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2007/12/27のBlog
[ 18:45 ]
[ 水辺のお散歩・遊覧船 ]
(『アーバンランチで東京港をゆく…6』のつづき)お台場の桟橋を離れると、右舷に行き合ったのが、ハデな電飾の屋形船で有名な、柳橋は三浦屋さんの「Oedo小町丸」。
(『吸い寄せられる場所…4』『両国橋で呆ける…2』参照)
自慢の電飾も、まだそんなに目立っていませんが、あと30分もして日が落ちれば、いよいよ本領発揮といったところでしょう。
お台場の内水面を出て、ふたたび東京港を横断、アーバンランチの終着地である、豊洲に向かいます。豊洲は、ご存知のように、最近完成した「アーバンドック・ららぽーと豊洲」のあるところ。
石川島播磨の造船所があった時代から、自艇で何度も通過したところでもありますが、上陸は今回が初めて。どのような変貌を遂げたのか、ちょっと楽しみでもあります。
東を見ると、上の写真のようにまだ明るいのですが、西側を望むと、夕焼け空をバックに、街並みが影絵のように浮き出していました。イイ時間帯に乗り合わせたものです。しかし、顔面に風を受け続けていたら、頭が痛くなってきました…(涙)。調子に乗りすぎたようです。
春海運河(晴海・豊洲の両埋立地に挟まれた水面)に入ると、エンジンのうなりが高まって、アーバンランチはがぜん、スピードを上げ始めました。ますます顔を刺す風が冷たくなってきたものの、豊洲も近いことだし、調子に乗りついでと、後部デッキで頑張ることに(笑)。
しかし、これだけ飛ばしても、夜景を撮ってなおブレない安定感…、さすがカタマランと、妙なところで感心してしまいました。
晴海大橋を透かして、ららぽーと豊洲が見えてきました。そこだけお祭りか何かのように、光り輝いている印象です。晴海大橋をくぐって、反対側を見た風景は、すでにタイトルでご紹介しました。まさに明暗を分けた、といった感じですね。
【撮影地点のMapion地図】
(19年12月16日撮影)
(『アーバンランチで東京港をゆく…8』につづく)
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2007/12/26のBlog
[ 21:15 ]
[ 水辺のお散歩・遊覧船 ]
(『アーバンランチで東京港をゆく…5』のつづき)レインボーブリッジをくぐるあたりで、先ほど見かけた、ワールドシティタワーズの艇が追い越してゆきました。
お客さんを乗せて再度の出航か、それとも、母港に帰るのでしょうか。
雄大なレインボーブリッジの下を、裏側の構造を仰ぎつつ、ゆっくりとくぐります。澄み切った、薄暮の空をバックに撮ると、いつもとまた違った景色に見えてくるのですから、不思議なものですね。
頭が痛くなるような寒風になぶられつつも、見慣れた風景の新鮮な美しさに、寒さを忘れて見入ってしまいました…。
ここで船は進路を変え、お台場の内水面に向かいます。レインボーブリッジの下をくぐって見せるため、ほんの少しだけ、遠回りをしたかたちになりますね。ここから眺めても、お台場の桟橋付近は、結構な輻輳ぶり。宵の口ということもあり、屋形船の姿も、ちらほら見えます。
お台場の共同桟橋が見えてきました。船足はぐっと落ちて、すでにもやいが準備されています。日が落ちるにしたがって、ビル群の明かりがポツリポツリと、少しづつ浮かび上がってくるさまが、なかなか素敵でした。
【撮影地点のMapion地図】
(19年12月16日撮影)
(『アーバンランチで東京港をゆく…7』につづく)
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2007/12/25のBlog
[ 18:31 ]
[ 水辺のお散歩・遊覧船 ]
