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2006/02/17のBlog
[ 11:08 ]
[ 消費者と生産者の連携 ]
春夏秋冬―51
「飛翔」その美しき姿
鳥は飛んでいる姿が美しい。しかし、これを撮るとなるとなかなか難しいが、今回は運良く捉えることが出来た鳥たちのすてきな「飛翔」を紹介します。
以前と同じ柿畑で撮ったカラス。羽だけでなく尾を大きく広げているのはスピードを落とし、バランスをとるための行動なのだろうか。肉眼では確認できない、柿木にとまる寸前のカラスの姿は、写真を撮る醍醐味を堪能させてくれる。
「飛翔」その美しき姿
鳥は飛んでいる姿が美しい。しかし、これを撮るとなるとなかなか難しいが、今回は運良く捉えることが出来た鳥たちのすてきな「飛翔」を紹介します。
以前と同じ柿畑で撮ったカラス。羽だけでなく尾を大きく広げているのはスピードを落とし、バランスをとるための行動なのだろうか。肉眼では確認できない、柿木にとまる寸前のカラスの姿は、写真を撮る醍醐味を堪能させてくれる。
三度目の登場となった例のコサギで、川面に張り出した桜の枝の下をくぐり飛んでいた。夢中でシャッターを押したが、手ごたえを感じたわけでなく、偶然に写っていたしろもの。撮ったのではなく撮らせてくれたもので、ともかく足繁く通うことの大切さを教えてくれた一枚である。
カメラを向けたとたん、ゴイサギの幼鳥は私に向かって飛んできた。考えもしない行動にあわてたのは私で、ゴイサギは私を無視したように悠然と目の前に着地し、水面を窺っていた。
「農業って何だ、自由に考えてみよう」は今回で終了しますので、春夏秋冬もこれが最後となります。1年にわたるお付き合い、本当に有り難うございました。
http://www.nosai-kanagawa.jp/
渋田川だより
「農業って何だ、自由に考えてみよう」は今回で終了しますので、春夏秋冬もこれが最後となります。1年にわたるお付き合い、本当に有り難うございました。
http://www.nosai-kanagawa.jp/
渋田川だより
「農業って何だ、自由に考えてみよう」最終回
消費者に農業を知ってもらいたい、そんな思いから、「農業って何だ、自由に考えてみよう」のタイトルで、2年間、農業に関していろいろ書き込んできました。しかし、最近では「週に一度のブログも、マンネリ気味になってきた」と思っています。
ブログは多くの人を対象に、簡単に情報発信が出来るすばらしい手法です。それだけに、情報発信の姿勢が問われ、マンネリを解消するために「農業に対してどう向き合うのか」を再度考える必要を感じています。そこで、その時間を確保するためにブログは今週をもって終了としますので、今回は「私の農業に対する想い」を再度述べさせていただき、幕引きといたします。
長い間のお付き合いに感謝申し上げます。
食料問題と農業問題は異なります。農業については比較的話題になりますが、農業問題は食料問題を構成する一分野にすぎません。安全な食料を安定的に確保するのは国や自治体の役割ですが、食料問題の当事者は消費者です。また、現在の農業の形からすれば、ほとんどの生産者は、同時に消費者でもあります。生産者はこの点を踏まえ消費者の視点からも、食料や農業に向かい合う必要があります。まさに、食料問題は国民全体が係わる身近で大きな問題です。
そして、食料問題は政治や経済の枠組みだけで判断されるものではありません。食料・農業について行政に任せるのではなく、自らが考え行動することが必要なのです。
自給率を上げることは大切なことですが、自給率が40パーセントの日本の現状を考えれば、自給率向上だけでなく、食料トータルの議論が必要です。その議論を通して農業が国民の合意に基づき、社会の中にきちんと位置づくことが大切です。
当たり前のことですが、農業は生産者の基準だけでは成り立ちません。国際的に見ればWTOの交渉の結果や、農産物を輸入している商社の動向などが、日本の農業に大きな影響を与えています。国内においても、消費者の意向を無視しては農業が成り立たない状況にあります。つまり、農業は自己完結出来ないのです。しかし、「このことに気づいていないのではないか」と感じる生産者サイドの言動があります。そして、「消費者の農業理解は必要だが、むしろ生産者の意識改革こそ求められている」と感じています。
消費者にこびる必要はありませんが、生産者は「消費者のことを考え、自分たちの農業に向き合う姿勢を消費者に明確に伝える」取り組みを実践しなければなりません。
昨年の9月に神奈川県は「神奈川県都市農業推進条例」を制定しました。農業の条例はいくつかの県で制定されていますが、いずれも農業の盛んな県であり、神奈川のような都市部の県では初めてのことです。さらに、条例には、都市農業を持続的に発展させるために、消費者、生産者・生産者団体、行政それぞれの役割が明記されていて、消費者、生産者が一緒に食料・農業を考え行動する仕組みとなっています。
しかし、制定までの時間がやや短く、それぞれが当事者意識を持っているとは言いがたいのが現実です。課題は、「生産者だけでなく消費者をどのように取り込むか」です。そして、条例の役割は「消費者と生産者が農業の大切さを理解し共有する社会」を実現することです。
条例では地産地消の推進が大きな柱となっていますが、地産地消は消費者、生産者が一堂に会して食料・農業について語り合う材料として最適です。
また、ハード重視の施策からソフト中心の施策へと、行政も助成による誘導から脱却し、新しい行政手法を確立することが求められています。その意味から、消費者、事業者、県それぞれの役割分担のもとに、地産地消などの事業を推進している三重県の事例は参考になります。
都市の中だからこそ、農業はかけがえのない大切なもの。神奈川県のような都市部の農業は、これからの日本農業の存続にとっても不可欠です。専業農家だけでない様々なタイプの生産者による、多彩な農業が展開されている神奈川県、その神奈川農業が、消費者と生産者の合意に支えられ、将来とも都市と共存して持続されることを願ってやみません。
最後になりましたが、2年間のお付き合いに対して重ねてお礼申し上げます。そして、ミスターの有名な言葉を農業に置き換えブログを終わりにしたいと思います。
「我が農業は永久に不滅です。」
平成18年2月17日
ヤシャブシ
追伸
このブログはしばらくの間はこのままにしておきます。
消費者に農業を知ってもらいたい、そんな思いから、「農業って何だ、自由に考えてみよう」のタイトルで、2年間、農業に関していろいろ書き込んできました。しかし、最近では「週に一度のブログも、マンネリ気味になってきた」と思っています。
