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木蓮のつぶやき
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2008/07/22のBlog
ボクは 約一時間後 元のボクちゃんに戻った

階段を恐る恐る上ってきて 上まで上がらず 途中でお腹を出して寝ている

「落ちるよボク」

あれが「ごめんなさい」の仕草なのか・・

徐々に徐々に私に近づいてきた 私達の部屋に入って またお腹を出してゴロゴロして
その後私の身体に自分の身体をすりつけてきた

「良く帰ってきたね よく頑張ったね お母さん心配だったよ」

「猫に人間のように話さないでくれ」と夫・・・

ボクは夫のそばにはあまり行かない猫だったが 夫の足下に行き 鼻をこすりつけた

わたしがベッドに寝ると 慌てて胸の上に乗った

器量は余りよいとは言えないが 真っ白な毛並みの良い猫だったのに
すすけて顔も真っ黒だ
ピンクだった肉球も 真っ黒・・・

でも今夜は拭いたりするのは嫌がるだろうからやめよう・・

眉間に 傷が二つあった

黒ベエにやられた傷だ

深いらしく 1週間経った今でも治らなく 禿げている

「男の勲章だ 旗本退屈男になって帰ってきたな」と夫が言った

そして しばらくの間だ猫嫌いの猫になった

トットが心配だったというようにそばに行くと逃げた
いつも頭を叩いて虐めていたオタマ婆さんにも関わりたくない様子だった

表は見たくもない様子だった

ビックリしたのは夫に対する行動だ

お腹の上に寝たり 寄り添ったり・・・いかに外の生活が過酷だったかを想像させる

餌もいっぱい食べた・・・

少し欝気味になっていたが 1週間経った今 前より人間に従順なところだけ残して
元のボクに戻りつつある

家族は ボクが外に出ないようにすごく気を使い 私はボクが見えないと必死に捜す

もう 懲りただろう・・とは思えないので 警戒している

ただ 無事でいるなら猫はお腹が空くと帰ってくるのだけは分かった

分かったがもうあんな気持ちは懲り懲りだ

家族ももうあんな私には懲り懲りだろう・・・戸の開け閉めには気を使ってくれる

なんともお騒がせな ボクと そして 50半ばを過ぎた 木蓮なのである。
[ 14:35 ] [ ペット ]
威嚇して近づけないボク・・・
私は猫に詳しいお友達に電話した・・・忙しいかもしれない でも 図々しく電話した

「猫が捕まったの でも興奮していて シャーシャー言っているの」

「部屋を暗くして 餌はなくても良いから 暗くしておけば落ち着くから 明日の朝には落ち着いているわよ 触らないでね 噛みつくかもしれない」

遅くに電話したにもかかわらず友達は親切に対応の仕方を教えてくれた

本当に申し訳ない事をしたけれど うれしさと 犬は得意な私だけれど 猫の習性を勉強してなかった私は 最初に失敗している
あの時 静かに落ち着くのを待っていたら・・逃げないようにだけして待っていたらこの5日間はなくてすんだのだ・・・

電話を切ってから夫の元に行った
夫もボクが帰ったのは知っているはずなのに 何か書類を書いている

私は夫と押し倒して「ボクが帰ってきたああ!!!」と叫んだ

帰ってこないと宣言していた夫はそのことが ちょっと悔しかったのか・・
少しトーンを落とした感じで 「分かった分かった」と背中を撫でてくれた

そして 「木蓮の 根性には負けた」と言った
初めて私を認めた言葉だった が そんなことはどうでも良かった

調子に乗っていた私は 息子の部屋をノックし 疲れて眠っている息子に
ドンと覆い被さって「ボクが帰ってきたよ~~」と報告し
ビックリした息子にもの凄く怒られた

「あ~びっくりした 鬼のような顔が急に被さってきて」 (失礼な)

こんなことで 私の辛かった5日間は 終わりを告げた・・・

読んでいて「まったくくだらん」と思う人もいると思う

娘は「ほらね 猫はちゃんと帰ってくるんだから」と笑った・・

でもこの5日間は 猫がいなくなっただけでなく 私に何かを教えてくれる5日間だった
私は今それを考えている

この世に偶然はないという
だとしたらこの出来事も必然的なもので
私に何かを勉強させたものに違いないと思っている

私に足りないものだ・・・・・それが何なのかを今考えている
夫は ボクは帰ってこない確率が高いといった
ボクはそう言う猫だと・・外が好きなんだ・・・

いいよ 今度は良い犬を飼ってあげる・・・

例え200万円の犬を飼ってくれてもボクにはかなわなかった
もうボク以外の動物には興味もなかった

ボクがいなくなったから他のもので埋める なんて事は私には出来ない

夫は動物は人間と違うんだ 外へ行くことはボクが望んだのだから 生きていることが分かっただけでも良いじゃないかとも言った

よくない!

生きているからこそ それが分かっているからこそ 私はボクを家に連れ戻したい
だいたい思わず出てしまったボクが外が楽しいと思っているはずがない
臆病だし 食べ物だって摂れるかどうか・・ お水だって探せるかどうか・・・
そういうと 夫は怒った 「ボクに失礼だ」と・・・

夫は私の気を紛らわせてくれるために部屋の衣替えをしてくれた
パソコンを置く台も買ってくれた 椅子に座ってパソコンが出来るようにしてくれた
でも 片付けをするたびにボクの白い毛が 見つかって 胸が痛かった
ボクが食べていた餌だけがポツンとあって それを片づけることだけはしたくなかった

網戸も私が直して・・窓を開けて・・
「網戸に出来るこの生活の素晴らしさ!」と夫は言った。

ボクが破った訳じゃないわ・・・・。

もう誰も真剣にボクを捜す人はいなくなった それぞれに忙しかった

14日の晩 家族の協力のもとで 他の猫は隔離し お勝手口を全開して 家の中に
餌を置いた ボクの好きな缶詰と ドライフード・・

私は蚊に刺されないうように 虫スプレーして 軍手をはめた
今度は噛まれても押さえて捕まえる意気込みだ・・

夜8時半から 冷蔵庫の陰に隠れて様子を見た
いつ来るか 分からない・・・時間は刻々と経ち お勝手は色んな虫がいっぱい入ってくる
蚊も来る でも虫除けスプレーは効果がある・・一つも刺されなかった

