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2005/07/22のBlog
[ 12:26 ]
[ 食の安全 ]
春夏秋冬―21
ヒマワリ
ヒマワリは夏の主役の花。キク科の一年草で、北アメリカ中・西部地方が原産地。ヨーロッパ経由で世界にひろまり、日本には中国から丈菊(じょうぎく)の名とともに渡ってきた。『大和本草(やまとほんぞう)』に「日につきて回る」「日マハリとも言ふ」の記述があることから、ヒマワリの名が広がったのは元禄ごろとされている。
ヒマワリの花は太陽を追って回転すると俗にいわれるが,太陽の方向に花首を向けるのはつぼみの間だけで、花弁が黄色く色づくころから鈍り、開花期後、多くは東を向いたまま動かなくなるそうだ。
子供のころ仰ぎ見たヒマワリの花はとてつもなく大きく、存在感のあるものだったが、最近はなぜか小ぶりのヒマワリが目につく。ミツバチはヒマワリの花にしばしば訪れるが、ミツバチから見たヒマワリの花は、私の記憶の中のものより、数倍も大きくインパクトのあるものだろう。
ヒマワリ
ヒマワリは夏の主役の花。キク科の一年草で、北アメリカ中・西部地方が原産地。ヨーロッパ経由で世界にひろまり、日本には中国から丈菊(じょうぎく)の名とともに渡ってきた。『大和本草(やまとほんぞう)』に「日につきて回る」「日マハリとも言ふ」の記述があることから、ヒマワリの名が広がったのは元禄ごろとされている。
ヒマワリの花は太陽を追って回転すると俗にいわれるが,太陽の方向に花首を向けるのはつぼみの間だけで、花弁が黄色く色づくころから鈍り、開花期後、多くは東を向いたまま動かなくなるそうだ。
子供のころ仰ぎ見たヒマワリの花はとてつもなく大きく、存在感のあるものだったが、最近はなぜか小ぶりのヒマワリが目につく。ミツバチはヒマワリの花にしばしば訪れるが、ミツバチから見たヒマワリの花は、私の記憶の中のものより、数倍も大きくインパクトのあるものだろう。
消費者のニーズに応えた二冊の本
県民や市民のニーズに応えるのが行政の役割、とはいってもなかなか難しいものだ。群馬県では、消費者の関心が高いが分かりにくい、「食品の表示」と「農薬」について従来にない優れた本を作成し県民の身近なニーズに応えている。しかも、食品表示の本は高く評価され、群馬県版をベースとした全国版まで作成されている。
野菜や果物、肉に牛乳、コンビニの弁当など、身の回りの食品には必ず産地表示、あるいは使用した食材、加工方法などさまざまな情報が付随している。しかし、表示ラベルは小さく読みにくく、さらに、記載されている内容が複雑で理解できない場合もある。
食品を購入するか否かの判断材料となる重要な情報なのに、表示ラベルはあまり利用されていない。
食品表示の理解を深めるために、群馬県が作成したのが「食品表示ハンドブック」だ。生鮮食料、加工食品、弁当類、調味料、飲料を取り上げ、これらに付けられているラベルを教材に丁寧な解説がされ、分かりやすい本である。
「食品表示ハンドブック」は、読みやすく優れた本と評価が高く、他県からの引き合いも多くあった。そのため、JAS法の改定に伴い、 全国食品安全自治ネットワーク会議で、全国自治ネット版の作成が了承され、21道府県によるハンドブック作成委員会が発足し、今年の2月に食品表示ハンドブックの全国版が完成したそうだ。
このように、ある県が作成した本をベースに、賛同する多数の県が自治体の枠組みを超え、共同して知恵を出し合い新しいものを作り出す例は珍しく、行政のあり方としても注目に値する。
その群馬県が今度は消費者のための農薬読本「農薬の話」を作成した。農薬は農産物の栽培に必要なものだが、消費者の不安は根強いものがある。群馬県が実施した農薬に関するアンケートでは約5割の人が、「使用基準、残留基準が守られていても農薬が使用されていることに不安を感じる」と回答した。
これに危機感を持ったことが作成の動機だそうだが、前書きにもあるように専門的なことを正しく分かりやすく伝えるのは至難の業である。そのため、子供の日記をベースに消費者が日ごろ感じている疑問に答える形をとり、農薬をなぜ使うのかに始まり、健康や環境への影響、輸入農産物や農家での使用の現状、群馬県の取り組み、などについて分かりやすくまとめられている。
エピローグでは「知って、考えて、選ぶ」、消費者も自分で判断する目と耳と舌を持ち、よく勉強して自分で選択することの大切さを訴えているが同感である。
「食品の表示」と「農薬」はいずれも消費者にとって関心が高いものだが、根拠法令も多くや専門用語の壁もあり複雑で分かりにくい。それを平易な言葉で読みやすく解説をしたこれらの本は、県民のニーズに的確に応えたヒット商品であり、行政マンの心意気が伝わってくる二冊である。
食品表示ハンドブックホームページ
http://www.pref.gunma.jp/shokukaigi/05network/hand/hand_top.htm
農薬読本ホームページ
http://www.pref.gunma.jp/shokukaigi/02task/nouyaku/no_book_top.htm
県民や市民のニーズに応えるのが行政の役割、とはいってもなかなか難しいものだ。群馬県では、消費者の関心が高いが分かりにくい、「食品の表示」と「農薬」について従来にない優れた本を作成し県民の身近なニーズに応えている。しかも、食品表示の本は高く評価され、群馬県版をベースとした全国版まで作成されている。
