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2008/05/07のBlog
[ 01:37 ]
[ 晩酌ノート ]
2008年5月6日
世間一般では連休、しかし、関係なし。いや、関係がある。周りの施設が休みで使い物にならんのと、行き帰りの電車が観光客の影響で混雑するのが極めて鬱陶し。ここの所、連日23時近くの帰宅で晩酌となる。このような日々では呑まずにおれないというのが正直なところで、就寝時間を考えるとゆったり出来ないがビールを頂いて清酒か焼酎の杯を重ねるというのが続いている。昨日も書いてはいないがそのようにとある芋焼酎を頂いている。
世間一般では連休、しかし、関係なし。いや、関係がある。周りの施設が休みで使い物にならんのと、行き帰りの電車が観光客の影響で混雑するのが極めて鬱陶し。ここの所、連日23時近くの帰宅で晩酌となる。このような日々では呑まずにおれないというのが正直なところで、就寝時間を考えるとゆったり出来ないがビールを頂いて清酒か焼酎の杯を重ねるというのが続いている。昨日も書いてはいないがそのようにとある芋焼酎を頂いている。
本日は、このような連休ならざる連休の最後の癒しとして、灘の安福又四郎商店「大黒正宗 なまざけ」を頂く。すでに今年(19BY)のものも出荷されているが、これは昨年(18BY)のものである。内容は新酒として出される「しぼりたて」と同一、それはしばらく寝かした後に蔵出しされるものだ。ま、いまさらこの場で「大黒正宗」に関して多くを語る必要はなかろう。
この「なまざけ」、若くとも「しぼりたて」と比べて少々の熟成を経ているので、呑む機会によっては濃く感じてしまうこともあるのだが、今回の一年以上の熟成を経ているこの個体、予想以上に若々しさを保っており(アル添酒は熟成に向かないという意見をしばしば拝見するが、大黒に関しては全く該当しない)、開栓直後は荒々しさすらある。そして、しばらく経っての風味の開き具合や甘い香ばしさは実に良い。本日のノリの感覚は、毎年末の「しぼりたて」を楽しむ過程と同一に感じられる。原酒の状態であるにもか関わらず、呑み始めてからの方が身体が軽やかになったような心境である。
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この「なまざけ」、若くとも「しぼりたて」と比べて少々の熟成を経ているので、呑む機会によっては濃く感じてしまうこともあるのだが、今回の一年以上の熟成を経ているこの個体、予想以上に若々しさを保っており(アル添酒は熟成に向かないという意見をしばしば拝見するが、大黒に関しては全く該当しない)、開栓直後は荒々しさすらある。そして、しばらく経っての風味の開き具合や甘い香ばしさは実に良い。本日のノリの感覚は、毎年末の「しぼりたて」を楽しむ過程と同一に感じられる。原酒の状態であるにもか関わらず、呑み始めてからの方が身体が軽やかになったような心境である。
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2008/05/05のBlog
[ 01:03 ]
[ 晩酌ノート ]
2008年5月4日
この頃、清酒の呑み切りラッシュのこねくろです。本日は23時頃の帰宅ということもあって、ビールも無しでちょうど一合ほど残っていた「不老泉 純米 旨燗」を呑み切った。新しい清酒が全然出てこないものだから(今年度に開栓したのは「遊穂」のみ、それもすでに呑み切っている)、「もはや清酒の在庫が尽きたなwww」と陰口を囁かれていそうだが、晩酌の状況に反して買い溜まっているのが現状だ。どうも心境的に、「過去を振り返る」の連続記事を記したのが象徴的なように、リセットして(開栓済みなものは呑み切って)おきたかったというところだ。そう言ってしまうと「処分する」みたいに捉えかねないところだが、この「不老泉 旨燗」、開栓して一ヶ月以上も経っているので、「いい加減に呑み切ってあげろや」というおしかりを受けかねない。
そうそう、気付いたことは書き記しておかねばな、と思い、「過去を振り返る 中編」に追記をしておいた。用語としての「醸造アルコール」と「糖蜜」について、自分自身も勘違いしていたことに気付いたということなのだが、この二つの単語はしばしば勘違いされ誤った用法がなされる。むしろ、後者に関しては「廃糖蜜(もしくは廃蜜糖)」という単語が煽り言葉として一人歩きしているのが現状なのだろう。もっとも、私は「醸造アルコール」の原料は米であって欲しいというスタンスであって「糖蜜」擁護ではないのであしからず。
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そうそう、気付いたことは書き記しておかねばな、と思い、「過去を振り返る 中編」に追記をしておいた。用語としての「醸造アルコール」と「糖蜜」について、自分自身も勘違いしていたことに気付いたということなのだが、この二つの単語はしばしば勘違いされ誤った用法がなされる。むしろ、後者に関しては「廃糖蜜(もしくは廃蜜糖)」という単語が煽り言葉として一人歩きしているのが現状なのだろう。もっとも、私は「醸造アルコール」の原料は米であって欲しいというスタンスであって「糖蜜」擁護ではないのであしからず。
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2008/05/03のBlog
[ 00:42 ]
[ 晩酌ノート ]
2008年5月2日
