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2008/09/30のBlog
[ 23:59 ]
[ 掲示板 ]
今月はっ……個展っ!!
もう、それだけです。下旬から、10月の初め頃まで。
作品、良いです。気合い入ってます。
どうぞよろしくお願いします。
UTの個展情報
『加藤 雄太 展 ---記憶と時間を巡って---』
2008年09月29日から10月4日
11:00から19:00(最終日17:00まで)
@ギャラリー山口(1階)
案内のページはこちら
もう、それだけです。下旬から、10月の初め頃まで。
作品、良いです。気合い入ってます。
どうぞよろしくお願いします。
UTの個展情報
『加藤 雄太 展 ---記憶と時間を巡って---』
2008年09月29日から10月4日
11:00から19:00(最終日17:00まで)
@ギャラリー山口(1階)
案内のページはこちら
2008/09/28のBlog
[ 18:23 ]
[ UTの個展など ]
昨日、ついに搬入を終えました。
ギャラリーの側のドトールで、手伝ってくれる友人2人と合流。
自宅で、ギャラリーにどう並べるかを大体想像していたのだけれど、実際に会場で立てかけてみると、どんどんと変更が出る。
並び順を変えるだけで、雰囲気が変わる。
展示作業で一番難しいのは、この作業だ。
今回は、ギャラリーの人達も、かなり積極的に意見を出してきて、色んな並べ方が試された。
結果、作品自体の魅力が増し、全体的に美しく見える配置ができた。並べ方でこんなに変わる事に、今更ながら驚いた。
ライティングは、ほとんどギャラリーの人が的確に指示をし、ばっちり決まった。
あーだこーだという要求に合わせ、脚立に登りライトを動かす友人は本当に大変そうでした。ありがとう。
明日は、早めに行って、朝、芳名帳を置いて、ファイルを置いて、作品リストを貼る。そして、その横には評論を…。そう、N先生が鬼多忙にも関わらず、僕の評論を書いてくれたのです。これが素晴らしく、感動で…。是非、会場でお読み下さい。
今日は、緊張の糸が切れたのか、15時間くらい眠ってしまった(笑)。
展示が終わると、一仕事を終えた気がしてしまって、これから1週間あるのが信じられない(笑)。
今、天気予報をテレビで見た。……最悪。秋雨前線?台風?初日雨?来週は雨ばっか?上等だ此畜生!!
といいつつ、晴天を願うのです…。
はぁ、どうか良い事が沢山起こる個展でありますように…。
立て続けの個展も、今回でとりあえず一段落の予定です。
時間が短いなりに、頑張ったつもり。
特に今回は、大作も描いたし、何より作品の完成度にもの凄くこだわった。制作後半は、大作大作だし、何度も絵具屋に通い、惜しげも無く岩絵具をぶちまけ。
縦構図の作品も登場。
良い展示になりました。どうぞ、この場を体験しに来てください。
では、会場でお会いしましょう♪
ギャラリーの側のドトールで、手伝ってくれる友人2人と合流。
自宅で、ギャラリーにどう並べるかを大体想像していたのだけれど、実際に会場で立てかけてみると、どんどんと変更が出る。
並び順を変えるだけで、雰囲気が変わる。
展示作業で一番難しいのは、この作業だ。
今回は、ギャラリーの人達も、かなり積極的に意見を出してきて、色んな並べ方が試された。
結果、作品自体の魅力が増し、全体的に美しく見える配置ができた。並べ方でこんなに変わる事に、今更ながら驚いた。
ライティングは、ほとんどギャラリーの人が的確に指示をし、ばっちり決まった。
あーだこーだという要求に合わせ、脚立に登りライトを動かす友人は本当に大変そうでした。ありがとう。
明日は、早めに行って、朝、芳名帳を置いて、ファイルを置いて、作品リストを貼る。そして、その横には評論を…。そう、N先生が鬼多忙にも関わらず、僕の評論を書いてくれたのです。これが素晴らしく、感動で…。是非、会場でお読み下さい。
今日は、緊張の糸が切れたのか、15時間くらい眠ってしまった(笑)。
展示が終わると、一仕事を終えた気がしてしまって、これから1週間あるのが信じられない(笑)。
今、天気予報をテレビで見た。……最悪。秋雨前線?台風?初日雨?来週は雨ばっか?上等だ此畜生!!
