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2006/07/14のBlog
[ 23:56 ]
[ 日本の経済・相場 ]
既に、ゼロ金利解除はニュースではないのかもしれませんね。
詳しくは総裁会見要旨がBOJのHPにアップされてから書こうと思います。
まず、日銀のコメントについて。
[金融市場調節方針の変更について by日銀]
ポイントは以下の2段落。
1. (省略)なお、長期国債の買入れについては、(省略)、当面は、これまでと同じ金額、頻度で実施していく方針である。
5. 先行きの金融政策については、(省略)経済・物価情勢が展望レポートに沿って展開していくと見込まれるのであれば、政策金利水準の調整については、経済・物価情勢の変化に応じて徐々に行うことになる。この場合、極めて低い金利水準による緩和的な金融環境が当面維持される可能性が高いと判断している。
1.の長期国債の買入れは、マーケットの動揺を抑えるための配慮。
ポイントは、5.です。
同日発表された[金融経済月報(基本的見解)]において、「わが国の景気は、4月の「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)で示した「経済・物価情勢の見通し」に概ね沿って推移すると予想される。」と明言している以上、この2つを合わせて読めば、日銀は「政策金利水準の調整を徐々に行う」と宣言している。日米経済がリセッションに向かうなどの余程のショックが起きない限り、中立的な金利水準への移行を行うという明確な意思表示だと読みます。
最後の行の「極めて低い金利水準・・・が当面維持される」という箇所は、重要ではない。中立的な金利水準に達するまでは緩和的な金利水準で推移する、という当たり前のことを言っているに過ぎない。1.の長国買入れと同様に、市場への配慮に過ぎないと思います。
詳しくは総裁会見要旨がBOJのHPにアップされてから書こうと思います。
まず、日銀のコメントについて。
[金融市場調節方針の変更について by日銀]
ポイントは以下の2段落。
1. (省略)なお、長期国債の買入れについては、(省略)、当面は、これまでと同じ金額、頻度で実施していく方針である。
5. 先行きの金融政策については、(省略)経済・物価情勢が展望レポートに沿って展開していくと見込まれるのであれば、政策金利水準の調整については、経済・物価情勢の変化に応じて徐々に行うことになる。この場合、極めて低い金利水準による緩和的な金融環境が当面維持される可能性が高いと判断している。
1.の長期国債の買入れは、マーケットの動揺を抑えるための配慮。
ポイントは、5.です。
同日発表された[金融経済月報(基本的見解)]において、「わが国の景気は、4月の「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)で示した「経済・物価情勢の見通し」に概ね沿って推移すると予想される。」と明言している以上、この2つを合わせて読めば、日銀は「政策金利水準の調整を徐々に行う」と宣言している。日米経済がリセッションに向かうなどの余程のショックが起きない限り、中立的な金利水準への移行を行うという明確な意思表示だと読みます。
最後の行の「極めて低い金利水準・・・が当面維持される」という箇所は、重要ではない。中立的な金利水準に達するまでは緩和的な金利水準で推移する、という当たり前のことを言っているに過ぎない。1.の長国買入れと同様に、市場への配慮に過ぎないと思います。
[ 00:56 ]
相場見通しに関するネタが尽きました。我ながら底が浅いなぁと。
こまめに書き続けることの難しさを感じます。
そこで、相場見通しとはちょっと違う話を。5月の調整を経験された方には苦い内容かもしれませんが。。。結論は、分散投資しとく、ということになるんで、「そんなの当然」と思われる方には申し訳ないです。
資金運用で最も重要なのはリスク管理です。自分で運用する場合にも、人様のために運用する場合でも、リスクの大きさを把握できないなら、運用には慎重であるべきだと思います。極端な話、自分は株のことはわからないからと株式を一切持たない人も少なくないのですが、それはそれで賢明な人だと思います。
(この部分、一部、加筆訂正)
将来のリスクの大きさは、将来のリターンよりも比較的容易に把握できます。過去のリターン分布(標準偏差)は、ある程度安定していて、それを将来のリスクの参考にできます。
これに対して、将来のリターン予測の精度ははるかに低いものです。上下の方向性だけ、つまり、上がるか下がるかの予測でさえ、6割で当てることができれば優秀なFMであり、7割で当てられればスーパーです。でも、そういう人であっても、今後1年間のリターンを、例えば±5%の精度であてることはかなり難しい。
運用者が本質的にコントロールできるのは、リスクの大きさなのです。リターンの大きさは、経済環境・市場環境で結果的に決まるもので、事前にリターンの大きさをコントロールすることはできません。
(加筆訂正おわり)
過去のリスクの大きさと資産ごとの相関性(共分散)で、大まかな資産全体のリスクの大きさを測ることができます。もちろん、想定外の大幅な変動をすることもあります(ファット・テール)が、例外的な事例はともかく、とりあえずは、「あってもおかしくない」程度の変動性は把握しておくべきです。個人投資家であっても。
リスク管理が重要な理由は、万が一、見通しと大きく異なる結果になったときに、取り返しの付かない事態にならないようにするためですが、それと同時に、できるだけ常に冷静な投資姿勢を保つためです。
