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2008/08/07のBlog
[ 01:12 ]
[ 欧米 ]
MarketWatch: [Morgan Stanley to analyze Fannie, Freddie reforms]
WSJ: [Treasury Hires Morgan Stanley For Advice on Fannie, Freddie]
ブッシュの任期限定でMSを採用。対価はコスト相当の9.5万ドルのみ。
コメントはありません。てか、わけわかりません。
WSJによれば、このMSとは別に、アトランタ連銀のエコノミストW. Scott Frame氏が財務省内部のアドバイザーとして一時的に就任とか。今週火曜から。
同氏のアトランタ連銀での紹介。FNM、FREのみならずFHLBについても分析している模様。
Atlanta Fed: [Research Economist - W. Scott Frame]
正直、既に僕の手には負えない領域ですが、、、関心のある方はご覧くださいませ。
WSJ: [Treasury Hires Morgan Stanley For Advice on Fannie, Freddie]
ブッシュの任期限定でMSを採用。対価はコスト相当の9.5万ドルのみ。
コメントはありません。てか、わけわかりません。
WSJによれば、このMSとは別に、アトランタ連銀のエコノミストW. Scott Frame氏が財務省内部のアドバイザーとして一時的に就任とか。今週火曜から。
同氏のアトランタ連銀での紹介。FNM、FREのみならずFHLBについても分析している模様。
Atlanta Fed: [Research Economist - W. Scott Frame]
正直、既に僕の手には負えない領域ですが、、、関心のある方はご覧くださいませ。
2008/08/05のBlog
[ 06:41 ]
[ 欧米 ]
いろいろ宿題を抱えている気がしますが、、、
いまさら、[MBI]と[ABK]が急騰していることに気づいたのですよ。
どうやら、AmbacがCitiと契約していたCDO14億ドルの保証のキャンセル料として8.5億ドルを支払い、また、同様のキャンセル料としてMerrillに5億ドル支払で合意したとの報道が理由のようです。
[Ambac settlement sparks debt insurer rally]
それで、こっからちょー幼稚な妄想ですが、これは、、、奉加帳?
FNMの10-Kによると、サードパーティによるCredit Enhancementが2007年末で1908億ドルあるらしい(p137以下)。
内訳はモーゲージ保証が1041億ドル(うちAA以上が600億ドル)、レンダー・リコースが437億ドル、金融保証が118億ドルなど。
カウンターパーティの詳細がディスクロされてないのが残念ですが、当然MBIやABKも含まれているだろうし、[MTG]や[GNW]などのモーゲージ保証会社も含まれているでしょう。
んで、これらモノラインやモーゲージ保証会社が飛んだら、FNM、FREだけでなくFHLBも打撃を受ける。FHLBも取引してますからね。
だ・か・ら、、、実態よりも低いキャンセル料で手を打ったと。。。
モノラインを生かすためにw
アハw、妄想か?
でも、もしそーなら、今後、エラそうに日本の金融制度に口出ししないで欲しいもんだ。
いまさら、[MBI]と[ABK]が急騰していることに気づいたのですよ。
どうやら、AmbacがCitiと契約していたCDO14億ドルの保証のキャンセル料として8.5億ドルを支払い、また、同様のキャンセル料としてMerrillに5億ドル支払で合意したとの報道が理由のようです。
[Ambac settlement sparks debt insurer rally]
それで、こっからちょー幼稚な妄想ですが、これは、、、奉加帳?
FNMの10-Kによると、サードパーティによるCredit Enhancementが2007年末で1908億ドルあるらしい(p137以下)。
内訳はモーゲージ保証が1041億ドル(うちAA以上が600億ドル)、レンダー・リコースが437億ドル、金融保証が118億ドルなど。
カウンターパーティの詳細がディスクロされてないのが残念ですが、当然MBIやABKも含まれているだろうし、[MTG]や[GNW]などのモーゲージ保証会社も含まれているでしょう。
んで、これらモノラインやモーゲージ保証会社が飛んだら、FNM、FREだけでなくFHLBも打撃を受ける。FHLBも取引してますからね。
だ・か・ら、、、実態よりも低いキャンセル料で手を打ったと。。。
モノラインを生かすためにw
アハw、妄想か?
でも、もしそーなら、今後、エラそうに日本の金融制度に口出ししないで欲しいもんだ。
2008/07/29のBlog
[ 22:39 ]
[ 日本の経済・相場 ]
いまさら、利下げを求めるのも恥ずかしい気がしますが。
株価が下げると利下げを求める”利下げ乞食”などと思われても仕方ありませんかね。
6月の短観から日銀の姿勢に明確な変化が起きることを”期待”してたのですが、一向に変化がありません。ダウンサイド・リスクを重視しているのはわかりますがね、様子見をするだけ。
これじゃぁ福井前総裁と大差ありません。
みずほ総研: [今回の交易条件悪化局面の特徴と経済への影響について]
シニアエコノミストの泰松真也さんは存じ上げませんが、鋭い分析をしていらっしゃいます。これも。
みずほ総研: [「好循環メカニズム」の所得分配面からの検証]
輸入価格の上昇が、GDPデフレーターと内需デフレーターに及ぼしている影響をおもに分析していらっしゃいますが、要は前2回のオイルショックと比較して、今回は価格転嫁が進んでいない、それゆえに企業部門と家計の所得が圧迫されてきた。
すなわち、「好循環メカニズム」なんぞはそもそも存在していなかった、ということでしょう。
04-07年度末までの価格転嫁率が15%程度でしかないと推計されることから、先行きは価格転嫁が進むと同時に賃金抑制が進む。家計は、名目所得の伸び悩みと物価上昇によるダブルパンチで、実質購買力はさらに低下していく。また、法人企業統計を見るまでもなく、企業収益・CFの鈍化は設備投資の減少に繋がる。
外需についても、これまでの交易損失を上回る実質輸出数量の伸びは期待し難い。
「悪循環メカニズム」が見えている、ということですかね。
みずほ総研さんが言っている通り、「パイの拡大」策が必要ですよ。
金融政策の面からは、利下げ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
株価が下げると利下げを求める”利下げ乞食”などと思われても仕方ありませんかね。
6月の短観から日銀の姿勢に明確な変化が起きることを”期待”してたのですが、一向に変化がありません。ダウンサイド・リスクを重視しているのはわかりますがね、様子見をするだけ。
これじゃぁ福井前総裁と大差ありません。
