ニックネーム:   パスワード:
| MyDoblogトップ | Doblogポータル | Doblogガイド | ユーザ登録 | 使い方 | よくある質問 | ツールバー | サポート |
Japan Law Express
Blog
[ 総Blog数:2711件 ] [ このMyDoblogをブックマークする ] [ RSS0.91   RSS1.0   RSS2.0 ] [ ATOM ]
2008/07/17のBlog
[ 00:11 ] [ 日記 ]
36万アクセスありがとうございます。

今日の政治ニュースで、あまり正面から取り上げていませんでしたが、民主党が国民新党との選挙協力と引き換えに、郵政民営化見直しをマニフェストに盛り込むようです。
報道各社は、なぜか選挙協力をみだしにするところが多く、恣意的な感じがします。

次の選挙への援護射撃のつもりでしょうか。

民主党は、勝利した前回の参議院選挙のときから反動的な内容の政策が目に付きます。
農家への個別所得補償とはかなりびっくりでかつ日本農業が競争力をつけて外国農産物に対抗できるかというと多分無理というものです。
野党のほうが積極的に前時代的なことを言ってしまうのですから困りものです。

あと、新聞でもたまに触れてくれますが、民主党は想像している以上に、労組の影響力が強いです。
郵政民営化を戻すと、かつての全逓へは利益になりますし、解体に直面している社会保険庁の職員は、自治労を構成しています。

後期高齢者医療に対する対案はなく、崩壊しそうな老人保険制度を復活させるということを言っていましたし、日本の将来ははたして選択できるのでしょうか。

ちなみに、郵政再国営化が政治課題に乗るわけないと高をくくらない方がいいかもしれません。
政治というのは、選考の強い少数者にキャプチャされる傾向があるのです。
露出の多い民主党の論客の政治家たちはどうにもひ弱な感じがしますので、いざとなるとかなり特殊な老練政治家の手練手管にのってしまい、少数への利益誘導ばかりが目立つ結果になりかねないのではないかと心配しています。
2008/07/16のBlog
大分県の教員採用汚職は、ついに不正で合格したものを解雇するということを打ち出しました。

親がしたこととかもしれませんが、一応自業自得とはいえましょう。
ただし、この解雇は法的にはどうなるのでしょう。
不正で合格したというのは無効事由になりそうですが、処分としては将来に向けての撤回になるのでしょう。
さもないと解雇される教師に教わっていた子供の単位認定ができなくなり、補習をしないといけないなど大変な悪影響が生じます。

しかし、最近、非常勤講師として雇った者が実は欠格事由に該当するとして、補習をするとかいう話がありました。
不正で採用された教員を解雇するとしたら、果たしてどうなるのでしょうか。
2008/07/15のBlog
今日帰宅時に乗った東上線の電車は冷房が故障していて、とんでもないことになっていました。

冷房の故障って一般的には珍しいことだと思います。
もっとも東上線では真冬に暖房が故障していたことがありましたので、前科がありますな。

森林公園で車両交換をするとか言っていましたが、それ終点の直前ですので、ほとんど意味はありません。
車内で汗だくになりました。

4両のユニットの冷房が全部故障していたので、冷房機自体が壊れているのではなく、制御回路とかの話なのでしょう。
10両固定の編成だったら、全車両で冷房が壊れたのでしょうか。
考えるだけでも恐ろしいです。

冷房機故障は、JRの特急だと払戻の対象になるのですが、民鉄でしかも乗車券だけで乗れるものに何かあるわけもなく、完全に暑い目にあっただけに終わりました。
アメリカのインターネット競売大手イーベイでは、偽ブランド品が多く取り扱われることが問題となっており、場を提供しているイーベイがブランドメーカーから訴えられる事態になっています。

ヨーロッパの高級ブランドとの間の訴訟では、ヨーロッパが法廷地になったものが多く、イーベイに責任を認める判断をしているケースが多くなっています。

これに対してアメリカの宝飾品ブランド・ティファニーがイーベイを訴えた訴訟で、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所はイーベイは法的義務を果たしていたとする判断をしてました。

*************************************************************************************************
ティファニー偽造品販売訴訟、イーベイに有利な判断(日本経済新聞2008年7月15日)

