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Japan Law Express
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2008/07/21のBlog
一部請求論は民事訴訟法学の典型的論点の一つですが、学説では諸説あるものの判例としては一部請求を明示していた場合は、残部請求は可能とすることで固まっています。

そのような中で、一部請求を明示した場合に該当するか否かが問題となった事案で最高裁の判断が示されました。

最高裁判所第一小法廷平成20年07月10日判決 平成19(受)1985 損害賠償請求事件

事案は錯綜しており、不動産賃貸借を利用しての妨害とそれに対する法的対処方法がよく分かる事案です。

詳しくは上記リンク先をご覧ください。
問題となっているのは、賃借人が行った仮差押によって不動産が県に買収されることっが遅れてしまい、損害を被ったので、仮差押のまま本訴を提起しない被上告人である賃借人に対して土地の所有者である上告人が起訴命令を申し立てて、起訴された本案に対して、損害賠償の一部として、弁護士費用を請求する反訴を提起、認容されました。
これが前訴です。

その後、残りの損害賠償の請求を行ったのが本訴です。

弁護士費用と本訴の損害賠償は違法な保全処分に基づく損害賠償請求権という1個の債権であるとして、弁護士費用だけを請求した前訴は、明示した一部請求になっていないとしました。

最高裁はこれに対して、本件の事案のもとでは、弁護士費用以外にも損害が生じることを主張していたものということができるとして、一部請求だと明示がされていたとしました。

理由付けはこれだけではなく、そもそも前訴では、本訴で請求している損害分は請求することが期待できないことにも言及があります。
違法な仮処分が行われている間、県による買収が行われないので損害の発生が継続しているため、金額を明示して請求することは確かにできません。

特殊事情がかなり作用している事例判断ですが、一部請求に関しての判例として意義があると思われます。
2008/07/20のBlog
よく考えると小学校とかはもう夏休みに入っている時分ですね(標準的なところでの話ですが)。
7月も20日を過ぎてしまい、時間がたつのがはやくて大変です。
特に最近は悪夢としか思えない事態と戦っており、非常に神経を使います。

勉強は全然大成していないので、まだまだだと自分でも思うのですが、一方で仕事をしたくなってきています。
何だかんだいっても働きたい気持ちがわいてきますね。

順送りの人事しかしないところで抜擢とかありえないので、絶対無理でしたが、ぜひとも腕を振るわせてほしかった仕事がありました。
残念だなあと思います。あのことから思っていたことでしたが、今改めて勉強してみると、もっとうまくやれると思います。
入会権確認訴訟は判例によって固有必要的共同訴訟とされており、構成員みんなで訴訟を提起しないと訴訟要件を満たさず却下になります。
最判昭和41年11月25日民集20巻9号1921頁

しかし、入会団体内部でも所有権の帰属に争いがある場合、所有権に関する部分の主張に一致できないことから、全員で入会権の確認訴訟できない場合があり、その場合の処理に関して最高裁で判断が示されました。

最高裁判所第一小法廷平成20年07月17日判決 平成18(受)1818 入会権確認請求事件

この事件においては、訴え提起に同調しない入会権者を被告側に加えて訴訟を提起していたのですが、原審は固有必要的共同訴訟であることを指摘して端的に却下していました。

これに対して、最高裁は、入会権の存在を主張する構成員は保護しないといけないとして、同調しない入会権者を被告に加えていることを是認しました。
上記の昭和41年判例との関係が問題となりますが、これについては、昭和41年判決は、本件のような訴訟を認めないものではないと解するのが相当としています。

入会団体内での入会権との別の問題で利害関係の対立がある場合には入会権者全員で提起しなくても当事者適格を否定されず、訴えは適法ということになるかと思います。
有価証券を保有していないのに売付けをすることを空売りといいます。
相場操縦につながりうるので、規制されるのが専らで、日本でも金商法162条で禁止されています。
もっとも政令に従えばよいので、信用取引などは許容されます。