みずほ総研: [今回の交易条件悪化局面の特徴と経済への影響について]
シニアエコノミストの泰松真也さんは存じ上げませんが、鋭い分析をしていらっしゃいます。これも。
みずほ総研: [「好循環メカニズム」の所得分配面からの検証]
輸入価格の上昇が、GDPデフレーターと内需デフレーターに及ぼしている影響をおもに分析していらっしゃいますが、要は前2回のオイルショックと比較して、今回は価格転嫁が進んでいない、それゆえに企業部門と家計の所得が圧迫されてきた。
すなわち、「好循環メカニズム」なんぞはそもそも存在していなかった、ということでしょう。
04-07年度末までの価格転嫁率が15%程度でしかないと推計されることから、先行きは価格転嫁が進むと同時に賃金抑制が進む。家計は、名目所得の伸び悩みと物価上昇によるダブルパンチで、実質購買力はさらに低下していく。また、法人企業統計を見るまでもなく、企業収益・CFの鈍化は設備投資の減少に繋がる。
外需についても、これまでの交易損失を上回る実質輸出数量の伸びは期待し難い。
「悪循環メカニズム」が見えている、ということですかね。
みずほ総研さんが言っている通り、「パイの拡大」策が必要ですよ。
金融政策の面からは、利下げ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
資金需要判断(主要銀行貸出動向アンケート調査2008年7月)は、特に企業部門の需要が急低下している。
とても、「金融環境は緩和的」などと言ってられる状況じゃない。
そして、失業率、有効求人倍率を見れば、労働需給が悪化していることは明らか。
みずほ総研さんの分析からも、企業が人件費抑制にさらに取り組むだろう事が予想される。
雇用はおろか、賃金にもダウンサイド・リスクがある。
賃金と物価のスパイラル的上昇なんて、”あり得ない”。
それどころか、より高い(名目)賃金の上昇こそが必要なのだ。
価格転嫁が難しいこと、賃金上昇率が低いこと(労働生産性上昇率を下回っていること)は、デフレの影響が根強く、そして、未だに労働需給は供給超過にあることを反映しているんじゃないか?
そのため、今回の輸入インフレの影響が、物価上昇(価格転嫁)に向かわずに内需低迷、国内デフレの進行に繋がっている。
CPIが2%?
GDPデフレーターは▲1.5%、内需デフレーターは0.5%でしかない。
その差は何か?
かなりざっくりと言えば、所得環境の悪化、雇用環境の悪化だ、ということですね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「機動的な金融政策」なんて言うなら、速やかに利下げするべきだろう。
ただの評論家なら、実務に携わるべきじゃない。
とても、「金融環境は緩和的」などと言ってられる状況じゃない。
そして、失業率、有効求人倍率を見れば、労働需給が悪化していることは明らか。
みずほ総研さんの分析からも、企業が人件費抑制にさらに取り組むだろう事が予想される。
雇用はおろか、賃金にもダウンサイド・リスクがある。
賃金と物価のスパイラル的上昇なんて、”あり得ない”。
それどころか、より高い(名目)賃金の上昇こそが必要なのだ。
価格転嫁が難しいこと、賃金上昇率が低いこと(労働生産性上昇率を下回っていること)は、デフレの影響が根強く、そして、未だに労働需給は供給超過にあることを反映しているんじゃないか?
そのため、今回の輸入インフレの影響が、物価上昇(価格転嫁)に向かわずに内需低迷、国内デフレの進行に繋がっている。
CPIが2%?
GDPデフレーターは▲1.5%、内需デフレーターは0.5%でしかない。
その差は何か?
かなりざっくりと言えば、所得環境の悪化、雇用環境の悪化だ、ということですね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「機動的な金融政策」なんて言うなら、速やかに利下げするべきだろう。
ただの評論家なら、実務に携わるべきじゃない。
2008/07/28のBlog
[ 01:20 ]
[ 欧米 ]
資料だけです。
2007年末のFHLBのAdvance(担保貸付)の銀行別、内訳。
上位3-10行、Milドルとシェア。
増加額は、2006年末比。ただし、Boston、Cincinnati、Dallasの3つは前年データをとってませんので、増加額はありません。
個別行では、前年のデータがわからない場合の増加額はN/Aとしてます。
TOP5の合計は灰色のセル。
SF、Seattle、Pittsburghでの集中度が高い。
特にSF、SeattleはWMの影響が不可避。
WBはDallas、SFの2つのFHLBで資金調達。
BACはBoston、Seattleのほかに、ChicagoのLasalle Bank もBAC子会社。あ、CFCもかw
NCCはCincinnatiから調達。
2007年末のFHLBのAdvance(担保貸付)の銀行別、内訳。
上位3-10行、Milドルとシェア。
増加額は、2006年末比。ただし、Boston、Cincinnati、Dallasの3つは前年データをとってませんので、増加額はありません。
個別行では、前年のデータがわからない場合の増加額はN/Aとしてます。
TOP5の合計は灰色のセル。
SF、Seattle、Pittsburghでの集中度が高い。
特にSF、SeattleはWMの影響が不可避。
WBはDallas、SFの2つのFHLBで資金調達。
BACはBoston、Seattleのほかに、ChicagoのLasalle Bank もBAC子会社。あ、CFCもかw
NCCはCincinnatiから調達。
2008/07/27のBlog
[ 22:33 ]
[ 欧米 ]
米上院がGSEを事実上救済する法案を可決。週明け早々にも大統領署名を得る運びに。
ぜひ、吉行誠さんの記事をご覧ください。今回のGSE救済に至った背景と、この救済法案に関する考察です。
[consumersな憂鬱:"GSE救済は、GSEの債務超過というより、WaMuとFDICの破綻回避か"]
吉行さんの記事によれば、重要な条項はセクション1117だそうで、これ以外は読んでませんw
[H.R. 3221.EAH2](←下院修正案。最終案ではないかもしれません・・・)
日本の新聞はもちろん、WSJやNYTですらFNM、FREしか触れていませんが、FHLBもまた重要な対象です。
FNMとFREに関する条文はほぼ同じですが、この2つに関する証券の記述が” any obligations and other securities”であるのに対して、FHLBでは”any obligations”となっているので、吉行さんご指摘の通り、FHLBの株式購入(資本注入)はできません。
"The need to maintain the corporation's status as a private shareholder-owned company."民間保有の株式会社としての地位を維持する、ってのも政治的配慮でしょうね。GSEの株価はどういう反応をするんでしょう?