暦通りの金曜日、21時半ごろに帰宅する。ようやく陽気めいてきた。毎年、このGWの頃に汗ばむ季節という実感を抱くことが多い。そろそろ晩酌にビールも欠かせなくなってしまう(冬場でも結構呑んでいただろオイ)。ということで、本日はまずはヱビス。
暦通りの金曜日、21時半ごろに帰宅する。ようやく陽気めいてきた。毎年、このGWの頃に汗ばむ季節という実感を抱くことが多い。そろそろ晩酌にビールも欠かせなくなってしまう(冬場でも結構呑んでいただろオイ)。ということで、本日はまずはヱビス。
食事は若竹煮に鰤(季節感が無いな。。。)、冷や奴、魚の大根おろしには醤油を用いたので奴は塩で頂く。これに合わせては新潟は樋木酒造「鶴の友 別撰」、本醸造に該当するが、吟醸酒の乗りも感じさせる、なおかつ骨太な旨味を楽しめる。CPに優良な一本であると思う。本日の時点で一合ほどの残りだったので呑み切ることになったが、本日にしみじみと思ったのが本醸造(アル添)だからこその風味のステージのオモロさだ。かつては純米こそが日本酒で、本醸造は切れが悪くて嫌いだと思っていたものだが、上手な造りであればアル添だからこそ(米原料の醸造アルコールを用いている場合はその風味が渾然一体となったもの)の風味があるものだと体感したのだ。世にある全ての本醸造が手放しに素晴らしいとは全く言わないが、その蔵の造りごとでまるで異なるというのは自明の理、それは純米酒に関しても該当する。そういうことで、基本的に純米のカテゴリーが好きなれど、本醸造(もっと言えばアル添)を否定する意見には反発するのが現状のスタンスである。
結局「鶴の友」だけでは呑み足らず、「遊穂」も持ち出す。こちらは一合も残っていなかったというところで、杯数杯で呑み切ってしまった。
結局「鶴の友」だけでは呑み足らず、「遊穂」も持ち出す。こちらは一合も残っていなかったというところで、杯数杯で呑み切ってしまった。
この「遊穂」は常温に晒したりと弄くりまくりだった。体調によってはしんどいと感じる酒質であったのは確かだが、野趣を感じさせるような酒だったように思える。本日の印象だと、シードルを連想させる含み香を感じさせる(写真は参考までに先日のパリで頂いたシードル)。石川県って林檎が採れたっけ?(←全く因果関係が無いだろ)
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2008/05/01のBlog
[ 23:29 ]
[ 晩酌ノート ]
2008年5月1日
今年度も早いもので皐月突入、例年ならばGWまっただ中な期間なれど、曜日の巡り合わせの関係で、今週は通常の一週間と変わらん気がする。メーデーはもっと関係ない。大通りが騒がしいなということで思い出したが。
今年度も早いもので皐月突入、例年ならばGWまっただ中な期間なれど、曜日の巡り合わせの関係で、今週は通常の一週間と変わらん気がする。メーデーはもっと関係ない。大通りが騒がしいなということで思い出したが。
昨日は休肝日、本日は主菜が豚の冷しゃぶということで芋焼酎を志向する。持ち出したのは松露104号、わずかに残っていたので本日でこの一本は呑み切る。主に湯割りにて頂くが、香ばしさと甘露な風味が好ましい。お名残惜しい気もするが、色々と未飲の銘柄も呑みたい思いもある。何とも気が多い。
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2008/04/29のBlog
[ 23:25 ]
[ 御猫様通信 ]
[ 23:22 ]
[ 晩酌ノート ]
2008年4月29日
先週は外呑みの機会も多く、ちと家にストックしているお酒の消費ペースが遅めではある。ただ、この「遊穂」に関してはヘビーな酒質ゆえ、一度に頂く量が少なめという理由もある。
「遊穂」のこの濃醇さと、無濾過生原酒のスペックを考えると、割水燗にも向くだろうとそうして頂いた。結果は予想通りというところ。呑みやすくはなったが、とにかく、味の濃い酒だ。呑み疲れしやすい感は否めない。
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先週は外呑みの機会も多く、ちと家にストックしているお酒の消費ペースが遅めではある。ただ、この「遊穂」に関してはヘビーな酒質ゆえ、一度に頂く量が少なめという理由もある。
「遊穂」のこの濃醇さと、無濾過生原酒のスペックを考えると、割水燗にも向くだろうとそうして頂いた。結果は予想通りというところ。呑みやすくはなったが、とにかく、味の濃い酒だ。呑み疲れしやすい感は否めない。
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[ 00:41 ]
[ 晩酌ノート ]
2008年4月27~28日
とりあえず暦通り、でもないか。申し訳ないけれども二日分のまとめup。
とりあえず暦通り、でもないか。申し訳ないけれども二日分のまとめup。
27日は、どうもお疲れ気味で、針(鍼灸ね)もされたらへろへろに。ということで、晩酌にはこのところ呑み続けている「遊穂」を冷やのままでざっくりぐい呑みで3杯ほど。ちなみに、手前にあるのが先日のゲリラ呑み会に持参した黒豆おからの卯の花の残り、黒豆おから自体は京都の北野天満宮近くの「とようけ屋山本」にて手に入る珍しい食材(こちらの商品としては「卯の花」になっている)、通常に白のおからに比べて量が少ないので、早めに行かないと売り切れていることがある。