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米インターネット競売大手イーベイ(Nasdaq:EBAY)のウェブサイトで偽ブランド品が販売されているとして、米宝飾品大手ティファニー(NYSE:TIF)がイーベイを提訴していた問題で、ニューヨーク連邦地裁は14日、イーベイは同社ウェブサイトでのティファニーの偽ブランド品の販売を阻止するため適切な予防措置を講じ、法的義務を満たした、との判断を下した。イーベイは偽造品の販売をめぐり高級ブランド各社との法的な争いが長期化しているが、今回の判断は同社に初めて意義深い勝利をもたらした。

 米連邦地裁のリチャード・サリバン判事は、ティファニーの商標を監視する責任はイーベイではなく、ティファニーにあると述べた。

 イーベイは、欧州の法廷では相次いで敗北を喫していた。パリ商事裁判所は先月30日、イーベイに対し、フランスのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(12101.FR)(LVMUY)など高級ブランド会社に4000万ユーロ(約6320万ドル)の損害賠償金を支払うよう命じた。ティファニーの事案は、高級ブランド会社が米国でイーベイを提訴した初のケース。イーベイの米国市場の年間売上高は37億ドルと、全体(77億ドル)の半分近くを占める。

 イーベイは、2007年11月の審理のなかで、偽造品が販売されていると通報を受けた場合は法律に基づき偽造品を削除する義務を果たした、と主張していた。また、偽造品の競売がティファニーの商標権を侵害した場合に、それを識別しイーベイに通知する義務はティファニーにある、とした。

 一方、ティファニーは、イーベイでの偽ブランド品の販売を数年間追跡しており、イーベイは競売サイトでの偽造品問題の広がりを認識していた、と主張した。したがって、麻薬や銃の販売を防止する場合と同様、すべての潜在的な偽造品出品者を排除する手続きを実行する法的義務はイーベイに移ると、ティファニーは主張していた。

(略)
*************************************************************************************************

判決全文に当たっていないので報道された内容からの感想に過ぎませんが、出品者が別にいるというネット競売業者の特性を重視して判断がなされた模様です。
よってその背後にはアメリカのプロバイダ責任法と同じような発想があるのだと思われ、良きサマリア人の法理が背景にあるのではないかと推測します。

ただ、ティファニーは控訴する模様ですのでこの判断が固まるかどうかは全く分からないと思われます。
2008/07/14のBlog
[ 23:32 ] [ 日記 ]
東大法学部の方の掲示板に、(試験で)不正行為があったので厳罰に処しましたという告知がでているらしいです。

以前も書きましたが、東大法学部のの不正行為に対する処分は比例原則に反しているのではないかというくらい苛烈でして、その学年の単位すべて取消しとかいうのではなく、退学処分になります。

適当にやっても単位くらいは何とかなりそうな感じがしますが、どうにもならなくて不正行為をしてしまう人は多くはないですが延々と続いています。

不正行為が発覚しても、一応取調べみたいなものが行われるそうで、教授が担当するらしいですが、いやなものだそうです。
特に客観的に明らかなのにそれでも言い逃れをされると困るそうです。

お師匠から聞いた話なので今日では変わっているかもしれませんが、ひとまず不正行為自体はなくなっていないみたいですね。
イギリスの投資ファンド「ザ・チルドレンズ・インベストメンツ・ファンド(TCI)」が、Jパワーの株式の買い増しを求めていたのに対して、政府が中止命令を出しましたが、TCIはこれを争わず、受け入れることを公表しました。

*************************************************************************************************
TCI、Jパワー株買い増し中止命令の受け入れ発表(日本経済新聞2008年7月14日)

英投資ファンドのザ・チルドレンズ・インベストメンツ・ファンド(TCI)は14日午後、政府が発動したJパワー(電源開発)株の買い増し中止命令に対して、不服を申し立てないことを決めたと発表した。

 TCIは政府による中止命令について「事実誤認に基づくもので結論を承服してはいない」と指摘。ただ、「現時点では結論を覆すことが期待できず、長期に及ぶ訴訟手続きは関係者の利益にならないと判断した」との認識を示した。
(略)
*************************************************************************************************

TCIはこの件から日本市場は閉鎖的であるということを主張していますが、同時期にTCIはアメリカでも鉄道大手CSXと経営権争奪をめぐり争っており、アメリカ議会でもファンド規制について言及される騒ぎとなっています。