同時に政府債務上限を現行の9.8兆ドルから10.6兆ドルに800億ドル増やしましたので、最大、この範囲で国債発行で得たカネでGSEの株式、債券、MBS、その他もろもろの証券を購入できます。現行法案では2009年末までの時限立法ですが、延長される可能性は高いでしょうね。
しかし、、、ポールソンの力技すげーーー!あほな上司と火事場泥棒のような議員w連中を見事に切り盛りしやがった。
実際の証券購入、資本投入が来年になるとしても、現政権としての最低限の責務は果たしましたよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
振り返ってみれば、1年前の8月危機からひそかにサブプラ関連の不良債権への公的資金投入は、実質的に続いていた。FHLBのAdvanceを使って。FEDのオペ拡充やBSC買収に伴う資金投入なんて比較にならない規模で。
また、FNMやFREも民間銀行の不良債権を吸い上げてきた(らしい)。
これら不良債権の塊を、今回、一括して政府部門に移転する道筋ができちまった。
見事な裏ルートwww
FHLBも対象に含めたことで、FDICに災禍を及ぼして民間銀行の預金準備負担を急激に高めるリスクもとりあえず低下した。
今後は、WMやWB、その他キケーンな銀行を順次破たんさせ、その処理過程で、FHLBがこそーりと損失処理。まんいちFHLBが資金不足に陥った場合には財務省が個別FHLBの債券を購入して手当てする。その過程は、あとで議会に報告される。。。という感じでしょうかね?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ご関心のある方は、以前の記事のコメント欄でのやり取りもご覧ください。
なによりも、吉行さんの一連のエントリーと、各Blogでのコメントも。
本件に関する、吉行さんの精力的な分析と問題提起に心からの感謝と敬意を感じます。
ぜひ、吉行誠さんの記事をご覧ください。今回のGSE救済に至った背景と、この救済法案に関する考察です。
[consumersな憂鬱:"GSE救済は、GSEの債務超過というより、WaMuとFDICの破綻回避か"]
吉行さんの記事によれば、重要な条項はセクション1117だそうで、これ以外は読んでませんw
[H.R. 3221.EAH2](←下院修正案。最終案ではないかもしれません・・・)
日本の新聞はもちろん、WSJやNYTですらFNM、FREしか触れていませんが、FHLBもまた重要な対象です。
FNMとFREに関する条文はほぼ同じですが、この2つに関する証券の記述が” any obligations and other securities”であるのに対して、FHLBでは”any obligations”となっているので、吉行さんご指摘の通り、FHLBの株式購入(資本注入)はできません。
"The need to maintain the corporation's status as a private shareholder-owned company."民間保有の株式会社としての地位を維持する、ってのも政治的配慮でしょうね。GSEの株価はどういう反応をするんでしょう?
同時に政府債務上限を現行の9.8兆ドルから10.6兆ドルに800億ドル増やしましたので、最大、この範囲で国債発行で得たカネでGSEの株式、債券、MBS、その他もろもろの証券を購入できます。現行法案では2009年末までの時限立法ですが、延長される可能性は高いでしょうね。
しかし、、、ポールソンの力技すげーーー!あほな上司と火事場泥棒のような議員w連中を見事に切り盛りしやがった。
実際の証券購入、資本投入が来年になるとしても、現政権としての最低限の責務は果たしましたよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
振り返ってみれば、1年前の8月危機からひそかにサブプラ関連の不良債権への公的資金投入は、実質的に続いていた。FHLBのAdvanceを使って。FEDのオペ拡充やBSC買収に伴う資金投入なんて比較にならない規模で。
また、FNMやFREも民間銀行の不良債権を吸い上げてきた(らしい)。
これら不良債権の塊を、今回、一括して政府部門に移転する道筋ができちまった。
見事な裏ルートwww
FHLBも対象に含めたことで、FDICに災禍を及ぼして民間銀行の預金準備負担を急激に高めるリスクもとりあえず低下した。
今後は、WMやWB、その他キケーンな銀行を順次破たんさせ、その処理過程で、FHLBがこそーりと損失処理。まんいちFHLBが資金不足に陥った場合には財務省が個別FHLBの債券を購入して手当てする。その過程は、あとで議会に報告される。。。という感じでしょうかね?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ご関心のある方は、以前の記事のコメント欄でのやり取りもご覧ください。
なによりも、吉行さんの一連のエントリーと、各Blogでのコメントも。
本件に関する、吉行さんの精力的な分析と問題提起に心からの感謝と敬意を感じます。
2008/07/21のBlog
[ 19:11 ]
『金融ビジネス』の担当者さんはおろか、東洋経済新報社の方がお読みになっているとは思いませんが、、、吉行誠さんの論考は、特に眼下の状況では掲載に値すると思うのですよ。ぜひ、ご検討くださいませ。
============以下、お送りしたメール==============
担当者様、
私は『金融ビジネス』を定期購読させていただいているもので、また、『グラの相場見通し』というBlogを書いていますnobinobiこと****と申します。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/72014
タイトルの通りに吉行誠氏の記事の掲載をお願いしたくメールを差し上げます。
貴誌冬号では、吉行誠氏そしておそらくは新央誠一氏の名で素晴らしい米サブプライム問題の分析がなされており、さすがは『金融ビジネス』だと感じ入っておりました。
今再び、米国ではサブプライム問題がGSEを巻き込んで新たな深みに入りつつあり、日本の金融関係者・投資家にとってはさらに詳細な分析が必要とされています。雑誌界やネットのなかを見ても、吉行誠氏の分析は群を抜いており、いち読者としてぜひ、貴誌で彼の論考を取り上げて頂きたいと思うものです。
業務ご多忙の中、このようなメールを差し上げますことをお許しください。
ご検討くださいますならば、幸いです。
****
=======================
============以下、お送りしたメール==============
担当者様、
私は『金融ビジネス』を定期購読させていただいているもので、また、『グラの相場見通し』というBlogを書いていますnobinobiこと****と申します。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/72014
タイトルの通りに吉行誠氏の記事の掲載をお願いしたくメールを差し上げます。
貴誌冬号では、吉行誠氏そしておそらくは新央誠一氏の名で素晴らしい米サブプライム問題の分析がなされており、さすがは『金融ビジネス』だと感じ入っておりました。
今再び、米国ではサブプライム問題がGSEを巻き込んで新たな深みに入りつつあり、日本の金融関係者・投資家にとってはさらに詳細な分析が必要とされています。雑誌界やネットのなかを見ても、吉行誠氏の分析は群を抜いており、いち読者としてぜひ、貴誌で彼の論考を取り上げて頂きたいと思うものです。
業務ご多忙の中、このようなメールを差し上げますことをお許しください。
ご検討くださいますならば、幸いです。
****
=======================
2008/07/15のBlog
[ 23:17 ]
[ 欧米 ]
==========追記=========
GSEに関して、僕のくだらない記事よりもこちらをお読みなるのがよろしいかと。
consumerな憂鬱”GSEは債務超過か - FNMA, Freddie証券の価値評価”
======================
GSEが焦点になるとしても、もうちょっと先かなーと思っていたんですが、甘かった。いつものことですが。。。
FNM、FREの会計は怪しいなぁと思いつつ、どこが怪しいのかよくわからない。
というよりも、FNM、FREのビジネスが複雑で、それぞれのビジネスからどの程度の損失が出てくるのかわからんのです。orz...
