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半地下の手記
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2007/07/19のBlog
マダム・エドワルダ
著:ジョルジュ・バタイユ 訳:生田耕作 (角川文庫) 504円
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ジョルジュ・バタイユ(Georges Bataille)[1897-1962]は、フランスの思想家・小説家。
「エロティシズム」ということについて、徹底的に考察した人。
バタイユが生まれたときから父親は盲目であり、後に発狂した。母親もその後、バタイユの見ている目の前で発狂し、何度か自殺未遂を繰り返した。
バタイユは始め、敬虔なカトリック信者だった。が、その後信仰をなくし、ヘーゲルなどに没頭。特に、ニーチェを通して、徹底的に神を否定する立場になる。
殊に「エロス」と「死」についてたくさんの執筆をした。


さて、満を持してというか、ついにバタイユを読んだ。
今回読んだ本には、

○マダム・エドワルダ
○死者
○眼球譚
○エロティシズムと死の魅惑 講演・討論会記録

が収録されている。
『マダム・エドワルダ』や『眼球譚』は、バタイユの代表作。
生田耕作の名訳で贈る本。



エロいっ!エロいっ!!変態っ!グロいっ!
が、端的な内容です(笑)。

が、ただのエロエロヘンタイだったら、こうして歴史に残るわけもなく、他に読みたい本もたくさんあるのにわざわざ読むわけもない。
そこには、深い哲学があるわけで。

どの話も、隅々までエロスに満ちているわけだけれど、人を捉える「エロス」というものが、一体何なのか?という問題が作品の下に流れている。
バタイユは神を否定したと上述したが、代わりにこの「エロス」が神的なものなわけです。すなわち、暴力的なまでに絶対的な力、というものをそなえている。
また、バタイユは、「恍惚的快楽は戦慄を伴ってはじめて実現する」と言っている。これは、エロスと死に関する考察にもつながってゆく。


ともかく、登場人物たちは、尋常じゃなくぶっ飛んでいる。
でも、本能的な衝動の強さ、を見ることができると思うんですよね。そこまで支配する「力」は一体何なのか。
そんなことを考えつつ読んでみたりすると、行間が見えてくる気がする。

また、『眼球譚』の第二部以降は、ヒント的な解説の面を見せ、作中のあのシンボルは何を意味していたのか、などが徐々に見えてくる。


最後の『エロティシズムと死の魅惑』という講演は、実際に1957年2月12日にパリで行われたバタイユの講演とその後の討論会の様子を、各自の発言まで収録したもの。
出席者にはなんと、ハンス・ベルメールやアンドレ・ブルトンなどもいます。


「生」「性」「死」によって人間を描いた、エロティシズムによる神秘。
やはり芸術を考える上で、「生」「性」「死」というのは基本となってくる3本柱で避けられないもの。
「エロティシズム」に関する代表的作品。
・・・グログロだったりしますが(苦笑)。


余談ですが、最近、「光文社<古典新訳>文庫」というのが発刊されていて、その中に、この作品もあるのですが、『眼球譚』は『目玉の話』と訳されています・・・。なんたるナンセンス。
読むなら、生田耕作訳で読むことをおすすめします。上品ぶらずに、どかんと卑猥に訳している名訳。

[ 14:07 ] [ 雑記 ]
週末、用事があるので、仙台へ帰ってきてます。
帰仙。


せっかくなので、この間に、たまっている読書感想文をいくつか、と思って、読んだのをわずかばかり持ってきたので、書いてこっそりとアップしようかなぁ・・・、と。


それにしても、昨日一昨日は寒かった。

2007/07/14のBlog
[ 06:59 ] [ 雑記 ]
とても私事ですが、茂木健一郎という人が、最近気になっている。
以前も、時間の使い方でビックリしたと言いましたが。
一般には“アハ体験”とか“プロフェッショナル仕事の流儀”とかで有名なあの脳科学者さんです。“クオリア”の人。

なんというか、彼の言うことは、ハッとさせられる。
芸術などへの言及も多く、それがまた大変興味深いことだったりするので、感心します。

ついこないだも、『生きて死ぬ私』というエッセイを読んだとこ。

なので、氏のブログをよく読む。
読んで、反省して(苦笑)、気合いを入れるのです。
アートな記事もたまにあり(創造と脳を研究もしているようですし)、ダ・ヴィンチの時もいいことを言っていたので、勇気を出してトラックバックしようと思ったんだけど、過去記事検索出来ないので辿り着けなく諦めた次第(苦笑)。