海外の事情も含めて考えると、日本が特に閉鎖的ではないともいえるように思えますが、絶対的に考えると政府の規制で守られている業種というのは財務構成などで不合理で非効率なものを内包していることは確かであり、これを維持することが国民経済のためにいいことなのかは別論でしょう。

外資やファンドから日本の財産を守るという図式の建て方自体に事実誤認があるかもしれません。
2008/07/13のBlog
[ 23:39 ] [ 日記 ]
今日は非常に暑くて大変でした。
熊谷に近いのでうちのあたりも暑くなることが多いのですが、今日も例外ではありませんでした。

大分県の教員採用を巡る汚職の件が広がりを見せていますが、ふと思いついたのですが、モンスターペアレントなど昨今学校に対する過剰な要求が目立つので、より一層学校側は難しい立場になるかもしれませんね。

汚職自体は大分県のことでも、関係なく全国的に言いがかりをつけられるのではないでしょうか。

私も現場にいたころ、資本的には関係ないですが出自をたどると兄弟になる会社で大変な事態が発生しまして、それ以来しばらくは応対に困難を感じることが多かったです。

単なる言いがかりに過ぎないのですが、強い態度にでてくるもので大変でした。
そもそも会社でも予期して対応に注意する周知をしていましたし。

日本人全体が騒がしくなっている今日では、業種を問わず現場での業務遂行は困難を極める一方です。
働く立場に振り返ると、日本中の学校では大変な事態になるのではないかなと想像します。
投資会社のクオンツで、取締役会決議で辞任勧告を受けている取締役3名が会社を相手取り、報酬請求訴訟を提起しました。


クオンツのリリース


取締役としての適格を疑われていることに正当な理由がないことを訴訟を通じて明らかにしようという意図だと思いますが、辞任勧告をされているだけなら、まだ地位を失ったわけではないので、かなりアグレッシブな反応です。
むしろ、この段階で訴える必要があるのか疑問があります。

教科書的な理解では、正当な理由なく解任されたら、会社に損害賠償義務があります。

第339条(解任) 
役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。
2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。

ここから考えると、早すぎるのではないかという考えになります。

もっとも、定時株主総会で解任議案がでており、この議案は定足数に満たなかったため決議されませんでした。
よって、取締役の地位にかなり不安は生じているようです。

解任議案が定足数を満たさなかったことに関してのリリース

また、取締役報酬は取締役会で細かい分配を決めることが大半ですので、辞任勧告が出てくるくらいですから、報酬が支給されないという事態になるかもしれません。
これらを考えると、この時点で給付の訴えを起こす意味はあることになりましょう。
2008/07/12のBlog
[ 23:56 ] [ 日記 ]
今日は一日中頭の痛い日でした。

勉強するのは楽しいというか苦しいですが得るものも大きいのでやれていますが、浮世にはわずらわしいことも多く、困っています。

会社を経験して、理不尽なことのちょっとやそっとでは動じなくなっているおかげで、何とかなっていますが、神経質な学生だったあのころだったら耐えられなかったろうなと思うような毎日です。
取締役候補の案も固まり、一段落と思われたアデランスとスティール・パートナーズの関係ですが、さらに意外な事象が発生しました。

金融商品取引法には、短期売買利益の返還という制度があります。
これは、役員や主要株主などが、6ヶ月以内の売買で利益を得た場合にそれを会社に返還することを求められると言う制度です。
何でこんな制度があるのかというとインサイダー取引の抑止のためです。