といいつつ、晴天を願うのです…。
はぁ、どうか良い事が沢山起こる個展でありますように…。
立て続けの個展も、今回でとりあえず一段落の予定です。
時間が短いなりに、頑張ったつもり。
特に今回は、大作も描いたし、何より作品の完成度にもの凄くこだわった。制作後半は、大作大作だし、何度も絵具屋に通い、惜しげも無く岩絵具をぶちまけ。
縦構図の作品も登場。
良い展示になりました。どうぞ、この場を体験しに来てください。
では、会場でお会いしましょう♪
2008/09/24のBlog
[ 16:07 ]
[ 雑記 ]
更新が久々となってしまいました。
この期間何があったかといえば、夜中の2:30くらいにmasakiさんが自転車で荒川まで来るというあまりに謎の行動を受け、僕もてくてく出向き、深夜の会談を楽しんだり。川辺で晴れた夜の中、芸術について語るという青春を味わってみたりしました。いやはや、頑張りましょう。
そして、風邪…なのかはわかりませんが、恐らく疲労からだと思うけれど、高熱にうなされました。
39.1℃の発熱。
寝込んでる場合じゃない。
しかし、身体が動かない。
そんな具合にダウンしていた次第です。
今はすっかり回復。描いてます。作品数が展示に足りるかどうか不安ですが、あと少しスパートをかけ続けます。必ずや良い展覧会になるでしょう。宣言。
ということで、着々と準備をしています。今回は是非とも足を運んで頂きたいです。
この期間何があったかといえば、夜中の2:30くらいにmasakiさんが自転車で荒川まで来るというあまりに謎の行動を受け、僕もてくてく出向き、深夜の会談を楽しんだり。川辺で晴れた夜の中、芸術について語るという青春を味わってみたりしました。いやはや、頑張りましょう。
そして、風邪…なのかはわかりませんが、恐らく疲労からだと思うけれど、高熱にうなされました。
39.1℃の発熱。
寝込んでる場合じゃない。
しかし、身体が動かない。
そんな具合にダウンしていた次第です。
今はすっかり回復。描いてます。作品数が展示に足りるかどうか不安ですが、あと少しスパートをかけ続けます。必ずや良い展覧会になるでしょう。宣言。
ということで、着々と準備をしています。今回は是非とも足を運んで頂きたいです。
2008/09/14のBlog
[ 17:00 ]
[ 展覧会/ART ]
日曜日。
土曜に引き続き美術館へ出かける。若干体調が悪かったものの、持ち直した。
新宿へ行き、損保ジャパン東郷青児美術館へ。
いやはや、まさかまさかのジョット展。ジョットもピエロ・デラ・フランチェスカも大好きな僕だけれど、彼らの作品はフレスコ画が多く、日本で展覧会など遭遇できないだろうと思っていた。しかし、今回そのジョットの展覧会が開催されているのです!
まだ開催2日目。行って参りました。
ジョット・ディ・ボンドーネ(Giotto di Bondone)[1267頃-1337]は、イタリアの画家。活動は建築にも及ぶ。
聖書を題材とした作品で知られ、ジョット特有の空間表現や信じるものを信じる大きさで描く手法は、当時としては斬新であり、後の絵画を切り開いた人物として知られる。実際多くの芸術家が影響を受け、その作品は文学の中にも散見される。
何分、昔の人物なので生年も確定していないし、「らしい」という表現が文献には多く見られるが、当時のイタリアで最も成功した画家の1人であるのは間違いない。
父親は農夫であり、少年時代のジョットは、父の飼っている羊の番人をしていた。
そんなジョットが絵画の道へ進んだエピソードは有名である。誇張などもあるだろうが、ジョットは羊の群れと野原にいて、岩の上に羊をデッサンしていた。そこにフィレンツェの画家チマブーエが通りかかり、ジョットの画才に驚嘆したのだ。チマブーエはジョットを村へ連れて行き、弟子にしたいと父親に申し出て、父親は承諾し、ジョットはチマブーエの工房へと入ることになった。
ジョットの仕事の中で最も有名なのは、パドヴァ滞在時にエンリコ・デッリ・スクロヴェーニから受けた注文によるものだ。同家の礼拝堂の壁画を制作して欲しいというものであり、これがスクロヴェーニ礼拝堂である。
近々、必ず行きたい場所。
さて、今回の展覧会。タイトルに『その遺産』とついているように、流石にジョットオンリーではなかった。
ジョット作品は4作。内1作はステンドグラスである。
しかし、それでも非常に楽しめた。というのも、まずジョットの作品が素晴らしいこと。そして、それ以外の作品も、非常に良かったのです。
この時期のフレスコ画は、キリスト教絵画であっても非常に楽しめる。
時間の経過を感じさせる剥落や破損は、その作品の生きてきた長さを思わせる。
何が凄いのだろう、と今思い返してみても、なかなか1つの答えが出てこない。
でもやはり、金をふんだんに使った画面と色と形、それらが織りなす装飾性は、その答えの1つだろうと思う。
それ以降の時代に見られる装飾性とは明らかに違うもので、技巧的というよりも純粋な感じを受けた。
このブログで、過去に何度かグーテンベルクの活版印刷術の発明の偉大さについて触れた。
ジョットが生きていた時代、こうして画家が聖書の内容を絵にすることによって、聖書の内容を広め、民衆に伝えたのである。
ずらっと並ぶ当時の絵を見ていると、その時代に思いを馳せる。
どれだけの視線に、触れてきたのだろう。
移動式祭壇画なども興味深かった。
雰囲気もマチエールも良く、非常に楽しめました。おススメです。
西洋絵画の父 ジョットとその遺産展
@損保ジャパン東郷青児美術館 (新宿)
11月9日
土曜に引き続き美術館へ出かける。若干体調が悪かったものの、持ち直した。
新宿へ行き、損保ジャパン東郷青児美術館へ。
いやはや、まさかまさかのジョット展。ジョットもピエロ・デラ・フランチェスカも大好きな僕だけれど、彼らの作品はフレスコ画が多く、日本で展覧会など遭遇できないだろうと思っていた。しかし、今回そのジョットの展覧会が開催されているのです!