ブログは多くの人を対象に、簡単に情報発信が出来るすばらしい手法です。それだけに、情報発信の姿勢が問われ、マンネリを解消するために「農業に対してどう向き合うのか」を再度考える必要を感じています。そこで、その時間を確保するためにブログは今週をもって終了としますので、今回は「私の農業に対する想い」を再度述べさせていただき、幕引きといたします。
長い間のお付き合いに感謝申し上げます。
食料問題と農業問題は異なります。農業については比較的話題になりますが、農業問題は食料問題を構成する一分野にすぎません。安全な食料を安定的に確保するのは国や自治体の役割ですが、食料問題の当事者は消費者です。また、現在の農業の形からすれば、ほとんどの生産者は、同時に消費者でもあります。生産者はこの点を踏まえ消費者の視点からも、食料や農業に向かい合う必要があります。まさに、食料問題は国民全体が係わる身近で大きな問題です。
そして、食料問題は政治や経済の枠組みだけで判断されるものではありません。食料・農業について行政に任せるのではなく、自らが考え行動することが必要なのです。
自給率を上げることは大切なことですが、自給率が40パーセントの日本の現状を考えれば、自給率向上だけでなく、食料トータルの議論が必要です。その議論を通して農業が国民の合意に基づき、社会の中にきちんと位置づくことが大切です。
当たり前のことですが、農業は生産者の基準だけでは成り立ちません。国際的に見ればWTOの交渉の結果や、農産物を輸入している商社の動向などが、日本の農業に大きな影響を与えています。国内においても、消費者の意向を無視しては農業が成り立たない状況にあります。つまり、農業は自己完結出来ないのです。しかし、「このことに気づいていないのではないか」と感じる生産者サイドの言動があります。そして、「消費者の農業理解は必要だが、むしろ生産者の意識改革こそ求められている」と感じています。
消費者にこびる必要はありませんが、生産者は「消費者のことを考え、自分たちの農業に向き合う姿勢を消費者に明確に伝える」取り組みを実践しなければなりません。
昨年の9月に神奈川県は「神奈川県都市農業推進条例」を制定しました。農業の条例はいくつかの県で制定されていますが、いずれも農業の盛んな県であり、神奈川のような都市部の県では初めてのことです。さらに、条例には、都市農業を持続的に発展させるために、消費者、生産者・生産者団体、行政それぞれの役割が明記されていて、消費者、生産者が一緒に食料・農業を考え行動する仕組みとなっています。
しかし、制定までの時間がやや短く、それぞれが当事者意識を持っているとは言いがたいのが現実です。課題は、「生産者だけでなく消費者をどのように取り込むか」です。そして、条例の役割は「消費者と生産者が農業の大切さを理解し共有する社会」を実現することです。
条例では地産地消の推進が大きな柱となっていますが、地産地消は消費者、生産者が一堂に会して食料・農業について語り合う材料として最適です。
また、ハード重視の施策からソフト中心の施策へと、行政も助成による誘導から脱却し、新しい行政手法を確立することが求められています。その意味から、消費者、事業者、県それぞれの役割分担のもとに、地産地消などの事業を推進している三重県の事例は参考になります。
都市の中だからこそ、農業はかけがえのない大切なもの。神奈川県のような都市部の農業は、これからの日本農業の存続にとっても不可欠です。専業農家だけでない様々なタイプの生産者による、多彩な農業が展開されている神奈川県、その神奈川農業が、消費者と生産者の合意に支えられ、将来とも都市と共存して持続されることを願ってやみません。
最後になりましたが、2年間のお付き合いに対して重ねてお礼申し上げます。そして、ミスターの有名な言葉を農業に置き換えブログを終わりにしたいと思います。
「我が農業は永久に不滅です。」
平成18年2月17日
ヤシャブシ
追伸
このブログはしばらくの間はこのままにしておきます。
2006/02/10のBlog
[ 13:50 ]
[ 地産地消 ]
春夏秋冬―50
様々なセキレイ
セキレイは体長20センチくらいのスマートな鳥だ。草原,原野,林縁や河原など比較的開けた場所にすむ。しばしば水辺を好み,地上を走ったり歩いたりしながら主に小型の昆虫類を食べている。飛ぶときには波状に飛行し,地上ではたえず尾を上下に振る習性がある。
日本では5種のセキレイが繁殖しているそうだが、この辺で観察できるのは、キセキレイ,セグロセキレイ、ハクセキレイの三種である。
キセキレイは、全長約17センチ、背面は暗青灰色、下面は黄色である。低地から山地の渓流や小川の近くにすむが、水辺から少し離れた林でも観察され、ときには高山の雪渓の近くにもいるそうだ。尾は非常に長く,全長の約半分を占める。この尾を上下に振りながら水辺をせわしく歩き回り,岩から岩へと飛び,昆虫やクモなどを食べる。
スマートな鳥であるが、写真のキセキレイは丸みを帯びたものとなった。福良雀のように冬の寒さ対策で空気を入れているのか、個体差なのか、あるいはアングルの違いからなのか、分からない。
様々なセキレイ
セキレイは体長20センチくらいのスマートな鳥だ。草原,原野,林縁や河原など比較的開けた場所にすむ。しばしば水辺を好み,地上を走ったり歩いたりしながら主に小型の昆虫類を食べている。飛ぶときには波状に飛行し,地上ではたえず尾を上下に振る習性がある。
日本では5種のセキレイが繁殖しているそうだが、この辺で観察できるのは、キセキレイ,セグロセキレイ、ハクセキレイの三種である。
キセキレイは、全長約17センチ、背面は暗青灰色、下面は黄色である。低地から山地の渓流や小川の近くにすむが、水辺から少し離れた林でも観察され、ときには高山の雪渓の近くにもいるそうだ。尾は非常に長く,全長の約半分を占める。この尾を上下に振りながら水辺をせわしく歩き回り,岩から岩へと飛び,昆虫やクモなどを食べる。
スマートな鳥であるが、写真のキセキレイは丸みを帯びたものとなった。福良雀のように冬の寒さ対策で空気を入れているのか、個体差なのか、あるいはアングルの違いからなのか、分からない。
セグロセキレイは、全長約21cm。腹部は白いが、背中,顔,胸など他の部分は黒いため、全体に重苦しい感じがする。そして、頭部には白色の眉斑があるので識別しやすい。日本特産種で、ハクセキレイとはごく近縁種だそうだ。
石の多い河川の中流域や湖岸にすみ,水際を歩きながら水生昆虫を捕らえて食べる。
石の多い河川の中流域や湖岸にすみ,水際を歩きながら水生昆虫を捕らえて食べる。
ハクセキレイは、全長は約20センチ、すんなりした体つきの鳥だ。