野菜や果物、肉に牛乳、コンビニの弁当など、身の回りの食品には必ず産地表示、あるいは使用した食材、加工方法などさまざまな情報が付随している。しかし、表示ラベルは小さく読みにくく、さらに、記載されている内容が複雑で理解できない場合もある。
食品を購入するか否かの判断材料となる重要な情報なのに、表示ラベルはあまり利用されていない。
食品表示の理解を深めるために、群馬県が作成したのが「食品表示ハンドブック」だ。生鮮食料、加工食品、弁当類、調味料、飲料を取り上げ、これらに付けられているラベルを教材に丁寧な解説がされ、分かりやすい本である。
「食品表示ハンドブック」は、読みやすく優れた本と評価が高く、他県からの引き合いも多くあった。そのため、JAS法の改定に伴い、 全国食品安全自治ネットワーク会議で、全国自治ネット版の作成が了承され、21道府県によるハンドブック作成委員会が発足し、今年の2月に食品表示ハンドブックの全国版が完成したそうだ。
このように、ある県が作成した本をベースに、賛同する多数の県が自治体の枠組みを超え、共同して知恵を出し合い新しいものを作り出す例は珍しく、行政のあり方としても注目に値する。
その群馬県が今度は消費者のための農薬読本「農薬の話」を作成した。農薬は農産物の栽培に必要なものだが、消費者の不安は根強いものがある。群馬県が実施した農薬に関するアンケートでは約5割の人が、「使用基準、残留基準が守られていても農薬が使用されていることに不安を感じる」と回答した。
これに危機感を持ったことが作成の動機だそうだが、前書きにもあるように専門的なことを正しく分かりやすく伝えるのは至難の業である。そのため、子供の日記をベースに消費者が日ごろ感じている疑問に答える形をとり、農薬をなぜ使うのかに始まり、健康や環境への影響、輸入農産物や農家での使用の現状、群馬県の取り組み、などについて分かりやすくまとめられている。
エピローグでは「知って、考えて、選ぶ」、消費者も自分で判断する目と耳と舌を持ち、よく勉強して自分で選択することの大切さを訴えているが同感である。
「食品の表示」と「農薬」はいずれも消費者にとって関心が高いものだが、根拠法令も多くや専門用語の壁もあり複雑で分かりにくい。それを平易な言葉で読みやすく解説をしたこれらの本は、県民のニーズに的確に応えたヒット商品であり、行政マンの心意気が伝わってくる二冊である。
食品表示ハンドブックホームページ
http://www.pref.gunma.jp/shokukaigi/05network/hand/hand_top.htm
農薬読本ホームページ
http://www.pref.gunma.jp/shokukaigi/02task/nouyaku/no_book_top.htm
2005/07/15のBlog
[ 13:05 ]
[ 環境保全型農業 ]
春夏秋冬―20
ヤブカンゾウ
梅雨の期間は約40日、梅雨は自然の恵みでなくてはならないものだが、そろそろ梅雨明けのニュースが待ち遠しい。どんよりした空の下、梅雨のうっとうしさを吹き飛ばすように、田んぼの土手に咲くあでやかな一輪のヤブカンゾウ。
ヤブカンゾウはユリ科の多年草。同じ仲間にはレモン色の花のキスゲの群と,橙黄色から赤色の昼咲きの花をつけるゼンテイカや,ノカンゾウ,などの群があり、交雑が容易で種間雑種も数多くつくられ、園芸品種としてヘメロカリスやデイリリーの名で親しまれている。
ヤブカンゾウ は八重咲きで,西南日本に多く分布し、平地や丘陵地の斜面、田んぼの土手、林縁などに生育する身近な植物である。
暖温帯系の種類で,橙黄色の花をつける系統もあるが,多くは赤っぽく,花被の基部寄りに濃色で山形の斑紋を有している。7~8月に開花するが、3倍体であり結実はしない。
カンゾウの仲間の若芽とつぼみや花は、食べることができる。甘味とぬめりがあって,くせがなく美味であり、中国料理に使われる金針菜(きんしんさい)はホンカンゾウの花を乾燥したものだそうだ。 カンゾウ類は漢方薬としても利用され,根にはコルヒチンなどのアルカロイドを含有するものがあり,住血吸虫や結核に効果があるといわれている。
ヤブカンゾウ
梅雨の期間は約40日、梅雨は自然の恵みでなくてはならないものだが、そろそろ梅雨明けのニュースが待ち遠しい。どんよりした空の下、梅雨のうっとうしさを吹き飛ばすように、田んぼの土手に咲くあでやかな一輪のヤブカンゾウ。
ヤブカンゾウはユリ科の多年草。同じ仲間にはレモン色の花のキスゲの群と,橙黄色から赤色の昼咲きの花をつけるゼンテイカや,ノカンゾウ,などの群があり、交雑が容易で種間雑種も数多くつくられ、園芸品種としてヘメロカリスやデイリリーの名で親しまれている。
ヤブカンゾウ は八重咲きで,西南日本に多く分布し、平地や丘陵地の斜面、田んぼの土手、林縁などに生育する身近な植物である。
暖温帯系の種類で,橙黄色の花をつける系統もあるが,多くは赤っぽく,花被の基部寄りに濃色で山形の斑紋を有している。7~8月に開花するが、3倍体であり結実はしない。