じっと息を凝らし待っていた・・日にちは15日に代わり 時計の針は1時10分をさしていた
板の間に腰を下ろしていたので 腰が痛くなってきた どうやっても痛い
ちょっと横になってみようと 冷蔵庫の前に寝た・・・

それから 意識がなくなり気がついたら時計は2時20分を指していた

「いけない!!」
慌てて起き上がり餌を見ると・・・・・缶詰はキレイに食べてある・・ドライフードも・・・。

私は自分のバカさ加減に腹が立った やりきれなかった ボクが来たのに・・・
餌を食べたのに 私は少しも気づかず 大口を開いて寝ていたに違いない・・
今日はもう来ない・・・もの凄い落胆・・・

夫のいるベッドに戻った
「私寝てしまったの ボクが来たのに・・」
涙が出ないで泣いていた・・悔しくて。

夫は「餌を食べたんだから良いじゃないか」と言った。
遅く寝たからと言って起きないわけにはいかなかった この時の私のエネルギーはすごかったと思う 6時に起きて 夫を送り出し 掃除をして 今晩のために(15日)昼寝をしておいた (なんじゃ・・・あは)

もう泣いてなんていられなかった そして昼間捜すのは無駄だと思った
ボクは昼間はどこかに身を潜めているに違いない 慎重な猫だ・・。

そして 今日はいつもより早く来るような気がしてならなかった

夕飯時そのことを告げ 家族に 早いところお勝手を引き上げてもらった
夫はそのことを怒っていた
「ボクを捕まえようとするのはいい でももう子供達を巻き込むな 楽しみながらやってくれ そして帰ってこなくても もう悲しむのはやめてくれ みんなが気がめいるんだ 人間はほっておかれたら生きていけないけれどねこは生きていけるんだ 動物なんだから」

「私はボクを連れ戻す 戻らなかったことなんて考えてない」

「ああそうか!俺はもうこの事から身をひくから」

私はそんな話しを聞いている暇はなかった いつボクが来るか分からない
特に今夜は 胸騒ぎがしてならなかった

今晩は お勝手を出て廊下側で待つことにした 昨夜はお勝手の戸を全部開かないようにしたがあれは間違っていた もしかしたら 餌を食べたボクが部屋に戻ったかもしれないじゃないか・・・

廊下に這うようにしてボクを待った 娘は呑気にお風呂に入っていた
ちょうど9時半・・・廊下からお勝手をのぞき込んだとき そうっと入ってきたらしいボクと顔があった ハッと思ったが 軍手をはめていた手が 動かなかった

ボクはきびすを返して出ていってしまった
顔がすすけて真っ黒なのが悲しかった

そこへ娘がお風呂から上がってきた
私は廊下を叩いて悔しがっていた
「ボクが来たのに捕まえられなかった」

「おかあさんどうして グッと押さえつけなかったの 少しくらい怪我をしても仕方ないよ
どうして身動きできなくなったの」

その通りだった 悔しくて 悔しくて 壁に頭を打ち付けた
いつもあっけらかんとしている娘が怒った
「お母さん!しっかりして お母さんがそんなことではボクは捕まらないよ お母さんがそんなに気持ちを乱したらその気持ちがみんなボクに伝わるんだよ!」

「でもきっともう今日は来ないよ 1日1回しか来ないんだもの せめて餌を食べさせて
あげたかった・・・・」

「来る!」
「お母さんボクはもう一度来るから 静かに待っていて」

どうせ2時くらいまでは待つつもりだった まだ9時半・・もう少し待ってみよう・・

あてもないけれど 私はそのままボクを待つことにした

「おじいさん・・・(父のこと)おじいさんボクを呼び寄せて・・もう一度戻るように・・」
合掌して待った

10時・・・・カサッと音がした ボクがお勝手に入った 私は身を隠した・・
身を隠したが ぼくは私を見て 餌を飛び越して 何故か父の部屋に飛び込んだ。

その日不思議に父の部屋が少しだけ開いていた。

「入った!!!!」

私はまずお勝手の戸を閉めた

入れ歯を外した母が「ふはまった? ほはまったの?ほふぉひめて」
(捕まったの?捕まったの?戸を閉めて)ととんできた

娘が二階からとんできた
「戻ったの?もどった? 今おじいちゃんの写真に頼んでいたの きっと聞いてくれたんだわ」

そうか・・・考えようによると・・・私はずっと父にお願いしてきた お仏壇の前に突っ伏して
泣いたり・・・・
でも父は生前 何を頼んでもどんなとき頼んでも「いいよ~~じいちゃん」と気持ちよく受けていた娘の言うことはすぐに聞いてくれたんだ・・
娘は今日初めておじいちゃんに頼んだという

ありがとう おとうさん
ありがとう娘・・

ボクは父の部屋の隅に入って 野良猫のように威嚇し始めた


ドッグから帰り 夕飯を食べて片付けているとき お隣さんが来て「ボクちゃんによく似た猫が うちの隣の畑にいて 裏の山に上がっていった」という情報をくださった
夜 九時だった。

私はお隣さんとボクの居た場所を見に行ったが もういるはずもなく 一旦家に戻った
10時頃 息子がお友達の家で飲んで帰ってきた

「母さん 今ボクと会ったから 『よう!』と声をかけたらスタスタと山の方に行ったよ」と
言いながら 懐中電灯を持った
一緒に見に行く・・・

後で母に聞いたが息子は何度も何度も仕事の合間に 藪の中に入ってボクを捜してくれたようだ・・。

20分ほど探したが ボクは見つからない 今 見つかるとは思わなかった・・何となく。

11時過ぎ もう一度と思った私は 1人山に入った
今なら? 今ならとても出来ない 怖い・・
うっそうとした山・・お墓が沢山ある 古いお墓もある 夜はやはり気持ちのいい場所ではなかった でもその時の私は何ともなかった 高い石垣をよじ上り 古いお墓の階段を上がり お隣さんに「猫は高い声を好むらしいから呼んでみたら」と言われたのでそうした
「ボク~~ ご飯だよ おうちに帰ろう お母さんの所においで~~~」
反応無し