まだ開催2日目。行って参りました。
ジョット・ディ・ボンドーネ(Giotto di Bondone)[1267頃-1337]は、イタリアの画家。活動は建築にも及ぶ。
聖書を題材とした作品で知られ、ジョット特有の空間表現や信じるものを信じる大きさで描く手法は、当時としては斬新であり、後の絵画を切り開いた人物として知られる。実際多くの芸術家が影響を受け、その作品は文学の中にも散見される。
何分、昔の人物なので生年も確定していないし、「らしい」という表現が文献には多く見られるが、当時のイタリアで最も成功した画家の1人であるのは間違いない。
父親は農夫であり、少年時代のジョットは、父の飼っている羊の番人をしていた。
そんなジョットが絵画の道へ進んだエピソードは有名である。誇張などもあるだろうが、ジョットは羊の群れと野原にいて、岩の上に羊をデッサンしていた。そこにフィレンツェの画家チマブーエが通りかかり、ジョットの画才に驚嘆したのだ。チマブーエはジョットを村へ連れて行き、弟子にしたいと父親に申し出て、父親は承諾し、ジョットはチマブーエの工房へと入ることになった。
ジョットの仕事の中で最も有名なのは、パドヴァ滞在時にエンリコ・デッリ・スクロヴェーニから受けた注文によるものだ。同家の礼拝堂の壁画を制作して欲しいというものであり、これがスクロヴェーニ礼拝堂である。
近々、必ず行きたい場所。
さて、今回の展覧会。タイトルに『その遺産』とついているように、流石にジョットオンリーではなかった。
ジョット作品は4作。内1作はステンドグラスである。
しかし、それでも非常に楽しめた。というのも、まずジョットの作品が素晴らしいこと。そして、それ以外の作品も、非常に良かったのです。
この時期のフレスコ画は、キリスト教絵画であっても非常に楽しめる。
時間の経過を感じさせる剥落や破損は、その作品の生きてきた長さを思わせる。
何が凄いのだろう、と今思い返してみても、なかなか1つの答えが出てこない。
でもやはり、金をふんだんに使った画面と色と形、それらが織りなす装飾性は、その答えの1つだろうと思う。
それ以降の時代に見られる装飾性とは明らかに違うもので、技巧的というよりも純粋な感じを受けた。
このブログで、過去に何度かグーテンベルクの活版印刷術の発明の偉大さについて触れた。
ジョットが生きていた時代、こうして画家が聖書の内容を絵にすることによって、聖書の内容を広め、民衆に伝えたのである。
ずらっと並ぶ当時の絵を見ていると、その時代に思いを馳せる。
どれだけの視線に、触れてきたのだろう。
移動式祭壇画なども興味深かった。
雰囲気もマチエールも良く、非常に楽しめました。おススメです。
西洋絵画の父 ジョットとその遺産展
@損保ジャパン東郷青児美術館 (新宿)
11月9日
2008/09/13のBlog
[ 18:30 ]
[ 展覧会/ART ]
土曜日。
アルバイトへ行き、若干の残業後、夜に渋谷へ行く。
個展が迫って忙しいとは言え、芸術の秋、展覧会はどんどん始まるので消化しなければ。時間は無い無いと嘆くものではなく作るものだ。
土曜のBunkamura ザ・ミュージアムは21時までの夜間開館を行っているので好都合。
観たのはミレイ展。象徴主義(ではないが)美術が好きな僕は、大変心待ちにしていた。ややマイナー気味な画家であること、それとまだ開催されてから2週間も経っておらず、かつ夜間入館ということもあって、空いているだろうと予想して行くも、結構な人の入り様であり、驚く。
ジョン・エヴァレット・ミレイ(John Everett Millais)[1829-1896]は、イギリスの画家。ラファエル前派を代表する画家である。
ミレイは幼い頃から画才を発揮し、11歳という史上最年少の年齢でロンドンのロイヤル・アカデミー(王立美術学校)へ入学する。
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティらとともにラファエル前派を結成し、晩年にはロイヤル・アカデミーの会長に選ばれる。
ラファエル前派(ぜんぱ)は、1848年にダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、そしてミレイによって結成された。
アカデミーの美術教育に反発し結成され、ジョン・ラスキンの思想に影響を受けたのだが、メンバー同士の問題、そしてミレイがロイヤル・アカデミー準会員になったことにより、1853年に解散した。
ラファエル前派は英語表記では Pre-Raphaelite Brotherhood である。ラファエルとは、ラファエロのことであり、ラファエロ以前というグループ名にも、当時のアカデミーへの反発を見ることができる。存続こそ短かったが、彼らの活動は19世紀後半フランスで起こった象徴主義へと繋がったと考えることができる。
展示はミレイの作品約80点からなり、代表作《オフィーリア》もある。
やはり《オフィーリア》は目玉作品で、良かった。シェイクスピアのハムレットが題材の作品だ。
本物を見ると色も鮮やか。川を流れる死んだオフィーリアが、死んだ人物というよりも眠りについたように描かれている。ゆっくりと川面を流れて行く。