額と顔は白く、黒い過眼線がある。後頭部から背にかけては黒色ないし灰色で,胸が黒い。全体に白っぽいセキレイだが、古くは、上面が灰色の個体を「ウスズミセキレイ(薄墨鶺鴒)」と呼んだそうだが、風情ある呼び名である。畑地や開けた草地、低地の水辺にすむとされているが、水辺より畑などで出会うことが多い。
額と顔は白く、黒い過眼線がある。後頭部から背にかけては黒色ないし灰色で,胸が黒い。全体に白っぽいセキレイだが、古くは、上面が灰色の個体を「ウスズミセキレイ(薄墨鶺鴒)」と呼んだそうだが、風情ある呼び名である。畑地や開けた草地、低地の水辺にすむとされているが、水辺より畑などで出会うことが多い。
ハクセキレイは夜、集団でねぐらにつくことが知られている。写真は街路樹のプラタナスで夜を過ごすハクセキレイ。駅の近く、人通りの多い場所にある木がねぐらになった事例だ。この木は定宿だったが落葉したため、仲間は隣の木に移ったのに、なぜか一羽だけ、むき出しになった枝で休んでいた。
その後、移動した木も落葉したため、20数羽のハクセキレイは再度移動したが、場所は不明だ。以前、落葉した木で多数のハクセキレイが夜を過ごす写真を見たことがあるので、葉の有無は宿を決める決定的な要因でもなさそうである。
その後、移動した木も落葉したため、20数羽のハクセキレイは再度移動したが、場所は不明だ。以前、落葉した木で多数のハクセキレイが夜を過ごす写真を見たことがあるので、葉の有無は宿を決める決定的な要因でもなさそうである。
「地産地消」三重県の新たな試み
本来、地産地消は自分たちの地域や農業をとおして自身の生活を考える、民間の草の根運動だ。それだけに、行政が施策として取り組むと、単なる地場産品の消費拡大になりがちになる。しかし、三重県では、行政、事業者、消費者の役割分担を明確にして、地産地消事業でもすばらしい成果を上げている。
三重県は地産地消運動の定義を、「地域で生産された農林水産物や農林水産業に由来するサービスを消費・享受することにより人々が自らの生活や、地域を見直す運動」としている。これは、「地場産品の利用をとおして、ライフスタイルや地域のあり方を見直し、県民の生活満足度の向上を目指す」ことであり、地産地消本来の趣旨を踏まえた取り組みになっている。
地産地消を推進するときに不可欠なのは県民の参加と応援だ。三重県は県民参加の受け皿として「地産地消ネットワークみえ」を立ち上げ、県民に広く呼びかけ、15,800名(12月末)の応援団を実現させた。その活動は、会員の参加による生産者と消費者の交流、地域の食材を利用した料理教室、さらには生ごみの堆肥化など、多岐に渡っており地産地消運動を支えている。だが、「地産地消ネットワークみえ」はあくまでも自立した団体であり、県は条件整備に徹していて、団体の自主性を尊重している。
そして、地産地消のシンボルマーク「地物一番」(地元が一番、三重が一番の思いが込められている)の作成、趣旨に賛同する会員に対するシンボルマークの貸し出し、県産品愛用キャンペーンの音頭とりが、県の役割である。
事業の参加は「三重ブランド」とは異なり審査はない。事業の趣旨に賛同し、三重県の産品を使っていれば誰でも参加でき、申し込みはFAXでも可能だ。
参加事業者は、県産の食材の使用など一定の条件を満たせば、「地物一番」のシンボルマークを使用でき、「地物一番」と名乗って恥ずかしくない内容かどうかの判断は、業者に委ねている。
そして、参加者は、県産品に「地物一番」のシンボルマークを使用し、県産品を積極的に利用するが、県は毎月第3日曜日と前日の土曜日を「みえ地物一番の日」として定め、三重県産品のキャンペーンを行い支援している。
このように、県は事業者の自主的な取り組みを尊重しているが、さらに、この事業を経済活動の一環として位置づけるなど、ビジネスの視点も重視し、事業者のビジネスチャンスの創出を図っている。県のこの姿勢が、企業戦略として、キャンペーンへの協賛を地域貢献の活動として位置づけイメージ向上を図る事例を生むなど、企業の積極的な事業参加を実現させた。
さらに、「三重ブランド事業」の推進と同様に、県職員はこまめに現場に出向いて事業者と一緒に考えるなど、従来の公務員には見られない取り組みをしている。そして、県職員のこの行動力が事業者に己の役割を自覚させ、自らの責任を果たすことになり事業を成功させている。
事業者の創意工夫の発揮を基本に展開された事業は、644の食品小売店舗、157の外食産業が参加することになり、その活動は地域内消費の拡大による経済の活性化のみならず、三重県を訪れた人々に三重の産品をとおして三重県の知名度向上に貢献している。
県民の支援と事業者の自主的な活動による事業の推進は、新しい手法として学術的にも高い評価を受け、農業経済分野の学会誌での発表や地元の三重大学での講演などを通し広く知られている。
事業は多くの人々の協力により推進され、チームワークも大切だが、不可欠なのはやはり中心となり事業を牽引する人だ。「葉っぱビジネス」で紹介した株式会社「いろどり」の副社長の横石さんのように、成功した事例は明確な問題意識を持ち実践力のある人がいる。
三重のキーマンは、県のマーケティング室長の神井氏だ。氏は国の職員で三重県に出向している。国から県に出向する事例では、本人の研修の意味合いが強く見聞を広め経験を積むだけになりがちだ。
しかし、氏は理念や将来のビジョンの作成、事業の企画立案だけでなく、陣頭指揮を取りその能力を遺憾なく発揮している。氏を受け入れ、活躍の場を提供している三重県の柔軟性もさることながら、氏の存在なくては「三重ブランド作り事業」や、「地産地消事業」、さらに、今回紹介できなかった新たな取り組みの「食のパワーアップ100事業」のいずれも成り立たなかっただろう。
2回にわたり三重県の取り組みを紹介したが、地産地消事業やブランド作り事業に見られる哲学と手法は「三重方式」ともいえ、行政手法として高く評価でき、新たな行政モデルとして全国の自治体で活用してほしいものだ。
三重ブランド
http://www.miebrand.jp/index.html
地産地消ネットワーク三重・地物一番
http://www.pref.mie.jp/D1NOURIN/
三重の食パワーアップ100事業
http://www.pref.mie.jp/chisanm/hp/power-up100/
本来、地産地消は自分たちの地域や農業をとおして自身の生活を考える、民間の草の根運動だ。それだけに、行政が施策として取り組むと、単なる地場産品の消費拡大になりがちになる。しかし、三重県では、行政、事業者、消費者の役割分担を明確にして、地産地消事業でもすばらしい成果を上げている。