逃げてしまうからと懐中電灯は持たなかった
すると 急に私をてらす灯りが近づいてきて・・息子だった・・
「母さん ちょっと来て」

お勝手の椅子に座って 私をじっと見て息子は言った
「母さん 僕は母さんが話せばわかってくれる人だからと思おうから言うんだけれどね
母さんの思いは 分かるしとっても優しいと思うよ でも こんな夜中に髪振り乱して
お墓の中を歩くのは ちょっと異常だよ 気持ちは分かるよ 僕だって心配だ でも母さん良く考えてきて・・・母さんがあまりに 取り乱すので家族がみんなそれに巻き込まれているんだよ もっと冷静になって欲しいんだ。僕はいいよ 僕も今まで家族心配をかけてきたから 色々言える身ではないけれど・・それでも敢えていわせてもらうよ・・
母さんはおばあさんが あの足で山に登って転びながらボクを捜していることを分かっている?ホラ 目を逸らさないで・・。Nが(娘)幾ら休み時間が長いといっても 30分かかる職場から心配で戻ってきたそのことをどう思っているの?親父さんだって 好きで野良猫を捕獲した訳じゃないよ みんな母さんのためにやってくれているんだよ 猫が外に出てしまった そのことで母さんはそうしてそんな風に感情的になってしまうのか・・・
野良だって 閉じこめられて・・可哀想だと思わないの・・・」

少しほろ酔いの息子は変な例えをした
「例えばだよ 蟻を飼っている人がいるとするよ その蟻が逃げてしまったと オロオロと探し回っている人がいたら母さんはどう思う」と 強い視線で見る

どう思うって・・・蟻か・・

「そうだわね・・・蟻のことを随分可愛がっていたんだなあ 早く見つかると良いなあと思うわ」

息子は溜息をついた・・
「分からないんだ・・」そう言って自分の部屋に戻っていった

自分だって夜中に散々捜してくれたくせに・・と思った

話しが先になるが 娘も「お母さんは子供が1人いなくなったようにオロオロしているね」
そうだ・・・ボクは猫にして猫にあらず・・私には子供だ
死にかけていた掌に乗せてもまだ手の平が余るくらい小さかったボクの口をこじ開けるようにして ミルクを飲ませ ドックフード(当時は犬がいたから)をふやかして食べさせ
温めて 懐に入れて 大事に育ててきたのだ
再婚である夫と 2人で周囲の反対に逆らってまで 育ててきた猫だ
私は夫との 絆の一つとして考えていた(夫はネコにヤキモチを焼いたが)

その子供が出たこともない外へ飛び出し お腹も空かせているだろうと思ったら心配になって当たり前だ

「おかあさんは 要するに 子供や家族を全て自分のテリトリーの中に置いておきたいのね」とも言った

なんとでも言えばいいと思った 私の本当の気持ちなど誰も分からない・・と

ただ 家族が私のために必死になってくれたことにはすごく感謝していた

近所では 私が炎天下 よれよれになって 猫を捜していたのが 話題となって 娘が
そばを通ると ピタッと話をやめるようなことが数回合ったそうだ
娘は恥ずかしかったそうだ

私は娘には申し訳ないけれど 何とでも言ってくれ と思っていた
私はどうしてもボクを家に戻したかった 一刻も早く 野良にならないうちに テリトリーを広げないうちに・・

その為に何を言われようと仕方なかった
「お母さんも 名物おばさんになって良かったね」と娘は笑った
「帰ってくるよ お母さん みんなそういうもの 猫は帰ってくるって」

「猫が外に出たんだよお母さん 元気で遊んでいる姿も見た それであんなに号泣したら 家族はともかく 近所の人は おかしく思うわねえ」とはち切れるように笑った

その時は私も思わず笑ってしまった・・

保健所や 役場や 新聞に出したことも 恥ずかしいと言われた 保健所は別だろうが・・
会う人会う人・・「猫は見つかった?」と聞かれたそうだ

それのどこが悪い それは猫がいなくなったときやるべき最小限のことだと思っている
もうひとつ警察を忘れたとさえ思ったくらいだ

でも最終的には保健所を押さえておけばいいようにも思うが・・・・
ローカルの新聞社はとても親切だった
何回か電話もくれたようだし 見つかったと知らせたとき 一緒に喜んでくれた。
保健所でもそうだった・・・