やはりミレイは抜群に上手く、初期の作品からもその技術の高さが伺える。
ただ、時々ムラがあるので、同じ人が描いたとは思えないような作品もあって、残念な感もあった。
それでも数点、思わず視線を留めてしまう作品があり、そういった作品を観た時には共通して想像力を刺激される。
作品は全体を通して静かだ。人物も風景も静寂の中にある。派手さや強烈な感じは無いけれど、その分じんわりと染み込んでくる。徐々に様々なイメージが駆け巡る。
《夢遊病の女》の明らかに妖しい雰囲気、《姉妹》は少女たちの無垢な花園のようで、これから食べるだろう禁断の果実を思わせる。映画『エコール』を思い出した。タイトルは忘れたけれど、最後の方にあった何もない広い風景画には、色々な心情が見える気がした。
身分の高い人物たちを書いた肖像画を集めた「上流階級の肖像」という部屋は僕には非常につまらなかった。こういうことや、ムラがあるように感じてしまったこともあって、正直全体的な印象としてはパッとしなかったことははっきり言っておきます。
でも、良い作品はあり(それに出会うために日々足を運ぶのだ)、ミレイをまとめて見られるのだから、行って良かったと思います。
[メモ]
英国ヴィクトリア朝絵画の巨匠 ジョン・エヴァレット・ミレイ展
@Bunkamura ザ・ミュージアム (渋谷)
10月26日まで
アルバイトへ行き、若干の残業後、夜に渋谷へ行く。
個展が迫って忙しいとは言え、芸術の秋、展覧会はどんどん始まるので消化しなければ。時間は無い無いと嘆くものではなく作るものだ。
土曜のBunkamura ザ・ミュージアムは21時までの夜間開館を行っているので好都合。
観たのはミレイ展。象徴主義(ではないが)美術が好きな僕は、大変心待ちにしていた。ややマイナー気味な画家であること、それとまだ開催されてから2週間も経っておらず、かつ夜間入館ということもあって、空いているだろうと予想して行くも、結構な人の入り様であり、驚く。
ジョン・エヴァレット・ミレイ(John Everett Millais)[1829-1896]は、イギリスの画家。ラファエル前派を代表する画家である。
ミレイは幼い頃から画才を発揮し、11歳という史上最年少の年齢でロンドンのロイヤル・アカデミー(王立美術学校)へ入学する。
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティらとともにラファエル前派を結成し、晩年にはロイヤル・アカデミーの会長に選ばれる。
ラファエル前派(ぜんぱ)は、1848年にダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、そしてミレイによって結成された。
アカデミーの美術教育に反発し結成され、ジョン・ラスキンの思想に影響を受けたのだが、メンバー同士の問題、そしてミレイがロイヤル・アカデミー準会員になったことにより、1853年に解散した。
ラファエル前派は英語表記では Pre-Raphaelite Brotherhood である。ラファエルとは、ラファエロのことであり、ラファエロ以前というグループ名にも、当時のアカデミーへの反発を見ることができる。存続こそ短かったが、彼らの活動は19世紀後半フランスで起こった象徴主義へと繋がったと考えることができる。
展示はミレイの作品約80点からなり、代表作《オフィーリア》もある。
やはり《オフィーリア》は目玉作品で、良かった。シェイクスピアのハムレットが題材の作品だ。
本物を見ると色も鮮やか。川を流れる死んだオフィーリアが、死んだ人物というよりも眠りについたように描かれている。ゆっくりと川面を流れて行く。
やはりミレイは抜群に上手く、初期の作品からもその技術の高さが伺える。
ただ、時々ムラがあるので、同じ人が描いたとは思えないような作品もあって、残念な感もあった。
それでも数点、思わず視線を留めてしまう作品があり、そういった作品を観た時には共通して想像力を刺激される。
作品は全体を通して静かだ。人物も風景も静寂の中にある。派手さや強烈な感じは無いけれど、その分じんわりと染み込んでくる。徐々に様々なイメージが駆け巡る。
《夢遊病の女》の明らかに妖しい雰囲気、《姉妹》は少女たちの無垢な花園のようで、これから食べるだろう禁断の果実を思わせる。映画『エコール』を思い出した。タイトルは忘れたけれど、最後の方にあった何もない広い風景画には、色々な心情が見える気がした。
身分の高い人物たちを書いた肖像画を集めた「上流階級の肖像」という部屋は僕には非常につまらなかった。こういうことや、ムラがあるように感じてしまったこともあって、正直全体的な印象としてはパッとしなかったことははっきり言っておきます。
でも、良い作品はあり(それに出会うために日々足を運ぶのだ)、ミレイをまとめて見られるのだから、行って良かったと思います。
[メモ]
英国ヴィクトリア朝絵画の巨匠 ジョン・エヴァレット・ミレイ展
@Bunkamura ザ・ミュージアム (渋谷)
10月26日まで
2008/09/11のBlog