三重県は地産地消運動の定義を、「地域で生産された農林水産物や農林水産業に由来するサービスを消費・享受することにより人々が自らの生活や、地域を見直す運動」としている。これは、「地場産品の利用をとおして、ライフスタイルや地域のあり方を見直し、県民の生活満足度の向上を目指す」ことであり、地産地消本来の趣旨を踏まえた取り組みになっている。
地産地消を推進するときに不可欠なのは県民の参加と応援だ。三重県は県民参加の受け皿として「地産地消ネットワークみえ」を立ち上げ、県民に広く呼びかけ、15,800名(12月末)の応援団を実現させた。その活動は、会員の参加による生産者と消費者の交流、地域の食材を利用した料理教室、さらには生ごみの堆肥化など、多岐に渡っており地産地消運動を支えている。だが、「地産地消ネットワークみえ」はあくまでも自立した団体であり、県は条件整備に徹していて、団体の自主性を尊重している。
そして、地産地消のシンボルマーク「地物一番」(地元が一番、三重が一番の思いが込められている)の作成、趣旨に賛同する会員に対するシンボルマークの貸し出し、県産品愛用キャンペーンの音頭とりが、県の役割である。
事業の参加は「三重ブランド」とは異なり審査はない。事業の趣旨に賛同し、三重県の産品を使っていれば誰でも参加でき、申し込みはFAXでも可能だ。
参加事業者は、県産の食材の使用など一定の条件を満たせば、「地物一番」のシンボルマークを使用でき、「地物一番」と名乗って恥ずかしくない内容かどうかの判断は、業者に委ねている。
そして、参加者は、県産品に「地物一番」のシンボルマークを使用し、県産品を積極的に利用するが、県は毎月第3日曜日と前日の土曜日を「みえ地物一番の日」として定め、三重県産品のキャンペーンを行い支援している。
このように、県は事業者の自主的な取り組みを尊重しているが、さらに、この事業を経済活動の一環として位置づけるなど、ビジネスの視点も重視し、事業者のビジネスチャンスの創出を図っている。県のこの姿勢が、企業戦略として、キャンペーンへの協賛を地域貢献の活動として位置づけイメージ向上を図る事例を生むなど、企業の積極的な事業参加を実現させた。
さらに、「三重ブランド事業」の推進と同様に、県職員はこまめに現場に出向いて事業者と一緒に考えるなど、従来の公務員には見られない取り組みをしている。そして、県職員のこの行動力が事業者に己の役割を自覚させ、自らの責任を果たすことになり事業を成功させている。
事業者の創意工夫の発揮を基本に展開された事業は、644の食品小売店舗、157の外食産業が参加することになり、その活動は地域内消費の拡大による経済の活性化のみならず、三重県を訪れた人々に三重の産品をとおして三重県の知名度向上に貢献している。
県民の支援と事業者の自主的な活動による事業の推進は、新しい手法として学術的にも高い評価を受け、農業経済分野の学会誌での発表や地元の三重大学での講演などを通し広く知られている。
事業は多くの人々の協力により推進され、チームワークも大切だが、不可欠なのはやはり中心となり事業を牽引する人だ。「葉っぱビジネス」で紹介した株式会社「いろどり」の副社長の横石さんのように、成功した事例は明確な問題意識を持ち実践力のある人がいる。
三重のキーマンは、県のマーケティング室長の神井氏だ。氏は国の職員で三重県に出向している。国から県に出向する事例では、本人の研修の意味合いが強く見聞を広め経験を積むだけになりがちだ。
しかし、氏は理念や将来のビジョンの作成、事業の企画立案だけでなく、陣頭指揮を取りその能力を遺憾なく発揮している。氏を受け入れ、活躍の場を提供している三重県の柔軟性もさることながら、氏の存在なくては「三重ブランド作り事業」や、「地産地消事業」、さらに、今回紹介できなかった新たな取り組みの「食のパワーアップ100事業」のいずれも成り立たなかっただろう。
2回にわたり三重県の取り組みを紹介したが、地産地消事業やブランド作り事業に見られる哲学と手法は「三重方式」ともいえ、行政手法として高く評価でき、新たな行政モデルとして全国の自治体で活用してほしいものだ。
三重ブランド
http://www.miebrand.jp/index.html
地産地消ネットワーク三重・地物一番
http://www.pref.mie.jp/D1NOURIN/
三重の食パワーアップ100事業
http://www.pref.mie.jp/chisanm/hp/power-up100/
2006/02/05のBlog
[ 21:11 ]
[ 地産地消 ]
春夏秋冬―49
渋田川の鳥たち
散策路の横の渋田川、所々にごみが散乱し、お世辞にもきれいな川とはいえない。その周りには、小さな雑木林、竹やぶ、果樹園、放棄された田んぼや畑などがあり、ごくありふれた郊外の風景を構成している。
その様な所でも、様々な鳥に出会うことが出来る。オオタカ、そして、サギの仲間では、アオサギ、コサギ、ゴイサギもいて、冬はこれらの鳥に出会う機会が多い。
オオタカは猛禽類、迫力のある鳥だが写真の固体は2羽のカラスに追い回されていて、迫力に欠けていた。私が近寄ると、カラスは少し退いたが遠巻きに見守っている。
人よりカラスを警戒して動かないオオタカ。写真を撮ることが出来たのは、まさに想定外の幸せなこと。カラスには感謝するが、その後、また追いかけられていたオオタカにとっては厄日だったに違いない。
渋田川の鳥たち
散策路の横の渋田川、所々にごみが散乱し、お世辞にもきれいな川とはいえない。その周りには、小さな雑木林、竹やぶ、果樹園、放棄された田んぼや畑などがあり、ごくありふれた郊外の風景を構成している。
その様な所でも、様々な鳥に出会うことが出来る。オオタカ、そして、サギの仲間では、アオサギ、コサギ、ゴイサギもいて、冬はこれらの鳥に出会う機会が多い。
オオタカは猛禽類、迫力のある鳥だが写真の固体は2羽のカラスに追い回されていて、迫力に欠けていた。私が近寄ると、カラスは少し退いたが遠巻きに見守っている。
人よりカラスを警戒して動かないオオタカ。写真を撮ることが出来たのは、まさに想定外の幸せなこと。カラスには感謝するが、その後、また追いかけられていたオオタカにとっては厄日だったに違いない。
アオサギ、全長約95cm。一見ツルに似た大型の鳥で貫禄がある。近頃は、観察できる機会が多くなったサギだ。公園の池の小さな島、その縁に佇んでいたアオサギを飾り物と誤解したが、長時間じっとしている習性があるようだ。
この木はお気に入りらしく、休んでいるのを見かけることが多い。この隣は荒れた竹やぶで、コサギやオオタカも羽を休めることがある。この一画は鳥たちにとって居心地の良い場所らしい。
この木はお気に入りらしく、休んでいるのを見かけることが多い。この隣は荒れた竹やぶで、コサギやオオタカも羽を休めることがある。この一画は鳥たちにとって居心地の良い場所らしい。