金融商品取引法
第162条(空売り及び逆指値注文の禁止)
何人も、政令で定めるところに違反して、次に掲げる行為をしてはならない。
一 有価証券を有しないで若しくは有価証券を借り入れて(これらに準ずる場合として政令で定める場合を含む。)その売付けをすること又は当該売付けの委託等若しくは受託等をすること。
二 有価証券の相場が委託当時の相場より騰貴して自己の指値以上となつたときには直ちにその買付けをし、又は有価証券の相場が委託当時の相場より下落して自己の指値以下となつたときには直ちにその売付けをすべき旨の委託等をすること。
2 前項第二号の規定は、第二条第二十一項第二号及び第三号に規定する取引について準用する。この場合において、同項第二号の取引にあつては前項第二号中「有価証券」とあるのは「約定数値」と、「騰貴して」とあるのは「上昇して」と、「その買付けをし」とあるのは「現実数値が約定数値を上回つた場合に金銭を受領する立場の当事者となる取引をし」と、「下落して」とあるのは「低下して」と、「その売付けをすべき」とあるのは「現実数値が約定数値を下回つた場合に金銭を受領する立場の当事者となる取引をすべき」と、同条第二十一項第三号の取引にあつては同号中「有価証券」とあるのは「オプション」と、「その買付けをし」とあるのは「オプションを取得する立場の当事者となり」と、「その売付けをすべき」とあるのは「オプションを付与する立場の当事者となるべき」と読み替えるものとする。

金融商品取引法施行令
第26条の2(空売りに該当する場合)
法第百六十二条第一項第一号に規定する政令で定める場合は、その有している有価証券(借り入れているものを除く。)の売付け後遅滞なく当該有価証券を提供できることが明らかでない場合とする。

第26条の3(空売りを行う場合の明示及び確認)
金融商品取引所の会員等は、当該金融商品取引所の開設する取引所金融商品市場においてする自己の計算による有価証券の売付け若しくは売付けの受託(有価証券等清算取次ぎの受託を除く。)をした有価証券の売付け又は有価証券等清算取次ぎの委託(売付けの委託に限る。以下この項において「清算取次ぎ委託」という。)について、当該金融商品取引所に対し、これらの有価証券の売付け又は清算取次ぎ委託が空売り(次の各号のいずれかに該当する売付け又は清算取次ぎ委託をいう。以下同じ。)であるか否かの別を明らかにしなければならない。
一 有価証券を有しないで又は有価証券を借り入れてする有価証券の売付け(有価証券等清算取次ぎを除く。)
二 前条に規定する場合における有価証券の売付け(有価証券等清算取次ぎを除く。)
三 有価証券を有しないで又は有価証券を借り入れてする清算取次ぎ委託
四 清算取次ぎ委託後遅滞なく有価証券を提供できることが明らかでなく行う清算取次ぎ委託
2 金融商品取引所の会員等は、当該金融商品取引所の開設する取引所金融商品市場においてする有価証券の売付けの受託(有価証券等清算取次ぎの受託を除く。)について、当該有価証券の売付けの委託者に対し、当該有価証券の売付けが空売りであるか否かの別を確認しなければならない。
3 取引所金融商品市場においてする有価証券の売付けの委託の取次ぎを引き受けた者は、当該委託の取次ぎの申込者に対し、当該有価証券の売付けが空売りであるか否かの別を確認しなければならない。
4 取引所金融商品市場においてする有価証券の売付けの委託(有価証券等清算取次ぎの委託を除く。)又は委託の取次ぎの申込者は、その委託又は委託の取次ぎの申込みの相手方に対し、当該有価証券の売付けが空売りであるか否かの別を明らかにしなければならない。
5 前各項の規定は、法第二条第二十一項第一号に掲げる取引その他の内閣府令で定める取引については、適用しない。
6 前各項の規定は、認可金融商品取引業協会の開設する店頭売買有価証券市場における店頭売買有価証券の売付けについて準用する。この場合において、前項中「法第二条第二十一項第一号に掲げる取引その他の内閣府令」とあるのは、「内閣府令」と読み替えるものとする。