そこの何が恥ずかしいのかが私には分からないが 人それぞれなので とやかく言うつもりはない

~~~~~~~~~
その息子にお説教された夜 ひとりお勝手座り ぼーっとしていた・・
12時過ぎた頃だろうか・・・

がさっと言う音とともに 網戸に 白い小さな三角の顔が見えた 網戸に手をかけている
ボクだ! 私はなるたけそうっと 近づいて網戸を開けようとした
とたんにボクは逃げた・・・

すごくガッカリしたが・・
でも希望の光を見た

ボクは夜必ず家に様子を見に来るんだ
明日も必ず来る お腹も空いているだろう 餌を置いて家の中におびき寄せよう・・

もう私1人でやるんだ
ぼく 大丈夫だよ お母さんが助けてあげる ボクは うちに帰りたいに決まっている
お母さんには分かっているからね・・・

お父さん力を貸してください・・・・
2008/07/21のBlog
人間ドックは 一日半で終わる。
その後 私達は自宅に戻る用事があった。

夫は一度実家に戻り 野良猫を連れていこうと言った。
自宅周辺は 車も少なく 比較的 猫達がのんびり(野良も含めて)生活している場所である。
「近いところではすぐに帰ってきてしまう 生きる場所を代えてもらうしかない 勿論それはいけないことだけれど 保健所に出すのがイヤだというならそれしかない 泥はみんなボクがかぶる」と夫は言った。
「あの野良はすごく賢いし 強いぞ どこでも生きていける」と・・・

私は頭の中が整理できないままに夫の言葉に従うしかないと思った
いつまでもあの中に押し込めて置くわけには行かない

実家に戻り 母にそのことを告げて ふと食卓を見ると 便せんに何か書いて置いてある

子供達の 嘆願書みたいなものだ・・
『この件に一緒に関わってきて野良猫の捕獲から面倒まで見てきた どうか野良猫を遠くに連れて行くことだけはしないでください ボクが帰れば 後はみんなで外に出さないように気をつけるから 野良のことも考えてあげて欲しい』と言うような内容だったと思う

夫はそれを読んで「読まなかったことにしよう」と言った
「最初からこういう風になることは想像していた・・○君(息子)はこういうだろうというのは
良く分かっていた でも これを聞き入れていたらまたおなじことの繰り返しになるんだ」

黒ベエは 車に乗せられ それでも声一つ出すことなく 私から見たら悠然として寝そべっているように感じた

「この猫は武士のようだ」夫はまたおなじことを繰り返した
「ボクよりずっと賢い」と・・。

私はどんどん気持ちが重くなってきた・・少し離れたところならともかく ちょっと遠すぎる気もしたし 子供達が反対していることも気になった

夫はそんな私の気持ちを見抜いたようだ
「そもそも これは猫同士の問題だ 例え家の中で飼っている猫であろうと テリトリー争いでボクは負けたんだ 負けたら潔くその場所を譲らなければならないんだ 木蓮は私がいないとボクは生きていけないと言うだろうが それこそボクに失礼だぜ 木蓮は博愛主義とか言っていたけれど 結局は自分の飼っている猫の方が可愛いんだ みんな 木蓮が悲壮感を漂わせて ボクを捜しているのを見ているのはイヤなんだ 猫は人間と違ってちゃんとひとりで生きていくんだ 探すこと自体がボクにとってしあわせかどうか分からない」と 言っている

私は何も言わない

「子供達だって 何を言いたいのかというと 木蓮のやっていることが今まで木蓮の言っていることと違うと言うことなんだ 野良猫がいれば 一生懸命面倒を見て家に持ち帰る
野良も家猫も同じだと言っていたのが 今回は 全く正反対の事をしようとしている
僕は木蓮が一番良いようにしてあげる それで誰に嫌われようと関係ないんだ」

「迷っているなら猫は連れて帰ろう。ただし今日ここで猫を放さないとしたら もう僕はこの件から手を引くから・・・」

「あの時こうしたら良かったとか ああしていれば良かったとか そう言う言葉は聞きたくない」

私は何も言わない
どうして良いのか分からないのに ・・本当はこんなことしたくないのに決まっているのに
夫の理屈みたいな言葉に私はついていけないのだ。

そのまま不穏な空気の中で自宅に行き すべきことをすませ 私はキャリーバッグに手をかけた。黒ベエは 外の涼しい風の匂いをかぎながら一刻も外に出たい様子だった

しかし「ちょっと待って・・それで出してしまったら二度と捕まらないよ」と夫の声・・

夫が聞く
「それで木蓮はどうしたいんだ 木蓮のしたいようにすればいい」

私はそこで初めて口を開いた
「どうして良いのか分からない こんな事可哀想だし どうして良いのか分からないの」
夫にすがって泣いた

夫は声の調子を和らげて・・「分かったから・・連れて帰ろう」と・・

それには息子の了解がいる 電話をして夫と話してもらう
「ボクが見つかるまで 二階の部屋に置いておくことにしたから」

家に連れて帰り大きな猫用のサークルに入れ替えて お水と餌とトイレを用意してあげた 「しばらく我慢してね」というと黒ベエは初めて鳴いた
「ニャ。ア。ア。ア。ア」

この鳴き声・・・聞き覚えがある
私はよくよく 黒ベエを見た・・

そうだ マスクちゃんだ あの時のマスク猫がこんなに大きくなったんだ

今から7年前 実家が新築するとき貸家に住んでいたことがある
その時 庭に 子猫が迷い込んできた。
人懐こくて 外に出ると足にまとわりつき 抱っこをせがんだ
スキを見ては家の中に入ってしまって困った

思うに 捨てられたか 迷ったか・・捨てられた確率の方が高い・・
雄だった。
その頃は犬を飼っていた私だが 来るとお腹が空いているマスクちゃんに 残った物などをあげていた。
近所の農作業道具を置く小屋にその猫は住んでいた
その家の人も餌をあげているようだった
みんなで育てているような猫になった。

それから私達は出来上がった家に戻り マスク猫とは会わなくなった
けれど 犬の散歩で歩いているとどこからともなく マスク猫は現れて 私の足下で寝た

「いいこいいこ」すると満足そうにどこかに行ってしまった