28日はビール(この頃はキリン・ザ・ゴールドばかり)後に、大麦焼酎「青鹿毛」を頂く。あまりに開栓後に放置プレーにしているとやや風味が落ちているような気が。。。これというのも、なかなか正式販売してくれない柳田酒造さんのせいです。近日正式販売ということは述べておこうか。この経年具合では湯割りよりかはロックやストレートの方が良いように思えた。
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2008/04/27のBlog
[ 16:39 ]
[ 晩酌ノート ]
球磨焼酎の底力を感じるの巻
2008年4月26日
今週は連続記事の方に気が行ってしまっていたので、晩酌ノートは開店休業状態。。。まぁ色々とありまして、月曜日は夕方からの会合の後の懇親外呑みで、焼酎のロックの杯を重ねてしまって二日酔いへ突入(++)。ということで火曜日は休肝。水曜日は学生コンパ 的呑み会(゜д゜)。木曜日は久々の家呑みでビールと鶴の友別撰を頂いた。金曜日も晩の会合の後の食事がてらの外呑み、時間も遅かったのでビール一杯に黒糖焼酎の「朝日」のロック一杯のみと、このような内容だった。
2008年4月26日
今週は連続記事の方に気が行ってしまっていたので、晩酌ノートは開店休業状態。。。まぁ色々とありまして、月曜日は夕方からの会合の後の懇親外呑みで、焼酎のロックの杯を重ねてしまって二日酔いへ突入(++)。ということで火曜日は休肝。水曜日は学生コンパ 的呑み会(゜д゜)。木曜日は久々の家呑みでビールと鶴の友別撰を頂いた。金曜日も晩の会合の後の食事がてらの外呑み、時間も遅かったのでビール一杯に黒糖焼酎の「朝日」のロック一杯のみと、このような内容だった。
さて、土曜日はあらかじめ誘いを受けていた呑み会だ。それも、私が球磨焼酎で圧倒的に支持する豊永酒造の蔵人の寺田さんが来阪されるということで、一緒に豊永酒造の球磨焼酎を呑み倒そうという趣旨の呑み会だ。毎度お世話になっている茨木のかどや酒店主催のゲリラ呑み会でもあり、そちらの報告記事を見て頂くと雰囲気がわかりますかな(おっと、ツラが割れるな) ざっくばらんに各自アテ持ちよりでの呑み会、見栄えはよろしくないが、こういう肩肘張らずにお互いのアテを突っつき合うのも実に楽しいものだ。
参加者には和醸良酒さんもおり、計五名、そこに蔵人の寺田さんと店主のかどもとさんという構成だ。こういう呑み会に参加するということは少なからずお酒好きな方々ということになるが、和醸良酒さんは正にそうだがこれまでほとんど球磨焼酎を呑まれていなかったりする方も混じっている。昨今の焼酎ブームの状況下にあっても、芋や麦に比べて米焼酎はあまり注目されていないという雰囲気があるが、それの縮図のような感もある。直燗に至っては参加者で実際にやったことあるのは私ぐらいだった(→変なところでマニアックなもので)。
参加者には和醸良酒さんもおり、計五名、そこに蔵人の寺田さんと店主のかどもとさんという構成だ。こういう呑み会に参加するということは少なからずお酒好きな方々ということになるが、和醸良酒さんは正にそうだがこれまでほとんど球磨焼酎を呑まれていなかったりする方も混じっている。昨今の焼酎ブームの状況下にあっても、芋や麦に比べて米焼酎はあまり注目されていないという雰囲気があるが、それの縮図のような感もある。直燗に至っては参加者で実際にやったことあるのは私ぐらいだった(→変なところでマニアックなもので)。
しかしまぁ、冷やした「十九道(いっこうどう)」のストレートから始まり、次にそれの直燗に至ると、もう球磨焼酎の魅力爆裂でしたわ(゚д゚) 実は私も直燗はたまにやるが燗極ロックは未体験で、実際にやってみると多少なりとも存在するアルコールのピリピリ感が消えて風味は引き立つ。ネーミングはともかく、かなり良い。ノーマルの「完がこい」や「ゆ乃鶴」の古酒原酒なども弄りまくって賞味していく。それがまた楽しいもので、こんな風味のノリもあるものかと興味深い体験だった。
そんなこんなで、参加者全員、球磨焼酎(豊永酒造、いや、寺田さんにか)に完全にやられましたわ。ということで、いつのまにやらチーム「関西で豊永酒造の焼酎を伝えながら球磨焼酎を(後略)」が結成されていたみたいですわ(^^ゞ
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[ 15:06 ]
[ お酒コラム ]
後編は「過去を振り返る」というテーマとは大部分が外れるが、中編に関連しての続き話、故に余談編とでも言える。今回もこれまた揚げ足取りのように捉えられかねない上に、野暮な事であるのは重々承知の上で、トンデモレベルの珍説が連鎖した事例を取り上げておきたい。当初はURL等は伏せておこうと考えたが、それでは話が説明しづらく、この事例の孕んでいる意味内容も伝わらないだろうと判断し、今回はその該当記事のURLを示すことにした。○ちゃんねらーみたいに晒して…と思われるかもしれないが、ネット上で何かしらの情報を公開するということは批判対象にされうるということである。
たまたま、愛飲させて頂いている清酒の一つ「旭若松」に関してヒットしたブログ記事を拝見した。バースタイルの飲食店のブログの様子であり、「蒸留酒と醸造酒」というテーマで話を進めており、それぞれについて解説をしている。要約すると醸造酒を蒸留すれば蒸留酒なんですよ、と、そういう内容である。ビールを蒸留すればウイスキー、日本酒を蒸留すれば米焼酎だと、そのような短絡的な話で、それ自体は特にどうということは無い。しかし、その後に次のような説明をされていた。
「意味が違う事として、甲類焼酎はエチルアルコールを希釈して作ったものなので、醸造酒を蒸留したお酒とは違います」