カンゾウの仲間の若芽とつぼみや花は、食べることができる。甘味とぬめりがあって,くせがなく美味であり、中国料理に使われる金針菜(きんしんさい)はホンカンゾウの花を乾燥したものだそうだ。 カンゾウ類は漢方薬としても利用され,根にはコルヒチンなどのアルカロイドを含有するものがあり,住血吸虫や結核に効果があるといわれている。
IPMって知っていますか
IPMはIntegrated Pest Managementの略で、害虫を完全に駆除するのではなく、さまざまな手法を組み合わせて、経済的に折り合いのつく範囲に押さえ込む防除方法で、最近注目されている技術だ。
食のおける消費者の最大の関心は安全である。スーパーや小売店で食品を購入するときの判断基準は安全であり、安全が担保されていることが選択の根拠となる。食の安全を脅かすものとして消費者が考えているのは、BSEや遺伝子組み換え食品など多岐にわたるが、なんと言っても最大の関心は農薬に関するものである。
農薬問題を最初に取り上げたのは、レイチェル・カーソンで、その著「沈黙の春」(昭和37年)は、農薬使用に対して警告を発した本として、今も読み継がれている。有吉佐和子が農薬問題を取り上げ、朝日新聞に連載が始まったのは昭和49年で、小説「複合汚染」は農薬の持つ問題点を社会に提起した。
農薬は農作業を軽減させ、生産性の向上に貢献してきたが、「複合汚染」を契機に有機農産物がクローズアップされるなど、既存の栽培方法に対する批判から農薬の使用量を減らすさまざまな試みがなされてきた。さらに、食の安全だけでなく環境への負荷の軽減も視野にいれるなど、農薬の使用量を少しでも減らす機運が高まり、栽培方法も農薬の使用量を減らす「特別栽培」、あるいはまったく使わない「有機栽培」、さらには、環境にやさしい農業に取り組む農業者を「エコファーマー」として認定するなど、行政・農業団体一体となった取り組みが定着しつつある。
このようななか、防除効果を安定させ、環境への負荷も少ない防除方法として、IPMが注目されている。IPMは害虫を100%排除するのではなく、経済的被害を生じるレベル以下に害虫個体群を減少させそのレベルを維持していく防除方法で、5%ぐらいは害虫の被害があってもよいと考える。つまり、とことん害虫を駆除するのではなく、虫たちと共存共栄していく考え方である。考え方そのものは、69年に提案されていたが、ここにきて水稲を対象に栽培指針作りが行われ普及が図られるようになった。
具体的には、①病害虫が発生しにくい栽培体系の導入や、②畑における在来天敵が活動しやすい環境づくり、③病害虫の侵入を防ぐ耕種的防除法の活用などと、④農薬による防除法とを上手に組み合わせることにより、害虫の発生を低いレベルに維持し、農作物の被害を許容範囲に押さえ込むものだ。それは、天敵にやさしい殺虫剤や殺菌剤を使いながら、害虫の天敵である寄生蜂などの有用昆虫を温存するなど、いくつかの防除方法を組み合わせた栽培方法である。
水稲とは別に、県内の露地のナス栽培で、畑の周囲にソルゴーをまき、風除けとアブラムシの天敵を増やし、その下にはクローバーを植えてアザミウマ類の天敵を誘致することにより、薬剤散布回数を大幅に減らしている事例がある。
IPMの最大の特徴はその考え方にあり、自然と折り合いをつけた新しい防除方法である。農業は自然との係わり合いの中で、自然の持つ許容範囲で「おすそ分け」として農産物を生み出してきたものであり、IPMはいわば、原点に立ち返った防除方法といえる。自然とのバランスを尊重するこの防除方法は、より安全な農産物を生み出すだけでなく生産者にとっても好ましい方法であり、消費者サイドの支援のもと広く普及させる意義のある技術である。
IPMはIntegrated Pest Managementの略で、害虫を完全に駆除するのではなく、さまざまな手法を組み合わせて、経済的に折り合いのつく範囲に押さえ込む防除方法で、最近注目されている技術だ。
食のおける消費者の最大の関心は安全である。スーパーや小売店で食品を購入するときの判断基準は安全であり、安全が担保されていることが選択の根拠となる。食の安全を脅かすものとして消費者が考えているのは、BSEや遺伝子組み換え食品など多岐にわたるが、なんと言っても最大の関心は農薬に関するものである。
農薬問題を最初に取り上げたのは、レイチェル・カーソンで、その著「沈黙の春」(昭和37年)は、農薬使用に対して警告を発した本として、今も読み継がれている。有吉佐和子が農薬問題を取り上げ、朝日新聞に連載が始まったのは昭和49年で、小説「複合汚染」は農薬の持つ問題点を社会に提起した。
農薬は農作業を軽減させ、生産性の向上に貢献してきたが、「複合汚染」を契機に有機農産物がクローズアップされるなど、既存の栽培方法に対する批判から農薬の使用量を減らすさまざまな試みがなされてきた。さらに、食の安全だけでなく環境への負荷の軽減も視野にいれるなど、農薬の使用量を少しでも減らす機運が高まり、栽培方法も農薬の使用量を減らす「特別栽培」、あるいはまったく使わない「有機栽培」、さらには、環境にやさしい農業に取り組む農業者を「エコファーマー」として認定するなど、行政・農業団体一体となった取り組みが定着しつつある。