鳴き声に特徴があって ニャア~と鳴けない 詰まったような鳴き方・・丸い目 そのマスクの模様 間違いなくあの時の猫だ

「マスクちゃんなの?生きていたんだ よく頑張って生きてきたね」

猫が7年前に会った人間を覚えているとは思えない
でも この家ばかりに寄りつくのは不思議だった
隣の家も猫が大好きで もしかしたらうちより猫が好きで 猫も飼っていて 屋根にも登れる でもそこには行かず家に来て じっと窓の外から 部屋の中を見ている・・・・

私の声を覚えていたのだろうか・・・
手を入れるとまた引っかかれるかもしれないので 柔らかい棒で 頭をいいこいいこした
マスク猫は 頭をどんどん下げていって お腹を出して寝た・・

やっぱり 人に可愛がられたことがあるんだ・・

厳しい自然の中で7年間生きてきたマスク猫を誉めてあげたかった。
威嚇してくるが それは たまに追われたり虐められたりしたからだろう・・

しばらくして 野良猫は 餌を食べ始めた 水も飲んで 大人しく目を閉じた・・・。
その奇遇さが益々私には苦しかった。

そのことを夫に告げると
「やっぱり 木蓮が関わっていたのか・・もう勘弁してくれよ~」と笑って言った。
2008/07/20のBlog
野良猫を捕獲し 1時間ほど寝て・・もう一度 家の回りと 思いつく場所を探したが ボクは見あたらなかった・・。
もう人間ドックに行く時間が近づいていた。

野良猫の黒ベエのことは子供達に頼んで 後ろ髪を引かれる思いで 病院に向かった。
人間ドックは 胃カメラ以外にイヤな検査はなく キレイな施設で美味しい料理も食べることが出来 これといってすることもないから 読書が出来る最高の場所だった。

今回も文庫本を持って 行ったが・・・読む気持ちになれない
黙って ひたすら「どうかボクが帰ってきますように 私にボクを返してください」と祈るばかりだった

野良猫に引っかかれた左手の甲は すごく腫れ上がり痛くて指が曲がらない・・
親切な保健士さんが たまたまいた 外科医の先生にお願いしてくれ診察してもらった
「放って置いて大丈夫でしょう」ということだった

でも その左手の痛みが これからどうなっていくのだろうという思いと 小さなキャリーバックに入れてきた 黒ベエ哀れさを思い出させた。

ボクさえあの時捕まえていたら 黒ベエもあんな目に遭わずに 同じ日々が続いていただろう

窓をはさんで ボクがウーウー言って 黒ベエはただじっと部屋の中をのぞき込んでいる
餌が欲しいから お腹さえいっぱいになればまたどこかに消えていく猫だ。

人間ドックでは血圧が低かった・・。胃カメラでは胃潰瘍が出来ていた
おそらく出来ているだろうと思っていたから あまりビックリもしなかった
治りかけらしい物と 新しい物 治りかけの物は 父のこと 新しい物はボクのことだろう
3ヶ月したらもう一度検査するようにと言われた。

私は全てに無気力だった 今思えば おかしい気もするが ・・もしボクが帰らなかったら
平常心で生活できる自信がなかったのだ
もし 誰かに拾われ 飼ってもらっているのなら・・もし最悪死んでしまっていることがわかっているのなら それなりに心の整理はついたと思う
どうしているのか分からないことがたまらなく心配だった。

携帯に着信があるか確認をする・・・・何もない・・何も変わっていないということだ・・。

それでも 私は夫の性格をよく知っていた 私が落ち込んでおなじことを繰り返していったりしたら 夫がどんなに嫌がるか・・夫は私が悲しい顔をしているのを見るのがイヤなのだ。
一緒に食事をして ビールもコップに半分飲んだ・・

部屋は今回別々だった。
1人部屋にいると 落ち着かなくて 不安でたまらなかった ボクのことが頭から離れないし 部屋に置いてきた野良猫のことも気になって仕方なかった

携帯を取りだしてお友達にメールした そうでもしないと 心が落ち着かなかった
夜遅く 個人的なことでメールするのは迷惑だと思ったが メールするだけでも救われる気がした。

直ぐにメールを返してくれた 私の気持ちを しっかり受け止めてくれる そして落ち着かせてくれるメールだった 違う意味での涙が出た・・

私が猫のことでこんなに落ち込んでいることを 笑ったりしない 大切に抱きしめてくれる言葉だった

少し気持ちが落ち着いて・・・・すると 娘から電話が・・・
「おかあさんボクのいつも遊んでいるオモチャどこにある?」
教えて「どうして?」と聞くと慌てたように「ううん いいの ではね・・」
この時 お勝手口にボクが現れたというのだ
どうしようと思っているうちに 逃げてしまった・・・

その後息子と娘は夜中まで 山の中 お墓の中 を探し歩いてくれたらしい
1時を過ぎていたという・・・娘は 蚊に何カ所も刺されて 足の裏まで刺されて・・

ボクはいたけれど 追うと逃げたそうだ・・。

でもそれを子供達は私には言わなかった 言うときっと 私が落ち着いてドックを受けないと思ったに違いない

ただこんなメールが入った

「あの黒を早く解放してあげて ご飯をあげても食べないし お水をあげても飲まないの
ボクさえ帰ればいいんだから 早くボクを捕獲して あの黒猫を元の生活に戻してあげて
かわいそうだよ 鳴くこともしないし・・お母さんはいつも 飼い猫も野良猫も生きることについては平等だと言っていたでしょう 変なことにならないように 遠くに連れて行くことをしないで 黒猫が生きていけるように放してあげて。きっと懲りてもう家には来ないよ。これはお兄ちゃんも同じ気持ちだから」

これには少しビックリした・・

野良猫には無関心だと思っていたのに 子供達は ボクを捜しながらも 野良猫の面倒を見ていた
むしろボクのことよりも野良猫のこれからを案じていた

私はまた苦しんだ・・
「懲りて家には来ないよ・・」
イヤ・・・来る・・何故なら ここには餌があるから・・
私は黒べえが来ると「いらっしゃい」と言いながら 家猫が残した餌をあげていた・・
それが 今回の事件の大きな原因でもあった

そのことが余計に 黒猫を家に呼び寄せたのだ・・