この時期、田んぼには水がなく、コサギの採餌場所は川になる。このコサギ、冬は渋田川を棲みかとし、しばしばモデルとなってくれるが、警戒心は相変わらず強くなかなか近づけない。それだけに、写真を撮れたときの手ごたえがたまらない。
ザリガニを咥えているが、小魚よりはザリガニのほうが獲りやすいのだろうか。
ザリガニを咥えているが、小魚よりはザリガニのほうが獲りやすいのだろうか。
ゴイサギは以前紹介したように官位授けられた由緒ある鳥だ。遠目では、川の土手にうずくまっている猫かと思ったのが、ゴイザギの幼鳥だったので驚いた。近づいたため、逃げて川に舞い降りたところの写真で、やんちゃ坊主を彷彿させ愛らしい。
狭く、そして良好とはいえないフィールド、しかし鳥たちはそこを棲みかとして生活を営んでいる。鳥たちの適応性に依存するのはもう限界だろう。鳥たちにとって棲みやすい環境の実現に本腰を入れて取り組むことが求められている。
それは、鳥たちだけでなく我々人間にとっても必要なことである。
狭く、そして良好とはいえないフィールド、しかし鳥たちはそこを棲みかとして生活を営んでいる。鳥たちの適応性に依存するのはもう限界だろう。鳥たちにとって棲みやすい環境の実現に本腰を入れて取り組むことが求められている。
それは、鳥たちだけでなく我々人間にとっても必要なことである。
「三重ブランド」支援にみる、行政の姿勢
一次産業に関連したブランド作りは全国各地で試みられているが、殆どの場合が産業振興策として、行政主導により実施されている。
このようななか、「企業や商品のブランドの価値は民間事業者がリスクを負いながら自らの努力で築き上げるもの」という認識に立ち、官と民の役割分担を明確にしてブランドの育成を進め、さらに、産品育成だけでなく県のイメージアップも視野に入れた三重県の取り組みはブランド作りの模範といえる。
三重県は産品の育成に当たり全国の消費者を対象にアンケート調査を実施し、その結果に基づき事業推進のコンセプトを作成している。「三重県には自然や伝統を守り自然と共生共存を図りながら自然の力を引き出す知恵が脈づいており、これを大切にすることが必要である。」として、コンセプトは「自然を生かす技術」とした。
つまり、コンセプトはブランド産品に対してだけでなく、三重県に対する意識向上を図るものとして位置づけられ、具体的な三重産品によって三重県の豊かな自然や伝統文化、活気あふれる産業といったものを情報発信していくねらいがある。
ブランドの条件は、品目に対して確固たる需要があり、顧客に対して品質を保証し、物語性を約束できることとしている。申請は事業者が行い、選定基準は①コンセプト、②独自性・主体性、③信頼性、④市場性、⑤将来性の五つの視点から認定委員会が審議し、その結果に基づき知事が認定する仕組みとなっている。さらに、商品に対する思いや責任を大切にする観点から、ブランド産品だけでなく事業者も合わせて認定をしている。
ブランド作りには、意欲的な事業者の挑戦を容易にする環境を整備していくことが重要であるとして、県は条件整備に徹している。具体的には「行政がこのようにやりなさい。」ではなく、委員会が評価したポイントの公表や、ブランド化の成功事例を明らかにすることにより、事業者に「自分もチャレンジして見よう。」と参加意欲を起こさせている。また、開発に当たって事業者のリスクを軽減するため、ビジネスプランコンペやアドバイザー派遣を行なうなど、自然を生かしながら誇にできるブランド産品を作り出す人々を支援している。
三重県には「松坂牛」や「伊勢エビ」など全国に知られているブランド品がある。新たに認定されたものは「伊勢茶」、「ひじき」などだが、ブランド産品の定着にはPRが不可欠だ。そのPRでも県と事業者の役割分担を明確であり、県は三重ブランドのシンボルマークとコアコンセプトをまとめてデザインしたPRツールを作り側面からの支援を受け持っている。
さらに、事業の推進に当たり、県の職員は足繁く現場に出向いて事業者の相談にのっている。「三重ブランド」に参加している事業者は口をそろえて、地元にこまめに足を運ぶ県職員の行動を賞賛している。そして、県職員の熱意を受けて、自分たちも出来ることをやらなければとして、事業推進に取り組んでいる。
行政が前に出がちな事業にあって、県と事業者それぞれの役割をわきまえ、県の知恵と行動力を持って事業者をその気にさせる手法は、従来の行政にないものとして注目される。さらに、ブランド産品の創出により地域経済の活性化を図るためには、同業者間の協力体制、関係異業種間の連携などの「地域力」、あるいは「ソーシャルキャピタル」というネットワークの構築が必要であるとの認識もすばらしく、学ぶべきことの多い事例である。
一次産業に関連したブランド作りは全国各地で試みられているが、殆どの場合が産業振興策として、行政主導により実施されている。
このようななか、「企業や商品のブランドの価値は民間事業者がリスクを負いながら自らの努力で築き上げるもの」という認識に立ち、官と民の役割分担を明確にしてブランドの育成を進め、さらに、産品育成だけでなく県のイメージアップも視野に入れた三重県の取り組みはブランド作りの模範といえる。
三重県は産品の育成に当たり全国の消費者を対象にアンケート調査を実施し、その結果に基づき事業推進のコンセプトを作成している。「三重県には自然や伝統を守り自然と共生共存を図りながら自然の力を引き出す知恵が脈づいており、これを大切にすることが必要である。」として、コンセプトは「自然を生かす技術」とした。
つまり、コンセプトはブランド産品に対してだけでなく、三重県に対する意識向上を図るものとして位置づけられ、具体的な三重産品によって三重県の豊かな自然や伝統文化、活気あふれる産業といったものを情報発信していくねらいがある。
ブランドの条件は、品目に対して確固たる需要があり、顧客に対して品質を保証し、物語性を約束できることとしている。申請は事業者が行い、選定基準は①コンセプト、②独自性・主体性、③信頼性、④市場性、⑤将来性の五つの視点から認定委員会が審議し、その結果に基づき知事が認定する仕組みとなっている。さらに、商品に対する思いや責任を大切にする観点から、ブランド産品だけでなく事業者も合わせて認定をしている。
ブランド作りには、意欲的な事業者の挑戦を容易にする環境を整備していくことが重要であるとして、県は条件整備に徹している。具体的には「行政がこのようにやりなさい。」ではなく、委員会が評価したポイントの公表や、ブランド化の成功事例を明らかにすることにより、事業者に「自分もチャレンジして見よう。」と参加意欲を起こさせている。また、開発に当たって事業者のリスクを軽減するため、ビジネスプランコンペやアドバイザー派遣を行なうなど、自然を生かしながら誇にできるブランド産品を作り出す人々を支援している。