[ 23:59 ]
[ 雑記 ]
眠れない。
さて、9月11日は日本画木曜会の初日。
公民館に早目に着き、よく考えてみると公民館の講座として始まってから、いつの間にやら3ヶ月も経っている事実に気づき、本当に驚いた。
入り口ロビーには、受講者の作品が展示されており、時間を置いて冷静に見てみると、ちゃんと形になっている。皆さん頑張りました(講師の力量もすばらしい/笑)。
初日の今日が1番憂鬱な日なので、無事乗り越えられるか不安を抱えつつ、始まる。
というのも、今日は色々と決めなければならない。代表や会計など。想像以上にすんなりと決まらないことには若干辟易する。それでもなんとか決まり、今後は自主性を重んじ、道具の準備ややりたいことなど、全ては各自次第ということを確認し(こうして難関を乗り越えた)、ごくごく近所の受験予備校の1階に入っている画材屋へ散歩。無事、初回を終えました。
講座の時より人数は減ってしまったけれど、少なくとも今いる人は、かなりやる気があるようです。楽しみながら描ければ、という雰囲気もあり、順調にいきそうでホッと一安心。
ちなみにまだまだ入会受付中ですので、興味のある方は、岸町公民館へご連絡をどうぞ♪
終了後、秋に行う美術鑑賞講座について、公民館の方と軽くお話をする。
これこそ準備をしっかりしないといけないけれど、とりあえず今は個展を控えているのでその後ですね。
その個展の作品はこのまま順調にいけば、無事揃いそう。でも、また絵の具がなくなってしまったので、買いに行かなければ。
本当に良い展示になりそうで楽しみです。
帰宅後は、DMをいよいよ郵便局へ持って行った。
17時ギリギリに駆け込むと、ちょうど入れ違いで集荷が行ってしまったらしい。
受け付けてはもらえたので、明日発送されることでしょう。
最近は外を歩いていると、秋の気配を感じるようになってきた。もちろんまだまだ夏の名残りがある。まるで過ぎ行く夏を惜しむかのように。
緑が萌え、生命が躍動し、暑い熱い夏。そこから涼しくなり秋へ移ろいゆく時、人は沈思し、感傷的になり易いみたいで。
しかし、惜しんでばかりもいられない。捨てるものは捨て、惑わされずに、整理整理。
すると、不思議と身は軽くなり、新たな活力が芽を出し始める。
さて、9月11日は日本画木曜会の初日。
公民館に早目に着き、よく考えてみると公民館の講座として始まってから、いつの間にやら3ヶ月も経っている事実に気づき、本当に驚いた。
入り口ロビーには、受講者の作品が展示されており、時間を置いて冷静に見てみると、ちゃんと形になっている。皆さん頑張りました(講師の力量もすばらしい/笑)。
初日の今日が1番憂鬱な日なので、無事乗り越えられるか不安を抱えつつ、始まる。
というのも、今日は色々と決めなければならない。代表や会計など。想像以上にすんなりと決まらないことには若干辟易する。それでもなんとか決まり、今後は自主性を重んじ、道具の準備ややりたいことなど、全ては各自次第ということを確認し(こうして難関を乗り越えた)、ごくごく近所の受験予備校の1階に入っている画材屋へ散歩。無事、初回を終えました。
講座の時より人数は減ってしまったけれど、少なくとも今いる人は、かなりやる気があるようです。楽しみながら描ければ、という雰囲気もあり、順調にいきそうでホッと一安心。
ちなみにまだまだ入会受付中ですので、興味のある方は、岸町公民館へご連絡をどうぞ♪
終了後、秋に行う美術鑑賞講座について、公民館の方と軽くお話をする。
これこそ準備をしっかりしないといけないけれど、とりあえず今は個展を控えているのでその後ですね。
その個展の作品はこのまま順調にいけば、無事揃いそう。でも、また絵の具がなくなってしまったので、買いに行かなければ。
本当に良い展示になりそうで楽しみです。
帰宅後は、DMをいよいよ郵便局へ持って行った。
17時ギリギリに駆け込むと、ちょうど入れ違いで集荷が行ってしまったらしい。
受け付けてはもらえたので、明日発送されることでしょう。
最近は外を歩いていると、秋の気配を感じるようになってきた。もちろんまだまだ夏の名残りがある。まるで過ぎ行く夏を惜しむかのように。
緑が萌え、生命が躍動し、暑い熱い夏。そこから涼しくなり秋へ移ろいゆく時、人は沈思し、感傷的になり易いみたいで。
しかし、惜しんでばかりもいられない。捨てるものは捨て、惑わされずに、整理整理。
すると、不思議と身は軽くなり、新たな活力が芽を出し始める。
2008/09/08のBlog
[ 23:59 ]
[ 展覧会/ART ]
日曜日。
メリッサちゃんに「連れて行きたいっ!」との打診を受け、一風変わったギャラリーへ行った。
なんでも知り合いの個展をやっているそうで、足を運ぶことに。僕は全く面識がなく、作品も知らず、何事か把握せぬ状況であり、制作がいよいよ追い込みという時期が時期だけにためらいもしたが、ええーい行ってしまえっ、と出かけることにした。
ためらう最大の理由は場所。埼玉の川越より遥かに遠くなのだ…。「森林公園」という駅へ向かった。埼京線に揺られ川越まで行き、東武東上線に乗り換えて辿り着く。