投資のタネ銭を貯蓄するための年数を考えれば、投資資金を半分にしてしまうような状況は想像もしたくないでしょう。しかし、個別株に全資産を投資するなら、そういう事態は「あってもおかしくない」のです。個別株のリスク(標準偏差)は軽く50%はあるのですから。
相場の調整局面が起きても、自分の資産のリスク状況をある程度把握できていれば、比較的冷静に次の局面を考えることができるかもしれません。(とはいっても、私も常に忸怩たる思いを払拭できないのですが)
指数で見た場合の株式、すなわちある程度分散された株式資産のリスク(標準偏差)は、日本株で年間20%程度、中国株やインド株のリスクは25-30%程度です。だから、この程度の下落は、6年に一度は「あってもおかしくはない」というか、あって当然です。5月の調整は、仮にリバウンドが無くとも、比較的小幅な調整だったと思います。それでも、今の相場から退出すべきではありません。なぜなら、リスクの大きさを、数字ではなく体で覚える貴重な経験をしたのですから。この経験を大切にすべきです。
私が相場見通しを持とうとするのは、見通し自体を当てることや、儲けるためではあるのですが、それ以上に、資産全体のリスク量をコントロールするため、大きな下げの材料となりかねないリスク・ファクターを把握するため、だと思います。もちろん、狙ったマーケットが上がってくれるなら嬉しいですが、相場はなにが起きるか判りません。正直に言うと、株式に70%も投資するのは怖くて怖くて仕方が無いんです。資産のリスクは13%程度に上昇するでしょう。ですが、今の投資環境を考えると、リスクをある程度高めてもいい局面なのではないかなと思うのです。
こまめに書き続けることの難しさを感じます。
そこで、相場見通しとはちょっと違う話を。5月の調整を経験された方には苦い内容かもしれませんが。。。結論は、分散投資しとく、ということになるんで、「そんなの当然」と思われる方には申し訳ないです。
資金運用で最も重要なのはリスク管理です。自分で運用する場合にも、人様のために運用する場合でも、リスクの大きさを把握できないなら、運用には慎重であるべきだと思います。極端な話、自分は株のことはわからないからと株式を一切持たない人も少なくないのですが、それはそれで賢明な人だと思います。
(この部分、一部、加筆訂正)
将来のリスクの大きさは、将来のリターンよりも比較的容易に把握できます。過去のリターン分布(標準偏差)は、ある程度安定していて、それを将来のリスクの参考にできます。
これに対して、将来のリターン予測の精度ははるかに低いものです。上下の方向性だけ、つまり、上がるか下がるかの予測でさえ、6割で当てることができれば優秀なFMであり、7割で当てられればスーパーです。でも、そういう人であっても、今後1年間のリターンを、例えば±5%の精度であてることはかなり難しい。
運用者が本質的にコントロールできるのは、リスクの大きさなのです。リターンの大きさは、経済環境・市場環境で結果的に決まるもので、事前にリターンの大きさをコントロールすることはできません。
(加筆訂正おわり)
過去のリスクの大きさと資産ごとの相関性(共分散)で、大まかな資産全体のリスクの大きさを測ることができます。もちろん、想定外の大幅な変動をすることもあります(ファット・テール)が、例外的な事例はともかく、とりあえずは、「あってもおかしくない」程度の変動性は把握しておくべきです。個人投資家であっても。
リスク管理が重要な理由は、万が一、見通しと大きく異なる結果になったときに、取り返しの付かない事態にならないようにするためですが、それと同時に、できるだけ常に冷静な投資姿勢を保つためです。
投資のタネ銭を貯蓄するための年数を考えれば、投資資金を半分にしてしまうような状況は想像もしたくないでしょう。しかし、個別株に全資産を投資するなら、そういう事態は「あってもおかしくない」のです。個別株のリスク(標準偏差)は軽く50%はあるのですから。
相場の調整局面が起きても、自分の資産のリスク状況をある程度把握できていれば、比較的冷静に次の局面を考えることができるかもしれません。(とはいっても、私も常に忸怩たる思いを払拭できないのですが)
指数で見た場合の株式、すなわちある程度分散された株式資産のリスク(標準偏差)は、日本株で年間20%程度、中国株やインド株のリスクは25-30%程度です。だから、この程度の下落は、6年に一度は「あってもおかしくはない」というか、あって当然です。5月の調整は、仮にリバウンドが無くとも、比較的小幅な調整だったと思います。それでも、今の相場から退出すべきではありません。なぜなら、リスクの大きさを、数字ではなく体で覚える貴重な経験をしたのですから。この経験を大切にすべきです。
私が相場見通しを持とうとするのは、見通し自体を当てることや、儲けるためではあるのですが、それ以上に、資産全体のリスク量をコントロールするため、大きな下げの材料となりかねないリスク・ファクターを把握するため、だと思います。もちろん、狙ったマーケットが上がってくれるなら嬉しいですが、相場はなにが起きるか判りません。正直に言うと、株式に70%も投資するのは怖くて怖くて仕方が無いんです。資産のリスクは13%程度に上昇するでしょう。ですが、今の投資環境を考えると、リスクをある程度高めてもいい局面なのではないかなと思うのです。
2006/07/13のBlog
[ 00:49 ]
[ 欧米 ]
右は、CPIと、「名目」のSP500です。CPI上昇率が高かった70年代には株価は上昇していませんし、概ねCPI上昇率と株価は逆方向に動いています。