このようななか、防除効果を安定させ、環境への負荷も少ない防除方法として、IPMが注目されている。IPMは害虫を100%排除するのではなく、経済的被害を生じるレベル以下に害虫個体群を減少させそのレベルを維持していく防除方法で、5%ぐらいは害虫の被害があってもよいと考える。つまり、とことん害虫を駆除するのではなく、虫たちと共存共栄していく考え方である。考え方そのものは、69年に提案されていたが、ここにきて水稲を対象に栽培指針作りが行われ普及が図られるようになった。
具体的には、①病害虫が発生しにくい栽培体系の導入や、②畑における在来天敵が活動しやすい環境づくり、③病害虫の侵入を防ぐ耕種的防除法の活用などと、④農薬による防除法とを上手に組み合わせることにより、害虫の発生を低いレベルに維持し、農作物の被害を許容範囲に押さえ込むものだ。それは、天敵にやさしい殺虫剤や殺菌剤を使いながら、害虫の天敵である寄生蜂などの有用昆虫を温存するなど、いくつかの防除方法を組み合わせた栽培方法である。
水稲とは別に、県内の露地のナス栽培で、畑の周囲にソルゴーをまき、風除けとアブラムシの天敵を増やし、その下にはクローバーを植えてアザミウマ類の天敵を誘致することにより、薬剤散布回数を大幅に減らしている事例がある。
IPMの最大の特徴はその考え方にあり、自然と折り合いをつけた新しい防除方法である。農業は自然との係わり合いの中で、自然の持つ許容範囲で「おすそ分け」として農産物を生み出してきたものであり、IPMはいわば、原点に立ち返った防除方法といえる。自然とのバランスを尊重するこの防除方法は、より安全な農産物を生み出すだけでなく生産者にとっても好ましい方法であり、消費者サイドの支援のもと広く普及させる意義のある技術である。
2005/07/08のBlog
[ 15:03 ]
[ 多様な担い手 ]
春夏秋冬―19
イトトンボ
以前は一面の田んぼだったが、かろうじて残った小さな一枚の田んぼ。5月になり水が入ると、今までどこにいたのか不思議に思うくらい、多くの蛙が合唱を始める。その蛙の子供、オタマジャクシが泳ぎ、アメンボウが飛来し、トンボも生まれ、生き物達のかけがえのない世界となる街の中の田んぼ。
写真はその田んぼの住人、アジアイトトンボ(たぶんメスだと思う)、体長は約3㎝、身近にみられるイトトンボで海洋上を移動することも知られている。
日本に生息するイトトンボは、体長約2㎝のヒメイトトンボから、体長約4.5㎝のオオセスジイトトンボ のまで27種で,いずれも湿地,水田,池沼などの停水に育つ。大多数の種類は1年1世代であり、雄の成熟成虫は水面をすれすれに飛翔し,交尾し,雌は水面下の植物体に卵を産み付けるそうだ。
生態写真は根気と運が不可欠で、ともかく足繁く通うことが大切だ。また、虫のなかにも、相性のよいものと悪いものがいる。ほとんどのものは、近寄るとすばやく逃げてしまうが、一向に気にしないものもいる。今回は三日目にして出会えた相性のよいトンボ、ようやく5㎝くらいまで近寄ることができた。家からすぐの田んぼ、5時から30分間の勝負、三日間通った:結果の一枚だ。
小さな田んぼだが、トンボや蛙だけでなく人間にとってもオアシス、いつまでも残してほしい空間である。
イトトンボ
以前は一面の田んぼだったが、かろうじて残った小さな一枚の田んぼ。5月になり水が入ると、今までどこにいたのか不思議に思うくらい、多くの蛙が合唱を始める。その蛙の子供、オタマジャクシが泳ぎ、アメンボウが飛来し、トンボも生まれ、生き物達のかけがえのない世界となる街の中の田んぼ。
写真はその田んぼの住人、アジアイトトンボ(たぶんメスだと思う)、体長は約3㎝、身近にみられるイトトンボで海洋上を移動することも知られている。
日本に生息するイトトンボは、体長約2㎝のヒメイトトンボから、体長約4.5㎝のオオセスジイトトンボ のまで27種で,いずれも湿地,水田,池沼などの停水に育つ。大多数の種類は1年1世代であり、雄の成熟成虫は水面をすれすれに飛翔し,交尾し,雌は水面下の植物体に卵を産み付けるそうだ。
生態写真は根気と運が不可欠で、ともかく足繁く通うことが大切だ。また、虫のなかにも、相性のよいものと悪いものがいる。ほとんどのものは、近寄るとすばやく逃げてしまうが、一向に気にしないものもいる。今回は三日目にして出会えた相性のよいトンボ、ようやく5㎝くらいまで近寄ることができた。家からすぐの田んぼ、5時から30分間の勝負、三日間通った:結果の一枚だ。
小さな田んぼだが、トンボや蛙だけでなく人間にとってもオアシス、いつまでも残してほしい空間である。
新規参入者達が教えてくれたもの
農家の生まれでなく農業を始めた人、いわゆる新規参入者は平成13年で530人。農業をやりたい人が農業に従事できる環境が整いつつあるが、まだまだ少数派である。しかし、新規参入者の既成概念にとらわれない行動は、既存の農業の世界に新しい風を吹き込んでいる。
そのひとつは「農的な生活」である。従来は定年退職した人が晴耕雨読の生活に憧れ、そこに農業が位置づけられていた。しかし最近では、経済至上主義に疑問を感じ、自分で食べる物は自分で作り出す、そんな想いを実現する手段として農業を始める若い人が増えている。彼らにとって農業は生き方の問題であり、採算性より自然とのかかわりの中で生き物を育てる喜びを享受している。
そして「農的な生活」は産業とは一味違う、農業に対する新しい考え方として定着しつつある。