三重県には「松坂牛」や「伊勢エビ」など全国に知られているブランド品がある。新たに認定されたものは「伊勢茶」、「ひじき」などだが、ブランド産品の定着にはPRが不可欠だ。そのPRでも県と事業者の役割分担を明確であり、県は三重ブランドのシンボルマークとコアコンセプトをまとめてデザインしたPRツールを作り側面からの支援を受け持っている。
さらに、事業の推進に当たり、県の職員は足繁く現場に出向いて事業者の相談にのっている。「三重ブランド」に参加している事業者は口をそろえて、地元にこまめに足を運ぶ県職員の行動を賞賛している。そして、県職員の熱意を受けて、自分たちも出来ることをやらなければとして、事業推進に取り組んでいる。
行政が前に出がちな事業にあって、県と事業者それぞれの役割をわきまえ、県の知恵と行動力を持って事業者をその気にさせる手法は、従来の行政にないものとして注目される。さらに、ブランド産品の創出により地域経済の活性化を図るためには、同業者間の協力体制、関係異業種間の連携などの「地域力」、あるいは「ソーシャルキャピタル」というネットワークの構築が必要であるとの認識もすばらしく、学ぶべきことの多い事例である。
2006/01/27のBlog
[ 11:42 ]
[ 食の安全 ]
春夏秋冬―48
カモメは神奈川県の鳥
1月14日に紹介したユリカモメは東京都の鳥、そして、隣の神奈川県の鳥はカモメだ。昭和40年5月に県民に呼びかけ応募された中から、国際的になじみがあり、日本の海の玄関「横浜港」を持つ神奈川県にふさわしく、一般に親しまれていることなどからカモメが県の鳥に選定されたそうだ。
カモメは海と航海を象徴する鳥で、その優美な容姿から国際平和の象徴とも言われ、平和を愛し信頼と友情に結ばれた明るい国際社会の実現を願う、神奈川県民のシンボルとしてふさわしい鳥といえる。
カモメは神奈川県の鳥
1月14日に紹介したユリカモメは東京都の鳥、そして、隣の神奈川県の鳥はカモメだ。昭和40年5月に県民に呼びかけ応募された中から、国際的になじみがあり、日本の海の玄関「横浜港」を持つ神奈川県にふさわしく、一般に親しまれていることなどからカモメが県の鳥に選定されたそうだ。
カモメは海と航海を象徴する鳥で、その優美な容姿から国際平和の象徴とも言われ、平和を愛し信頼と友情に結ばれた明るい国際社会の実現を願う、神奈川県民のシンボルとしてふさわしい鳥といえる。
カモメはカモメ類の鳥の総称,またはそのうちの1種を指すが、日本にはユリカモメ,セグロカモメ,オオセグロカモメ,カモメ,ウミネコなど14種が分布している。 カモメは海鳥とされているが多くは沿岸域で生活している。海岸,河口などの水面や水辺で餌を探すことが多いが,水に飛び込んで餌を捕ることもある。また内陸では昆虫類なども捕食するなど、きわめて多種多様なものを餌としている。
写真のカモメはセグロカモメ。河口で餌を捕るシーンで、捕らえたのは魚らしい。セグロカモメは大型のカモメで,日本には冬鳥とし飛来し、全国的に見られるが,関東以西で越冬するものが多い。全長約60cm。体は白色だが,背と翼上面は青灰色で,翼端近くに黒色部とその中に白点がある。
食の安全に対する国の姿勢は?
2年ぶりに輸入が再開されたアメリカ産牛肉に、病原体のたまりやすい特定危険部位である背骨が混入していたため、アメリカからの牛肉輸入が中断されている。
日頃アメリカに理解をしている産経新聞も社説で厳しく批判をしていた。ことは、国民の関心の高い食の安全に関してのことだけに当然といえば当然のことだ。政府は特定危険部位の除去という輸入再開の前提条件が守られなかったアメリカの管理態勢を批判し、安全が確認されるまで輸入禁止を続ける方針である。そして、アメリカに対してなぜこのような混入が起きたのか、徹底的に調べることを要求し、再発防止に全力をあげるべきだとしている。
BSEの新しい国内対策の決定までには様々な議論がされたが、月齢20ケ月以下の若い牛に限り、特定危険部位を除去すれば、検査なしで出荷を認めることになった。
米国産牛肉についても、この基準を適用することを条件に、輸入再開がなされたばかりであり、輸出に当たっては頭部や背骨などの危険部位を、完全に取り除くことなどが条件となっている。
しかし、米国では、食肉処理に当たる作業員の技術が一定せず、危険部位の除去が完全に行われるか、疑問視する声が根強かった。
輸入再開の条件が履行されているかどうかを見極めるものとして検査システムがある。しかし、システムが如何に完璧でも運用するのは生身の人間、ミスは起こりうるもので、二重三重のチェック体制が必要となる。今回の出来事はアメリカの検査員が日本向けの条件を理解していなかったため発生したものとされていて、はからずも、検査システムの脆弱さが露呈された結果となった。
水際で危険部位を発見した日本の検査だが、農水省は原則として積み荷の0.5%を無作為に抽出することとしている。しかし、アメリカでは危険部位の除去基準が国内向けと日本向けで異なっており、今後も混入が再発する可能性があり、すべての箱を開封して調べる方針に改めるべきとの指摘もある。
以前、書き込んだように、食料問題と農業問題は違うもの。食料問題の視点からは安全な食料を安定確保することが命題となり、確保する手段として輸入と自給が考えられる。国内生産を高め自給率を上げることは当然のことだが、その自給率が40㌫の現実からすれば、輸入における安全の確保はきわめて重要なものである。そして、今回の事件が起こったのは国の安全に対する姿勢がきちんとしていなかったことも原因の一つであろう。
ホルモン剤を使った牛の飼育は、生育を促進させるなどの効果があるが、人体に与える影響も懸念されEUや日本では使用が禁止されている。しかし、アメリカではホルモン剤の使用は認められている。これを問題として、EUではホルモン剤使用を理由にアメリカ産牛肉の輸入を禁止した。それに反発したアメリカは報復措置としてEU産の製品に制裁課税をかけ、フランスのエビアンやフォアグラなどが輸出不能となっているが、EUは毅然たる態度をとり続けているそうだ。
また、アメリカ産のブロッコリーなどの野菜に対しても、EUは抜き打ちで相手の農場の検査をして農薬の残留を調べるなど、食の安全確保に努めているが、日本からは一度も検査に訪れたことはないそうだ。※