メリッサちゃんに「連れて行きたいっ!」との打診を受け、一風変わったギャラリーへ行った。
なんでも知り合いの個展をやっているそうで、足を運ぶことに。僕は全く面識がなく、作品も知らず、何事か把握せぬ状況であり、制作がいよいよ追い込みという時期が時期だけにためらいもしたが、ええーい行ってしまえっ、と出かけることにした。
ためらう最大の理由は場所。埼玉の川越より遥かに遠くなのだ…。「森林公園」という駅へ向かった。埼京線に揺られ川越まで行き、東武東上線に乗り換えて辿り着く。
下車すると、更にバスに乗りこみ進む。
降りてみると、広がるは田園。
この日は久々の快晴で、本当に気持ちがよかった。
もはやプチ旅行レベルであったけれど、これだけでも外出して良かったなぁと思った。たまにこういう場所へ来るのは、とてものんびりした気分になって良いです。
降りてみると、広がるは田園。
この日は久々の快晴で、本当に気持ちがよかった。
もはやプチ旅行レベルであったけれど、これだけでも外出して良かったなぁと思った。たまにこういう場所へ来るのは、とてものんびりした気分になって良いです。
どこだろうとふらふらしながら、辿り着く。
歩いている時は、本当にこんなところにギャラリーがあるのだろうか?と不安になったけれど、突如として現れた。
古民家ギャラリーかぐや。
本当に田んぼの横道を歩いていると、脇道があって、その奥にひっそりと建っている。
もし、何も知らずにここを通ったら、完璧に農家だと思うだろう。
ここは、古民家をそのまま改装したギャラリー。なんと回廊は土日と祝日のみ。
『岡田洋平展「夏眠は赤昏に」』という展覧会を観る。
歩いている時は、本当にこんなところにギャラリーがあるのだろうか?と不安になったけれど、突如として現れた。
古民家ギャラリーかぐや。
本当に田んぼの横道を歩いていると、脇道があって、その奥にひっそりと建っている。
もし、何も知らずにここを通ったら、完璧に農家だと思うだろう。
ここは、古民家をそのまま改装したギャラリー。なんと回廊は土日と祝日のみ。
『岡田洋平展「夏眠は赤昏に」』という展覧会を観る。
なんともいい感じの建物とロケーション。
長閑です。
中へ入ると、ギャラリーという感じは全然せず、古民家の雰囲気を味わうという色が強い。
なんというか、民族資料館とかへ行って、そこの展示物が美術品だった、というのが分かり易いだろうか。
開放的な空間は居心地が良く、何も考えずボケーッとしたくなる。
同行者は作家さんと話し込んでいる模様。
その間僕は、ゲーテの植物研究の本が置いてあったので、手に取ってめくってみた。
ぬぬ。スケッチも大量に収録されているのだけれど、ゲーテってデッサンもできたの!?という新たな発見があった。というか、やはり彼は変態でした。こんなことにも強烈な探究心を…。
依然として話し込んでいる模様。
その間僕は、真空管アンプを見つけたので見ていると、オーナーと音楽談義になった。
筒抜けの空間に巨大なスピーカーから音楽がかかっているので、凄く心地よい。
置いてあるCDからいくつか流してもらった。
長閑です。
中へ入ると、ギャラリーという感じは全然せず、古民家の雰囲気を味わうという色が強い。
なんというか、民族資料館とかへ行って、そこの展示物が美術品だった、というのが分かり易いだろうか。
開放的な空間は居心地が良く、何も考えずボケーッとしたくなる。
同行者は作家さんと話し込んでいる模様。
その間僕は、ゲーテの植物研究の本が置いてあったので、手に取ってめくってみた。
ぬぬ。スケッチも大量に収録されているのだけれど、ゲーテってデッサンもできたの!?という新たな発見があった。というか、やはり彼は変態でした。こんなことにも強烈な探究心を…。
依然として話し込んでいる模様。
その間僕は、真空管アンプを見つけたので見ていると、オーナーと音楽談義になった。
筒抜けの空間に巨大なスピーカーから音楽がかかっているので、凄く心地よい。
置いてあるCDからいくつか流してもらった。
こちらはご自慢の(?)トイレ。
この表示のまんまです。
ちなみに綺麗でした。
これは是非とも排泄せねばっ!!と思っていたのに、すっかり忘れてしまった。
首都圏近郊に住み続け、バイトは池袋な都会暮らしから、突然こういう風景の中へ来ると、スケール感のリミッターが外れ、本当に気持ちがよかった。
自然の音を聴きながら、余計なことを考えずにいられる。
地球のバランスを思う。
自然という第六感で感じる生命の中にいると、自分の生命力も豊かになる気がする。
その一方、東京の雑然としていて歩けば何かが目に飛び込むカオスも好きだと思った。あれはあれで人間なんだね。
セザンヌなどの思想において、自然とは自分以外の全てを意味する。
晴れの中の良いお出かけとなりました。
この表示のまんまです。
ちなみに綺麗でした。
これは是非とも排泄せねばっ!!と思っていたのに、すっかり忘れてしまった。
首都圏近郊に住み続け、バイトは池袋な都会暮らしから、突然こういう風景の中へ来ると、スケール感のリミッターが外れ、本当に気持ちがよかった。
自然の音を聴きながら、余計なことを考えずにいられる。
地球のバランスを思う。