先に紹介した「農で起業する!」(※)の杉山さんは、別の切り口で農業に取り組んでいる。晴耕雨読を実現するために、農業を産業として位置づけ、いかに効率よく経営を展開するのか、さまざまな工夫をして当初の目的である、週休4日を実現している。
杉山さんの農業経営は、企業で習得したビジネス感覚が遺憾なく発揮されている。労賃がただだと考えている農協や行政機関が多いなか、コンピュータで営農計画をつくり、経営全体を把握する。農業経営はなかなか計画通りには行かないが、計画を立てれば予測したものと実際の違いが分かり対策が立てられる。
さらに、杉山さんは計画を実行するための予算に危機管理費を計上している。自然災害の多い日本、災害が起こったときの救済措置として農業の共済制度があるが、なかなか浸透しないのが現実である。危機管理は経営に不可欠のもの、さすがだと感心した。
技術についても、さまざまな取り組みをしている。農業の技術は科学的のようでありながら、とことんつめていくとファジーな部分が多くある。肥料をどの程度与えるのか、これ一つとっても、それぞれの作物の状態も違い、栽培環境も違うため、N、P、Kの三大栄養素を対象にした、最大公約数的な施肥基準になりがちである。それを、杉山さんはMgやCaまで加えた肥料設計プログラムまで作ってしまう。土壌肥料の専門家からは反論もあろうが、見習うべきは、施肥だけでなくさまざまな技術に対し新しい視点で取り組む姿勢であり、この発想と行動こそきちんと評価すべきである。しかし、このプログラムに関心を示さない周辺の生産者の反応は、ごく一般的な行動であるが、非常に象徴的であった。
すでに、杉山さんと同じような取り組みを実践している生産者もいるが、ごく少数である。杉山さんの凄さは、経験がなくても、名人芸がなくても、科学的にものを考えることにより優れた農業経営ができることを身もって示したことである。
杉山さん以外にも、さまざまな新規参入者が農業に新しい風を吹き込んでいる。「素人が何を言うのか」ではなく、この人たちの発言や行動を謙虚に受け止めることが、今求められている。疲弊した日本の農業に活力を取り戻してくれるのは新規参入者たちの、前例にとらわれない考え方と行動である。
(※) 6月25日のブログ「農で起業する!」
農家の生まれでなく農業を始めた人、いわゆる新規参入者は平成13年で530人。農業をやりたい人が農業に従事できる環境が整いつつあるが、まだまだ少数派である。しかし、新規参入者の既成概念にとらわれない行動は、既存の農業の世界に新しい風を吹き込んでいる。
そのひとつは「農的な生活」である。従来は定年退職した人が晴耕雨読の生活に憧れ、そこに農業が位置づけられていた。しかし最近では、経済至上主義に疑問を感じ、自分で食べる物は自分で作り出す、そんな想いを実現する手段として農業を始める若い人が増えている。彼らにとって農業は生き方の問題であり、採算性より自然とのかかわりの中で生き物を育てる喜びを享受している。
そして「農的な生活」は産業とは一味違う、農業に対する新しい考え方として定着しつつある。
先に紹介した「農で起業する!」(※)の杉山さんは、別の切り口で農業に取り組んでいる。晴耕雨読を実現するために、農業を産業として位置づけ、いかに効率よく経営を展開するのか、さまざまな工夫をして当初の目的である、週休4日を実現している。
杉山さんの農業経営は、企業で習得したビジネス感覚が遺憾なく発揮されている。労賃がただだと考えている農協や行政機関が多いなか、コンピュータで営農計画をつくり、経営全体を把握する。農業経営はなかなか計画通りには行かないが、計画を立てれば予測したものと実際の違いが分かり対策が立てられる。
さらに、杉山さんは計画を実行するための予算に危機管理費を計上している。自然災害の多い日本、災害が起こったときの救済措置として農業の共済制度があるが、なかなか浸透しないのが現実である。危機管理は経営に不可欠のもの、さすがだと感心した。
技術についても、さまざまな取り組みをしている。農業の技術は科学的のようでありながら、とことんつめていくとファジーな部分が多くある。肥料をどの程度与えるのか、これ一つとっても、それぞれの作物の状態も違い、栽培環境も違うため、N、P、Kの三大栄養素を対象にした、最大公約数的な施肥基準になりがちである。それを、杉山さんはMgやCaまで加えた肥料設計プログラムまで作ってしまう。土壌肥料の専門家からは反論もあろうが、見習うべきは、施肥だけでなくさまざまな技術に対し新しい視点で取り組む姿勢であり、この発想と行動こそきちんと評価すべきである。しかし、このプログラムに関心を示さない周辺の生産者の反応は、ごく一般的な行動であるが、非常に象徴的であった。
すでに、杉山さんと同じような取り組みを実践している生産者もいるが、ごく少数である。杉山さんの凄さは、経験がなくても、名人芸がなくても、科学的にものを考えることにより優れた農業経営ができることを身もって示したことである。
杉山さん以外にも、さまざまな新規参入者が農業に新しい風を吹き込んでいる。「素人が何を言うのか」ではなく、この人たちの発言や行動を謙虚に受け止めることが、今求められている。疲弊した日本の農業に活力を取り戻してくれるのは新規参入者たちの、前例にとらわれない考え方と行動である。
(※) 6月25日のブログ「農で起業する!」
2005/07/02のBlog
[ 09:39 ]
[ 農地 ]
春夏秋冬―18