出所: http://taiichi.exblog.jp/8380599/
私、あまりに予想外の文言に一升瓶の底でぶん殴られたが如く思考停止してしまった。どこをどう解釈すればこのような説明が出てくるのか。
乙類焼酎(本格焼酎)との違いで甲類焼酎の定義の要点だけ述べると、①連続式蒸留器を用い、②アルコール度数を36度未満に調整したもの、となる。そもそも焼酎とは何かという点については、東京国税局の説明を引用しておこう。
「酒税法では、しょうちゅうを次のように定義しています。
アルコール含有物を蒸留した酒類のうち、
A 連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分36度未満、
B 単式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分45度以下
のもので、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、ジンなどに該当しないものをいいます。
また、A に該当するものを連続式蒸留しょうちゅう(引用者注:甲類焼酎)、B に該当するものを単式蒸留しょうちゅう(引用者注:乙類もしくは本格焼酎)に区分しています」
出所:http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/sake/abc/abc-shochu.htm
(気になる方は酒税法もお調べ下さい)
また、甲類焼酎の製法としては酒類総合情報研究所情報誌の記事がイメージを掴みやすいかと思える。ともかく、発酵により糖分をアルコールに変え、蒸留するという点では甲類も乙類も違いは無い。エチルアルコールと表現すればさも化学的に合成した、とイメージしたのかもしれんが、エチルアルコール・エタノール・酒精などの言葉、全て同意義で同じものを指す。単にアルコールと言った場合もエチルアルコールのことを指すのが一般的で、例えば『広辞苑(第五版)』における「エチルアルコール」の項では「単にアルコールともいう」と記されており、「アルコール」の項では「最も普通なものはエチル-アルコールで、一般には単にアルコールといえばこれを指す」と記している。実際、酒類の成分はエチルアルコールである。なので、「純米酒の成分の約五分の一はエチルアルコールです」という説明も成り立つのである。件の記事内容では、醸造酒と蒸溜酒の説明の際は「アルコール」と表現しているのに甲類焼酎の時だけ「エチルアルコール」と表現しており、自らの用いている言葉の意味を全く精査していないことが丸わかりである。また、発酵・蒸留により得たアルコールを希釈、つまり加水すれば「醸造酒を蒸留したお酒」で無くなるのなら、世の大半の蒸溜酒がその範疇から外れることになる。出鱈目にもほどがある。
そもそも、この飲食店は何を思ってそんなことを書いたのかというのが気になってしまった。そう思って検索してみたら、案の定、同じようなことを書いているサイトが出てきた。どうやらこの御仁のこの解説を参照したのは間違いなかろう。google大先生ではヒットしないが、yahoo検索で「醸造酒」「蒸留酒」のキーワードで検索すると4番にヒットする。このHPは現時点で最終更新日が2007年10月21日であり、先のブログは2008年3月5日の記事である。該当部分を引用すると以下の通り。
「例外というのは日本で売られている甲類焼酎。これは本来工業用に作られたエチルアルコール等を希釈して作った物なので、醸造酒を蒸留して作る蒸留酒とは全く意味合いが違います」
出所:http://www2u.biglobe.ne.jp/~mizunagi/sake-jyou.htm
→連続式蒸溜機を用いれば工業的で、単式蒸溜機を用いれば工業的では無いとでも言いたいのか? そもそも世にある蒸溜酒でも、グレーンウイスキーやドライ・ジン、ウォッカ、ライト・ラムなどは同様の製法で連続式蒸溜機を使用する。
部分的に変えているが、醸造酒と蒸溜酒の話の流れは全くそのままといえる。そもそも、先に出てきた飲食店の方、盗作まがいの行為云々以前にこんな出鱈目な話をそのまま述べてしまうのは自らで店の評判にレッテルを貼るようなものだ。情報の出典を示さない個人ページの情報を、いかにも事実であるかの如く用いるのはどれだけ危険なことなのか、考えて頂きたい。(以下、罵詈雑言は省略)
まぁ、何が言いたいかというと、前回の記事で主張したかったことで、そのテーマ(特に制度上の解説や蘊蓄を述べる場合)を選んだのなら取り上げる対象の情報を精査してから書け、というやむにやまれぬ訴えなのだ。これをあえて述べたのは、いい加減な話を書くとこのような「ウソの連鎖」にもつながる為だ。もしこの飲食店で予備知識を持たない客に対してこの説明をしてしまうと、それが出鱈目話であったとしても真実だと思い込んでしまう場合があり得る。醸造アルコールと同様に、甲類焼酎にもそれだけ偏見があるということの証左かもしれんが、だからこそ、自分勝手なイメージだけではなく正確に捉えねばならんのではないか。
気にいらんものに対して、批判に結びつけて自分勝手な主張を通そうとすると、出鱈目な理由付けでも何でもいいからとかく悪く言おうとしてしまうものだ。都合の良い情報だけを引っ張ろうとしてしまうものだ。また、今回の連続記事の前編での話に関連するが、何らかの主張や説に依拠する場合でも、無批判で受け入れてしまうのも都合の良い情報だけを引っ張ろうとする行為を引き起こしやすい。そのような行為を戒めることを自分に対する教訓とも捉えつつ、この連続記事を終了したい。
