたようで。訪問してくださる皆さん、どうもありがとうございます。って急に真面目に(笑)
ミーハーだったりマニアックだったり、中には複数の人間が分担しているのではと思ってる方もいるかもしれませんが、いちおう1人で書いています(笑)
この頃になって、やっぱり毎日書いたほうがいいのかなとちょっと反省して、できるだけ書く頻度を高めつつあります。今後ともよろしくお願いします。
2006/02/24のBlog
[ 21:17 ] [ Diary ]
最初に、の記事の補足。
マクダフの子どもが言った、嘘つきが正直者を縛り首にできる、という言葉は、犯罪者・反逆者とされたマルカムたちが正直者面をしているマクベスを破ることができる、という意味でもある。その前の、嘘つきの方が数が多いんだから、というのを引金に、マルカムとマクダフが結束すれば孤立したマクベスを倒せる、と。
これを受けて、マルカムは自ら嘘つきの仮面をかぶって逆転をしかける。
といってももちろんマクダフの子どもの言葉が聞こえようもない。観客へのヒント出しである。

さて本題。
そのマルカムの嘘の内容を見てみよう。
 1.性欲
 2.物欲
具体的なものとしては、この2つである。こうした刹那的欲望にとらわれていると言うのである。
舞台の背景にある思想的なものを考えてみるに、特に中世の西欧ではキリスト教の影響か、物質世界と精神世界の対立を重要視しているようだが、マルカムが挙げた2つの欲望とは、まさに物質世界を象徴するものである。
彼の嘘は、実はマクダフとの問答になっている、と思う。
自らを物質世界に身を置く者と言いながら、あなたはどうなのか、とマクダフに問うている。それに対してマクダフは、マルカムの父は聖者で母は常に祈りを捧げた人だったと相手の両親にかこつけて、自分自身もそういう精神世界に心を寄せる者、と訴えている。
それこそまさにマルカムが望んだ答えだったに違いない。

マルカムとマクダフが組んで決起したことは歴史的事実だが、マルカムがマクダフに嘘をついたというのはシェイクスピアの創作だろう。
劇作家というのはこうして素材に肉づけをしていき、演出家や演技者はさらにそれを興味深く見せるため味つけをしてふくらませていく。
あらためて演劇のなりたちを考える、いい機会になった。
[ 01:05 ] [ Diary ]
りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズの『マクベス』、私には演出の奇抜さに目がくらみ、得意の構造主義的解釈がなかなかできないまま終わってしまった。
ただ、マルカムが長々と嘘をつく不可解な場面、あそこに謎を解くカギがあるような気がする。
さらにそこへつながるキーワードは、直前に展開されるマクダフ夫人とその子ども(原作では息子)の、嘘つきと正直者についてのやり取りにあるのではないかと思っている。

この戯曲の中での国外亡命者は、ダンカン王の息子たちのマルカムとドナルベイン、バンクォーの息子フリーアンス、マクダフである。
マルカムとドナルベインは父ダンカンの暗殺首謀者、フリーアンスも父バンクォーの殺害者という嫌疑をかけられ、マクダフは謀反人との汚名をきせられて妻子を殺される。
彼らの共通点は、何も悪いことをしていない筈なのに黙っているために疑われ、最も大切な身内の犠牲と、自らの逃亡が伴っていることである。
嘘つきは逃げずにのうのうとしているが、正直者が犠牲を払って逃げなければならない。
マクダフの子どもが言う、嘘つきが正直な人を縛り首にできる、というのは、マクベスがマルカムを始めとする無口な亡命者たちを陥れた事実を指しているわけである。
マルカムの嘘は、それを逆手に取るための、呪術的な行為だったのではないかと思う。正直者が嘘をついておいて、それが実効しないうちに嘘であったことを明かし、再び正直者に戻る。こうして、マクベスの嘘によって歪んだ状態を白紙に戻したのではないか、と考えるのである。
マクベス夫人の急死は、正直者が嘘つきを縛り首にするような正当な秩序が戻ったことの表れとして、マクベスに伴う、最も大切な身内の犠牲となったのではないだろうか。そしてマクベスは敗れていく。

嘘や正直といった倫理的なものがシェイクスピアの主張だったなどと言うつもりは特にないが、ただ、この話の根底に流れている、と思う。
2006/02/23のBlog
マクベスの敗北を示すキーワードは、「バーナムの森が動くとき」「女から生まれたのでない者」である。

『指輪物語』第2部で活躍するエント族という森の守護者、その実体は森の木々そのものなのだが、しゃべったり歩き回ったりする。彼らは、サウロンに魂を売った白の魔法使いの本拠地に向かって総攻撃をかけ、壊滅的状態に追い込む。
エントの森は、まさに本当に動くバーナムの森である。

その第3部に出てくるアングマールの魔王というサウロン配下の幽鬼の首領は、「魔王は人間の男には殺されることはないだろう」という予言を受け、圧倒的な強さを誇っていたが、人間の女性であるローハン国王女エオウィンとホビットの男性メリーによって倒される。
りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズで右近さんが演じたマクベスは、2幕めの冒頭(第4幕1場)の第2の予言で出てくる兜をラストでつけて立ち回りとなるが、この面頬つきの黒い兜をかぶった右近さんが、どうしてもアングマールの魔王に見えてしかたがなかった。

今回の『マクベス』を見て『指輪物語』との類似性に気づき、JRRトールキンさんが『マクベス』の設定やエピソードを意識して取り入れていたのではないかということを認識するに至ったのである。