カワラヒワ
なんとも奇妙なアングルとなってしまった。なんとなく弱弱しい鳥の声に見上げたら、枝の合間に見えたのがこの鳥である。頼りなさそうな鳴き声や羽の初々しさから若い鳥と思われたが、何の鳥か分からなかった。しばらくして隣のナシ畑に移動し、カワラヒワと分かった。
カワラヒワは典型的な穀食性の小鳥で、太く短い嘴(くちばし)を使って草の種子を割って食べる。人家の近くで生活し、都会の公園や街路樹にも巣をつくり、一夫一妻で,小さいなわばりをもって繁殖する。
北海道や東北地方の北部に棲息するカワラヒワは、越冬のため南下するが、大陸から冬鳥として渡来するものも多いそうだ。
秋から翌春までは大きな群れを形成し、収穫の終わった田畑や川原で採食するが、今の時期はほとんど単独で行動している。スズメと一緒のときもあり、体形の似ているため間違えられることがあるそうだが、飛ぶと翼に大きな黄色い帯模様が目立つので識別できる。
カワラヒワ
なんとも奇妙なアングルとなってしまった。なんとなく弱弱しい鳥の声に見上げたら、枝の合間に見えたのがこの鳥である。頼りなさそうな鳴き声や羽の初々しさから若い鳥と思われたが、何の鳥か分からなかった。しばらくして隣のナシ畑に移動し、カワラヒワと分かった。
カワラヒワは典型的な穀食性の小鳥で、太く短い嘴(くちばし)を使って草の種子を割って食べる。人家の近くで生活し、都会の公園や街路樹にも巣をつくり、一夫一妻で,小さいなわばりをもって繁殖する。
北海道や東北地方の北部に棲息するカワラヒワは、越冬のため南下するが、大陸から冬鳥として渡来するものも多いそうだ。
秋から翌春までは大きな群れを形成し、収穫の終わった田畑や川原で採食するが、今の時期はほとんど単独で行動している。スズメと一緒のときもあり、体形の似ているため間違えられることがあるそうだが、飛ぶと翼に大きな黄色い帯模様が目立つので識別できる。
農地をめぐるさまざまな法律
農地を対象とした主な法律は、「農地法」、「都市計画法」、「農業振興地域の整備に関する法律」の三つである。
農地は水田や畑など農業を営むための土地だが、転用をすることにより宅地にも工場用地にもなる。農地の売買などは、「農地法」(昭和27年制定)に基づき規制されているが、経済成長に伴い無計画に宅地に転用する乱開発が行われたため、秩序ある土地利用を目的とした「都市計画法」が昭和43年に定められた。
「都市計画法」は無秩序な市街地の形成を防止するため、法律の対象となる都市計画区域を定め、そのなかを主として市街化区域、市街化調整区域に区分した(脚注)。市街化区域は、すでに市街化している所や10年以内に市街化を図る所で、一定の条件を満たしていれば開発が許可される。これに対して、市街化調整区域は市街化を抑制する観点から、開発を許可しないとされている。
ときたま格安な土地が売り出され、飛びついて買ったものの、家が建たない事例があるが、これは、市街化調整区域で開発できない土地のためである。
都市サイドとは別に、農林水産省は昭和44年に「農業振興地域の整備に関する法律」(農振法)を定め、①都市計画区域のうち市街化区域と用途地域(脚注)を除く区域や②都市計画区域外の①と②を対象に農業の振興を図る地域を明らかにした。そして、今後10年以上にわたり農地を保全する地域を「農用地区域」と指定し、農地や農道の整備などを重点的に行うこととしている。
このように、県土はおおむね市街化区域、市街化調整区域、都市計画区域外に分割され、さらに農業振興地域の網もかかり、農地利用の当事者である農家から見ると、分かりにくいものとなっている。
狭い国土のため開発が進めば農地と競合するのは当然であり、少ない土地だからこそ秩序ある利用を図るべきである。このため土地利用に関してさまざまな法律が制定されたが、私権が優先され、また運用に当たって裁量の幅もあり当初の目的が達成されたとは言いがたい。
経済の高度成長も終わり、土地利用も開発一辺倒から環境の視点が考慮されだし、市町村における市街化区域の拡大要望も沈静化の傾向にある。ようやく農業の時代になったと思うが、農産物価格の低迷や農業従事者の高齢化などにより、作物が栽培されない耕作放棄地の増加や、農地を手放す事例が増えている。
その一方で、農外から農業へ参入したい人が増加しているが、就農のハードルは高く、がなかなか農業を始めることができない。農地は、農作物が栽培されて始めて農地の役割を果たすものであり、専業農家だけで農地を活用するのではなく、さまざまなタイプの農業経営により荒廃地の解消とともに農地の減少に歯止めをかける必要がある。このためには、農地の取得の是非が取りざたされている企業の参入も含め新規参入の方法を前向きに検討すべきである。
注 正しくは、都市計画区域を、市街化区域、市街化調整区域、
非線引き都市計画区域の用途地域と用途地域外に区分
今回はやや難しい話になりましたが、農地は農業の基本なので、解説の意味でまとめてしました。これに懲りずに今後もお付き合いのほどお願い申し上げます。
ヤシャブシ
農地を対象とした主な法律は、「農地法」、「都市計画法」、「農業振興地域の整備に関する法律」の三つである。
農地は水田や畑など農業を営むための土地だが、転用をすることにより宅地にも工場用地にもなる。農地の売買などは、「農地法」(昭和27年制定)に基づき規制されているが、経済成長に伴い無計画に宅地に転用する乱開発が行われたため、秩序ある土地利用を目的とした「都市計画法」が昭和43年に定められた。