私は、米国株は割安だと思っています[金融緩和局面にはPEは上昇する]し、金融面からも上昇する環境が整いつつある[米株とエマージング株に強気な理由 金融面から]と考えています。ですから、今も米株に強気です。ただ、雇用統計が悪化すればすぐにでも株価上昇局面に入るという考えは短絡的だったようです。
今後、半年程度、つまり年内の米国株は神経質な動きをしながら、米国への信認を回復する展開となると考えを訂正します。大きな見方には変更はないのですが。。。
米国への信認とは、インフレ抑制だけではなく、財政赤字の縮小(6月までの累計では05年度比で減少している)、貿易赤字の縮小(5月赤字は市場予想を下回った)、バーナンキとポールソンへの市場の信認、ドル安懸念が薄らぐ、などを含みます。今後、半年程度は、上記の各項目を徐々に確認する展開になるのではないか。
AAについては、米株と中国株(あるいはインド株)の比率を8-9月までに引き上げます。日本株は、今後の利上げを考えるとやはりあまりリターンは高くないのではないか。
株式比率を70%程度に引き上げるつもり。あまり株が上がらなくてジリジリする局面となるのかもしれませんが、腹を据えて待ちます。
私は、米国株は割安だと思っています[金融緩和局面にはPEは上昇する]し、金融面からも上昇する環境が整いつつある[米株とエマージング株に強気な理由 金融面から]と考えています。ですから、今も米株に強気です。ただ、雇用統計が悪化すればすぐにでも株価上昇局面に入るという考えは短絡的だったようです。
今後、半年程度、つまり年内の米国株は神経質な動きをしながら、米国への信認を回復する展開となると考えを訂正します。大きな見方には変更はないのですが。。。
米国への信認とは、インフレ抑制だけではなく、財政赤字の縮小(6月までの累計では05年度比で減少している)、貿易赤字の縮小(5月赤字は市場予想を下回った)、バーナンキとポールソンへの市場の信認、ドル安懸念が薄らぐ、などを含みます。今後、半年程度は、上記の各項目を徐々に確認する展開になるのではないか。
AAについては、米株と中国株(あるいはインド株)の比率を8-9月までに引き上げます。日本株は、今後の利上げを考えるとやはりあまりリターンは高くないのではないか。
株式比率を70%程度に引き上げるつもり。あまり株が上がらなくてジリジリする局面となるのかもしれませんが、腹を据えて待ちます。
[ 00:43 ]
[ 欧米 ]
[関連したBlog]
wha_man3さんの3つのシナリオをぼーっと眺めてました。どのシナリオでも米株はあんまり上がらない。でも、自分でも、米株は暫く上がらない気がする。なんでだろ?と考えていました。
米株が上がらない理由をあれこれ考えて、結論は、インフレだからだ、と。
私は、インフレの影響を軽視していたようです。これまで読んで頂いていた方には、大変、申し訳ないです。
右のグラフは、米国のCPI(前年比、右メモリ)と、実質SP500(対数値、左メモリ、50年1月=1)です。灰色のCPIを見ていただくと、73年の第一次から数えて、今回が4回目の「オイル・ショック」です。インフレの時には、実質株価は冴えません。後で添付しますが、インフレ調整前の”素の”SP500を見ても、インフレのときの株価は上がっていません。逆に、インフレが落ち着いていた50年代後半(ニフティフィフティ)、80年代半ば、そして90年代後半は、株価の急騰が起きました。
インフレのときの(実質)株式リターンが悪いのは、
1. 金融が大幅に引き締められる(金利が上がる)
2. その結果、景気後退となる
3. 上記2点を含めて、経済の不透明感が強まる
からです。
今回も短期金利は引き上げられています。しかし、長期金利は4%から5%に上昇しただけなので、景気後退になる可能性は低いと思っています。90年代以降のディスインフレの効果でインフレ期待も低く抑えられています。ですから、インフレが抑制されていることが確認されれば、株価が上昇に向かう材料が1つ整うと思います。
wha_man3さんの3つのシナリオをぼーっと眺めてました。どのシナリオでも米株はあんまり上がらない。でも、自分でも、米株は暫く上がらない気がする。なんでだろ?と考えていました。
米株が上がらない理由をあれこれ考えて、結論は、インフレだからだ、と。
私は、インフレの影響を軽視していたようです。これまで読んで頂いていた方には、大変、申し訳ないです。
右のグラフは、米国のCPI(前年比、右メモリ)と、実質SP500(対数値、左メモリ、50年1月=1)です。灰色のCPIを見ていただくと、73年の第一次から数えて、今回が4回目の「オイル・ショック」です。インフレの時には、実質株価は冴えません。後で添付しますが、インフレ調整前の”素の”SP500を見ても、インフレのときの株価は上がっていません。逆に、インフレが落ち着いていた50年代後半(ニフティフィフティ)、80年代半ば、そして90年代後半は、株価の急騰が起きました。
インフレのときの(実質)株式リターンが悪いのは、
1. 金融が大幅に引き締められる(金利が上がる)
2. その結果、景気後退となる
3. 上記2点を含めて、経済の不透明感が強まる
からです。
今回も短期金利は引き上げられています。しかし、長期金利は4%から5%に上昇しただけなので、景気後退になる可能性は低いと思っています。90年代以降のディスインフレの効果でインフレ期待も低く抑えられています。ですから、インフレが抑制されていることが確認されれば、株価が上昇に向かう材料が1つ整うと思います。
2006/07/09のBlog
[ 23:30 ]
[ 欧米 ]
前の記事は、自分でも突っ込みどころ満載です。
金融はともかく外国の市場開放に財務長官が権限を持つのか?