第26条の4(空売りを行う場合の価格)
金融商品取引所の会員等は、当該金融商品取引所の開設する取引所金融商品市場において自己の計算による空売り又は受託をした空売りを行おうとするときは、当該空売りに係る有価証券につき当該金融商品取引所が当該空売りの直近に公表した当該取引所金融商品市場における価格(売買価格の決定方法が競売買の方法以外の方法であつて内閣府令で定めるものである場合については、内閣府令で定める価格。以下この条において「直近公表価格」という。)以下の価格において当該空売りを行つてはならない。ただし、当該金融商品取引所が当該直近公表価格の直近に公表した当該取引所金融商品市場における当該直近公表価格と異なる価格(売買価格の決定方法が競売買の方法以外の方法であつて内閣府令で定めるものである場合については、内閣府令で定める価格。次項において同じ。)を当該直近公表価格が上回る場合に当該直近公表価格において行う当該空売りについては、この限りでない。
2 取引所金融商品市場においてする空売りの委託又は委託の取次ぎの申込みをする者は、当該空売りの委託又は委託の取次ぎの申込みの相手方に対し、当該空売りに係る有価証券につき直近公表価格以下の価格において当該空売りを行うよう指示をしてはならない。ただし、当該金融商品取引所が当該直近公表価格の直近に公表した当該取引所金融商品市場における当該直近公表価格と異なる価格を当該直近公表価格が上回る場合に当該直近公表価格において行う当該空売りの指示については、この限りでない。
3 前二項の場合において、空売りが当該空売りに係る有価証券の配当落ち又は権利落ち後に行われる場合で、当該空売りに係る有価証券につき直近公表価格が配当落ち又は権利落ち前であるときは、前二項に規定する価格は、当該空売りに係る有価証券につき直近公表価格から配当又は権利の価格を控除して計算する。
4 第一項及び第二項の規定は、法第二条第二十一項第一号に掲げる取引その他の内閣府令で定める取引については、適用しない。
5 前各項の規定は、認可金融商品取引業協会の開設する店頭売買有価証券市場における店頭売買有価証券の売付けについて準用する。この場合において、前項中「法第二条第二十一項第一号に掲げる取引その他の内閣府令」とあるのは、「内閣府令」と読み替えるものとする。

アメリカでは、異なっており、少し前から空売り規制を排しています。
実証的な研究があるらしくて、空売り規制をしなくても問題ないことが示されたとかいうことが廃止後のリポートで言われていたのですが、昨今のサブプライムの余波でファニメイなどに対して暫定的に空売り規制を行うことになりました。

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SEC、空売り規制に動く(日本経済新聞2008年7月20日)

ワシントン(ウォール・ストリート・ジャーナル)米証券取引委員会(SEC)は15日、銀行・証券株の空売りが金融セクターの苦痛を増幅させている可能性があるとの懸念が広がっているのに対応し、空売りを制限するための異例の措置を発表した。

 SECは劇的な緊急命令により、連邦抵当金庫(ファニーメイ)(NYSE:FNM)、連邦住宅金融抵当金庫(フレディマック)(NYSE:FRE)の政府系住宅金融機関(GSE)大手のほか、ゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(NYSE:LEH)、モルガン・スタンレー(NYSE:MS)、メリルリンチ(NYSE:MER)などの証券大手を含む17の金融機関銘柄についても、不適切な株式の空売り阻止に向けて直ちに動くとした。

 この計画は、21日から30日間に限って実施する見込み。しかしSECは、今回の新規定を国内で取引される全株式に拡大適用するか否かも検討し始めている。空売りを抑制しようとする近年の当局の動きとしては、今回のものは最も大規模な取り組みの1つと言える。
(略)
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緊急事態に陥っているための措置なのですが、今後も続く可能性もあるようで、そうなると空売り規制の復活ということになるかもしれません。
2008/07/19のBlog
昨日の影響で今日は一日眠いし、それに加えてろくなことがなく、大変でした。