お腹が空けば 黒ベエはどんな危険をおかしても また家に来るだろう
黒べえの縄張りなのだから・・

また網戸を破り 鍵がかかっていない戸を見つけ 開けて家に入ってくるだろう
ボクは臆病者だから 外へ逃げ出すだろうし おなじことが繰り返される・・

それでもいいか・・・・・黒ベエが今まで自分で作ってきた生きる場所を 自分の飼い猫のために 奪ってしまうのは あまりに傲慢な気がした・・

でも・・でも・・夫は黒ベエをなるたけ遠くにリリースするつもりでいた
もしそうしても ボクが戻らないとしても。

どちらを優先するか・・と問われれば やはり私はボクを優先するだろう
家の中で 甘やかして育ててきたボクが野良で生きていく知恵はないと私は思った
今だって 例えばカエルを追ったとしても それを食べ物とはボクは認識しないだろう・・・

野良猫には長年の知恵がある 旅をしながら(雄だから)生きる術を身につけている
そんな勝手なことを想いながら 前の晩殆ど寝ていなかった私は 自然と眠りに入ってしまった・・。
2008/07/19のBlog
野良猫の黒ベエを捕獲するには 餌でつるしかない・・・
それは私にとってとてもイヤな事だった

でもこのままではボクが帰りたいと家に戻ってきても確実に追われてしまう
ボクを助けるにはやらざるを得ない

窓を開け・・餌の入ったお皿を差し出す・・黒ベエは かなりお腹が空いているらしい
直ぐに近寄ってくる

来るが 本能的に予感がするのだろう
なかなか中に入ってこない・・

夫は箒を持って待機している

餌を近づけたとき 私の左手の甲を引っ掻いた・・血が噴き出した。

そのまま頑張って 餌を床において電気を消し 様子を見た・・・。

5分後 黒ベエは スッと部屋の中に入ってきた

「入った!」と夫が飛び出した・・が 猫の方がずっと素早い
あっという間に外に逃げ出してしまった。

がっかりしたが 余程お腹が空いているのだろう・・
黒ベエはまだ屋根の上にいる・・

私は辛くなった・・黒ベエには罪はないのだ 生きていくために 頑張っているだけなのだ

ただ他の野良猫と違い この黒ベエは 二階まで上がり 網戸は破るし 戸を開ける
それで過去2回ボクは外に出てしまったのだ。
その時は 簡単に家に戻ったのに・・・・

それ以来窓はどこも開けられない 網戸は張り直しても張り直しても破られるので破かれたままのという生活が続いていた。

でも・困ったとは言いつつも 自然とそこに黒ベエがいることを認めていた

夫は思索した・・

入ったときすぐ逃げられないように 窓に布をつけた。

そしてまた餌を置き 部屋を暗くし 部屋のドアを閉め猫の動きに耳をすませた。
私は下にいる(お勝手にいる)オタマが気になったので階段を下りた・・

とたんに夫の声「入った!そっちに入らないように戸を閉めて!」
戸を閉めてと言っても何カ所もある
母も呼んで 戸が開けられないように押さえた。

黒ベエは部屋から出て階段を駆け下りてきた その後を夫が箒を持って追いかける
どう考えても猫の方が動きが速い でも 全ての戸を閉めたので逃げられる範囲は少ない

玄関に追いつめられた黒ベエは 夫が言うには3メートルはジャンプしたという
箒で押さえられるはずもなく 布を持ってきて 黒ベエを捕まえ ボク専用のキャリーバックに入れ込んだ・・・

この時にも黒ベエは可哀想だった。出ようと必死だから・・私は動物にあんなにひどいことをしたのは初めてだと思う

素手でやるのは危険だった 黒ベエに引っかかれた私の左手は腫れ上がっていた
偶然にか 直ぐそばに父に使っていた杖があった 私はその杖で 黒ベエの前肢の
所を押して やっと夫とキャリーバッグに入れ込んだのだ。

二階から息子が腕を組んでその様子を見ていた。

汗だくの夫は 「これでしばらく様子を見るんだ 餌と水を入れよう」

餌はそのまま投げ入れ 水はキャリーバックにつけるタイプが会ったのでそれを利用した。

黒ベエは決して餌を食べようともせず 鳴こうともせず 静かに観念したようにその中に座っていた
夫は「これは賢い猫だぜ・・武士みたいな猫だ」と言った。

時間はもう4時半になっていた。
ボクが帰る様子もなく・・・あと数時間したら 人間ドックに行かなくてはいけないので
しばらくベッドに横になることにした。

なんだか何もかもが切なくて 私は泣いた・・・・。
手伝ってはくれたものの その様子を見ていた息子の悲しそうな眼が気になっていた。


2008/07/18のBlog
ボクが見えなくなってからの私は 異常のようでした。異常にもなりますわ・・

ボクは家の中にいても呼んでも来ない
人が来ると逃げる
食べ物はキャットフードのみで 例え鰻を鼻先につけても食べない
お水は汚れたのは飲まない 出来れば私の手から飲みたいという 面倒な猫で
そこがまたたまらなく可愛らしい猫なのです。

山を上がり お墓を探し 家の回りを探し 人の家の軒先を探し
会う人会う人に「白い猫を見ませんでいたか?」と震える声で聞き 顔は泣き顔・・

たまに土手に座り込んで「あ~~ぼくちゃん帰ってきて・・一体どこにいるの・・」とさめざめ泣く

「神様 私のボクちゃんを返してください」と神仏に泣きすがる私は まるでお釈迦様に子を隠された鬼子母神様のようだ・・・
「一体私は神様の怒りに触れる何をしたんだろう・・」と発想がとんでもない方向に行く(そこまで崇高ではないか・・・)

山を探すと行っても 範囲が広すぎて一体どこを探したらいいのか・・・・
木の根っこ 竹藪の中 ・・お墓
そのうちにもしかしたら道路側に逃げたかもしれないと思う
そう思うと絶望感でいっぱいになり 天に向かって わあ~~っと叫びたい衝動にかられた・・が それだけは止めておいた。

3時間探した後 夫が仕事中は問題ごとはメールしない私だが 今回は特別だ
「ボクがいなくなった もうどこを探しても見つからない」とメールした

娘にも メールした「ボクがいなくなったのは私の所為だ 毛布なんてかぶせたから虐められたと思ったのよ 家に帰ってはいけないと思っているのよ」