第164条(上場会社等の役員等の短期売買利益の返還)
上場会社等の役員又は主要株主がその職務又は地位により取得した秘密を不当に利用することを防止するため、その者が当該上場会社等の特定有価証券等について、自己の計算においてそれに係る買付け等をした後六月以内に売付け等をし、又は売付け等をした後六月以内に買付け等をして利益を得た場合においては、当該上場会社等は、その利益を上場会社等に提供すべきことを請求することができる。
2 当該上場会社等の株主(保険契約者である社員又は出資者を含む。以下この項において同じ。)が上場会社等に対し前項の規定による請求を行うべき旨を要求した日の後六十日以内に上場会社等が同項の規定による請求を行わない場合においては、当該株主は、上場会社等に代位して、その請求を行うことができる。
3 前二項の規定により上場会社等の役員又は主要株主に対して請求する権利は、利益の取得があつた日から二年間行わないときは、消滅する。
4 内閣総理大臣は、前条の報告書の記載に基づき、上場会社等の役員又は主要株主が第一項の利益を得ていると認める場合において、報告書のうち当該利益に係る部分(以下この条において「利益関係書類」という。)の写しを当該役員又は主要株主に送付し、当該役員又は主要株主から、当該利益関係書類に関し次項に定める期間内に同項の申立てがないときは、当該利益関係書類の写しを当該上場会社等に送付するものとする。ただし、内閣総理大臣が、当該利益関係書類の写しを当該役員若しくは主要株主又は当該上場会社等に送付する前において、第一項の利益が当該上場会社等に提供されたことを知つた場合は、この限りでない。
5 前項本文の規定により上場会社等の役員又は主要株主に利益関係書類の写しが送付された場合において、当該役員又は主要株主は、当該利益関係書類の写しに記載された内容の売買等を行つていないと認めるときは、当該利益関係書類の写しを受領した日から起算して二十日以内に、内閣総理大臣に、その旨の申立てをすることができる。
6 前項の規定により、当該役員又は主要株主から当該利益関係書類の写しに記載された内容の売買等を行つていない旨の申立てがあつた場合には、第四項本文の規定の適用については、当該申立てに係る部分は、内閣総理大臣に対する前条第一項の規定による報告書に記載がなかつたものとみなす。
7 内閣総理大臣は、第四項の規定に基づき上場会社等に利益関係書類の写しを送付した場合には、当該利益関係書類の写しを当該送付の日より起算して三十日を経過した日から第三項に規定する請求権が消滅する日まで(請求権が消滅する日前において内閣総理大臣が第一項の利益が当該上場会社等に提供されたことを知つた場合には、当該知つた日まで)公衆の縦覧に供するものとする。ただし、内閣総理大臣が、当該利益関係書類の写しを公衆の縦覧に供する前において、第一項の利益が当該上場会社等に提供されたことを知つた場合は、この限りでない。
8 前各項の規定は、主要株主が買付け等をし、又は売付け等をしたいずれかの時期において主要株主でない場合及び役員又は主要株主の行う買付け等又は売付け等の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合においては、適用しない。
9 第四項において、内閣総理大臣が上場会社等の役員又は主要株主が第一項の利益を得ていると認める場合における当該利益の算定の方法については、内閣府令で定める。


インサイダー取引抑止のためなら、構成要件に秘密を知ってそれを利用して売買を行い利益を得たとしないといけないところですが、すると立証が容易ではないため、およそ使われず実効性がなくなってしまいます。
そこで、インサイダー防止のためと目的を明らかにするにとどまり、形式的に6ヶ月以内の取引なら何でも該当するというとてつもなく広い規律になっています。
適用しない場合は内閣府令に別に定められており、6ヶ月以内の取引なら何でも捕捉されるわけではありません。

主要株主も会社から情報を売る立場にあるということで主体に含められています。
これはインサイダー取引の規律と同じです。

この6ヶ月以内の取引に、スティールが行ったアデランス株の売買が該当するとして、アデランスが返還をスティールに請求しました。
アデランスのリリース

ちなみスティール・パートナーズはファンドですので、組合員が個別に株式を保有しているとこれまで解してきたことから、直接は適用がなかったのですが、165条の2が設けられることで適用されるようになりました。

