Blog
2008/09/01のBlog
[ 23:38 ]
[ 日本の経済・相場 ]
こんどは個別のスプレッド・価格動向を。
ビルFと比較していて、ビルFは黒線。個別銘柄が青線です。
最初はグローバル・ワン(8958)と森トラスト(8961)。
左側が利回りと対ビルFスプレッド。利回りは今後1年間の予想ベース。
右側は価格ですが、現在値=100の指数化した上で対数を取っています。分かりにくいでしょうけど、これで価格変化がはっきりするし(傾きが変化率)、ビルFと比較したパフォーマンスが分かります。
右側の面グラフは出来高なんですが、東電・中部電・関電の3つと比較した相対的な出来高です。これで市場環境の影響を除いたつもりですが、、、分かりにくいかな。。。
ま、Gワンから。07年後半から利回りが急上昇しているのは、売却益によるもの。
Gワンは利回りの面でも、価格動向でもビルFをアウトパフォームしているんです。そして、足元は価格変動がとても少ない。売り込まれていないんです。これは、昨年8月や今年3月の下落局面でボリュームが出ているからだと思う。つまり、”あく抜け”しているんじゃないかと。。。この点が、出来高の少ない、特に住居系の銘柄と違う点だと思う。
森トラストはビルFと同等のパフォーマンス。
ビルFと比較していて、ビルFは黒線。個別銘柄が青線です。
最初はグローバル・ワン(8958)と森トラスト(8961)。
左側が利回りと対ビルFスプレッド。利回りは今後1年間の予想ベース。
右側は価格ですが、現在値=100の指数化した上で対数を取っています。分かりにくいでしょうけど、これで価格変化がはっきりするし(傾きが変化率)、ビルFと比較したパフォーマンスが分かります。
右側の面グラフは出来高なんですが、東電・中部電・関電の3つと比較した相対的な出来高です。これで市場環境の影響を除いたつもりですが、、、分かりにくいかな。。。
ま、Gワンから。07年後半から利回りが急上昇しているのは、売却益によるもの。
Gワンは利回りの面でも、価格動向でもビルFをアウトパフォームしているんです。そして、足元は価格変動がとても少ない。売り込まれていないんです。これは、昨年8月や今年3月の下落局面でボリュームが出ているからだと思う。つまり、”あく抜け”しているんじゃないかと。。。この点が、出来高の少ない、特に住居系の銘柄と違う点だと思う。
森トラストはビルFと同等のパフォーマンス。
今度はオリックスF(8954)と東急RE(8957)。
オリックスFはビルFを若干アンダーパフォームでスプレッドが拡大している。たぶん、分配金が伸びていないこともこの銘柄にとってのマイナス要因。
対照的に、東急はビルFなみのパフォーマンスですが、利回りは上昇している。
これは、東急の今後1年間の分配金成長率がビルFを上回っているため。物件売却はアナウンスされていないので、売却益によるものじゃないと思いますが。。。
この2銘柄に共通なのは、現在も物件取得を続けていること。
その分、増資リスクは高まるのですが、現在の市場環境で物件を取得しているか、売却しているのかは信用面を見る上での重要なポイントじゃないかと思いますが、どうでしょう?
オリックスFはビルFを若干アンダーパフォームでスプレッドが拡大している。たぶん、分配金が伸びていないこともこの銘柄にとってのマイナス要因。
対照的に、東急はビルFなみのパフォーマンスですが、利回りは上昇している。
これは、東急の今後1年間の分配金成長率がビルFを上回っているため。物件売却はアナウンスされていないので、売却益によるものじゃないと思いますが。。。
この2銘柄に共通なのは、現在も物件取得を続けていること。
その分、増資リスクは高まるのですが、現在の市場環境で物件を取得しているか、売却しているのかは信用面を見る上での重要なポイントじゃないかと思いますが、どうでしょう?