ふと・・山を見ると なんと母が山の方に向かっている「ボクー!ボクー!」と叫びながら 探している 後に私はこの事で息子に叱られることになる。

一旦家に戻って パソコンを開き「猫が逃げた」で検索した・・
室内猫の場合 テリトリーが 家だから 必ず家のそばにいる・・とのこと。
3日から1週間隠れている場合もあるとか・・。
でも家の回りのどこにもボクの気配がない。
どこにも隠れる場所がないのだから。

それでもあきらめるわけにはいかない

また外に出て当てのないボク捜索に出かけた
もうしらみつぶしに探すしかない・・ ・・と・・・
仕事に行ったはずの娘が帰ってきた
娘の仕事は休み時間が 2時間あるので様子を見に来たらしい
これも後で息子に叱られる事になる

「大丈夫だよお母さん 誰に聞いても猫はちゃんと帰ってくるって言うからボクは帰ってくるから 私はまた仕事に行かなくてはいけないから あまり探せないけれど おばあちゃんが山に登って探しているし 転んだら危ないよ」

そう言いながら 山の方に登っていく
気が動転している私は 娘の気持ちも考えられず 「でもボクは 臆病だから 動けなくなるかもしれない」なんて お馬鹿なことばかり言っていた
後で見たら娘はご飯に味噌汁をかけて食べただけで職場に戻ったらしい

私はと言えば 食欲など出るはずもなく ご飯を作る気力もない

ただ フラフラ歩いては(なにしろ暑かった)猫の隠れそうな所を探した

夫から電話が入った「他の猫を隔離して 玄関の戸を開けておくように」
ところが いつもは従順で大人しいトットが言うことを聞かない 納戸に入れたら開けられるはずのない戸を開けて出てきてしまった
やはり異常事態を察しているのか・・
オタマは相変わらず のそ~っと 寝ている
いなくなったのがこのオタマなら心配はない
間違いなく帰ってくるから。

外ではボクが出てしまった原因の野良の黒ベエが 悠然と家の前に座り
心なしかニッタリと笑っているようにさえ思える・・

足は棒のようになり 時間はただ過ぎていき 辺りは暗くなってきた

この辺りには狐も狸もいる 得体の知れない獣もいるらしい
娘の友達の猫が 狐に追いかけられて お尻を噛まれた話しも聞いた
猫が狐に引きずられていくところを見た人もいるという
それを考えると いてもたってもいられない。

そうだ! 保健所と 役場と ローカルの新聞に電話をしなくてはならない
それをすませても心は空洞のようだ。 それで見つかるとは 到底思えないのだ。

夕飯は 息子はお弁当を買ってきてくれたが 私は食欲もなく・・・

夫も戻って・・「ボクは外に行きたくて出たんだからいいんだ」という
何が良いんだ・・ボクはでたくて出たんじゃない
野良と鉢合わせして ビックリして思わず家を出てしまったのだ

夫は「これは闘いなのだから ボクは野良に負けたんだ だからこの場所を明け渡して外に出たんだ」などとも言う
一言「大丈夫だよ 帰って来るから」と言えないのか・・

夜になり・・表を見ると 息子が懐中電灯を持ってそこら中を探し歩いている・・
無関心だと思った息子が懸命にボクを探してくれているのだ 私のために。

タイミングが悪いことに私と夫は次の日から一泊泊まりで人間ドックだった
ボクを捜すことも出来ない そのことが一層私を憂鬱にさせた。

「今夜はもう寝るんだ こんな状態で検査を受けても良い結果は出ないぞ」と夫・・・

「猫はちゃんと生きていくから大丈夫だ 私がいないと駄目だなんて思うのがおごりだ」

そんなこと言ったって野良になった猫がどんなに悲惨な目に遭っているのか 黒ベエを見ても分かるだろう
野良には餌はやってはいけないと毎日のように放送されている・・・

午前2時頃・・息子が部屋から飛び出していく 夫が窓から外を見る

母も起きてくる「ボクの泣き声が聞こえる・・」
夫は「木蓮は中にいなさい」と言い放ち 表に出た・・
息子は夜中中探していたらしい・・。

ボクが野良に追われていて家の回りを一回りして山の方に逃げたらしい
その後すごい喧嘩の声・・
そして 辺りは静かになった・・・

夫が言う「ありゃあだめだぜ こっちのことが全く目に入っていない 」
息子も「今日は無理だなあ・・・・」

夫がまた言う「あのクロネコが家の回りにいるとボクは戻れないなあ・・そうか・・逆に黒猫を捕獲して ボクが帰るまで 中に入れておこう もしかしたら帰ってくるかもしれない ただし帰ってくる保証もないが・・・」
クロネコは家の二階の窓から顔を覗かせていた・・これから夫のクロネコとも知恵比べが始まったのである。時間は午前3時を過ぎていた

2008/07/17のBlog
10の日のこと。
私はいつものように朝飯の片付けをしてお勝手の掃除をし
「 音楽でも聴きながら二階の掃除をしようかなあ」と 階段を上がっていった。

二階の一つの部屋から猫が顔を出している
「あら~~ボクちゃん 妙に黒いわねえ~~~」と声をかけた私

違うって!・・それは毎日二階の窓から覗いている 黒ベエだった。

何かすごくイヤな予感がした私は 鍵のかかっていなかった窓を開けて入ってきた黒ベエを追い出してから ボクちゃんを捜した。

ボクちゃんはその前の日 その部屋で寝ていたのだ かなりの臆病者のボクはきっと
表に逃げ出したに違いない

不安感と興奮で 絶叫に近い声で「ボク~~!!!」と叫んで外に飛び出した私

家の回りを一回りすると お勝手の裏口にうずくまっているボクを発見した

ホッとした私 そこにきた母とボクを家に入れようとした

しかしボクは 黒べえと対面した所為かかなり興奮していて私が飼い主であることさえ分からないようだ シャーシャー言っていて 近寄れない

いつもなら 玄関に走っていって家に直ぐはいるボクが ・・
黒べえと鉢合わせしてそうとうビックリしたのだろう

この時私がもっと猫という動物の習性をよく把握していたらあんなつらい5日間を味わうこともなかっただろう・・・

どうにか捕まえて家に入れたい私と母・・・