(『アーバンランチで東京港をゆく…4』のつづき)高浜水門をくぐったところで、後部の露天デッキに出てみました。寒気が肌を刺すのはツライのですが、この眺望の良さは、やはり何物にも代えがたいものがあります。
何しろ、連日運行する定期航路の中では、東京でも数少ない、水門通過コースでもあります。水門ファンの方には、見逃せない航路といえるでしょう。
京浜運河の北端部に出ました。最後部は、一段高いデッキになっており、ご覧のとおり前方もオーニング越しに見渡せ、360度の眺望が楽しめます。
もちろんこの季節は、寒風もまともに食らいますから、私のような物好きさん以外、お勧めはできませんが(笑)。
南方、京浜運河の入口付近、水上警察署があるあたり。こちらも、シルエットになりつつある建物群が、なかなかキレイです。そういえば、長年親しまれた「水上警察署」という名称も、20年3月より「湾岸警察署」に統合されて、廃止になるんでしたっけ…。(参考:『東京湾岸警察署業務開始予定のお知らせ』警視庁HP)
水上署のことを考えていたら、タイミングよく、警備艇が左舷を通過。暗くなってきたこともあり、ちょっとブレるかな…、と思いつつカメラをかまえたら、なんとか収まったようです。珍しく流し撮りに成功しました(笑)。
【撮影地点のMapion地図】
(19年12月16日撮影)
(『アーバンランチで東京港をゆく…6』につづく)
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2007/12/23のBlog
[ 21:50 ]
[ 水辺のお散歩・遊覧船 ]
(『アーバンランチで東京港をゆく…3』のつづき)お客さんは我々を含めて4人、もやいを解いて出発です。
船が動き出すと、乗客係の方が回ってきて、宅配便屋さんが持っているような、携帯端末で乗船券を発行してくれました。
桟橋を離れると、軽快な外観に似合わず、ディーゼルらしい震動と、重々しい爆音が高まってきました。
爆音を響かせながら、船はみるみるうちに、ほとんどその場で180度回頭。カタマランと、2軸ペラの威力です。超信地旋回(キャタピラ車が、左右のキャタピラを逆に動かせて方向転換すること)に近い感覚でした。カタマランのお陰で、左右のペラの間隔がぐっと広く取れるのですから、モノハルの2機がけと比べて、その運動性能には、格段の差があることが実感できました。
夕闇迫る芝浦運河を、微速前進。短い区間ですが、これまで定期航路のなかった運河を、こうして、気軽に乗れる船が走るようになったのは、やはり嬉しいものですね。正面には、おなじみモノレールが、ビルの陰に身を沈ませながら滑ってゆきます。
(芝浦周辺の水路については、『芝浦の運河めぐり…1』以下のシリーズ参照)
【撮影地点のMapion地図】
高浜運河に入ると、左折して東京港へ出ます。正面には、これもおなじみ緑の曳船と、ゴミ運搬のバージが見えました。
何度も引用させていただいている、河川清掃計画図によると…あれ? ここには記載がありません。この左手、五色橋の海側には、都の港東清掃事務所があるようですね。
五色橋をくぐり、高浜水門が迫ってくるのを目にすると、もう辛抱たまりません! 北風が結構強いのも忘れて、キャビンを飛び出しました。船に乗っていながら、ガラス越しに風景を見るのは、どうも息苦しくてかなわないタチなのです。寒いのは苦手ですが、せっかくの水辺の風景を、見逃したくはありません。
自分のフネで、何度も来ているところでもこの有様ですから、私はやっぱり、オープントップ艇しか乗れないのかもしれません…。
【撮影地点のMapion地図】
(19年12月16日撮影)
(『アーバンランチで東京港をゆく…5』につづく)
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2007/12/22のBlog
[ 18:13 ]
[ 水辺のお散歩・遊覧船 ]
(『アーバンランチで東京港をゆく…2』のつづき)キャビンの中に入ってみました。