茂木さんの偉い所は、講演会の音声を公開しているとこ。
これが最近の出勤マイブーム。
もの凄く、刺激を受ける。
こないだは、芸大での講義で白洲信哉さんを呼んで講演してもらった時の音源を聞いた。非常に面白かった。
だいたい一つのファイルは90分くらいだろうか。
ダウンロードしてiPodに入れているのだけれど、聞いてふんふんとしていると、電車もあっという間だ。

僕のバイトは8:30から17:00。
今日は、神奈川大学で行われた講演の音源の続きを聞きながら出勤だな。昨日途中まで聞いて、やはり反省して気合いを入れた僕がいるのでした。

詳しくは、本の記事あげた時に書きましょー。

2007/07/11のBlog
上野で『金刀比羅宮 書院の美』展『歌川広重《名所江戸百景》のすべて』展を観た後、銀座へ向かう。

千々岩修展、黒須信雄展を観る。本当は、日野之彦展も観る予定だった。
が、黒須さん本人がいらして、久々にお会いする。話し込んだので、日野之彦展はまた今度にした。
黒須さんは、本当に深い。知識の固まりのような人だ。読んでる本も半端じゃない。
「みる」こと、や、写真など、様々なことについて語る。

そうこうしていると、詩人の田野倉さんがやってきて、話に加わった。

さらに深くなる。

まだまだやることあるなぁ、と痛感。
ふいの良い会合だった。
突然訪れるこういった時間は、非常に刺激的だ。

歌川広重(初代:1797-1858)は浮世絵師。《東海道五十三次》で有名だと思います。
日本の浮世絵といえば、フランスの画家たちに影響を与えたのはよく知られた話ですね。そもそも日本では、たいして価値のあるものではありませんでした。というか、ヨーロッパへの輸出用品の包み紙だったのです。今でいう、チラシでしょうか。それを、向こうの人たちが、輸出品の中身より、梱包していた浮世絵に興味を持ったわけで、広がっていったのです。
そうして、ゴッホやゴーギャンなどに強い影響を与えたのは周知の通り。例えば、画面をナナメに突っ切る木などの構図。画面ふちで人物が断ち切られていたり。雨を線で表現する、ということもヨーロッパにはないことでした。

そんな浮世絵で有名な広重の《名所江戸百景》が、偶然金刀比羅宮展の隣でやっていたので、ついでに観たわけです。

《名所江戸百景》は初代広重が118点、2代目が目録を含む2点を制作、計120点。
その全てが、順番に展示されている。

ヨーロッパで衝撃を与えた、と書きましたが、今観てもやっぱり面白い。
なんとユーモラスな構図。
人物の入れ方など、大胆で。

視線がいいです。のほほんと楽しみたい。

さらりと観ました。


--栗坊さんの記事にTB--



[メモ]
芸大コレクション展 歌川広重《名所江戸百景》のすべて
東京藝術大学大学美術館 (上野)
9月9日まで

上野へ。傘は持っているが、小雨なので差さずに、芸大美術館へ向かう。
ぽとぽとと雨が、どこか心地よい。

さて、香川県の「金比羅山」。実は、美術でも有名。僕も何度か行こうかとしたことがある。
そんな「こんぴらさん」で知られている、金刀比羅宮(ことひらぐう)の所蔵する美術品による展覧会が始まった。境内に所蔵する品々は6000点。多くの貴重な作品もある。

円山応挙伊藤若冲、岸岱(がんたい)、らの作品が来ている。
というのも、表書院、奥書院の襖絵は彼らの作品なのだが、それらがそのまま移動し、両書院の10室を再現したものだから。


よかった!
展示室へ入ると、実際の書院と同じ配置になるように、そうまるでブースのように襖絵が飾られている。
圧巻である。
素直に見る価値あり。

若冲の花が四方を埋め尽くす奥書院上段の間、応挙の虎が四方を囲む表書院虎の間、岸岱の壮麗な風景が取り巻く奥書院柳の間、などなど……。
いやー、いい機会です。

荘厳、と、幽玄。
密、と、間。
ダイナミズムの中にも、どこか静の美を感じる。


メインじゃなくて、余白の取り方や寂しげな風景などに、どこか、自分の作品のルーツを見た気もし、日本人だなぁ、と思った。


おすすめです。



--栗坊さんの記事にTB--



[メモ]
金刀比羅宮 書院の美
東京藝術大学大学美術館
9月9日まで

巡回:
→金刀比羅宮→三重県立美術館→フランス国立ギメ東洋美術館

2007/07/08のBlog
[ 21:39 ] [ こんなのも ]
UTサン、ムシハイッテクルノイヤジャナイカ?