財政赤字に取り組むとは言っても、恒久減税を実施したブッシュ政権で増税策は難しかろう、一方で、軍事費削減にはネオコン(の生き残り)からの反発が強かろう、低所得者への補助は既に大幅に削減されていて、これ以上削減すると、クルーグマンがますます政治評論家になってしまうだろう、とか。。。
まあ、それはそうなんですが、優れた戦略家の戦略を予想するということにそもそも無理があるんです。だから、ご勘弁を。
いずれにせよ、為替政策にのみフォーカスを当てるのは間違いだろうと思います。為替政策は重要ではあるのですが、それ以外の戦略的アプローチにこそ注意しておきたい、ということです。
(追加です)
ポールソンに関するwikiの記事で面白かったのは、アメフトの全米学生代表に選ばれているということ、それとエリート組織らしいもの(φBK)に所属していたことですか。なんかもう、文武両道っていうか、バリバリのビジネス・エリートですよね。アメフトの全米代表なんて、それだけでもアメリカ人は一目置いちゃうんじゃないですかね。
写真からもものすごい存在感を感じるし、多分、私とかは彼の前に立っただけですくんじまいますよ、きっと。
これは、ただ者じゃない、何をするつもりか要注意だ、と勘が騒いだ次第です。
金融はともかく外国の市場開放に財務長官が権限を持つのか?
財政赤字に取り組むとは言っても、恒久減税を実施したブッシュ政権で増税策は難しかろう、一方で、軍事費削減にはネオコン(の生き残り)からの反発が強かろう、低所得者への補助は既に大幅に削減されていて、これ以上削減すると、クルーグマンがますます政治評論家になってしまうだろう、とか。。。
まあ、それはそうなんですが、優れた戦略家の戦略を予想するということにそもそも無理があるんです。だから、ご勘弁を。
いずれにせよ、為替政策にのみフォーカスを当てるのは間違いだろうと思います。為替政策は重要ではあるのですが、それ以外の戦略的アプローチにこそ注意しておきたい、ということです。
(追加です)
ポールソンに関するwikiの記事で面白かったのは、アメフトの全米学生代表に選ばれているということ、それとエリート組織らしいもの(φBK)に所属していたことですか。なんかもう、文武両道っていうか、バリバリのビジネス・エリートですよね。アメフトの全米代表なんて、それだけでもアメリカ人は一目置いちゃうんじゃないですかね。
写真からもものすごい存在感を感じるし、多分、私とかは彼の前に立っただけですくんじまいますよ、きっと。
これは、ただ者じゃない、何をするつもりか要注意だ、と勘が騒いだ次第です。
[ 19:30 ]
[ 欧米 ]
米株に強気な最後の理由というか、今、私が注目しているのはポールソンです。とは言っても、私のソースはほとんどEconomistの記事と英語Wikipediaだけで、GSの人から話が聞けたわけでもないんです。だから、これこそただの妄想です
そのキャリアは既にいろいろと伝わっています。ニクソン政権での勤務経験、中国との太いパイプ、政権内外でのGS人脈、環境問題への取り組み。GSのなかで彼は投資銀行部門出身となっていますが、その多くの期間(74-88年)をシカゴで過ごしています。いつNYに移ったのかは分かりませんが、94年にCOOとなり、98年からCEOです。
想像するに、彼はマーケットに近い人間というよりも、マーケティングに近い人間ではないかと。政治的な振る舞いが十分にできる人間だと思うのです。
しかし、彼はGSを投資銀行界でもより突出した存在にし、後任人事で余人を持って代えがたいと評されるほどに、高度に複雑化したGSを把握し率いてきた人間ですから、マーケットへの理解がないはずがない。BRICsという言葉を生み出したのはGSのオニールですが、BRICsも含めて戦略的にGSの事業展開を率いてきたのは彼であり、LTCM後のリスクマネジメントも当然、掌握していたのだと(勝手に)想像するのです。
単に政治的な人間であるだけでなく、彼の強みは、大局観を持ち、戦略的に事業を展開する洞察力と実行力、マネジメント力であり、自らの力量を支えに人を使うのに優れているのではないか。
同じGS出身だったルービンとの比較分析もよく見ますが、私が思うにルービンはより内省的なタイプで、学究肌、その点でグリーンスパンとの相性も良かったのだと思います。しかし、対人能力というか控えめである分、財務長官になる前に2年間NECで政権内の地位を確保する必要があった。その点、ポールソンは国務長官や国防長官と同等の地位を要求したとも伝えられていますが、その政治的な振る舞いと掌握力から、かなり早い段階で政権内の地位を確保するのではないかと思うのです。
彼ほどに功なり財を成した人間が、あえて色々と問題のあるブッシュ政権に入った理由とは、名誉心というよりも国家への使命感ではないかと思うのです。米国の未来をどこに見るか、と言ってもいい。その意味ではルービンにも国家像があったと思うのですが、振り返ってみれば彼の志向する方向性はより国内向きでした。国内経済政策を重視したクリントン政権とも合致する方向性だったと思います。
ポールソンは、GSでのキャリアを考えても、より国際的で、米国の未来を海外市場に見出すのではないか。特に、彼の最も重要なターゲットとなるだろう中国に関しては、中国国内資本市場・金融制度改革、著作権保護、高付加価値化産業へのシフト、それを実現するM&Aビジネスの拡大を求める。通貨水準の変更よりも、中国の市場開放が米国企業にとってプラスであり、同時に中国にとっても必要であることを説得し、win-winの関係であることを強調する。欧州、日本に対してもより開放された金融市場を求める。日本は、軍事的にうまくやっていればよかった過去とは異なり、より経済面での軋轢が増すかもしれません。
国内政策では、「削減が不可能な歳出項目はない」と言っていたらしく、本格的な財政赤字の削減に踏み込むかもしれません。議会委員会での公聴会では、「家計貯蓄率の上昇が必要」と言ってますが、当然、政府部門の貯蓄率の上昇も必要でしょう。10月から始まる会計年度でどの程度の影響力を揮えるかは不明ですが、来年2月の予算教書に注目したいです。来年の米国の対外赤字は、GDP比率で下げ止まりの方向になるのではないかと。