食料の多くを海外に依存している日本、EUの食の安全に対する姿勢には学ぶことが多い。食料の検査を輸出国に任せるのではなく、食の安全確保のためには自らが現地に出向き徹底した検査を実施する体制を、BSEに限らず、すべての食料を対象に構築すべきである。その意味からすれば、米国の日本向け輸出の認定食肉処理施設をすべて調査して、輸出条件が順守できるかどうかの確認を求めている全国消費者団体連絡会の要求はもっともである。
いま政府に問われているのは、「国民の食の安全をどのようにして確保するのか」であり、その実現に確固たる姿勢で取り組むべきである。
※参考資料
『アメリカに潰される!日本の食』 山田正彦著 宝島社 1260円(税込み)
著者は国会議員で、長崎県五島で牧場経営の経験のある山田正彦氏。
2年ぶりに輸入が再開されたアメリカ産牛肉に、病原体のたまりやすい特定危険部位である背骨が混入していたため、アメリカからの牛肉輸入が中断されている。
日頃アメリカに理解をしている産経新聞も社説で厳しく批判をしていた。ことは、国民の関心の高い食の安全に関してのことだけに当然といえば当然のことだ。政府は特定危険部位の除去という輸入再開の前提条件が守られなかったアメリカの管理態勢を批判し、安全が確認されるまで輸入禁止を続ける方針である。そして、アメリカに対してなぜこのような混入が起きたのか、徹底的に調べることを要求し、再発防止に全力をあげるべきだとしている。
BSEの新しい国内対策の決定までには様々な議論がされたが、月齢20ケ月以下の若い牛に限り、特定危険部位を除去すれば、検査なしで出荷を認めることになった。
米国産牛肉についても、この基準を適用することを条件に、輸入再開がなされたばかりであり、輸出に当たっては頭部や背骨などの危険部位を、完全に取り除くことなどが条件となっている。
しかし、米国では、食肉処理に当たる作業員の技術が一定せず、危険部位の除去が完全に行われるか、疑問視する声が根強かった。
輸入再開の条件が履行されているかどうかを見極めるものとして検査システムがある。しかし、システムが如何に完璧でも運用するのは生身の人間、ミスは起こりうるもので、二重三重のチェック体制が必要となる。今回の出来事はアメリカの検査員が日本向けの条件を理解していなかったため発生したものとされていて、はからずも、検査システムの脆弱さが露呈された結果となった。
水際で危険部位を発見した日本の検査だが、農水省は原則として積み荷の0.5%を無作為に抽出することとしている。しかし、アメリカでは危険部位の除去基準が国内向けと日本向けで異なっており、今後も混入が再発する可能性があり、すべての箱を開封して調べる方針に改めるべきとの指摘もある。
以前、書き込んだように、食料問題と農業問題は違うもの。食料問題の視点からは安全な食料を安定確保することが命題となり、確保する手段として輸入と自給が考えられる。国内生産を高め自給率を上げることは当然のことだが、その自給率が40㌫の現実からすれば、輸入における安全の確保はきわめて重要なものである。そして、今回の事件が起こったのは国の安全に対する姿勢がきちんとしていなかったことも原因の一つであろう。
ホルモン剤を使った牛の飼育は、生育を促進させるなどの効果があるが、人体に与える影響も懸念されEUや日本では使用が禁止されている。しかし、アメリカではホルモン剤の使用は認められている。これを問題として、EUではホルモン剤使用を理由にアメリカ産牛肉の輸入を禁止した。それに反発したアメリカは報復措置としてEU産の製品に制裁課税をかけ、フランスのエビアンやフォアグラなどが輸出不能となっているが、EUは毅然たる態度をとり続けているそうだ。
また、アメリカ産のブロッコリーなどの野菜に対しても、EUは抜き打ちで相手の農場の検査をして農薬の残留を調べるなど、食の安全確保に努めているが、日本からは一度も検査に訪れたことはないそうだ。※
食料の多くを海外に依存している日本、EUの食の安全に対する姿勢には学ぶことが多い。食料の検査を輸出国に任せるのではなく、食の安全確保のためには自らが現地に出向き徹底した検査を実施する体制を、BSEに限らず、すべての食料を対象に構築すべきである。その意味からすれば、米国の日本向け輸出の認定食肉処理施設をすべて調査して、輸出条件が順守できるかどうかの確認を求めている全国消費者団体連絡会の要求はもっともである。
いま政府に問われているのは、「国民の食の安全をどのようにして確保するのか」であり、その実現に確固たる姿勢で取り組むべきである。
※参考資料
『アメリカに潰される!日本の食』 山田正彦著 宝島社 1260円(税込み)
著者は国会議員で、長崎県五島で牧場経営の経験のある山田正彦氏。
2006/01/20のBlog
[ 10:00 ]
[ 農業政策 ]
春夏秋冬―47
カラスウリその後
昨年の7月12日に紹介したカラスウリ、その後実をむすび朱に色づいた実は冬の日差しを受けて、枯れあがったツルにぶら下がっている。
雌雄異株のためか、たくさんの花が咲いていたにもかかわらず実が見当たらない場所や、晩秋になって、思いがけない所で鈴なりの実を着けた株に出会うことがある。
カラスウリその後
昨年の7月12日に紹介したカラスウリ、その後実をむすび朱に色づいた実は冬の日差しを受けて、枯れあがったツルにぶら下がっている。
雌雄異株のためか、たくさんの花が咲いていたにもかかわらず実が見当たらない場所や、晩秋になって、思いがけない所で鈴なりの実を着けた株に出会うことがある。
秋の初めの初々しい縦縞模様の実も捨てがたいが、やはり秋も深まり朱に染まったものがカラスウリらしく思える。実は色づいても鳥が食べる様子もないが、地上に落ちた種子はやがて芽吹き新しい命をはぐくむことになるのだろう。
お年寄りを元気にさせる「葉っぱビジネス」
徳島県の上勝町はすごい町だ。面積の9割以上が山林で、人口約2,100人、しかも65歳以上の高齢者が45%を占める町と聞くと、過疎化の進んだ活気のない町を思い浮かべる。しかし、上勝町は違う、ともかくお年寄りが元気だ。
元旦のNHK日本の現場「おばあちゃんの葉っぱビジネス」で紹介された、生き生きとしたお年寄りたち。鮮やかに色づいた柿やもみじの葉がお金になり、競い合って出荷に励むお年寄り達に感心するばかりだった。
柿やもみじの葉は、料亭の料理に添えられ季節感を演出する「ツマモノ」として市場では高値で取引される。その、「葉っぱビジネス」を仕掛けたのは株式会社「いろどり」の副社長横石さんだ。
町の活性化のためには、「地域の一部の人間だけが出来るものでなく、多くの人達が参加でき町全体が良くなることが大切」と考え、方策を模索していた横石さん。JAの職員時代、大阪の料理屋で、若い女性が食材よりも「ツマモノ」のもみじばかり誉めていたのを見て、柿やもみじの葉を料理の添え物として出荷することを思いついた。
自費で料亭に通い、そこで得た結論は「必要なときに、必要な人に、必要な物を持っていけば金になる。」ことだったそうだ。