たまたま、愛飲させて頂いている清酒の一つ「旭若松」に関してヒットしたブログ記事を拝見した。バースタイルの飲食店のブログの様子であり、「蒸留酒と醸造酒」というテーマで話を進めており、それぞれについて解説をしている。要約すると醸造酒を蒸留すれば蒸留酒なんですよ、と、そういう内容である。ビールを蒸留すればウイスキー、日本酒を蒸留すれば米焼酎だと、そのような短絡的な話で、それ自体は特にどうということは無い。しかし、その後に次のような説明をされていた。
「意味が違う事として、甲類焼酎はエチルアルコールを希釈して作ったものなので、醸造酒を蒸留したお酒とは違います」
出所: http://taiichi.exblog.jp/8380599/
私、あまりに予想外の文言に一升瓶の底でぶん殴られたが如く思考停止してしまった。どこをどう解釈すればこのような説明が出てくるのか。
乙類焼酎(本格焼酎)との違いで甲類焼酎の定義の要点だけ述べると、①連続式蒸留器を用い、②アルコール度数を36度未満に調整したもの、となる。そもそも焼酎とは何かという点については、東京国税局の説明を引用しておこう。
「酒税法では、しょうちゅうを次のように定義しています。
アルコール含有物を蒸留した酒類のうち、
A 連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分36度未満、
B 単式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分45度以下
のもので、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、ジンなどに該当しないものをいいます。
また、A に該当するものを連続式蒸留しょうちゅう(引用者注:甲類焼酎)、B に該当するものを単式蒸留しょうちゅう(引用者注:乙類もしくは本格焼酎)に区分しています」
出所:http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/sake/abc/abc-shochu.htm
(気になる方は酒税法もお調べ下さい)
また、甲類焼酎の製法としては酒類総合情報研究所情報誌の記事がイメージを掴みやすいかと思える。ともかく、発酵により糖分をアルコールに変え、蒸留するという点では甲類も乙類も違いは無い。エチルアルコールと表現すればさも化学的に合成した、とイメージしたのかもしれんが、エチルアルコール・エタノール・酒精などの言葉、全て同意義で同じものを指す。単にアルコールと言った場合もエチルアルコールのことを指すのが一般的で、例えば『広辞苑(第五版)』における「エチルアルコール」の項では「単にアルコールともいう」と記されており、「アルコール」の項では「最も普通なものはエチル-アルコールで、一般には単にアルコールといえばこれを指す」と記している。実際、酒類の成分はエチルアルコールである。なので、「純米酒の成分の約五分の一はエチルアルコールです」という説明も成り立つのである。件の記事内容では、醸造酒と蒸溜酒の説明の際は「アルコール」と表現しているのに甲類焼酎の時だけ「エチルアルコール」と表現しており、自らの用いている言葉の意味を全く精査していないことが丸わかりである。また、発酵・蒸留により得たアルコールを希釈、つまり加水すれば「醸造酒を蒸留したお酒」で無くなるのなら、世の大半の蒸溜酒がその範疇から外れることになる。出鱈目にもほどがある。
そもそも、この飲食店は何を思ってそんなことを書いたのかというのが気になってしまった。そう思って検索してみたら、案の定、同じようなことを書いているサイトが出てきた。どうやらこの御仁のこの解説を参照したのは間違いなかろう。google大先生ではヒットしないが、yahoo検索で「醸造酒」「蒸留酒」のキーワードで検索すると4番にヒットする。このHPは現時点で最終更新日が2007年10月21日であり、先のブログは2008年3月5日の記事である。該当部分を引用すると以下の通り。
「例外というのは日本で売られている甲類焼酎。これは本来工業用に作られたエチルアルコール等を希釈して作った物なので、醸造酒を蒸留して作る蒸留酒とは全く意味合いが違います」
出所:http://www2u.biglobe.ne.jp/~mizunagi/sake-jyou.htm
→連続式蒸溜機を用いれば工業的で、単式蒸溜機を用いれば工業的では無いとでも言いたいのか? そもそも世にある蒸溜酒でも、グレーンウイスキーやドライ・ジン、ウォッカ、ライト・ラムなどは同様の製法で連続式蒸溜機を使用する。
部分的に変えているが、醸造酒と蒸溜酒の話の流れは全くそのままといえる。そもそも、先に出てきた飲食店の方、盗作まがいの行為云々以前にこんな出鱈目な話をそのまま述べてしまうのは自らで店の評判にレッテルを貼るようなものだ。情報の出典を示さない個人ページの情報を、いかにも事実であるかの如く用いるのはどれだけ危険なことなのか、考えて頂きたい。(以下、罵詈雑言は省略)
まぁ、何が言いたいかというと、前回の記事で主張したかったことで、そのテーマ(特に制度上の解説や蘊蓄を述べる場合)を選んだのなら取り上げる対象の情報を精査してから書け、というやむにやまれぬ訴えなのだ。これをあえて述べたのは、いい加減な話を書くとこのような「ウソの連鎖」にもつながる為だ。もしこの飲食店で予備知識を持たない客に対してこの説明をしてしまうと、それが出鱈目話であったとしても真実だと思い込んでしまう場合があり得る。醸造アルコールと同様に、甲類焼酎にもそれだけ偏見があるということの証左かもしれんが、だからこそ、自分勝手なイメージだけではなく正確に捉えねばならんのではないか。