WSJにFNMは200億ドルの資本が必要、と書かれていたらしいけど、ほんとにそれだけで済むのかなー。。。
FNMが持っているor再証券化している(?)Alt-Aだけで3140億ドル、サブプラは208億ドルもあるんですよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
GSEに関して、僕のくだらない記事よりもこちらをお読みなるのがよろしいかと。
consumerな憂鬱”GSEは債務超過か - FNMA, Freddie証券の価値評価”
======================
GSEが焦点になるとしても、もうちょっと先かなーと思っていたんですが、甘かった。いつものことですが。。。
FNM、FREの会計は怪しいなぁと思いつつ、どこが怪しいのかよくわからない。
というよりも、FNM、FREのビジネスが複雑で、それぞれのビジネスからどの程度の損失が出てくるのかわからんのです。orz...
WSJにFNMは200億ドルの資本が必要、と書かれていたらしいけど、ほんとにそれだけで済むのかなー。。。
FNMが持っているor再証券化している(?)Alt-Aだけで3140億ドル、サブプラは208億ドルもあるんですよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
先週飛んだIndymac(IMB)の10-Qを眺めたんです(右図)。飛ぶ銀行のF/Sを見ておきたくて。
National City(NCC)が健全に見えるほどの醜さでしたw
4Qには証券の保有目的の変更までやってるぽいですね。
それで、やっぱりFHLBからのAdvance(担保借入)が総資産の1/3もありました。
FDICはIMBの預金者ではなくて、FHLBを救済してるんじゃないかw?
NCCですら総資産の6%しかないのに。
ちなみにNCCのAdvanceはこの3四半期で、
10億ドル(2007.Q2)→51(Q3)→63(Q4)→94億(Q1)ドルと急増している。
たぶん、社債発行が困難になっているため。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
FNMやFREに切り込めない代わりに、FHLBの財務内容を見てみました。
以前の記事でご紹介したとおり、FHLBの資産内容は①加盟銀行への担保融資(Advance)②MBSの自己保有③個人向け住宅ローンに大別できます。FNM、FREと比べて事業内容がシンプルで分かりやすいのです。
焦点の1つはFHLBが持つMBSのうちの民間発行(non-Agency)のMBS、さらにその中でのAlt-A MBSでしょう。
National City(NCC)が健全に見えるほどの醜さでしたw
4Qには証券の保有目的の変更までやってるぽいですね。
それで、やっぱりFHLBからのAdvance(担保借入)が総資産の1/3もありました。
FDICはIMBの預金者ではなくて、FHLBを救済してるんじゃないかw?
NCCですら総資産の6%しかないのに。
ちなみにNCCのAdvanceはこの3四半期で、
10億ドル(2007.Q2)→51(Q3)→63(Q4)→94億(Q1)ドルと急増している。
たぶん、社債発行が困難になっているため。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
FNMやFREに切り込めない代わりに、FHLBの財務内容を見てみました。
以前の記事でご紹介したとおり、FHLBの資産内容は①加盟銀行への担保融資(Advance)②MBSの自己保有③個人向け住宅ローンに大別できます。FNM、FREと比べて事業内容がシンプルで分かりやすいのです。
焦点の1つはFHLBが持つMBSのうちの民間発行(non-Agency)のMBS、さらにその中でのAlt-A MBSでしょう。
右図の棒グラフは民間MBSに占めるAlt-Aの割合です。ただし、Alt-A MBSの金額をディスクロしていないFHLBもあって、ディスクロしていないところは名前の頭に*をつけています。
丸いドットは、”満期保有目的の”民間MBSで生じている未実現損失(Unrealized Loss)の、簿価に対する損失率です。
たとえばBoston連銀(FHLB Boston)では、保有している民間MBSのほとんどがAlt-Aであり、その未実現損失率は20%です。西海岸のSF、SeattleもAlt-Aの比率が75%と高く、そして未実現損失率も13%にまで急上昇しています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
US GAAPを全く知らないのですが、、、P/LとB/Sに反映させるかどうかで損益のタイプ?が分かれるんだと思うんですよ。
①P/L、B/Sともに反映
②P/Lには計上しないが、B/Sに反映させる(資本直入)
③P/L、B/Sともに反映させない(注記表示)
FHLBでは売買目的(Available-for-sale, Trading, AFS)証券の未実現損益は①、満期保有目的(Held-to-maturity, HTM)証券の未実現損益は③ですね。たぶんw
AFSの未実現損益はP/L計上と同時にB/Sには時価計上として反映される。HTMの未実現損益はP/Lに乗らず、B/Sは簿価(償却原価)計上のみで損益は反映されない。
つまり、上のグラフで見た”満期保有の”民間MBS(Alt-Aを含む)で生じている未実現損失はP/LはおろかB/Sにも反映されていない。
(念のため、これを以て”不正”だと言うのは性急。資産項目を”換金価値”と見るか、”将来費用”と見るかで計上の方針は異なる→Wiki。ただし、Alt-Aなどの民間MBSの資産価値が回復しないと見込まれる場合には、損失を実現するのが妥当。)
丸いドットは、”満期保有目的の”民間MBSで生じている未実現損失(Unrealized Loss)の、簿価に対する損失率です。