天井が低いにもかかわらず、窓を大きく取ったせいでしょう、室内は思ったより明るい雰囲気。日の陰った桟橋で待っていた身には、暖房がよく効いていたことが、何よりありがたかったです。
客席は、ぐるりに配されたやわらかなベンチシート。中央には、小さな流しや配膳台があり、ちょっとしたパーティにも対応できるようになっています。
操縦席は、背後のみに仕切りのある開放型。ちょっと、昔の都電の運転台を、思い出させるカタチでもあります(笑)。
驚かされたのが、この広くて立派なお手洗い。一見した印象では、キャビン床面積の3分の1くらいを、占めているように感じられました。
やはり、車椅子の方に対応してとのことでしたが、貸切りのパーティ時にも、威力を発揮することでしょう。
内装は、華美な感じは全くなく、むしろ質素な印象すらあり、清掃も行き届いていて、清潔な雰囲気がありました。
素通しなのをいいことに、操縦席をもの珍しげにジロジロ。私の艇の3倍くらい計器が並んでいます(当たり前だ)。ラット(ハンドル)の形がかっこいいなあ…。2軸艇だから、機動性もいいんだろうなあ…などと、デザインも素敵なインパネ上の機器類に釘付けです。
窓の外では、乗り組みのお二人が、出発までの僅かな時間にもかかわらず、窓を洗ったり、デッキを拭いたりと、キビキビと動き回っておられました。寒いのに大変だなあと、頭が下がる思いがしたものです。
後部の露天デッキ。こうして眺めると、ハンドレールだらけな印象がありますが、通路幅は充分確保されており、コルク風に見える床材もいい感じです。写真左手の、ハンドレールで囲まれた部分は、自転車置き場だとか。キャビン内には、車椅子の駐車スペースも確保されていました。
右舷から前方を見たところ。この目線の低さが、従来の水上バスとの、大きな違いでしょう。水面とさして変わらない高さから、陸(オカ、ね。念のため!)の風景を眺め、水の匂いを愛でてこそ、さまざまな発見が楽しめるのではないか…と、しゃちこばったことを書いてみました(笑)。
掃除を終わった操縦士氏と、よもやま話。「今年は台風で、マリーナに2回も避泊した」など、興味深いお話を伺ううち、早くも出発時間です。
さて、どんな走りを味わわせてくれるのでしょうか。
(19年12月16日撮影)
(『アーバンランチで東京港をゆく…4』につづく)
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2007/12/21のBlog
[ 22:30 ]
[ 水辺のお散歩・遊覧船 ]
(『アーバンランチで東京港をゆく…1』のつづき)申しわけない、まだウロウロしていて、船に乗っていません(笑)。
芝浦西運河に架かる新しい橋、船路橋を見てみたくなったのです。「芝浦の運河めぐり…9」では、橋台工事中の様子を、「芝浦の新しい橋」では、架橋成った姿をご覧に入れましたが、陸から間近に目にするのは、もちろん初めてです。
円筒形のランプケースを戴いた、タイル張りの親柱もなかなか素敵で、美しく湾曲した桁とよく調和しており、バランスの取れた良い橋だと思います。
【撮影地点のMapion地図】
橋詰には、船路橋の来歴を書いた説明板がありました。以前も触れた、都電の修繕工場への道として、線路が敷かれた併用軌道の橋であったことも、きちんと説明されており、ますます、この新しい橋への印象が良くなりました。
船が汐彩橋をくぐると、エンジンの低い響きが聞こえてきて、いやが上にも雰囲気が盛り上がります(盛り上がっているのは、私一人だけ…)。全高を抑えたスタイルにもかかわらず、下周りがカタマラン(双胴船)のせいか、非常に軽快な感じがします。
乗り心地のほうも、きっと良いに違いありません。
乗り組みの方は、着岸と同時にもやいを取り、タラップを降ろし、下船客を見送りと、一人で大忙し。どうやら操縦士氏と、二人乗務のようですね。家族連れ、買い物客、自転車と一緒に降りてくる人もいて、結構な数のお客さんが乗っていました。