最近、犯罪は減少傾向にあるらしいのですが、凶悪犯罪などショッキングな事件は増えている感じがします。
今日も中学生が親を殺害したというニュースを聞きました。
無差別殺人があったり、極めて近親者間での殺人があったりで、あらゆるところで凶悪犯罪が起きていることが伺われます。
もっとも統計的にみると殺人事件の対象には、赤の他人よりも家族の方がなりやすいらしいので、親しい仲での犯罪はショックですが、歴史的にもありうることであるようです。

一方、犯罪全体の減少は景気回復に負うところが大きいのでしょうが、景気減速傾向になってしまっていますから、今後は財産犯も増加して、犯罪は増加傾向に変わる感じがします。
極めて治安の今後が不安です。
2008/07/18のBlog
[ 23:59 ] [ 日記 ]
この日は、クラスの方々と夜遅くまで飲んでいたところ、タッチの差で終電に乗り損ね、次の準急川越市行きに乗って川越まで迎えに来てもらおうとしたところ、中板橋で触車事故がおきてしまい、川越についてしまうくらいの時間をずっととあって現場検証、ようやく運転再開をして空席ができたので座ったところ、寝過ごして川越でおり損ねて川越市まで行ってしまい、せっかく川越に呼んだ車を川越市にまで移動してもらう羽目になりました。
帰り着いたのは午前2時過ぎでした。

最近ろくなことがなくて往生しているのですが、それを象徴するかのような怒涛の展開でしたね。

法廷傍聴記はブログに割りとよくあるジャンルらしいのですが、とある人が自分のブログでライブドアの堀江被告の事件を傍聴した法廷傍聴記を掲載したところ、これが無断で引用されたとして、プロバイダであるYahooにプロバイダ責任法に基づき、発信者情報の開示を請求している事件があります。

この事件の控訴審で、知財高裁は、法廷傍聴記の著作物性を否定して、請求を棄却した第一審を結論において支持して、控訴を棄却しました。

知的財産高等裁判所平成20年07月17日判決 平成20(ネ)10009 発信者情報開示等請求控訴事件

上記リンク先に、当該ブログの内容が掲載されていますが、確かに事実をまとめただけで、これに著作物性を認めると他の人が書けなくなってしまうと思われます。

著作物性は認めて保護の範囲をデッドコピーに限るということも考えられますが、思想感情が表現されている点があまりないので、結論から考えた構成をとるのは適当でないと思われます。
2008/07/17のBlog
[ 22:44 ] [ 公法・刑事法事情 ]
控訴審判決が出たところなので今さらなタイミングですが、企業年金の減額をめぐる訴訟として著名なNTT企業年金事件の第一審判決について概観しようと思います。

控訴審判決はまだ手に入りませんが判断がほぼそのままのようですので、控訴審判決が出たという機会を捉えて、入手可能なものを検討しようというものです。

東京地判平成19年10月19日判時1997号52頁

この事件は、NTTが企業年金の規約の変更について厚生労働大臣の承認を求めたところ、当該規約変更は給付の減額にあたり所定の給付減額の場合に必要な要件を要件を満たしていないとして承認をしない処分がされたことの取り消しを求める取消訴訟です。

当該規約変更によって、給付の減額を受けるNTTの退職者が被告国側で補助参加しています。

規約の変更内容は、大きく分けて予定利率の引下げと給付利率の引下げの二点からなっています。
予定利率の引下げは、運用益が上がらないことを意味するわけですが、給付額は固定的ですので、掛け金の引き上げに直結します。これは将来のもらうことになる人に関係する内容ということになります。
これに対して給付利率の引下げは、現在受給中の分の利回りを引き下げるものですので、掛け金を納め終わっている人が対象になります。

企業年金は法制度の変更があり、確定給付企業年金法が規律しています。

そのもとで、本件の規約変更が許されるかということが問題となります。
本件における争点は4点でした。
①給付減額の規約変更に、経営悪化等を要求する確定給付企業年金法施行規則は、確定給付企業年金法の委任の範囲を超えるか。