バーナンキとの関係は、良好というか、棲み分けではないでしょうか。バーナンキは国内金融政策専門、ということで。
ポールソンの志向する経済政策は、軍事面ばかり目立ったブッシュ政権の海外志向性に経済的な側面を加え、現在のグローバル化の進む姿を一層推し進めることであり、米国企業にはもちろん、グローバルな企業、特にBRICs諸国にとってもプラスになるのではないかと思うのです。
そのキャリアは既にいろいろと伝わっています。ニクソン政権での勤務経験、中国との太いパイプ、政権内外でのGS人脈、環境問題への取り組み。GSのなかで彼は投資銀行部門出身となっていますが、その多くの期間(74-88年)をシカゴで過ごしています。いつNYに移ったのかは分かりませんが、94年にCOOとなり、98年からCEOです。
想像するに、彼はマーケットに近い人間というよりも、マーケティングに近い人間ではないかと。政治的な振る舞いが十分にできる人間だと思うのです。
しかし、彼はGSを投資銀行界でもより突出した存在にし、後任人事で余人を持って代えがたいと評されるほどに、高度に複雑化したGSを把握し率いてきた人間ですから、マーケットへの理解がないはずがない。BRICsという言葉を生み出したのはGSのオニールですが、BRICsも含めて戦略的にGSの事業展開を率いてきたのは彼であり、LTCM後のリスクマネジメントも当然、掌握していたのだと(勝手に)想像するのです。
単に政治的な人間であるだけでなく、彼の強みは、大局観を持ち、戦略的に事業を展開する洞察力と実行力、マネジメント力であり、自らの力量を支えに人を使うのに優れているのではないか。
同じGS出身だったルービンとの比較分析もよく見ますが、私が思うにルービンはより内省的なタイプで、学究肌、その点でグリーンスパンとの相性も良かったのだと思います。しかし、対人能力というか控えめである分、財務長官になる前に2年間NECで政権内の地位を確保する必要があった。その点、ポールソンは国務長官や国防長官と同等の地位を要求したとも伝えられていますが、その政治的な振る舞いと掌握力から、かなり早い段階で政権内の地位を確保するのではないかと思うのです。
彼ほどに功なり財を成した人間が、あえて色々と問題のあるブッシュ政権に入った理由とは、名誉心というよりも国家への使命感ではないかと思うのです。米国の未来をどこに見るか、と言ってもいい。その意味ではルービンにも国家像があったと思うのですが、振り返ってみれば彼の志向する方向性はより国内向きでした。国内経済政策を重視したクリントン政権とも合致する方向性だったと思います。
ポールソンは、GSでのキャリアを考えても、より国際的で、米国の未来を海外市場に見出すのではないか。特に、彼の最も重要なターゲットとなるだろう中国に関しては、中国国内資本市場・金融制度改革、著作権保護、高付加価値化産業へのシフト、それを実現するM&Aビジネスの拡大を求める。通貨水準の変更よりも、中国の市場開放が米国企業にとってプラスであり、同時に中国にとっても必要であることを説得し、win-winの関係であることを強調する。欧州、日本に対してもより開放された金融市場を求める。日本は、軍事的にうまくやっていればよかった過去とは異なり、より経済面での軋轢が増すかもしれません。
国内政策では、「削減が不可能な歳出項目はない」と言っていたらしく、本格的な財政赤字の削減に踏み込むかもしれません。議会委員会での公聴会では、「家計貯蓄率の上昇が必要」と言ってますが、当然、政府部門の貯蓄率の上昇も必要でしょう。10月から始まる会計年度でどの程度の影響力を揮えるかは不明ですが、来年2月の予算教書に注目したいです。来年の米国の対外赤字は、GDP比率で下げ止まりの方向になるのではないかと。
バーナンキとの関係は、良好というか、棲み分けではないでしょうか。バーナンキは国内金融政策専門、ということで。
ポールソンの志向する経済政策は、軍事面ばかり目立ったブッシュ政権の海外志向性に経済的な側面を加え、現在のグローバル化の進む姿を一層推し進めることであり、米国企業にはもちろん、グローバルな企業、特にBRICs諸国にとってもプラスになるのではないかと思うのです。
2006/07/08のBlog
[ 22:42 ]
[ 欧米 ]
最適化によってリスク需要が高まるというのは、私の大きな誤解・妄想かもしれません。投資理論に関する基本的な誤解をすることがあるので。。。
銀行(金融機関)が自己資本の一定倍率しかリスク資産を抱えない状況よりも、細分化された無数の最終投資家が証券化・ベンチマーク化・分散されたポートフォリオを持つようになるほうが、グローバルなリスク許容度を高めると思うんですよね。
そして私の頭の中での、今の国際金融のイメージは、リスク志向という海面の潮位が徐々に高まり、大きな津波となってリスク資産の海辺に押し寄せる姿なんです。こういうときには、よりリスクの高い資産の海岸に向かう波の先頭でサーフしなければならない。なぜなら、波の先端で起きることはかならず他の海辺でも起きるからです。
その波とはエマージング株式であり、スプレッド商品だと思っています。個人投資家だから情報に限りはありますが、踏み上げ太郎さんの記事はとても参考になるし、CDXやiTraxx(https://www.markit.com/markit.jsp?jsppage=indices.jsp)はチェックしておきたい。エマージングを知らずして、日本株にもReitにも投資することはできない、と思います。
一方で、投資の世界ではMAD(相互確証破壊)というか、細分化された無数の投資家が少しずつリスクを引き受けるようになっているので、大手HFの破綻が金融システムを脅かすリスクは少なくなっているけれども、万一のことがおきたときのインパクトはかつて無いほどに高まっているのかもしれません。