下船客が途切れるのを見計らい、「どうぞ」とうながされて、ウキウキと乗船です。
【撮影地点のMapion地図】
(19年12月16日撮影)
(『アーバンランチで東京港をゆく…3』につづく)
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2007/12/20のBlog
[ 21:39 ]
[ 水辺のお散歩・遊覧船 ]
(『川蒸気本の決定版』のつづき)物流博物館を堪能して、おなか一杯になったあとは、以前から乗ってみたかった、アーバンランチの発着所がある、芝浦・大丸ピーコック前へ。
写真は、汐彩橋の上から、発着所の桟橋を見たところです。私の艇でここを通過したときの様子は、「芝浦の運河めぐり…9」「芝浦の新しい橋」などでご覧に入れましたが、お他人様のフネ(笑)でここを通るのは、もちろん初めて。あのスマートなアーバンランチに乗れる嬉しさから、もう顔がほころびっぱなしです…。
【撮影地点のMapion地図】
出港時刻は、家を出る前にサイト(アーバンランチ)を見てきたのですが、周囲に人気もないことから、ちょっと不安になって一応確認。16:00便まで、あと20分ほどありますから、周囲をぶらぶら散策して、待つことにしました。
芝浦運河周辺は、高いビルが建て込んでいるので、この時刻ともなればすっかり日陰となり、運河を渡ってくる風が、身に沁みる寒さ…。
人気がないのも、むべなるかなであります。
汐彩橋橋詰近くに立つ、発着所の案内板。船のマークは、なかなか可愛らしいのですが、アーバンランチとは似ても似つかない形なのが、ちょっと気になりました。
まあ、仮にシルエットを図案化したとしても、流線型の平べったい船体は、絵になりにくい形でしょうから、これはいたしかたないのかもしれません。
橋の上から、芝浦運河を眺めていたら、左手の芝浦西運河から、黄色い船体のフライブリッジ付きクルーザーが出て来ました。以前「4月15日の桟橋」でも掲載した、ワールドシティタワーズの所属艇です。
検索してみたら、岩淵経由で荒川・隅田川を一周するコースを筆頭に、神田川・日本橋川を通るコースなど、水路趣味全開(笑)のチャーターボートであることが判明。(参照:ワールドシティタワーズ・チャータークルーズ・ショートクルーズコース)これによると、江戸川のマリーナ、ニューポートが運航しているようですね。皆さんもいかがでしょうか。
(19年12月16日撮影)
【20年3月22日追記】がーちゃんフォトアルバムの「アーバンランチでお台場へ その1」に、トラックバックさせていただきました。
(『アーバンランチで東京港をゆく…2』につづく)
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2007/12/19のBlog
[ 21:45 ]
[ 水運趣味の本など ]
(『物流博物館で小躍り』のつづき)物流博物館の受付で販売しているものは、まだ種類は多くないものの、通運丸のペーパークラフトはじめ、水運趣味的には魅力的なものばかりでした。ここに紹介したもののほかにも、通運丸を描いた、錦絵の絵葉書などもあります。
ここでは特に、川蒸気関連の図録をご紹介したいと思います。図録、と呼びましたが、どちらもその範疇を超えた、濃厚な研究成果の集大成と言ってよろしく、関東の川蒸気に関心のある方に、ぜひ一読をお勧めしたい2冊です。
図説 川の上の近代 ―通運丸と関東の川蒸気船交通史―川蒸気合同展実行委員会 編
A4判 本文194ページ 平成19年10月20日発行
江東区・中川船番所資料館、物流博物館、吉岡まちかど博物館が、3館合同で開催した特別展「川の上の近代 川蒸気船とその時代」(19年4月28日~6月17日開催)の図録で、200ページになんなんとする大冊です。内容は、内国通運が就航させた通運丸を中心に、銚子丸など、明治以降の利根川水系を走った汽船と、それに関連することがら―各船の詳細な経歴はもとより、運行形態、船会社や河港の興亡、当時の船旅を記した個人の日記に至るまで―を、膨大な史料とともに網羅しています。