気にいらんものに対して、批判に結びつけて自分勝手な主張を通そうとすると、出鱈目な理由付けでも何でもいいからとかく悪く言おうとしてしまうものだ。都合の良い情報だけを引っ張ろうとしてしまうものだ。また、今回の連続記事の前編での話に関連するが、何らかの主張や説に依拠する場合でも、無批判で受け入れてしまうのも都合の良い情報だけを引っ張ろうとする行為を引き起こしやすい。そのような行為を戒めることを自分に対する教訓とも捉えつつ、この連続記事を終了したい。
2008/04/25のBlog
[ 02:02 ]
[ お酒コラム ]
酒関連、特に清酒に関する話題を中心としたHPやブログでしばしば見かける話題として、「特定名称酒」に関する解説が挙げられよう。酒販店や飲食店、酒造メーカーの場合は自分の提供する商品の基礎的な情報として説明するということになる。個人の場合だと、清酒に興味を抱くとまず気になるのは「純米」や「吟醸」、「本醸造」の意味する内容であり、それを知ってしまうとついついうれしがって「他の人にも伝えてあげなきゃ!」と余計なお節介を考えてしまうもので、ケツの青かった自分もやってしまったりしてねぇ。
もう転載はせんが、これ→ 「特定名称酒な話 その1」なんかいらんことまでべらべらと語っとる。上原氏の『純米酒を極める』に引っ張られていた節もあり。ハッキリ言って、示したリンクで事足りる内容だ。一応、「その2」もあるが、あれは完全に蛇足なり。
何故、これを振り返っておきたいと思ったかというと、この手の「特定名称酒」を解説しようとしているブログやHPの記事であまりにいい加減な内容が散見されるためだ。いちいち揚げ足取りのようなことはしたくないが、そうやってウソや珍説をばらまくのは情報公害と言っても良い。
さて、様々な主体によって為される「特定名称酒」解説の記事は大きく3つのタイプに分類出来るように思える。それは以下の通り。
①正確な情報に基づいた内容
②ソースが?ないい加減な内容
③正確な情報を踏まえつつ、自分の主張の都合に合わせて話を持って行く内容
第一のタイプは、国(国税庁)の定める清酒の製法品質表示基準の引用、もしくはそれに基づいてその基準内容を外れないように解説するものが挙げられる。その手のページにリンクを付けるのが最も確実だ。なんというか、「特定名称酒」を解説するならこれしかあり得ないわけなんだが。その例としては、私が以前にリンクをつけたように日本酒造組合による解説や、月桂冠による解説(Google大先生で「特定名称酒」を検索するとトップにヒットします)が挙げられる。
第二のタイプは、うろ覚えな知識やいい加減な情報に基づいて、間違いが目立ったり、ウソを書いているものが挙げられる。これが実に多い。以前に「特別純米酒についての疑問」という記事を書いたりしたが、本記事の動機につながる印象を抱いたのであり、世の中にいい加減な情報によって「特定名称酒」を解説している記事が多いということだった。この手の記事で目立つミスは3つほどある。
①特別純米や特別本醸造の要件として、「精米歩合60%以下」と断定してしまっている。
→要件に含まれているが、絶対条件では無い。書くならば少なくとも「60%以下又は特別な製造方法(要説明表示)」としておかなければならない。もう少し国税庁の基準を引用すると「純米酒又は本醸造酒のうち、香味及び色沢が特に良好であり、かつ、その旨を使用原材料、製造方法その他の客観的事項をもって当該清酒の容器又は包装に説明表示するもの(精米歩合をもって説明表示する場合は、精米歩合が60%以下の場合に限る。)に「特別純米酒」又は「特別本醸造酒」の名称を用いること」となる。これは細かな規定を省略してわかりやすく説明しようとして、示すべき情報まで省略して不正確な記述をしてしまったという典型例である。精米歩合65%の吟醸酒というのは存在しないが、精米歩合65%の特別純米酒は存在するのである。
②純米酒の要件として、「精米歩合70%以下」のままになっている。
→昔に書かれた記事か、もしくは古いデータをソースに用いてしまっている。かつてはその要件があったが、2003年10月31日の「清酒の製法品質表示基準」の一部改正に際してこの要件が撤廃され、2004年1月1日から適用されている。古い記事ならば可能な限り更新で修正しておく必要はあろうし(その記事が書かれた日付がきちんと明記されていれば当時のデータとして、そのままでも問題ない)、新たに記述するなら参照するデータは極力新しいものを用いないと内容が不正確になるよ、ということである。たまに、この改正以降に出版された書籍でもこのミスをしているものもあったりする。
③特定名称酒の各要件と同じように普通酒の要件(アル添の割合等)を説明してしまっている。
→普通酒は特定名称酒に該当しない清酒の通称。そもそも、まず清酒の定義が存在し、そのなかで製法等の要件に見合うものが特定名称酒として扱っても良いという表示基準である。なので、あえて言うならば「清酒の要件を満たすもので特定名称酒以外」ということになる。それ以上でもなく、それ以下でもない。そうでなければ、精米歩合50%でアルコールも糖類等も添加していなくても特定名称酒でないものを説明できない。