「都市計画法」は無秩序な市街地の形成を防止するため、法律の対象となる都市計画区域を定め、そのなかを主として市街化区域、市街化調整区域に区分した(脚注)。市街化区域は、すでに市街化している所や10年以内に市街化を図る所で、一定の条件を満たしていれば開発が許可される。これに対して、市街化調整区域は市街化を抑制する観点から、開発を許可しないとされている。
ときたま格安な土地が売り出され、飛びついて買ったものの、家が建たない事例があるが、これは、市街化調整区域で開発できない土地のためである。
都市サイドとは別に、農林水産省は昭和44年に「農業振興地域の整備に関する法律」(農振法)を定め、①都市計画区域のうち市街化区域と用途地域(脚注)を除く区域や②都市計画区域外の①と②を対象に農業の振興を図る地域を明らかにした。そして、今後10年以上にわたり農地を保全する地域を「農用地区域」と指定し、農地や農道の整備などを重点的に行うこととしている。
このように、県土はおおむね市街化区域、市街化調整区域、都市計画区域外に分割され、さらに農業振興地域の網もかかり、農地利用の当事者である農家から見ると、分かりにくいものとなっている。
狭い国土のため開発が進めば農地と競合するのは当然であり、少ない土地だからこそ秩序ある利用を図るべきである。このため土地利用に関してさまざまな法律が制定されたが、私権が優先され、また運用に当たって裁量の幅もあり当初の目的が達成されたとは言いがたい。
経済の高度成長も終わり、土地利用も開発一辺倒から環境の視点が考慮されだし、市町村における市街化区域の拡大要望も沈静化の傾向にある。ようやく農業の時代になったと思うが、農産物価格の低迷や農業従事者の高齢化などにより、作物が栽培されない耕作放棄地の増加や、農地を手放す事例が増えている。
その一方で、農外から農業へ参入したい人が増加しているが、就農のハードルは高く、がなかなか農業を始めることができない。農地は、農作物が栽培されて始めて農地の役割を果たすものであり、専業農家だけで農地を活用するのではなく、さまざまなタイプの農業経営により荒廃地の解消とともに農地の減少に歯止めをかける必要がある。このためには、農地の取得の是非が取りざたされている企業の参入も含め新規参入の方法を前向きに検討すべきである。
注 正しくは、都市計画区域を、市街化区域、市街化調整区域、
非線引き都市計画区域の用途地域と用途地域外に区分
今回はやや難しい話になりましたが、農地は農業の基本なので、解説の意味でまとめてしました。これに懲りずに今後もお付き合いのほどお願い申し上げます。
ヤシャブシ
2005/06/25のBlog
[ 10:12 ]
[ 多様な担い手 ]
春夏秋冬―17
ゴイサギ(五位鷺)
ゴイサギはおもに夜行性で,繁殖期以外、昼間は人家近くのうす暗い森に潜み,夕方,水田や小川に出て魚,カエル,ザリガニなどをあさる。夜空をクヮックヮッと鳴きながら飛んでいく鳥は、採食場に向かうゴイサギで,このため夜ガラスの別名があるそうだ。
名前の由来が面白い。出典は「平家物語」、醍醐天皇が神泉苑の池にいたこの鳥を六位の者に命じて捕まえようとしたところ,勅命にしたがい逃げなかったため,神妙であると捕らえた者より一階級上の五位の位を与え、今日から後は、鷺の中の王となるべし、という札を頸にかけて放したそうだ。
動物で天皇より官位を賜ったのはゴイサギだけだが、当時は大宝令(たいほうりよう)位階での冠位六十階制であり、単純に考えると途方もなく高い位になると思うが、そのほうの知識はなく五位はどのくらいの階級なのか、どなたかお教え願いたい。
写真は昼間のもの、ゴイサギは夜行性で昼は寝ているとある、目は開けているが片足なので、もしかしたら起こしてしまったのかも知れない。しかも、写真を撮るのに夢中になり、近寄りすぎたためゴイサギは飛び去ってしまった。眠っていたならば、由緒ある鳥に対して失礼なことをしたと反省している。
ゴイサギ(五位鷺)
ゴイサギはおもに夜行性で,繁殖期以外、昼間は人家近くのうす暗い森に潜み,夕方,水田や小川に出て魚,カエル,ザリガニなどをあさる。夜空をクヮックヮッと鳴きながら飛んでいく鳥は、採食場に向かうゴイサギで,このため夜ガラスの別名があるそうだ。
名前の由来が面白い。出典は「平家物語」、醍醐天皇が神泉苑の池にいたこの鳥を六位の者に命じて捕まえようとしたところ,勅命にしたがい逃げなかったため,神妙であると捕らえた者より一階級上の五位の位を与え、今日から後は、鷺の中の王となるべし、という札を頸にかけて放したそうだ。
動物で天皇より官位を賜ったのはゴイサギだけだが、当時は大宝令(たいほうりよう)位階での冠位六十階制であり、単純に考えると途方もなく高い位になると思うが、そのほうの知識はなく五位はどのくらいの階級なのか、どなたかお教え願いたい。
写真は昼間のもの、ゴイサギは夜行性で昼は寝ているとある、目は開けているが片足なので、もしかしたら起こしてしまったのかも知れない。しかも、写真を撮るのに夢中になり、近寄りすぎたためゴイサギは飛び去ってしまった。眠っていたならば、由緒ある鳥に対して失礼なことをしたと反省している。
農で起業する!