特に、写真史料の豊富さは、目を見張らせるものがありました。外輪蒸気船のダイナミックな航行シーンから、汽船発着所の豪壮な建築、珍しいところでは、船体に取り付ける前のエンジン・外輪ユニットの写真などなど、初めて見るものも多くありました。既刊の河川交通を扱った本では、記述のみで図版が乏しく、イメージがつかみ難いきらいがありましたから、今回この本のおかげで、大いに渇きを癒したような気持ちになったものです。
なお、別紙の付録として、多色刷りの「利根川蒸気船活躍時期一覧表」(通運丸各号の就航・転籍・除籍時期が一覧できる)、「汽船寄航場分布図」(河港の位置を明記した略地図)、および一色刷りの「蒸気河岸・汽船取扱人一覧表」が付いており、本文と合わせて参照すると、全体のイメージがつかみやすく、実に親切な構成と思います。
余談ですが、小説「青べか物語」(『映画「青べか物語」を見て』参照)に、主人公「蒸気河岸の先生」の知人で、「船体を白く塗ったほうの」汽船発着所を経営する旧家の当主、高品氏という人物が出てきます。浦安が、作中では「浦粕」とされた伝で、高品さんも、もちろん仮名なのでしょうが、本書付録の「蒸気河岸・汽船取扱人一覧表」を見ると…ありました、浦安と堀江の、2ヵ所の蒸気河岸の取扱人―今で言えば、フランチャイズの経営者でしょうか―に、「高梨友行」の名前が見えたのです。
「青べか」の世界が、とても身近な存在になったような気がして、嬉しい余禄でした。閑話休題。
たくさんの掲載写真によって髣髴される、船影濃い、まさに生きた水路であった時代の、圧倒的な川景色。外観だけでなく、機関や缶(ボイラー)、推進器の図面からもつかむことができる、河川交通の雄、川蒸気船の構造…。今まで想像するしかなかった、川蒸気の世界のイメージが、怒涛のように映像となって現れた、そんな印象を強く感じました。「川蒸気本の決定版」と称しても、決して言い過ぎではありますまい。本書を編まれた皆さんに、心から敬意を表したいと思います。
Kioroshi(木下)の蒸気船 銚港丸木下まち育て塾 編
A4判 12ページ 平成19年10月21日発行
こちらも「川の上の近代」同様、合同企画展の一環として、吉岡まちかど博物館を運営する「木下まち育て塾」が編纂したものです。印西木下は、佐原と並ぶ、利根川の一大河港として有名ですが、本書のタイトルともなった銚港丸は、木下の河岸問屋・吉岡家が所有した川蒸気船隊の総称で、第一から第五まで、5隻を数え、通運丸、銚子丸と並ぶ、利根流域の一大勢力でした。
本書は、中綴じ12ページの小冊子ながら、中身は「川の上の近代」に劣らず濃厚です。通運丸就航以前から、蒸気河岸として機能していた吉岡家の年賦に始まり、銚港丸の鮮明な写真、美しいペン画で再現された往年の木下河岸、文学作品に登場する木下など、掲載史料の豊富さは前掲書同様で、むしろテーマがしぼられている分、読みやすくまとめられていると言ってよいでしょう。
銚港丸の船主、吉岡家は、寛永年間から続く旧家で、早くも明治8年から蒸気河岸を委託運営し、同12年には共同出資とはいえ、第一号銚港丸を進水させてしまうのですから、その資本力と行動力には、舌を巻かざるを得ません。その後約20年、船会社乱立の時期を、二大勢力との同盟で巧みに乗り切り、鉄道開通による汽船時代の終焉まで、個人船主としては異例の長命を誇り、当主吉岡七郎の死後は、巨大な顕彰碑が建てられたくらいですから、地域の実力者として、その威勢のほどが偲ばれます。
江戸中期に始まる、関東大水運時代がはぐくんだ河岸問屋、その心意気の一端を、覗き見ることのできる一冊です。
(『アーバンランチで東京港をゆく…1』につづく)
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