第165条の2(特定組合等の財産に属する特定有価証券等の取扱い)
組合等(民法第六百六十七条第一項に規定する組合契約によつて成立する組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合(以下この条において「投資事業有限責任組合」という。)若しくは有限責任事業組合契約に関する法律第二条に規定する有限責任事業組合(以下この条において「有限責任事業組合」という。)又はこれらの組合に類似する団体で政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)のうち当該組合等の財産に属する株式に係る議決権が上場会社等の総株主等の議決権に占める割合が百分の十以上であるもの(以下この条において「特定組合等」という。)については、当該特定組合等の組合員(これに類するものとして内閣府令で定める者を含む。以下この条において同じ。)が当該特定組合等の財産に関して当該上場会社等の特定有価証券等に係る買付け等又は売付け等をした場合(当該特定組合等の組合員の全員が委託者又は受益者である信託の受託者が、当該上場会社等の特定有価証券等に係る買付け等又は売付け等をする場合であつて内閣府令で定める場合を含む。以下この条において同じ。)には、当該買付け等又は売付け等を執行した組合員(これに準ずるものとして内閣府令で定める組合員を含む。以下この条において同じ。)は、内閣府令で定めるところにより、その売買等に関する報告書を売買等があつた日の属する月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、買付け等又は売付け等の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合は、この限りでない。
2 前項に規定する特定組合等の組合員が、当該特定組合等の財産に関して当該上場会社等の特定有価証券等に係る買付け等又は売付け等を金融商品取引業者等又は取引所取引許可業者に委託等をして行つた場合においては、同項に規定する報告書は、当該金融商品取引業者等又は取引所取引許可業者を経由して提出するものとする。当該買付け等又は売付け等の相手方が金融商品取引業者等又は取引所取引許可業者であるときも、同様とする。
3 特定組合等の組合員がその地位により取得した秘密を不当に利用することを防止するため、当該特定組合等の財産に関し、その者が当該上場会社等の特定有価証券等について、それに係る買付け等をした後六月以内に売付け等をし、又は売付け等をした後六月以内に買付け等をして当該特定組合等の財産について利益を生じた場合においては、当該上場会社等は、当該特定組合等の組合員に対し、当該特定組合等の財産をもつてその利益を当該上場会社等に提供すべきことを請求することができる。
4 当該上場会社等が前項の規定により請求した場合においては、当該特定組合等の財産をもつて当該特定組合等の当該請求に係る債務その他の債務を完済することができなかつたときに限り、当該上場会社等は、同項の利益を生じた時における当該特定組合等の各組合員(投資事業有限責任組合の有限責任組合員及び有限責任事業組合の組合員並びにこれらに類する者として内閣府令で定める者を除く。)に対し、当該特定組合等の債務について当該各組合員が負う責任に応じて、当該利益(同項の規定により提供された利益の額を控除した額に限る。)を当該上場会社等に提供すべきことを請求することができる。
5 前項に規定する場合において、当該特定組合等の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときも、同様とする。
6 前項の規定は、第三項の利益を生じた時における当該特定組合等の組合員が当該特定組合等の財産が存在し、かつ、その財産に対する強制執行が容易であることを証明したときは、適用しない。
7 当該上場会社等の株主(保険契約者である社員又は出資者を含む。以下この項において同じ。)が上場会社等に対し第三項から第五項までの規定による請求を行うべき旨を要求した日の後六十日以内に上場会社等がこれらの規定による請求を行わない場合においては、当該株主は、上場会社等に代位して、その請求を行うことができる。
8 第三項から第五項まで又は前項の規定により利益の返還を請求する権利は、当該特定組合等の財産について利益が生じた日から二年間行わないときは、消滅する。
9 内閣総理大臣は、第一項の報告書の記載に基づき、当該特定組合等の財産について第三項の利益が生じていると認める場合において、報告書のうち当該利益に係る部分(以下この条において「組合利益関係書類」という。)の写しを、報告書提出組合員(第一項の規定により報告書(直近の買付け等又は売付け等に係るものに限る。)を提出した組合員をいう。)に送付し、当該報告書提出組合員から、当該組合利益関係書類に関し次項に定める期間内に同項の申立てがないときは、当該組合利益関係書類の写しを当該上場会社等に送付するものとする。ただし、内閣総理大臣が、当該組合利益関係書類の写しを当該報告書提出組合員又は当該上場会社等に送付する前において、第三項の利益が当該上場会社等に提供されたことを知つた場合は、この限りでない。
10 前項本文の規定により当該報告書提出組合員に組合利益関係書類の写しが送付された場合において、当該報告書提出組合員は、当該組合利益関係書類の写しに記載された内容の売買等を行つていないと認めるときは、当該組合利益関係書類の写しを受領した日から起算して二十日以内に、内閣総理大臣に、その旨の申立てをすることができる。
11 前項の規定により、当該報告書提出組合員から当該組合利益関係書類の写しに記載された内容の売買等を行つていない旨の申立てがあつた場合には、第九項本文の規定の適用については、当該申立てに係る部分は、内閣総理大臣に対する第一項の規定による報告書に記載がなかつたものとみなす。
12 内閣総理大臣は、第九項の規定に基づき上場会社等に組合利益関係書類の写しを送付した場合には、当該組合利益関係書類の写しを当該送付の日より起算して三十日を経過した日から第八項に規定する請求権が消滅する日まで(請求権が消滅する日前において内閣総理大臣が第三項の利益が当該上場会社等に提供されたことを知つた場合には、当該知つた日まで)公衆の縦覧に供するものとする。ただし、内閣総理大臣が、当該組合利益関係書類の写しを公衆の縦覧に供する前において第三項の利益が当該上場会社等に提供されたことを知つた場合は、この限りでない。
13 第三項から前項までの規定は、特定組合等の財産に関して買付け等をし、又は売付け等をしたいずれかの時期において当該特定組合等が特定組合等でない場合及び特定組合等の財産に関して行われる買付け等又は売付け等の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合においては、適用しない。
14 第九項において、内閣総理大臣が当該特定組合等の財産について第三項の利益が生じていると認める場合における当該利益の算定の方法については、内閣府令で定める。
15 特定組合等の組合員は、当該特定組合等の財産に関して次に掲げる行為をしてはならない。
一 特定取引であつて、当該特定取引に係る特定有価証券の額(特定有価証券の売付けについてはその売付けに係る特定有価証券の額を、その他の取引については内閣府令で定める額をいう。)が、その者が有する当該上場会社等の同種の特定有価証券の額として内閣府令で定める額を超えるもの
二 当該上場会社等の特定有価証券等に係る売付け等(特定取引を除く。)であつて、その売付け等において授受される金銭の額を算出する基礎となる特定有価証券の数量として内閣府令で定める数量が、その者が有する当該上場会社等の同種の特定有価証券の数量として内閣府令で定める数量を超えるもの
16 前三条の規定は、組合等の財産として上場会社等の株式を所有することにより当該上場会社等の主要株主に該当することとなる主要株主については、適用しない。