母が「 布で 捕まえて 抱いて家に入れたらどうだろう」という案に即 のった。

でも布では 噛まれる可能性がある(ここがそもそも間違っていて噛まれようが引っかかれようが捕まえるべきだった 薄い布で)
厚い毛布を持ってきて ボクにかぶした・・ここまでは成功だった

ところがボクは筋肉猫で どう頑張っても私の力では持ち上がらない
ボクは虐められていると思ったのだろう 更に興奮してありったけの力で毛布を蹴り
そこから逃げ出した

追いかける私・・・今度は母の部屋の廊下側に うずくまっている
「そうだ ここで戸を開ければ 入るかも」・・・

・・・と・・・何故か鍵がかかっている

私にくっついて来ている母に 「早く!早く部屋に行って鍵を開けて!」
母にしたら精一杯走っているのだろうが 私が歩くより遅い

「早く!早く!」の私の声は ご近所中に響いたに違いない

母が鍵を開けようとしたとたん ボクは走り出し どこかに消えた・・・
玄関だと思ったがそこにはいない

家の裏側に行った。 家の裏側は山だ・・・石垣の上に竹藪がある
私はスカートであることもなんのその・・・2メートルはあると思われる石垣を這い上がった。

いた・・

ボクは 石垣と竹藪の間にうずくまっている 興奮は少し治まっているようだ

「よしよし・・おうちに帰ろうね」と抱っこしようとしたとき またもやボクは跳ね上がり
石垣を一気に飛び降り それから 姿を見せなくなったのだ・・

私はまたスカート姿でその石垣を降り ボクを捜した・・

朝方だ・・・髪もとかさず 化粧気もなく 顔は涙で ぐちゃぐちゃな私

そこから5日間 ボク救出の日々が始まったのだ・・・・
50数年生きてくれば色んな事が起こります
つらいことも苦しいことも味わってきました 悔しくて眠れない日々もありました

でも今回起こったことほど 自分ではどうしようもない歯がゆさと 不安感 一時も心から離れない心配。 これから自分の気持ちをどう整理したら普通に生活できるだろうかという思い

これは経験のない出来事でした。

全て私の不注意から起こったことですが

端から見ると 「おかしなおばさん」
家の者から見ると 「困った家族」

そんな中でお友達だけが 真剣に話しを聞いてくれて どうにか 自分を保っていました
父には元より あらゆる仏様 神様 に毎日お願いしては 突っ伏して泣いていた毎日でした。

何があったか 数回に分けて書いておこうと思います

そう・・・・私の大事なボクちゃんが 失踪したのです・・・・・。
5日間の 猫との知恵比べ?というか・・・・私は刑事のように張り込みをし 聞き込みをし
やっと 真っ黒になって痩せこけたボクを捕獲したのであります・・・
2008/07/08のBlog
[ 21:19 ] [ 家族 ]
母が昨日みた夢の話しをしてくれた。

電車に乗っているのだそうだ

どこかに旅行に行くようだ

そばには 従弟の嫁と 母の甥が乗っている。

私がいないので 不思議に思った。

他にも人がいるようだが 誰1人知らない人ばかり・・。

そこに 1人の老人が乗ってきた。

白いYシャツを来た父だった。

「ここ ここ」と母が声をかけたけれど 父は何も言わず
ずっと後ろの方に1人腰をかけた。

「ああいう性格の人だし」と母は思った。

父はただじっと黙って電車の窓から外をみている。

車掌さんが来て「次の駅で休憩します」と言った

みんなで電車を降りて お蕎麦やうどんを食べている人 談笑している人
お茶を飲んでいる人がいる

そのうちに 父の姿がフッと消えてしまった

母は「お父さんがいないんだけれどどこに行ったのかしら」と従弟の嫁に聞いた

「さあ・・・分からないわ・・・私ちょっと探してきます」

従弟の嫁が行ったところは小さなお寺だった

「こういう老人が来ませんでしたか?」と若い僧侶に尋ねると

「さあ・・・ここには 来ていませんよ」

何故か 訪ねるところはみんなお寺・・

でも父はどこにもいず その姿をみることもなく 夢から覚めた

と言う内容だが・・・・・何も言わない父はカンパネラで

母がやはり ジョバンニだろうか・・

宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」では カンパネラとジョバンニは 会話が出来たけれど

もうずっと前に黄泉の国に旅立った父は母と話しをする必要がなかったのだろうか・・。

父は今も銀河鉄道に乗ってひとり旅をしているのだろうかと不思議な感覚で
母の話を聞いていた

「初めて夢をみたのにお父さんは何も言わなかったのよ・・・」
母の声が寂しく響いた。

[ 13:47 ] [ 雑談 ]
ここ数日暑くて 寝苦しい
冬はダブルの掛け布団を取り合う私達夫婦だけれど
夏はそれぞれに掛け布団を掛ける

今年は同じだけれど色違いの肌掛け布団をかけているんだけれど・・・

朝になると それが逆になっているのです

私のはオレンジ色 夫のはブルーなんだけれど
私がブルーをかけている。

何故?・・・・・・・不思議だ

どちらかが先に人の布団を取ってしまって どちらかが気がつかないうちに
違う色の布団を掛けているんだろうけれど・・・

今日帰ってきたら聞いてみようっと・・

冬のように捻れてかかっているより良いか・・
2008/07/07のBlog
昨日 日曜日は 実家の 地区の清掃だった・・・都会の人には想像もつかないだろうが

みんな 自動草刈り機をを持ってくる あの キュイ~~ン!と激しい音を出しながら草を刈る優れものの奴だ

それに男衆はみんな逞しい 山から伸びた草も 谷に向かって生えた草も ブンブンと刈っていく。

ヘビもいるだろう 蜥蜴もいるだろう 何がいたってそんな物は平気だ・・・

実家のその清掃に私が出る義務はない
普通は息子が出るがそういう時に限って遠くに仕事があって土曜日からいない

前回もそうだった・・・まずいだろうと 私が代わりをかって出たのだ(お節介)
本来は娘が出るべきだろうが 汗だくになってかえったところ

朝風呂