企業年金は、規約型と基金型がありますが、本件のような規約型では規約の変更について法5条と施行令4条に要件が定められています。それを受けて施行規則でさらに詳細な定めをおいているわけですが、施行規則で経営悪化などの内容になっています。
これは委任の範囲を超えるかが争点となりました。
何が背景にあるかというと、多数決で同意を取ったのなら変更してもいいはずであり、内容について行政が過剰に規制するべきではないということです。
これだけですと、不当な意見に聞こえますが、柔軟な制度設計ができるようにということが、法改正の目的の一つにあげられていましたので、根拠のある見解ではあります。

確定給付企業年金法
(規約の承認の基準等)
第五条 厚生労働大臣は、第三条第一項第一号の承認の申請があった場合において、当該申請に係る規約が次に掲げる要件に適合すると認めるときは、同号の承認をするものとする。
一 前条各号に掲げる事項が定められていること。
二 前条第四号に規定する資格を定めた場合にあっては、当該資格は、当該実施事業所において実施されている厚生年金基金その他政令で定める年金制度及び退職手当制度(第十二条第一項第二号において「企業年金制度等」という。)が適用される者の範囲に照らし、特定の者について不当に差別的なものでないこと。
三 第二十九条第一項各号に掲げる老齢給付金及び脱退一時金の支給を行うために必要な事項が定められていること。
四 規約の内容がこの法律及びこの法律に基づく命令その他関係法令に違反するものでないこと。
五 その他政令で定める要件

確定給付企業年金法施行令
(規約型企業年金の規約の承認の基準に関するその他の要件)
第四条 法第五条第一項第五号(法第六条第四項において準用する場合を含む。)の政令で定める要件は、次のとおりとする。
一 実施事業所に使用される被用者年金被保険者等が加入者となることについて一定の資格を定める場合にあっては、当該資格は、加入者がその資格を喪失することを任意に選択できるものでないこと。
二 加入者等の確定給付企業年金の給付(以下「給付」という。)の額を減額することを内容とする確定給付企業年金に係る規約(以下「規約」という。)の変更をしようとするときは、当該規約の変更の承認の申請が、当該規約の変更をしなければ確定給付企業年金の事業の継続が困難となることその他の厚生労働省令で定める理由がある場合において、厚生労働省令で定める手続を経て行われるものであること。


確定給付企業年金法施行規則
(給付減額の理由)
第五条 令第四条第二号の厚生労働省令で定める理由は、次のとおりとする。ただし、加入者である受給権者(給付を受ける権利(以下「受給権」という。)を有する者をいう。以下同じ。)及び加入者であった者(以下「受給権者等」という。)の給付(加入者である受給権者にあっては、当該受給権に係る給付に限る。)の額を減額する場合にあっては、第二号及び第三号に掲げる理由とする。
一 確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所(以下「実施事業所」という。)において労働協約等が変更され、その変更に基づき給付の設計の見直しを行う必要があること。
二 実施事業所の経営の状況が悪化したことにより、給付の額を減額することがやむを得ないこと。
三 給付の額を減額しなければ、掛金の額が大幅に上昇し、事業主が掛金を拠出することが困難になると見込まれるため、給付の額を減額することがやむを得ないこと。

四 法第七十四条第一項の規定により規約型企業年金(同項に規定する規約型企業年金をいう。以下同じ。)を他の規約型企業年金と統合する場合、法第七十九条第二項の規定により事業主が給付の支給に関する権利義務を承継する場合又は法第八十一条第二項の規定により事業主が給付の支給に関する権利義務を承継する場合であって、給付の額を減額することにつきやむを得ない事由があること。
五 給付の額を減額し、当該事業主が拠出する掛金のうち給付の額の減額に伴い減少する額に相当する額を事業主掛金(確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第三条第三項第七号に規定する事業主掛金をいう。)に充てること又は法第百十七条第一項の規定により、給付に充てるべき積立金(以下「積立金」という。)の一部を、実施事業所の事業主が実施する企業型年金(確定拠出年金法第二条第二項に規定する企業型年金をいう。以下同じ。)の資産管理機関(同条第七項第一号ロに規定する資産管理機関をいう。以下同じ。)に移換すること。