クレジット・デリバティブのようなカウンター・パーティー・リスクの高い商品も増えている。だから、GSやMSのような欧米投資銀行の株価も常にチェックしておきたい。金融システムになにか不測の事態が起きるならば、これら投資銀行も無事ではすまないでしょう。4-6月に限れば、相場調整にもかかわらず、投資銀行は素晴らしい決算を発表しているようですので、金融システムは無事だったのではないかと思います。
この点は、米国株(とエマージング株)に強気なもう1つの理由に続くのですが、それは後日に。
銀行(金融機関)が自己資本の一定倍率しかリスク資産を抱えない状況よりも、細分化された無数の最終投資家が証券化・ベンチマーク化・分散されたポートフォリオを持つようになるほうが、グローバルなリスク許容度を高めると思うんですよね。
そして私の頭の中での、今の国際金融のイメージは、リスク志向という海面の潮位が徐々に高まり、大きな津波となってリスク資産の海辺に押し寄せる姿なんです。こういうときには、よりリスクの高い資産の海岸に向かう波の先頭でサーフしなければならない。なぜなら、波の先端で起きることはかならず他の海辺でも起きるからです。
その波とはエマージング株式であり、スプレッド商品だと思っています。個人投資家だから情報に限りはありますが、踏み上げ太郎さんの記事はとても参考になるし、CDXやiTraxx(https://www.markit.com/markit.jsp?jsppage=indices.jsp)はチェックしておきたい。エマージングを知らずして、日本株にもReitにも投資することはできない、と思います。
一方で、投資の世界ではMAD(相互確証破壊)というか、細分化された無数の投資家が少しずつリスクを引き受けるようになっているので、大手HFの破綻が金融システムを脅かすリスクは少なくなっているけれども、万一のことがおきたときのインパクトはかつて無いほどに高まっているのかもしれません。
クレジット・デリバティブのようなカウンター・パーティー・リスクの高い商品も増えている。だから、GSやMSのような欧米投資銀行の株価も常にチェックしておきたい。金融システムになにか不測の事態が起きるならば、これら投資銀行も無事ではすまないでしょう。4-6月に限れば、相場調整にもかかわらず、投資銀行は素晴らしい決算を発表しているようですので、金融システムは無事だったのではないかと思います。
この点は、米国株(とエマージング株)に強気なもう1つの理由に続くのですが、それは後日に。
[ 19:42 ]
[ 欧米 ]
中国の設備投資に関する記事にも書いたところですが、5月の相場調整の際に、経済ファンダメンタルズがしっかりしている国のパフォーマンスが相対的に優れ、また、スプレッド市場の調整が比較的少なかったこととも整合的です。世界の投資家は、成長期待の強い市場、スプレッドの厚い市場への選好を一層強めていると私は見ています。
しかし、02年からのEMG債券のスプレッドは、同一格付けの米社債を下回るにまで縮小し、理論的水準を下回るほどになっています(下のIMFレポートを参照)。私は商品市場の適正水準は分かりかねますが、これまでの価格上昇から、今後の商品市場への投資はリスク・リワードの観点からはあまり魅力的ではなくなってきていると思います(同、p.11)。
つまり、単純にスプレッドの厚い市場はなくなり、アルファを得ることがますます難しくなっているのです。
PIMCOのビル・グロースも、このレポートで「債券投資は十分に魅力的ではなくなった。スプレッドは非合理的に縮小し、今では現金で持っていたほうがましだ」と言っています。
[PIMCO Investment Outlook, 2006年4月]
リスクへのニーズは高まっているのに、適当な投資対象は少なくなっている、それが今の金融市場の状況だと思うのです。その場合、何が起きるか?
可能性の1つは、より優秀な専門家、HFへの運用委託が激化することです。これは既におきています。Positive gammaさんの記事にもあるとおり、HFのロック・アップは延長され、手数料は高騰している。優れた専門家へのアクセスはますます難しくなっている。
そして、IMFレポートのp.11にあるとおり、あるいは前の記事で指摘したとおり、株式の割安性に注目が集まるのではなかろうか、と言う訳です。そのためには、1.年金基金の資産配分に変化が見られる、2.SOX法などの過剰な規制が緩和される、などの前提条件が必要かもしれませんが、米国株の割安性と、以上述べた国際金融市場の動向を合わせて考えると、米国株、そしてエマージング株式の今後の期待リターンは非常に高いのではなかろうか、と思う次第です。
ここまで来るのに、えらく手間がかかりました。お読みいただいた方、ありがとうございます。
[Global Financial Stability Report, Capter 1]
p.5-6 商業銀行を初めとする金融機関のリスク量の低下
p.11 欧米株、EMG株、EMG債券、商品のリスク・プレミアムの推移
p.25 米社債とEMG債券の同一格付け債券のスプレッド比較
p.30-31 EMG債券スプレッドの理論値と現実値の乖離
しかし、02年からのEMG債券のスプレッドは、同一格付けの米社債を下回るにまで縮小し、理論的水準を下回るほどになっています(下のIMFレポートを参照)。私は商品市場の適正水準は分かりかねますが、これまでの価格上昇から、今後の商品市場への投資はリスク・リワードの観点からはあまり魅力的ではなくなってきていると思います(同、p.11)。
つまり、単純にスプレッドの厚い市場はなくなり、アルファを得ることがますます難しくなっているのです。
PIMCOのビル・グロースも、このレポートで「債券投資は十分に魅力的ではなくなった。スプレッドは非合理的に縮小し、今では現金で持っていたほうがましだ」と言っています。
[PIMCO Investment Outlook, 2006年4月]
リスクへのニーズは高まっているのに、適当な投資対象は少なくなっている、それが今の金融市場の状況だと思うのです。その場合、何が起きるか?