たとえばBoston連銀(FHLB Boston)では、保有している民間MBSのほとんどがAlt-Aであり、その未実現損失率は20%です。西海岸のSF、SeattleもAlt-Aの比率が75%と高く、そして未実現損失率も13%にまで急上昇しています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
US GAAPを全く知らないのですが、、、P/LとB/Sに反映させるかどうかで損益のタイプ?が分かれるんだと思うんですよ。
①P/L、B/Sともに反映
②P/Lには計上しないが、B/Sに反映させる(資本直入)
③P/L、B/Sともに反映させない(注記表示)
FHLBでは売買目的(Available-for-sale, Trading, AFS)証券の未実現損益は①、満期保有目的(Held-to-maturity, HTM)証券の未実現損益は③ですね。たぶんw
AFSの未実現損益はP/L計上と同時にB/Sには時価計上として反映される。HTMの未実現損益はP/Lに乗らず、B/Sは簿価(償却原価)計上のみで損益は反映されない。
つまり、上のグラフで見た”満期保有の”民間MBS(Alt-Aを含む)で生じている未実現損失はP/LはおろかB/Sにも反映されていない。
(念のため、これを以て”不正”だと言うのは性急。資産項目を”換金価値”と見るか、”将来費用”と見るかで計上の方針は異なる→Wiki。ただし、Alt-Aなどの民間MBSの資産価値が回復しないと見込まれる場合には、損失を実現するのが妥当。)
そこで、民間MBSの未実現損失を資本(B/S)に反映させたケースと、Alt-Aの損失率が40%にまで膨らみ未実現損失が急増するケースを作りました。
水色棒グラフは表向きの自己資本比率(株主資本/総資産)。
緑色三角のドットは、民間MBSの未実現損失を資本に反映させたもの。
赤色丸いドットは、Alt-Aの損失率が40%に上昇したケース。Alt-A MBSの残高をディスクロしてないFHLBは、民間MBSの45%がAlt-Aと仮定。
いくつかのFHLBは自己資本比率が3%を割り込んできますが、まー実質債務超過とはならない。
ただし、公的資本はFHLBにも必要でしょうね。
なぜなら、FHLBは収益性がとても低いからです。たとえば、Seattleが期間利益だけで自己資本比率を4%に持っていくためには20-50年くらいかかる。
これから倒産する銀行から受けている担保も十分かどうかもわからないし。。。
ちょーおおまかに、FHLBに必要な(公的)資金の額は150-200億ドル程度かな。
あと、これらの未実現損失が実現されるかどうかの分かれ目は、1つは個別証券の価格。おおまかに簿価を30%以上下回ると強制的に実現させなきゃいけない(と思う)。
もう1つは個別証券の格付け。FHLBやFNMの会計方針をざっと読むと、格付がAAを下回ると未実現損失を反映させるらしい(EITF90-20、なんだとか)。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
FNM、FREについて必要な公的資金額も計算したいのですが、正直、難しい。
欧州も、、、会計制度、ディスクロの違いなど、ややこしい。。。
水色棒グラフは表向きの自己資本比率(株主資本/総資産)。
緑色三角のドットは、民間MBSの未実現損失を資本に反映させたもの。
赤色丸いドットは、Alt-Aの損失率が40%に上昇したケース。Alt-A MBSの残高をディスクロしてないFHLBは、民間MBSの45%がAlt-Aと仮定。
いくつかのFHLBは自己資本比率が3%を割り込んできますが、まー実質債務超過とはならない。
ただし、公的資本はFHLBにも必要でしょうね。
なぜなら、FHLBは収益性がとても低いからです。たとえば、Seattleが期間利益だけで自己資本比率を4%に持っていくためには20-50年くらいかかる。
これから倒産する銀行から受けている担保も十分かどうかもわからないし。。。
ちょーおおまかに、FHLBに必要な(公的)資金の額は150-200億ドル程度かな。
あと、これらの未実現損失が実現されるかどうかの分かれ目は、1つは個別証券の価格。おおまかに簿価を30%以上下回ると強制的に実現させなきゃいけない(と思う)。
もう1つは個別証券の格付け。FHLBやFNMの会計方針をざっと読むと、格付がAAを下回ると未実現損失を反映させるらしい(EITF90-20、なんだとか)。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
FNM、FREについて必要な公的資金額も計算したいのですが、正直、難しい。
欧州も、、、会計制度、ディスクロの違いなど、ややこしい。。。
2008/07/06のBlog
[ 16:57 ]
[ 欧米 ]
[ECBトリシェ総裁会見要旨、Q&A]
お恥ずかしいのですが、僕はECBの総裁会見要旨をこれまで読んだことはありませんでした。
データやレポート類は多少目にしたことはあるのですが。
理解の浅い点をご容赦ください。
とはいえ会見要旨を読んだ限りは、ECBが利上げをした理由はまあ想定内です。
その目的は、中期的なインフレ期待を抑制し、商品価格上昇の2次的影響を未然に防ぐこと。
また、利上げ決定に至った背景は、
①商品価格・HICP上昇率の加速
②労働市場のタイト化
③M3と、非金融部門貸出の高い伸び
④財政赤字の拡大
といったところです。
通常ならば、利上げは正しい選択です。
[三菱UFJ証券さんの欧州経済チャート集]を参照してください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
その前に、ユーロ経済圏に関する僕の大まかな理解は、
- 東欧・アフリカ諸国からの正規・非正規労働者の流入により、持続的な成長圧力が起きている。
- EUの拡大政策は、中所得国での所得水準の向上(とEU市場の拡大)というプラス面を持っているが、同時にそれら中所得国の賃金・物価の上昇圧力を強めている。
- また、EUの労働生産性上昇率は日米を下回っていること、企業の市場寡占化が高いことから、価格転嫁が進みやすい構造を持っている。
- ドルの信認が揺らぐのとは対照的に、ユーロの基軸通貨性が高まり資金流入が起きている。そのため長期金利への低下圧力が生じ、経済への刺激効果を生んでいる。