しかし、立法過程においても受給権の保護がいわれており、この点の主張は退けられました。また実質的に、多数決で反対者の利益を処分してしまうことは不当であるということが述べられています。
これは労働協約の不利益変更などでも言われることであり、共通の発想に立っていると思われます。

規定されている内容は無効ではないとしたので、その後であてはめが続いています。
この当てはめの各項目が残りの3つの争点となっています。
②本件規約変更は給付減額に該当するか
③経営の悪化によって給付減額がやむをえない場合に該当するか
④事業主が掛け金を供出することが困難になると見込まれるため給付減額がやむをえない場合に該当するか

②については、給付減額に該当すると端的に認めています。
実は、10年もの国債に連動する金利にするという規約変更のため、給付減額になるかは一概には言えないと原告は主張しているのですが、受給時期によって異なりますが7%や4.5%だった利率が、国債連動になってしまったら現状では明らかに減額になってしまうからです。

③と④に関しては、報道でもよく触れられたところですが、NTTの業績はそこまで悪化していないという認定がされています。

報道からみると、企業が大幅なリストラをしたために業績は一息ついており、そこを捉えて企業年金の減額が認められなかったというように思われますが、全体を概観すると、多数決で反対者の利益を奪ってしまうことは認められないという点も重要であるようです。

かなり事例判断的な色彩も大きいですが、どの企業も年齢構成などは似た構成になっているでしょうから、参考になる点も多い事例ではないかと思われます。
[ 00:11 ] [ 日記 ]
36万アクセスありがとうございます。

今日の政治ニュースで、あまり正面から取り上げていませんでしたが、民主党が国民新党との選挙協力と引き換えに、郵政民営化見直しをマニフェストに盛り込むようです。
報道各社は、なぜか選挙協力をみだしにするところが多く、恣意的な感じがします。

次の選挙への援護射撃のつもりでしょうか。

民主党は、勝利した前回の参議院選挙のときから反動的な内容の政策が目に付きます。
農家への個別所得補償とはかなりびっくりでかつ日本農業が競争力をつけて外国農産物に対抗できるかというと多分無理というものです。
野党のほうが積極的に前時代的なことを言ってしまうのですから困りものです。

あと、新聞でもたまに触れてくれますが、民主党は想像している以上に、労組の影響力が強いです。
郵政民営化を戻すと、かつての全逓へは利益になりますし、解体に直面している社会保険庁の職員は、自治労を構成しています。

後期高齢者医療に対する対案はなく、崩壊しそうな老人保険制度を復活させるということを言っていましたし、日本の将来ははたして選択できるのでしょうか。

ちなみに、郵政再国営化が政治課題に乗るわけないと高をくくらない方がいいかもしれません。
政治というのは、選考の強い少数者にキャプチャされる傾向があるのです。
露出の多い民主党の論客の政治家たちはどうにもひ弱な感じがしますので、いざとなるとかなり特殊な老練政治家の手練手管にのってしまい、少数への利益誘導ばかりが目立つ結果になりかねないのではないかと心配しています。
2008/07/16のBlog
大分県の教員採用汚職は、ついに不正で合格したものを解雇するということを打ち出しました。

親がしたこととかもしれませんが、一応自業自得とはいえましょう。
ただし、この解雇は法的にはどうなるのでしょう。
不正で合格したというのは無効事由になりそうですが、処分としては将来に向けての撤回になるのでしょう。
さもないと解雇される教師に教わっていた子供の単位認定ができなくなり、補習をしないといけないなど大変な悪影響が生じます。

しかし、最近、非常勤講師として雇った者が実は欠格事由に該当するとして、補習をするとかいう話がありました。
不正で採用された教員を解雇するとしたら、果たしてどうなるのでしょうか。