①と②はありがちなミスなんだが、③に関しては筆が滑ってウソを書いていることになる。一面的にはその説明に該当することもあるが、それが条件とはならない。この3つのポイントが当てはまっている見事なまでの典型例が、Google大先生で「特定名称酒」を検索した場合に上位にヒットするのだからタチが悪い(しかもプロたる酒販店…)。これに関しては示させて頂く。→ http://www.marukin.biz/sakeerabi/sake/erabi3.htm
第三のタイプは、自分がかつて書いた記事なんかがそう。大体は、「純米こそが日本酒」を主張することを目的として、純米もアル添も同じ清酒として扱われていることに対する批判を付け加える。間違った記述では無いとしても、感情的に突っ走らずにほどほどに止めておくのがスマートではないかと思う。また、つい最近にもとある記事でたまたま目についたのだが、以下のような文言をセットで述べる場合も多々ある。
「添加する醸造用アルコールは、サトウキビの絞り汁かす(廃蜜糖)を醗酵させて作ります」
言うまでもなく、一面的な情報をさも全てであるかのように記述する典型である。事実誤認による珍説とも言いますかな。
あえて自分のことを棚に上げて述べさせて頂くと、兎にも角にも、公開するのなら、可能な限り正確な情報に基づいて記述しましょうや。そもそも、ネットのような情報検索に便利な存在があり、ちょっと探せば国税局の解説ページにたどり着けるのだから、手間もそれほどかからない。にも関わらず、上記のような不正確な内容が往々にしてある。そういう情報でも、それが正しいと信じてしまう人が出てきて、引用もしくはその情報に基づいて記述して、ウソが連鎖していってしまう。せめてそういうことは避けて欲しい。たとえ「特定名称酒」の基準自体が曖昧で問題があることであったとしても、その話題を取り上げる以上、正確に情報を捉えた上でなければ、それこそ"話にならん”のである。
ということで中編はここまで。後編は、「過去を振り返る」という話からは外れるが、今回の最後に挙げた「ウソの連鎖」に関して、一つの事例を言及して結びに代えたいと思う。
<追記>
この連続記事をまとめる過程で、私もいままで思い込みで間違った言葉を使用していたことに気付いたので、ここに明記しておく。
まず、清酒に添加するアルコールに関してはいつも「醸造用アルコール」と述べていた。一般にもよく言われる(本記事で引用した某ブログ記事でもそのように使用されている)のだが、国税庁の告示等での用語としては「醸造アルコール」が本則。確かによく見ると、手元にある本醸造のラベルでも「醸造アルコール」と記載されている。しかし、手元にある書籍で「醸造用アルコール」と用いているものも確認される。
次に、「醸造アルコール」の原料として主流とされているサトウキビの絞りかす(正確にはショ糖を結晶分離した後の残液)のことを「廃蜜糖(はいみつとう)」といつも呼んでいた。実際に、これも上に引用した某ブログ記事で使用されていたが、この言葉の構成を考えると「廃糖蜜(はいとうみつ)」というのが本則である。というのも、「蜜糖」という単語はなく、これを指す単語は「糖蜜」である。これに、「廃棄物」の意味を組み合わせて「廃糖蜜」という単語が使われていることになる。ということで、「廃糖蜜」という単語は辞書には存在せず、「糖蜜」が「廃棄物」として処理された場合にのみ用いられる造語と言える。そうすると、清酒関連でしばしば用いられるこの言葉自体の用法がおかしいことにも気付く。なぜなら、「醸造アルコール」の原料とされているのなら廃棄されておらず、「廃糖蜜」ではなく「糖蜜」と呼ばなければ矛盾している。
もう転載はせんが、これ→ 「特定名称酒な話 その1」なんかいらんことまでべらべらと語っとる。上原氏の『純米酒を極める』に引っ張られていた節もあり。ハッキリ言って、示したリンクで事足りる内容だ。一応、「その2」もあるが、あれは完全に蛇足なり。
何故、これを振り返っておきたいと思ったかというと、この手の「特定名称酒」を解説しようとしているブログやHPの記事であまりにいい加減な内容が散見されるためだ。いちいち揚げ足取りのようなことはしたくないが、そうやってウソや珍説をばらまくのは情報公害と言っても良い。
さて、様々な主体によって為される「特定名称酒」解説の記事は大きく3つのタイプに分類出来るように思える。それは以下の通り。
①正確な情報に基づいた内容
②ソースが?ないい加減な内容
③正確な情報を踏まえつつ、自分の主張の都合に合わせて話を持って行く内容
第一のタイプは、国(国税庁)の定める清酒の製法品質表示基準の引用、もしくはそれに基づいてその基準内容を外れないように解説するものが挙げられる。その手のページにリンクを付けるのが最も確実だ。なんというか、「特定名称酒」を解説するならこれしかあり得ないわけなんだが。その例としては、私が以前にリンクをつけたように日本酒造組合による解説や、月桂冠による解説(Google大先生で「特定名称酒」を検索するとトップにヒットします)が挙げられる。
第二のタイプは、うろ覚えな知識やいい加減な情報に基づいて、間違いが目立ったり、ウソを書いているものが挙げられる。これが実に多い。以前に「特別純米酒についての疑問」という記事を書いたりしたが、本記事の動機につながる印象を抱いたのであり、世の中にいい加減な情報によって「特定名称酒」を解説している記事が多いということだった。この手の記事で目立つミスは3つほどある。
①特別純米や特別本醸造の要件として、「精米歩合60%以下」と断定してしまっている。