しかし、根本的に考えますと、この規律はかなり無茶があるように思われます。
6ヶ月以内の取引を何でも含めてしまい、しかも会社に返還を求めるというのはいかにも妙な効果です。
インサイダー取引をしたわけではない人にとっては、財産権侵害に思われます。

この変な規律は実はアメリカからの輸入でして、アメリカでも適法性が問題となって裁判になりました。
結果、合憲であるとされたのですが、日本でも最高裁判決があり、日本法でのこの点について判示をしています。(証券取引法の同旨規定に対する判例です)

最大判平成14年2月13日民集56巻2号331頁【技研工業事件】
「法164条1項は証券取引市場の公平性,公正性を維持するとともにこれに対する一般投資家の信頼を確保するという目的による規制を定めるものであるところ,その規制目的は正当であり,規制手段が必要性又は合理性に欠けることが明らかであるとはいえないのであるから,同項は,公共の福祉に適合する制限を定めたものであって,憲法29条に違反するものではない。」

目的と手段に分けて、それぞれについて合理性審査を行うというよくある審査基準で合憲としています。
しかし、目的が投資家の信頼のためなのに、会社に返還せよという手段は合理的な関連性があるでしょうか。

ここは非常に微妙ですが、利益を剥奪するだけでそれ以上の不利益を課すわけではないので良しとされています。
また判例では
「同条1項の規定を適用する必要のない取引は内閣府令で定められた場合に尽きるものではなく,類型的にみて取引の態様自体から上記秘密を不当に利用することが認められない場合には,同項の規定は適用されないと解するのが相当である」
としており、判例による法創造で適用除外が内閣府令規定のもの以外に広げられています。この解釈をすることで合理性が補強されています。
ただ、構成要件に「秘密の利用は入らない」とも述べているので、これは請求された側で主張立証すると免れることになるのだと思います。

以上から、素朴な考えではかなり微妙な制度ですが、適法性は肯定されています。
投資ファンドを含めるようにしようという改正は2006年改正だったのですが、実際に発動されることになったのは、非常に興味深く思われます。