脱サラをして宮崎県の綾町で観光ブドウ園を経営している杉山さんは、02年の現代農業の増刊「青年帰農」で紹介されている。今回、その杉山さんが、専業農家として活躍している様子を「農で起業する!」にまとめた。
脱サラをして農業を始めたパイオニアは、愛媛で皆農塾を開き後進の指導に当たっている坂根さんだったと思う。販売する卵の価格を家族が生活できる水準に設定した農業経営は、「ほどほどに食っていける百姓入門」に詳しい。農業への新規参入はその後も続いているが、生き方として農業を選択する若者や定年帰農など、業としてより農的な生活や田舎暮らしを楽しむ事例が多い。
しかし、杉山さんの実践する農業は外資系会社時代の経験を生かし、経営はきわめて合理的だ。たとえば、作物を栽培する前にコンピュータを使いシュミュレーションを行い、計画通りいかない場合は、原因を突き止め改善をする。さらに観光農園を成功させるためのアクションプログラムまで作成し、効率よい農業経営を展開して余暇時間を生み出している。しかし、いたずらに規模拡大はせず、労働生産性をあげ5年で念願の週休4日制を実現している。
また、仲間との交流をとおして、農家ならではの生活をエンジョイしている姿も紹介されている。時計を持たず体内時計で生活をしている友人の生き方に、「労働生産性の向上、労働時間の短縮で週休4日制を実現したけれど、あの人たちこそ田舎の生活をしている。自分にはできないが、それができる人がうらやましい。」という奥さんの感想が印象に残った。どんな姿勢で農業と向き合うのかはその人の自由、まさに生き方の問題だが、「きつい、汚い、危険」、三Kの代表のようにいわれる農業で、「快適、かっこいい、金が儲かる」を実証した、新しいタイプの「脱サラ農業のススメ」の手引書である。
この本のもう一つのメッセージは、現行の農法に対する強烈な批判である。農業の経営や技術におけるあいまいさを、「労賃をタダと考える、施肥における明確な基準の欠如、勘に頼って科学的な計測をする考えがない、農業における情報の活用のなさ」、などの事例を通して鋭く指摘している。さらに、農家につけ込む「ワラワラ詐欺」として、組成や成分調整法が開示していない様々な資材を詐欺として切り捨てる。しかし、杉山さんの凄さは、問題点の指摘にとどまらず、自ら課題を解決してすばらしい農業経営を展開していることであり、なんとも説得力のある本だ。
杉山さんのこれらの指摘にどう答えるのか、その意味から、この本は農業に関心を持ち脱サラを考えている人だけでなく、現役の生産者や、行政・JAなどの農業関係者にこそ一読を薦めたい。
農で起業する! 築地書館 1800円+税
杉山さんのホームページ 葡萄園スギヤマ
http://www15.plala.or.jp/keisyo/index.htm
脱サラをして宮崎県の綾町で観光ブドウ園を経営している杉山さんは、02年の現代農業の増刊「青年帰農」で紹介されている。今回、その杉山さんが、専業農家として活躍している様子を「農で起業する!」にまとめた。
脱サラをして農業を始めたパイオニアは、愛媛で皆農塾を開き後進の指導に当たっている坂根さんだったと思う。販売する卵の価格を家族が生活できる水準に設定した農業経営は、「ほどほどに食っていける百姓入門」に詳しい。農業への新規参入はその後も続いているが、生き方として農業を選択する若者や定年帰農など、業としてより農的な生活や田舎暮らしを楽しむ事例が多い。
しかし、杉山さんの実践する農業は外資系会社時代の経験を生かし、経営はきわめて合理的だ。たとえば、作物を栽培する前にコンピュータを使いシュミュレーションを行い、計画通りいかない場合は、原因を突き止め改善をする。さらに観光農園を成功させるためのアクションプログラムまで作成し、効率よい農業経営を展開して余暇時間を生み出している。しかし、いたずらに規模拡大はせず、労働生産性をあげ5年で念願の週休4日制を実現している。
また、仲間との交流をとおして、農家ならではの生活をエンジョイしている姿も紹介されている。時計を持たず体内時計で生活をしている友人の生き方に、「労働生産性の向上、労働時間の短縮で週休4日制を実現したけれど、あの人たちこそ田舎の生活をしている。自分にはできないが、それができる人がうらやましい。」という奥さんの感想が印象に残った。どんな姿勢で農業と向き合うのかはその人の自由、まさに生き方の問題だが、「きつい、汚い、危険」、三Kの代表のようにいわれる農業で、「快適、かっこいい、金が儲かる」を実証した、新しいタイプの「脱サラ農業のススメ」の手引書である。
この本のもう一つのメッセージは、現行の農法に対する強烈な批判である。農業の経営や技術におけるあいまいさを、「労賃をタダと考える、施肥における明確な基準の欠如、勘に頼って科学的な計測をする考えがない、農業における情報の活用のなさ」、などの事例を通して鋭く指摘している。さらに、農家につけ込む「ワラワラ詐欺」として、組成や成分調整法が開示していない様々な資材を詐欺として切り捨てる。しかし、杉山さんの凄さは、問題点の指摘にとどまらず、自ら課題を解決してすばらしい農業経営を展開していることであり、なんとも説得力のある本だ。
杉山さんのこれらの指摘にどう答えるのか、その意味から、この本は農業に関心を持ち脱サラを考えている人だけでなく、現役の生産者や、行政・JAなどの農業関係者にこそ一読を薦めたい。
農で起業する! 築地書館 1800円+税
杉山さんのホームページ 葡萄園スギヤマ
http://www15.plala.or.jp/keisyo/index.htm