つまり、ユーロ圏は(英国と同様に)ヒト・カネの流入を背景にした高成長局面にある。同時に、割と硬直的な経済構造を有しているため生産性が低く、高成長(高需要)はインフレ圧力に直結しやすいのではないか、、、と考えているのです。
だからこそ、設備稼働率やIFO指数は未だに高く、失業率の水準は歴史的に低く、そしてインフレ圧力が比較的強いのだと僕は考えているんです。
それに対して、現在の実質金利水準は、短期(政策)金利、長期金利ともに低い。
以前の記事で、[BISによるユーロ金利のテイラー・ルール分析]を紹介したことがあります。1999年とかなり昔の分析ですが、これによるとユーロ金利の均衡実質金利は3.5%です。
このテイラー・ルールに今の状況を当てはめると、、、政策金利は5.5-5.75%程度になります。今が4.25%ですから、あと1.25-1.5%ほど金利は引き上げられることになる。
(GDP +2.2%、GDPデフレーター +2.0%として。HICP +4.0%を使うとさらに高い水準になる。ただし、HICPを使った場合には均衡実質金利も多少は変わるだろう)
さらに、今のユーロ圏が高成長局面にあるとするならば、実質金利は歴史的水準よりも幾分高くあるべきだと考えられる。東西ドイツ統合後に実質金利が高まったのと同様に。
それなのに、ユーロ金利の実質金利は長短ともに低い。三菱UFJ証券さんのチャート集P18にいいグラフがありますが、短期実質金利がやや緩和的であるだけでなく、長期の実質金利は歴史的に低いのです。これはイールド・カーブの平たん化を反映したものです。
通常は、イールド・カーブの平たん化(長短金利差の縮小・逆転)は景気後退を示唆します。そうなのかもしれません。
しかし、ユーロの基軸通貨化を反映した資金流入によるものなのかもしれません。グリーンスパンの”なぞ”が欧州で起きているのかもしれませんね。
逆にいえば、今の長短金利水準は緩和的で、将来のインフレ圧力を生むリスクがある、ということになります。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ユーロ圏の中期的な経済状況について以上のように考えているので、サブプラによる金融システム危機がなければ、ユーロ金利はもっと高まっていただろうと僕は思っています。
たぶん、トリシェが6月に先走ってしまったのも、また、ECBメンバーがタカ派な発言をする理由も、こういう認識が背景にあるんじゃないかなーと思うんです。
それで、、、
トリシェの今回の会見に戻って、ちょっと奇妙に思えたのは、EU経済の堅調さの理由に「エマージング経済の強さ」を挙げていること。
当然ではあるのですが、日米欧、すべての先進国がエマージング経済を頼りにしている。
その強いエマージングの理由の1つは、資源価格高を背景にしたロシア・中東の好調さですよね。
原油価格が今後も持続的に上昇するならば、単なる2次的なインフレ圧力だけでなく、外需の強さとしてEU経済を刺激し、インフレのリスクをさらに高めることになる。
一方で原油価格が反落すれば、外需の落ち込みが起きるでしょう。
原油価格について面白いグラフ。
[Historical Crude Oil Price]
インフレ調整後の実質価格では、原油価格は79年の水準を上回ってますね。
当時とはエマージングを含めた原油の消費量も、可採年数も違うと思うかもしれませんが、その当時も確か可採埋蔵年数は40年とか言われていたと思います。
[妥当な原油価格は60-70ドル]という見方はあながち外れじゃないと思います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
話がそれたんですが、、、
このように見てくると、ECBは長期的には利上げを続ける、ということになりますね。
原油価格がさらに上昇し、同時にロシア・中東経済を刺激し続けるのならば、インフレ抑制&実質金利調整の必要から積極的な利上げを行わざるをえなくなる。最悪のシナリオ。
一方で、原油価格が反落し、外需が落ち込むのならば、その影響をじっくりと見極めたのちに緩やかな実質金利調整のための利上げ。
どっちにせよ、経済が急激に悪化しない限りは、利上げ局面の継続ではないかと。。。
それで、わからないのは、欧州の銀行・金融システムの痛み方です。
欧州の住宅市場で、サブプラと同様に証券化を使っていたとしても、低所得者向けへのルーズ・マネーが膨らんでいたのかどうかは、僕には分かりません。
米国のサブプラの影響は、保有証券の毀損だけでなく、AIGなど米保険会社による保証が失われることで資産圧縮圧力が生じているかもしれません。が、よく分かりません。
M3や非金融部門向け貸出は高い伸びを維持しているので、懸念されるほどの信用収縮は欧州では起きないのかもしれません。
しかし、、、金融株の売られ方や消費者センチメントの急落を見ると、利上げはもう少し待つべきだったんじゃないか、と思うのです。
ほかにも、賃金交渉の動向とか、周辺国の変調とか、いろいろあるんでしょうが、、、いずれも、よくわかってません。。。
お恥ずかしいのですが、僕はECBの総裁会見要旨をこれまで読んだことはありませんでした。
データやレポート類は多少目にしたことはあるのですが。
理解の浅い点をご容赦ください。
とはいえ会見要旨を読んだ限りは、ECBが利上げをした理由はまあ想定内です。
その目的は、中期的なインフレ期待を抑制し、商品価格上昇の2次的影響を未然に防ぐこと。
また、利上げ決定に至った背景は、
①商品価格・HICP上昇率の加速
②労働市場のタイト化
③M3と、非金融部門貸出の高い伸び
④財政赤字の拡大
といったところです。
通常ならば、利上げは正しい選択です。
[三菱UFJ証券さんの欧州経済チャート集]を参照してください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
その前に、ユーロ経済圏に関する僕の大まかな理解は、
- 東欧・アフリカ諸国からの正規・非正規労働者の流入により、持続的な成長圧力が起きている。
- EUの拡大政策は、中所得国での所得水準の向上(とEU市場の拡大)というプラス面を持っているが、同時にそれら中所得国の賃金・物価の上昇圧力を強めている。