→要件に含まれているが、絶対条件では無い。書くならば少なくとも「60%以下又は特別な製造方法(要説明表示)」としておかなければならない。もう少し国税庁の基準を引用すると「純米酒又は本醸造酒のうち、香味及び色沢が特に良好であり、かつ、その旨を使用原材料、製造方法その他の客観的事項をもって当該清酒の容器又は包装に説明表示するもの(精米歩合をもって説明表示する場合は、精米歩合が60%以下の場合に限る。)に「特別純米酒」又は「特別本醸造酒」の名称を用いること」となる。これは細かな規定を省略してわかりやすく説明しようとして、示すべき情報まで省略して不正確な記述をしてしまったという典型例である。精米歩合65%の吟醸酒というのは存在しないが、精米歩合65%の特別純米酒は存在するのである。
②純米酒の要件として、「精米歩合70%以下」のままになっている。
→昔に書かれた記事か、もしくは古いデータをソースに用いてしまっている。かつてはその要件があったが、2003年10月31日の「清酒の製法品質表示基準」の一部改正に際してこの要件が撤廃され、2004年1月1日から適用されている。古い記事ならば可能な限り更新で修正しておく必要はあろうし(その記事が書かれた日付がきちんと明記されていれば当時のデータとして、そのままでも問題ない)、新たに記述するなら参照するデータは極力新しいものを用いないと内容が不正確になるよ、ということである。たまに、この改正以降に出版された書籍でもこのミスをしているものもあったりする。
③特定名称酒の各要件と同じように普通酒の要件(アル添の割合等)を説明してしまっている。
→普通酒は特定名称酒に該当しない清酒の通称。そもそも、まず清酒の定義が存在し、そのなかで製法等の要件に見合うものが特定名称酒として扱っても良いという表示基準である。なので、あえて言うならば「清酒の要件を満たすもので特定名称酒以外」ということになる。それ以上でもなく、それ以下でもない。そうでなければ、精米歩合50%でアルコールも糖類等も添加していなくても特定名称酒でないものを説明できない。
①と②はありがちなミスなんだが、③に関しては筆が滑ってウソを書いていることになる。一面的にはその説明に該当することもあるが、それが条件とはならない。この3つのポイントが当てはまっている見事なまでの典型例が、Google大先生で「特定名称酒」を検索した場合に上位にヒットするのだからタチが悪い(しかもプロたる酒販店…)。これに関しては示させて頂く。→ http://www.marukin.biz/sakeerabi/sake/erabi3.htm
第三のタイプは、自分がかつて書いた記事なんかがそう。大体は、「純米こそが日本酒」を主張することを目的として、純米もアル添も同じ清酒として扱われていることに対する批判を付け加える。間違った記述では無いとしても、感情的に突っ走らずにほどほどに止めておくのがスマートではないかと思う。また、つい最近にもとある記事でたまたま目についたのだが、以下のような文言をセットで述べる場合も多々ある。
「添加する醸造用アルコールは、サトウキビの絞り汁かす(廃蜜糖)を醗酵させて作ります」
言うまでもなく、一面的な情報をさも全てであるかのように記述する典型である。事実誤認による珍説とも言いますかな。
あえて自分のことを棚に上げて述べさせて頂くと、兎にも角にも、公開するのなら、可能な限り正確な情報に基づいて記述しましょうや。そもそも、ネットのような情報検索に便利な存在があり、ちょっと探せば国税局の解説ページにたどり着けるのだから、手間もそれほどかからない。にも関わらず、上記のような不正確な内容が往々にしてある。そういう情報でも、それが正しいと信じてしまう人が出てきて、引用もしくはその情報に基づいて記述して、ウソが連鎖していってしまう。せめてそういうことは避けて欲しい。たとえ「特定名称酒」の基準自体が曖昧で問題があることであったとしても、その話題を取り上げる以上、正確に情報を捉えた上でなければ、それこそ"話にならん”のである。
ということで中編はここまで。後編は、「過去を振り返る」という話からは外れるが、今回の最後に挙げた「ウソの連鎖」に関して、一つの事例を言及して結びに代えたいと思う。
<追記>
この連続記事をまとめる過程で、私もいままで思い込みで間違った言葉を使用していたことに気付いたので、ここに明記しておく。
まず、清酒に添加するアルコールに関してはいつも「醸造用アルコール」と述べていた。一般にもよく言われる(本記事で引用した某ブログ記事でもそのように使用されている)のだが、国税庁の告示等での用語としては「醸造アルコール」が本則。確かによく見ると、手元にある本醸造のラベルでも「醸造アルコール」と記載されている。しかし、手元にある書籍で「醸造用アルコール」と用いているものも確認される。
次に、「醸造アルコール」の原料として主流とされているサトウキビの絞りかす(正確にはショ糖を結晶分離した後の残液)のことを「廃蜜糖(はいみつとう)」といつも呼んでいた。実際に、これも上に引用した某ブログ記事で使用されていたが、この言葉の構成を考えると「廃糖蜜(はいとうみつ)」というのが本則である。というのも、「蜜糖」という単語はなく、これを指す単語は「糖蜜」である。これに、「廃棄物」の意味を組み合わせて「廃糖蜜」という単語が使われていることになる。ということで、「廃糖蜜」という単語は辞書には存在せず、「糖蜜」が「廃棄物」として処理された場合にのみ用いられる造語と言える。そうすると、清酒関連でしばしば用いられるこの言葉自体の用法がおかしいことにも気付く。なぜなら、「醸造アルコール」の原料とされているのなら廃棄されておらず、「廃糖蜜」ではなく「糖蜜」と呼ばなければ矛盾している。