自然という第六感で感じる生命の中にいると、自分の生命力も豊かになる気がする。
その一方、東京の雑然としていて歩けば何かが目に飛び込むカオスも好きだと思った。あれはあれで人間なんだね。
セザンヌなどの思想において、自然とは自分以外の全てを意味する。
晴れの中の良いお出かけとなりました。
2008/09/04のBlog
[ 23:56 ]
[ 雑記 ]
ついに制作もハイピッチというか、計画的にやればいいのでしょうが。
大作を描いていまして、これが素晴らしい(自画自賛)。
大きな作品も良いものです。
今回は3枚大きいのをと思っているのですが、作品の前に立つと、視界は作品のみで、作品に囲まれるような感じにしたいしたく、実際完成したらどうなるのだろうと、僕自身楽しみです。
DMも無事完成しました。
もう少ししたら発送しますのでお待ち下さい。
ご連絡頂ければ、お送りしますのでお気軽にメールか何かをくださいませ。
今月の掲示板にあげたのは、ちょっと色がつぶれていますが、実際のDMはもうすこし綺麗です。
という具合に過ごしていたら、もろもろの展覧会も始まったりして観に行きたいのだけれど。
そして気づくと、来週は日本画木曜会ではないですか。どうですか?参加しませんか?あぁ…、気楽にいよう、うむ。
とにかく個展です。情熱とか魂とかお金とか注ぎ込むから、期待していて下さい!
大作を描いていまして、これが素晴らしい(自画自賛)。
大きな作品も良いものです。
今回は3枚大きいのをと思っているのですが、作品の前に立つと、視界は作品のみで、作品に囲まれるような感じにしたいしたく、実際完成したらどうなるのだろうと、僕自身楽しみです。
DMも無事完成しました。
もう少ししたら発送しますのでお待ち下さい。
ご連絡頂ければ、お送りしますのでお気軽にメールか何かをくださいませ。
今月の掲示板にあげたのは、ちょっと色がつぶれていますが、実際のDMはもうすこし綺麗です。
という具合に過ごしていたら、もろもろの展覧会も始まったりして観に行きたいのだけれど。
そして気づくと、来週は日本画木曜会ではないですか。どうですか?参加しませんか?あぁ…、気楽にいよう、うむ。
とにかく個展です。情熱とか魂とかお金とか注ぎ込むから、期待していて下さい!
2008/08/31のBlog
[ 23:59 ]
[ 掲示板 ]
暑いですね。
そしてあっと言う間に時は流れます。
まずは、まだあと数日開催されているグループ展。
↓終了しました。ありがとうございました。
画廊からの発言 ---新世代への視点2008 小品展』
2008年7月28日から8月9日
@ギャラリーなつかb.p(銀座)
・「新世代への視点」のサイト
・僕が参加する小品展の出品作家
※全10画廊の地図もダウンロード出来るようです
そして、来月下旬からは、いよいよ個展です。
もう、本当にその制作に追われているというか。なので、遅々としてブログの筆は進まず、更新ままならずにすいません。
色々と気合い入れて頑張ります。
[画像]
《見えざるもののために》
2008/06/21
岩絵具、板
60.6×91.0cm
《For an Invisible》
Powdered mineral pigments on wood
※画像の無断転載・転用は禁止です
そしてあっと言う間に時は流れます。
まずは、まだあと数日開催されているグループ展。
↓終了しました。ありがとうございました。
画廊からの発言 ---新世代への視点2008 小品展』
2008年7月28日から8月9日
@ギャラリーなつかb.p(銀座)
・「新世代への視点」のサイト
・僕が参加する小品展の出品作家
※全10画廊の地図もダウンロード出来るようです
そして、来月下旬からは、いよいよ個展です。
もう、本当にその制作に追われているというか。なので、遅々としてブログの筆は進まず、更新ままならずにすいません。
色々と気合い入れて頑張ります。
[画像]
《見えざるもののために》
2008/06/21
岩絵具、板
60.6×91.0cm
《For an Invisible》
Powdered mineral pigments on wood
※画像の無断転載・転用は禁止です
2008/08/28のBlog
[ 22:48 ]
[ 本 ]
『イン・ザ・ペニー・アーケード』 1986年
著:スティーヴン・ミルハウザー 訳:柴田元幸 (白翠uブックス) 998円
------------------------------------------------------------------------------
スティーヴン・ミルハウザー(Steven Millhauser)[1943-]は、アメリカの小説家。解説によるとミルハウザーは、大切なのは作品であって、作者は前に出るべきではない、との考えを持っているようで、あまり細かいことは知られていないらしいし、本書の解説にも書かれていない。
前々から気になる作家ではあったけれど、今回の作品で初めてミルハウザー作品を読んだ。そして、面白かった。
主に主人公となるのは少年たちで、これがミルハウザーの特徴らしい。