- また、EUの労働生産性上昇率は日米を下回っていること、企業の市場寡占化が高いことから、価格転嫁が進みやすい構造を持っている。
- ドルの信認が揺らぐのとは対照的に、ユーロの基軸通貨性が高まり資金流入が起きている。そのため長期金利への低下圧力が生じ、経済への刺激効果を生んでいる。
つまり、ユーロ圏は(英国と同様に)ヒト・カネの流入を背景にした高成長局面にある。同時に、割と硬直的な経済構造を有しているため生産性が低く、高成長(高需要)はインフレ圧力に直結しやすいのではないか、、、と考えているのです。
だからこそ、設備稼働率やIFO指数は未だに高く、失業率の水準は歴史的に低く、そしてインフレ圧力が比較的強いのだと僕は考えているんです。
それに対して、現在の実質金利水準は、短期(政策)金利、長期金利ともに低い。
以前の記事で、[BISによるユーロ金利のテイラー・ルール分析]を紹介したことがあります。1999年とかなり昔の分析ですが、これによるとユーロ金利の均衡実質金利は3.5%です。
このテイラー・ルールに今の状況を当てはめると、、、政策金利は5.5-5.75%程度になります。今が4.25%ですから、あと1.25-1.5%ほど金利は引き上げられることになる。
(GDP +2.2%、GDPデフレーター +2.0%として。HICP +4.0%を使うとさらに高い水準になる。ただし、HICPを使った場合には均衡実質金利も多少は変わるだろう)
さらに、今のユーロ圏が高成長局面にあるとするならば、実質金利は歴史的水準よりも幾分高くあるべきだと考えられる。東西ドイツ統合後に実質金利が高まったのと同様に。
それなのに、ユーロ金利の実質金利は長短ともに低い。三菱UFJ証券さんのチャート集P18にいいグラフがありますが、短期実質金利がやや緩和的であるだけでなく、長期の実質金利は歴史的に低いのです。これはイールド・カーブの平たん化を反映したものです。
通常は、イールド・カーブの平たん化(長短金利差の縮小・逆転)は景気後退を示唆します。そうなのかもしれません。
しかし、ユーロの基軸通貨化を反映した資金流入によるものなのかもしれません。グリーンスパンの”なぞ”が欧州で起きているのかもしれませんね。
逆にいえば、今の長短金利水準は緩和的で、将来のインフレ圧力を生むリスクがある、ということになります。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ユーロ圏の中期的な経済状況について以上のように考えているので、サブプラによる金融システム危機がなければ、ユーロ金利はもっと高まっていただろうと僕は思っています。
たぶん、トリシェが6月に先走ってしまったのも、また、ECBメンバーがタカ派な発言をする理由も、こういう認識が背景にあるんじゃないかなーと思うんです。
それで、、、
トリシェの今回の会見に戻って、ちょっと奇妙に思えたのは、EU経済の堅調さの理由に「エマージング経済の強さ」を挙げていること。
当然ではあるのですが、日米欧、すべての先進国がエマージング経済を頼りにしている。
その強いエマージングの理由の1つは、資源価格高を背景にしたロシア・中東の好調さですよね。
原油価格が今後も持続的に上昇するならば、単なる2次的なインフレ圧力だけでなく、外需の強さとしてEU経済を刺激し、インフレのリスクをさらに高めることになる。
一方で原油価格が反落すれば、外需の落ち込みが起きるでしょう。
原油価格について面白いグラフ。
[Historical Crude Oil Price]
インフレ調整後の実質価格では、原油価格は79年の水準を上回ってますね。
当時とはエマージングを含めた原油の消費量も、可採年数も違うと思うかもしれませんが、その当時も確か可採埋蔵年数は40年とか言われていたと思います。
[妥当な原油価格は60-70ドル]という見方はあながち外れじゃないと思います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
話がそれたんですが、、、
このように見てくると、ECBは長期的には利上げを続ける、ということになりますね。
原油価格がさらに上昇し、同時にロシア・中東経済を刺激し続けるのならば、インフレ抑制&実質金利調整の必要から積極的な利上げを行わざるをえなくなる。最悪のシナリオ。
一方で、原油価格が反落し、外需が落ち込むのならば、その影響をじっくりと見極めたのちに緩やかな実質金利調整のための利上げ。
どっちにせよ、経済が急激に悪化しない限りは、利上げ局面の継続ではないかと。。。
それで、わからないのは、欧州の銀行・金融システムの痛み方です。
欧州の住宅市場で、サブプラと同様に証券化を使っていたとしても、低所得者向けへのルーズ・マネーが膨らんでいたのかどうかは、僕には分かりません。
米国のサブプラの影響は、保有証券の毀損だけでなく、AIGなど米保険会社による保証が失われることで資産圧縮圧力が生じているかもしれません。が、よく分かりません。
M3や非金融部門向け貸出は高い伸びを維持しているので、懸念されるほどの信用収縮は欧州では起きないのかもしれません。
しかし、、、金融株の売られ方や消費者センチメントの急落を見ると、利上げはもう少し待つべきだったんじゃないか、と思うのです。
ほかにも、賃金交渉の動向とか、周辺国の変調とか、いろいろあるんでしょうが、、、いずれも、よくわかってません。。。
2008/07/05のBlog
[ 18:10 ]
2日遅くなりましたが、このBlogを始めて2年がたちました。
更新も稀なのにご覧いただき、ありがとうございます。
昨年の1周年のときには、日銀をボロクソに書きました。
今年はECB?
いえいえ、彼らには利上げすべき理由は確かにあるのです。
インフレに一旦火がついたらそれを抑えるための社会的コストは膨大ですし、早めの対応が必要な時もある。今回の利上げも難しい判断だったとは思う。
ただ、経済状況や金融システムの動向などを考えると、今じゃないだろー、とは思いますが。。。
更新も稀なのにご覧いただき、ありがとうございます。
昨年の1周年のときには、日銀をボロクソに書きました。
今年はECB?