可能性の1つは、より優秀な専門家、HFへの運用委託が激化することです。これは既におきています。Positive gammaさんの記事にもあるとおり、HFのロック・アップは延長され、手数料は高騰している。優れた専門家へのアクセスはますます難しくなっている。
そして、IMFレポートのp.11にあるとおり、あるいは前の記事で指摘したとおり、株式の割安性に注目が集まるのではなかろうか、と言う訳です。そのためには、1.年金基金の資産配分に変化が見られる、2.SOX法などの過剰な規制が緩和される、などの前提条件が必要かもしれませんが、米国株の割安性と、以上述べた国際金融市場の動向を合わせて考えると、米国株、そしてエマージング株式の今後の期待リターンは非常に高いのではなかろうか、と思う次第です。
ここまで来るのに、えらく手間がかかりました。お読みいただいた方、ありがとうございます。
[Global Financial Stability Report, Capter 1]
p.5-6 商業銀行を初めとする金融機関のリスク量の低下
p.11 欧米株、EMG株、EMG債券、商品のリスク・プレミアムの推移
p.25 米社債とEMG債券の同一格付け債券のスプレッド比較
p.30-31 EMG債券スプレッドの理論値と現実値の乖離
[ 19:04 ]
[ 欧米 ]
米国株と、それ以上にエマージング株式に強気な理由があと2つあるんです。
その1つは「グローバルな過剰流動性はまだ発生していない」というタイトルで書こうと思っていたんですが、wha_man3さんの「商品市場はバブル」宣言で、ちょっと揺らぎましたw
ですが、話をしてみます。
5月の相場調整の理由に「過剰流動性の解消」を上げるレポートが少なくないようですが、「過剰」というほどに非合理的な、ユーフォリアを起こしていたマーケットは少ないと思うんです。例えば中東とか、一部の商品(天然ガスなど)は確かに非合理的な期待が見られたと思います。中国国内では未だに過剰流動性が膨らんでいます。
しかし、日本のバブルや米国のニュー・エコノミーのような巨大な市場が、青天井に上昇する、そういう巨大なバブルは「まだ」発生していない、と考えます。バブルとか過剰流動性というよりも、5月の調整前でも、調整後の現在でも、市場は合理的な水準にある。
今の金融市場は、金融のグローバル化に伴う、世界的なリスク選好(需要)の拡大局面にあると考えます。
このような状況に至った要因は複合的で、項目を羅列すると以下の通り。
1. BIS規制の強化
2. 証券化
3. ヘッジファンドの拡大
4. リスクの最終投資家への転嫁
5. ベンチマーク化・市場流動性の拡大
6. 投資信託
文章で書くと、
BIS規制の強化で銀行の必要資本量が高まった反面、銀行は個別リスクを独自に取りにくくなった。そのため、銀行は証券化により資産のオフバランス化を進め、モーゲージ、リート、ABS、デリバティブなどの形で、リスクを、最初はヘッジ・ファンド、次いで年金基金・個人投資家などの最終投資家に転嫁した。同時に、ベンチマーク運用が浸透し、株式・債券の周辺市場(エマージング株式・スプレッド商品)に投資対象が拡大した。年金基金の投資対象が拡大することで市場の流動性が増し、投資信託などの形で個人投資家にも浸透した。以上の流れが相互に影響しあいながら、グローバルな投資資金ポートフォリオの最適化が進み、地球全体でのリスク許容度、リスクへのニーズが高まった。
現在は、以上のプロセスが進展しつつある途上であり、今後も拡大していくと思います。具体的な例を挙げれば、エマージング市場では社債発行が増加してソブリン発行を上回りつつあり、モーゲージ・リート市場は日本、欧州、アジアでは未だ黎明期です。iTraxxを対象にしたクレジット・デリバティブはようやく流動性を出しつつある状況ですし、欧州での社債のベンチマーク運用(iBoxx)やアジアでの債券のベンチマーク化はようやく始まったばかりです。
ですから、グローバルな投資ポートフォリオは最適化が進み、その分、グローバルなリスク選好(需要)はこれからも高まる、と考えます。
その1つは「グローバルな過剰流動性はまだ発生していない」というタイトルで書こうと思っていたんですが、wha_man3さんの「商品市場はバブル」宣言で、ちょっと揺らぎましたw
ですが、話をしてみます。
5月の相場調整の理由に「過剰流動性の解消」を上げるレポートが少なくないようですが、「過剰」というほどに非合理的な、ユーフォリアを起こしていたマーケットは少ないと思うんです。例えば中東とか、一部の商品(天然ガスなど)は確かに非合理的な期待が見られたと思います。中国国内では未だに過剰流動性が膨らんでいます。
しかし、日本のバブルや米国のニュー・エコノミーのような巨大な市場が、青天井に上昇する、そういう巨大なバブルは「まだ」発生していない、と考えます。バブルとか過剰流動性というよりも、5月の調整前でも、調整後の現在でも、市場は合理的な水準にある。
今の金融市場は、金融のグローバル化に伴う、世界的なリスク選好(需要)の拡大局面にあると考えます。
このような状況に至った要因は複合的で、項目を羅列すると以下の通り。
1. BIS規制の強化
2. 証券化
3. ヘッジファンドの拡大
4. リスクの最終投資家への転嫁
5. ベンチマーク化・市場流動性の拡大
6. 投資信託
文章で書くと、