少年たちの視線を通した、とてもとても無垢な世界。本当にきらきらとしている。
かといって、子供の読み物、とかそういうことは一切なく、重厚な物語だ。
これは全三部、全七篇による短篇集なのだけれど、その全てが創造力に富んだ夢幻的な妖しさを秘めている。
夢幻的という言葉が本当にぴったりと合う…。
殊に第一部を占める『アウグスト・エッシェンブルク』。時計師の息子の少年が主人公であり、もともと複雑からくりは得意だった。ある日、美術館で観たからくり仕掛けの絵がきっかけで、からくり人形師になるのだが、これが面白い。
時計の領域を飛び出してからくりに興味を持つきっかけになる美術館でのエピソード。そこに描かれているのは、間違いなく1人の少年の姿だ。
そして、天才からくり人形師となっていく過程。
契約先での出来事。
登場人物たちとの会話に織り交ぜられる芸術論。
ただのファンタジーという言葉に集約できない深みのある話。その中に、そういった全てが入っていた。
---------------------
芸術作品の正しい目的は、見ている人間を静かな瞑想に導くことであって、驚かすことではない。
---------------------
全ての話を通しての印象は、夜更けにひっそりと街角で行われているサーカスのテントをこっそりと覗き見る感じ。闇にふわっと浮かび上がるテントから洩れたオレンジの灯り。そんな色彩を感じる。
現代のアメリカ合衆国の作家で、こんな人がいることが嬉しいし、作品が読めて良かった。
自由な視線が紡ぐ、妖しく魅惑的な物語。
ハッとさせられるフレーズにも多く出会える、完成度の高い1冊。おススメです。
---------------------
下を見ると、裏庭が消えていた。代わってそこには目もくらむ真白い海があった。こんもりと盛り上がった、不動の波をたたえている海。もしその瞬間に僕の視線がそれを捕えることがなかったら、波は間違いなく砕け落ちていただろう。(『雪人間』)
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著:スティーヴン・ミルハウザー 訳:柴田元幸 (白翠uブックス) 998円
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スティーヴン・ミルハウザー(Steven Millhauser)[1943-]は、アメリカの小説家。解説によるとミルハウザーは、大切なのは作品であって、作者は前に出るべきではない、との考えを持っているようで、あまり細かいことは知られていないらしいし、本書の解説にも書かれていない。
前々から気になる作家ではあったけれど、今回の作品で初めてミルハウザー作品を読んだ。そして、面白かった。
主に主人公となるのは少年たちで、これがミルハウザーの特徴らしい。
少年たちの視線を通した、とてもとても無垢な世界。本当にきらきらとしている。
かといって、子供の読み物、とかそういうことは一切なく、重厚な物語だ。
これは全三部、全七篇による短篇集なのだけれど、その全てが創造力に富んだ夢幻的な妖しさを秘めている。
夢幻的という言葉が本当にぴったりと合う…。
殊に第一部を占める『アウグスト・エッシェンブルク』。時計師の息子の少年が主人公であり、もともと複雑からくりは得意だった。ある日、美術館で観たからくり仕掛けの絵がきっかけで、からくり人形師になるのだが、これが面白い。
時計の領域を飛び出してからくりに興味を持つきっかけになる美術館でのエピソード。そこに描かれているのは、間違いなく1人の少年の姿だ。
そして、天才からくり人形師となっていく過程。
契約先での出来事。
登場人物たちとの会話に織り交ぜられる芸術論。
ただのファンタジーという言葉に集約できない深みのある話。その中に、そういった全てが入っていた。
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芸術作品の正しい目的は、見ている人間を静かな瞑想に導くことであって、驚かすことではない。
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全ての話を通しての印象は、夜更けにひっそりと街角で行われているサーカスのテントをこっそりと覗き見る感じ。闇にふわっと浮かび上がるテントから洩れたオレンジの灯り。そんな色彩を感じる。
現代のアメリカ合衆国の作家で、こんな人がいることが嬉しいし、作品が読めて良かった。
自由な視線が紡ぐ、妖しく魅惑的な物語。
ハッとさせられるフレーズにも多く出会える、完成度の高い1冊。おススメです。
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下を見ると、裏庭が消えていた。代わってそこには目もくらむ真白い海があった。こんもりと盛り上がった、不動の波をたたえている海。もしその瞬間に僕の視線がそれを捕えることがなかったら、波は間違いなく砕け落ちていただろう。(『雪人間』)
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