いえいえ、彼らには利上げすべき理由は確かにあるのです。
インフレに一旦火がついたらそれを抑えるための社会的コストは膨大ですし、早めの対応が必要な時もある。今回の利上げも難しい判断だったとは思う。
ただ、経済状況や金融システムの動向などを考えると、今じゃないだろー、とは思いますが。。。
[ 15:27 ]
[ 欧米 ]
6月にこれほどの調整があるとは思わず、相変わらず己の強欲さに焼かれてあちちです。
この下落局面を金融関連株に絞って見てみると、右図の通り。
2006年12月末を100とした過去1年半の株価の推移です。
C: シティ
MBI: MBIA
UBS: UBS
MS: モルガンスタンレー
AIG: AIG
TOL: トールブラザーズ
BAC: バンカメ
WM: ワシントンミューチャル
WB: ワコビア
この下落局面を金融関連株に絞って見てみると、右図の通り。
2006年12月末を100とした過去1年半の株価の推移です。
C: シティ
MBI: MBIA
UBS: UBS
MS: モルガンスタンレー
AIG: AIG
TOL: トールブラザーズ
BAC: バンカメ
WM: ワシントンミューチャル
WB: ワコビア
株価だけを見てもよくわからないのでw、PB(株価/BPS)を見てみました。
1株当たり自己資本(BPS)はMarketWatchから筆者計算。ただし希薄化を考慮せず(めんどいから)。
また、決算翌月末にBPSが切り替わるものとしました。
これで見ると、、、
住宅業者であるTOLは、株価でもPBでもそれほど売り込まれているわけではない。
2005年央に高値を付けたTOLはその後1年かけて半値以下になり、既往安値は2008年1月で、高値からちょうど3割の水準に。サブプラの影響を早く織り込んでいたので、今年の下落率は大きくはない。wha_man3さんのご指摘の通り。
「業績の悪化は相当織り込んだけれど、潰れはしないだろう」という感じかな。
MSも3月の安値を割り込み始めたけれど、他の銘柄に比べると下落率は小さい。また、(ここの計算での)PBは3月よりも高い。投資銀行についても、ある程度織り込み済みということか。
6月の金融株の下落は3つのグループに分けられると思う。
①カリフォルニア関連(BAC、WM、WB、、、)
②バイサイド(AIG、、、)
③欧州株(UBS、、、)
カリフォルニアについては、WMやWBは既に存続が危ぶまれるほどの株価水準だったけれど、ここにきて一段と値を切り下げた。象徴的なのはBACの下げ方。いずれもCA/FLでの延滞率、破たん率の上昇が株価に反映されてきたのだと思う。
バイサイドもあまり見ているわけじゃないけれど、”うんこの輪切り”AIGはPB1倍を割ってきて、ついに0.82倍に。これは内紛だけが理由じゃないんじゃないかな。。。
プルデンシャル(PRU)も6月に安値を切り下げてきたけど、PBは1.12倍程度ある。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
昨年後半からの金融システム危機の波及は、ちょー大まかに、米国のマネーセンターから地域金融、バイサイド、海外に向かって広がっていると思う。
①カリフォルニアについては、サブプライム・Alt-Aの主戦場が中西部からFL/CAへと、地域的、時系列の両面で移っていることを反映している。
②バイサイドについては、会計方針の違いも反映しているのかもしれないが、主因は住宅価格の下落が加速しているために、想定以上に収益・財務基盤が侵されつつある、ということじゃないかと。
ここまでは想定通りというか、ある程度イメージできた範囲だけど、③欧州がよくわからない。
UBSのPBを見ると、これまでが高すぎただけで、ようやく市場の認識が追い付いてきたのか?
あるいは、会計方針の不透明さのせいか?
米国のバイサイドと同様に住宅価格下落が限界的に影響し始めているのか?
欧州内の不動産バブルが破裂しているのか?
ECB利上げ観測が内需抑制に働くと見たのか?
サブプラの欧州への波及は予想できたけれど、住宅関連の問題だけでも米国の影響と欧州自身の影響があるし、ECBがむちゃな利上げをするし、土地勘はないしで、よくわからんのです。いいわけですが。。。
日本企業の仕向け先で見ると、欧州は既に米国を上回りつつある。通貨統合後の市場開拓とユーロ高が相まって、日本株にとっての欧州経済の重要性は非常に高くなっている。通貨面でも、ユーロ円が急落することになれば、相当に厳しいだろう。
欧州経済は投資に際しての不透明要因というか、正直言って、よくわからんのです。
1株当たり自己資本(BPS)はMarketWatchから筆者計算。ただし希薄化を考慮せず(めんどいから)。
また、決算翌月末にBPSが切り替わるものとしました。
これで見ると、、、
住宅業者であるTOLは、株価でもPBでもそれほど売り込まれているわけではない。
2005年央に高値を付けたTOLはその後1年かけて半値以下になり、既往安値は2008年1月で、高値からちょうど3割の水準に。サブプラの影響を早く織り込んでいたので、今年の下落率は大きくはない。wha_man3さんのご指摘の通り。
「業績の悪化は相当織り込んだけれど、潰れはしないだろう」という感じかな。
MSも3月の安値を割り込み始めたけれど、他の銘柄に比べると下落率は小さい。また、(ここの計算での)PBは3月よりも高い。投資銀行についても、ある程度織り込み済みということか。
6月の金融株の下落は3つのグループに分けられると思う。
①カリフォルニア関連(BAC、WM、WB、、、)
②バイサイド(AIG、、、)
③欧州株(UBS、、、)
カリフォルニアについては、WMやWBは既に存続が危ぶまれるほどの株価水準だったけれど、ここにきて一段と値を切り下げた。象徴的なのはBACの下げ方。いずれもCA/FLでの延滞率、破たん率の上昇が株価に反映されてきたのだと思う。
バイサイドもあまり見ているわけじゃないけれど、”うんこの輪切り”AIGはPB1倍を割ってきて、ついに0.82倍に。これは内紛だけが理由じゃないんじゃないかな。。。
プルデンシャル(PRU)も6月に安値を切り下げてきたけど、PBは1.12倍程度ある。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
昨年後半からの金融システム危機の波及は、ちょー大まかに、米国のマネーセンターから地域金融、バイサイド、海外に向かって広がっていると思う。
①カリフォルニアについては、サブプライム・Alt-Aの主戦場が中西部からFL/CAへと、地域的、時系列の両面で移っていることを反映している。
②バイサイドについては、会計方針の違いも反映しているのかもしれないが、主因は住宅価格の下落が加速しているために、想定以上に収益・財務基盤が侵されつつある、ということじゃないかと。
ここまでは想定通りというか、ある程度イメージできた範囲だけど、③欧州がよくわからない。
UBSのPBを見ると、これまでが高すぎただけで、ようやく市場の認識が追い付いてきたのか?
あるいは、会計方針の不透明さのせいか?
米国のバイサイドと同様に住宅価格下落が限界的に影響し始めているのか?
欧州内の不動産バブルが破裂しているのか?
ECB利上げ観測が内需抑制に働くと見たのか?
サブプラの欧州への波及は予想できたけれど、住宅関連の問題だけでも米国の影響と欧州自身の影響があるし、ECBがむちゃな利上げをするし、土地勘はないしで、よくわからんのです。いいわけですが。。。
日本企業の仕向け先で見ると、欧州は既に米国を上回りつつある。通貨統合後の市場開拓とユーロ高が相まって、日本株にとっての欧州経済の重要性は非常に高くなっている。通貨面でも、ユーロ円が急落することになれば、相当に厳しいだろう。
欧州経済は投資に際しての不透明要因というか、正直言って、よくわからんのです。
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