BIS規制の強化で銀行の必要資本量が高まった反面、銀行は個別リスクを独自に取りにくくなった。そのため、銀行は証券化により資産のオフバランス化を進め、モーゲージ、リート、ABS、デリバティブなどの形で、リスクを、最初はヘッジ・ファンド、次いで年金基金・個人投資家などの最終投資家に転嫁した。同時に、ベンチマーク運用が浸透し、株式・債券の周辺市場(エマージング株式・スプレッド商品)に投資対象が拡大した。年金基金の投資対象が拡大することで市場の流動性が増し、投資信託などの形で個人投資家にも浸透した。以上の流れが相互に影響しあいながら、グローバルな投資資金ポートフォリオの最適化が進み、地球全体でのリスク許容度、リスクへのニーズが高まった。
現在は、以上のプロセスが進展しつつある途上であり、今後も拡大していくと思います。具体的な例を挙げれば、エマージング市場では社債発行が増加してソブリン発行を上回りつつあり、モーゲージ・リート市場は日本、欧州、アジアでは未だ黎明期です。iTraxxを対象にしたクレジット・デリバティブはようやく流動性を出しつつある状況ですし、欧州での社債のベンチマーク運用(iBoxx)やアジアでの債券のベンチマーク化はようやく始まったばかりです。
ですから、グローバルな投資ポートフォリオは最適化が進み、その分、グローバルなリスク選好(需要)はこれからも高まる、と考えます。
[ 00:37 ]
[ 欧米 ]
現在の米国株式は非常に割安な水準にあると思います。
右のグラフは米国S&P500の、予想EPと10年債券利回りを比較したものです。両者の差をイールドスプレッド(YS)とすると、YSは過去20年のなかで最も拡大しています。私は正確な長期データを持っていないのですが、現在と匹敵するほどにYSが拡大したのは恐らく1950-1960年代なのではないでしょうか。
これほどYSが拡大したのは、「ニューエコノミー」が崩壊し、「株式リスクプレミアムが低すぎるのではないか」との懸念が強まったことが背景にあると思います。また、現在の米国投資家のセンチメントが悪化していることも、影響しているでしょう。
何かきっかけがあれば、株式の割安性に再び注目があつまると思っています。そして、そのきっかけはFEDの金融緩和(期待)ではないかと考えているのです。
金融緩和局面ではEPが低下する=PEが上昇することはよくあることです。なぜなら、利益が大きく落ち込むからです。実際に90-91年には利益が減少し、PEが押し上げられた面はあります。しかし、95年の減速時には増益ペースは鈍化したものの、減益とはなっていないのです。(そのときに、企業収益を下支えした要因のひとつが速やかな雇用調整でした)。95年から始まる株価上昇は、増益とPE倍率の上昇の両面で引き起こされました。
仮に、現在のYSが2%縮小すると、PEは14.5倍(EP=7%)から20倍(EP=5%)に+38%上昇します。これに増益率が上乗せされるので、2年後の株価は今の1.5倍になってもおかしくはない、と考えているのです。
強気すぎますか?
95年のときとは違う点、それはエマージング・ブームでしょう。wha_man3さんや踏み上げ太郎さんが度々指摘していらっしゃるように、グローバルな資源の最適化が進んでいると見るならば、経済成長の恩恵はエマージング市場にこそ集中的に発生するでしょう。今回、米国株式の見直しが進むと考えるならば、それ以上の恩恵をエマージング市場が受ける、と考えるのは不思議ではありません。
世界の流動性の源泉が米国であるならば、あるいは、世界の投資マネーの源泉が米国であるならば、米国株の上昇は世界の投資家のセンチメントを著しく改善すると思うのです。
右のグラフは米国S&P500の、予想EPと10年債券利回りを比較したものです。両者の差をイールドスプレッド(YS)とすると、YSは過去20年のなかで最も拡大しています。私は正確な長期データを持っていないのですが、現在と匹敵するほどにYSが拡大したのは恐らく1950-1960年代なのではないでしょうか。
これほどYSが拡大したのは、「ニューエコノミー」が崩壊し、「株式リスクプレミアムが低すぎるのではないか」との懸念が強まったことが背景にあると思います。また、現在の米国投資家のセンチメントが悪化していることも、影響しているでしょう。
何かきっかけがあれば、株式の割安性に再び注目があつまると思っています。そして、そのきっかけはFEDの金融緩和(期待)ではないかと考えているのです。
金融緩和局面ではEPが低下する=PEが上昇することはよくあることです。なぜなら、利益が大きく落ち込むからです。実際に90-91年には利益が減少し、PEが押し上げられた面はあります。しかし、95年の減速時には増益ペースは鈍化したものの、減益とはなっていないのです。(そのときに、企業収益を下支えした要因のひとつが速やかな雇用調整でした)。95年から始まる株価上昇は、増益とPE倍率の上昇の両面で引き起こされました。
仮に、現在のYSが2%縮小すると、PEは14.5倍(EP=7%)から20倍(EP=5%)に+38%上昇します。これに増益率が上乗せされるので、2年後の株価は今の1.5倍になってもおかしくはない、と考えているのです。
強気すぎますか?
95年のときとは違う点、それはエマージング・ブームでしょう。wha_man3さんや踏み上げ太郎さんが度々指摘していらっしゃるように、グローバルな資源の最適化が進んでいると見るならば、経済成長の恩恵はエマージング市場にこそ集中的に発生するでしょう。今回、米国株式の見直しが進むと考えるならば、それ以上の恩恵をエマージング市場が受ける、と考えるのは不思議ではありません。
世界の流動性の源泉が米国であるならば、あるいは、世界の投資マネーの源泉が米国であるならば、米国株の上昇は世界の投資家のセンチメントを著しく改善すると思うのです。