「葉っぱ」を売って金になる。「狐や狸ではあるまいに」と信用しない人達をその気にさせたのは、地元の野菜を自家用車で市場に運び、車で仮眠してセリにかけるなどの行動力、販売にかける横石氏の熱意と人柄だろう。
昭和61年に数軒の農家の協力を得て「葉っぱビジネス」を立ち上げた。当初売り上げが120万円だった事業は、氏の商品研究やノウハウそして、地元の人たちの協力のもと、10年後には1億7千万円と伸び、現在では2億5千万円の規模までに成長した。どこにでもある「葉っぱ」が金になり、この売り上げだから驚かされる。
「葉っぱ」への着眼点は卓越したものだが、それを商品に育て上げ全国有数の産地を作り維持していることはさらにすごいことだ。
成功し18年にわたりトップの座を維持し続けている秘密は、ニーズに応えた絶え間ない商品の開発や、高品質な商品の生産だけでなく、欲しいといわれたら、即座に対応できる体制を構築したことにある。「今すぐに○○を100セット」と市場から注文(特別注文)が入ったら、その日の午後4時半までには調達する。短納期、即納、多品種少量の注文に対応できるのが防災無線を使った情報システムだ。町の防災無線を使いファックスで注文を流し、平等に出荷者を決める。対応できる商品を持っているお年よりは、即座に申し込むが、4台の電話はなかなかつながらない。そして、勝負は5分、早い者勝ちで出荷者が決まる。
さらに、すばらしいことはお年寄りをその気にさせる仕掛けである。物を作っても、お金が入ってこないとそのビジネスは面白くない。売れることは、お金が入ること、それをよりはっきりさせるのがパソコンのネットワークだ。高齢者でも操作が容易なキーボードを備えた情報システムが導入されている。お年寄りたちは特別注文を含め、自らの判断で出荷した「葉っぱ」がいくらで売れたか、さらには、その日の個人別の売り上げ順位もパソコンで知ることが出来きる。日々売り上げを確認するお年寄り、競争原理が働き競い合うことになる。
ツマ物の市場規模は約3億5千万、その7割を上勝町で占めていて、年収1千万を越すお年よりもいるそうだ。そして、良い「葉っぱ」を育てられること、特別注文を逃がさないこと、市場の動きを読めることが仲間との競争に打ち勝つ条件となっている。
お年寄り達は生き生きと生活し、寝たきりの人は数人と極めて少なく、医療費も少なくてすみ、「葉っぱビジネス」は福祉にも貢献している。
「自分ひとりでやってもうまく行かない。主役は地域住民。それを支える様々なサポーター。役場はそれを取りまとめるプロデューサーにならないといけない」講演での横石さんの言葉である。そして、行政を担当する者の 肝に銘じる言葉でもある。
徳島県の上勝町はすごい町だ。面積の9割以上が山林で、人口約2,100人、しかも65歳以上の高齢者が45%を占める町と聞くと、過疎化の進んだ活気のない町を思い浮かべる。しかし、上勝町は違う、ともかくお年寄りが元気だ。
元旦のNHK日本の現場「おばあちゃんの葉っぱビジネス」で紹介された、生き生きとしたお年寄りたち。鮮やかに色づいた柿やもみじの葉がお金になり、競い合って出荷に励むお年寄り達に感心するばかりだった。
柿やもみじの葉は、料亭の料理に添えられ季節感を演出する「ツマモノ」として市場では高値で取引される。その、「葉っぱビジネス」を仕掛けたのは株式会社「いろどり」の副社長横石さんだ。
町の活性化のためには、「地域の一部の人間だけが出来るものでなく、多くの人達が参加でき町全体が良くなることが大切」と考え、方策を模索していた横石さん。JAの職員時代、大阪の料理屋で、若い女性が食材よりも「ツマモノ」のもみじばかり誉めていたのを見て、柿やもみじの葉を料理の添え物として出荷することを思いついた。
自費で料亭に通い、そこで得た結論は「必要なときに、必要な人に、必要な物を持っていけば金になる。」ことだったそうだ。
「葉っぱ」を売って金になる。「狐や狸ではあるまいに」と信用しない人達をその気にさせたのは、地元の野菜を自家用車で市場に運び、車で仮眠してセリにかけるなどの行動力、販売にかける横石氏の熱意と人柄だろう。
昭和61年に数軒の農家の協力を得て「葉っぱビジネス」を立ち上げた。当初売り上げが120万円だった事業は、氏の商品研究やノウハウそして、地元の人たちの協力のもと、10年後には1億7千万円と伸び、現在では2億5千万円の規模までに成長した。どこにでもある「葉っぱ」が金になり、この売り上げだから驚かされる。
「葉っぱ」への着眼点は卓越したものだが、それを商品に育て上げ全国有数の産地を作り維持していることはさらにすごいことだ。
成功し18年にわたりトップの座を維持し続けている秘密は、ニーズに応えた絶え間ない商品の開発や、高品質な商品の生産だけでなく、欲しいといわれたら、即座に対応できる体制を構築したことにある。「今すぐに○○を100セット」と市場から注文(特別注文)が入ったら、その日の午後4時半までには調達する。短納期、即納、多品種少量の注文に対応できるのが防災無線を使った情報システムだ。町の防災無線を使いファックスで注文を流し、平等に出荷者を決める。対応できる商品を持っているお年よりは、即座に申し込むが、4台の電話はなかなかつながらない。そして、勝負は5分、早い者勝ちで出荷者が決まる。
さらに、すばらしいことはお年寄りをその気にさせる仕掛けである。物を作っても、お金が入ってこないとそのビジネスは面白くない。売れることは、お金が入ること、それをよりはっきりさせるのがパソコンのネットワークだ。高齢者でも操作が容易なキーボードを備えた情報システムが導入されている。お年寄りたちは特別注文を含め、自らの判断で出荷した「葉っぱ」がいくらで売れたか、さらには、その日の個人別の売り上げ順位もパソコンで知ることが出来きる。日々売り上げを確認するお年寄り、競争原理が働き競い合うことになる。
ツマ物の市場規模は約3億5千万、その7割を上勝町で占めていて、年収1千万を越すお年よりもいるそうだ。そして、良い「葉っぱ」を育てられること、特別注文を逃がさないこと、市場の動きを読めることが仲間との競争に打ち勝つ条件となっている。
お年寄り達は生き生きと生活し、寝たきりの人は数人と極めて少なく、医療費も少なくてすみ、「葉っぱビジネス」は福祉にも貢献している。
「自分ひとりでやってもうまく行かない。主役は地域住民。それを支える様々なサポーター。役場はそれを取りまとめるプロデューサーにならないといけない」講演での横石さんの言葉である。そして、行政を担当する者の 肝に銘じる言葉でもある。
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