イヤデース。


もう7月だし暑いじゃないですか。
夜、窓明けて網戸にしたいわけです。が、夜は光によって小さなUFOが入ってきてしまう。
でも開けたい。

そこで、虫コナーズ。買おうと思ったら、すっごい品薄でビックリ(吊るす方ね)。業者にも無いそうで。ないないない。
でも、今日偶然にも発見で即購入。

今実験中ですが、UFOは入ってきません!

2007/07/06のBlog
[ 23:59 ] [ こんなのも ]
N先生のラジオですが、7日が初回分の再放送です。

さて、テキストなのですが、前回はさらりと目を通す前に記事を書いたので言い損ねましたが、先生曰く、そのまま読んで使えるテキストを書いたとのことで、実際、普通に美術書として使える内容です。ラジオ聞けなくても楽しめる本になってます♪
初回では、太宰治が引用されたりと、知的好奇心をそそる内容。


先生本人の許可を得て、最初の方を引用してみると……
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(「はじめに」より)
美術館に一度も行ったことがことがないという人は意外と多いのではないでしょうか。美術館は敷居が高いとか、美術といった高尚な趣味は持っていないと人が言うのをよく聞きます。しかし、美術館に行くときに特に改まった気持ちになる必要はありません。美術は日常とかけ離れたものではないのです。私たちと同じ人間が創り出したものなのです。天才と呼ばれる人たちは、普通の人とはまったく違う能力を持っているので、私たちからかけ離れた存在であるように思えます。でも美術は人間に関係するものですし、人間の心は共通する部分を持っているものです。
(中略)何がすごいのかと言えば、芸術を追求するなかで、最初は個人的なことから出発していながら、ついには普遍的な真理や、個人を超えた大きな力を感じることに繋がっていくという強さでしょう。

(第1回「絵との深い出合い」より)
(前略)などとさまざまな感想を抱くことでしょう。しかし一番知りたいことは、「それでいったい、この絵は何を言おうとしているの?」ということではないでしょうか。この番組では、このことに重点を置いて話をしていきたいと思っています。
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紹介したいので紹介させてもらいました(笑)。

2007/07/05のBlog
[ 20:02 ] [ 雑記 ]
に、行ってきた。

とは言っても、おべべ関係ではなく、お画材の(笑)。
今までは、横浜にある画材屋がメインだったけど、姉妹店が渋谷にあるので、そちらの方へ。

ただでさえ狭い店内なのに、この時期なので人が多い(とは言っても、数人ですが)。
すれ違うのが非常に苦労するくらい狭いです。
棚に並んだ岩絵具の入った瓶を落とさないよう、ひたすら気を遣います。

何度か言ってきたけれど、日本画の岩絵具は「両」という単位で量り売りが基本。1両目が15グラム。
予算と相談して、頭をフル回転させるわけです(笑)。
昔は無駄な買い方が多かった気がするので、反省しつつ。

アトリエの壁を、絵具の入った瓶で埋め尽くせるような人に早くなりたい(笑)。

2007/07/04のBlog
今年は、「日本におけるイタリア」年、の為かイタリア系の展覧会が多い。

そんな中この展覧会は、パルマがいかに芸術の栄えた都だったか。後世の芸術へ影響を与えたか。というテーマのもと、15世紀末から17世紀にかけてのパルマ美術の魅力を伝えるもの。


なかなか良かったです。
コレッジョパルミジャニーノをはじめとして、彼らの影響を受けた画家、パルマにおけるマニエリスム、その後のバロックへ、と概観できる。

最初に、装飾写本があるのだが、その緻密さと厚さに驚いた。本当に気が遠くなるというか、エネルギーに驚愕する。
いかに、グーテンベルクの活版印刷術の発明が偉大な出来事だったか痛感した。
(2000年か2001年かに、米国の「LIFE」が実施した、「この2000年で人類最大の発明は?」というアンケートの結果、圧倒的ダントツ1位がグーテンベルクの活版印刷術であった。)

その後、絵画作品が並ぶわけだが、全体的に見ごたえがあって楽しめた。
パルマ美術と、その中での影響などを垣間見ることができる。

当時の栄華、そして隆盛していく美術の持っていたエネルギーがわかる気がする。
宗教画や神話画もうまく展示されているように思えたし、質も高かったように思う。

フレスコ画も多くあり、そのマチエールはやはり目を引く。
ボロボロに崩れたりしているものも、時間の大きさを思わせ、まだ残っている絵に不思議な魅力を与える。

構図や、明暗の生むダイナミックな表現など、なかなか見応えがあった。


期待していなかったのに、けっこう楽しめました。
空いているので観やすいですよ♪



[メモ]
パルマ イタリア美術、もう一つの都
国立西洋美術館 (上野)
8月26日まで