続いて、エクセレント(8987)とDAオフィス(8976)。
いずれも分配金の上方修正を発表して価格も戻っているんですが、、、売却益によるものなんですよね。
DAは2期後に大幅減配。
そして、ずーっと物件売却を続けている。
資金繰りは大丈夫なのかなー、と思いますが。。。
いずれも分配金の上方修正を発表して価格も戻っているんですが、、、売却益によるものなんですよね。
DAは2期後に大幅減配。
そして、ずーっと物件売却を続けている。
資金繰りは大丈夫なのかなー、と思いますが。。。
[ 19:47 ]
J-REITは未だに持ってますし(住居系は外してます)、値動きくらいは見てますが、証券会社のレポートなどもあまり見ない素人なのです。お断りまでに。。。
それと、以前ご指摘を頂いた方々に、改めてお礼を申し上げます。
それで、、、[J-REIT指数]で見ると下げ続けているわけですが、その中身を見るとちょっと違うというか、いろんな動きがありますね。
ビルF(8951)・JRE(8952)など底堅い銘柄がある一方で、信用不安のある銘柄、減配銘柄と低質の住居系は売られ続けている。
それと、以前ご指摘を頂いた方々に、改めてお礼を申し上げます。
それで、、、[J-REIT指数]で見ると下げ続けているわけですが、その中身を見るとちょっと違うというか、いろんな動きがありますね。
ビルF(8951)・JRE(8952)など底堅い銘柄がある一方で、信用不安のある銘柄、減配銘柄と低質の住居系は売られ続けている。
J-REITの利回りをセクターに分けて見てみると右の通り。
ここでの”セクター”は僕の分類です。
もちろん全体的に売られて利回りが上昇しているんだけど、ビルFは3月の底値を割ってなくて、ある程度の底堅さを確認したんじゃないかと思います。
僕の願望が入っているかもしれませんがw
住居系は低質銘柄を中心に売られているけれど、優良銘柄(プレミア8956、アドレジ8978、ビライフ8984、アコモ3226)は横ばいになっている。
Mid Cap(リテールF8953、オリックスF8954、日プライム8955、野村オフィス8959、ユナイテッド8960、森トラスト8961、森ヒルズ3234)は平均すると安値を切り下げているけれど、このうち実際に3月の安値を下回っているのは、リテール、日プライム、ユナイテッド、森ヒルズ。
最初の3つは信用不安かなぁ。。。
森ヒルズがこうも売られる理由がよく分かりません。
J-REITのなかでも、ビルFをはじめとする信用力があって増配を続けている銘柄と、信用不安&減配懸念のある銘柄の選別が進んでいるんじゃないかと思います。
ここでの”セクター”は僕の分類です。
もちろん全体的に売られて利回りが上昇しているんだけど、ビルFは3月の底値を割ってなくて、ある程度の底堅さを確認したんじゃないかと思います。
僕の願望が入っているかもしれませんがw
住居系は低質銘柄を中心に売られているけれど、優良銘柄(プレミア8956、アドレジ8978、ビライフ8984、アコモ3226)は横ばいになっている。
Mid Cap(リテールF8953、オリックスF8954、日プライム8955、野村オフィス8959、ユナイテッド8960、森トラスト8961、森ヒルズ3234)は平均すると安値を切り下げているけれど、このうち実際に3月の安値を下回っているのは、リテール、日プライム、ユナイテッド、森ヒルズ。
最初の3つは信用不安かなぁ。。。
森ヒルズがこうも売られる理由がよく分かりません。
J-REITのなかでも、ビルFをはじめとする信用力があって増配を続けている銘柄と、信用不安&減配懸念のある銘柄の選別が進んでいるんじゃないかと思います。
今度は、ビルFの利回りを電力株(中部電力)の配当利回り、JGB10年債利回り、TOPIXの配当利回りと比較しました。
ビルFとJGBは逆相関というか、あまり連動性はないと思うのですが、電力株とは似た動きをしている。
ところが、ここ2カ月ほどは電力株が買われて利回りが低下しているのに、ビルFは売られていて、両者のスプレッドは1.3%ほどに。時系列で見ると、スプレッドはやや大きい水準。
確かにPERで見ると電力株よりもビルFははるかに割高。だけど、資源価格高とか人件費抑制の難しさを考えると電力の配当が増える環境ではないのに対して、ビルFは増益基調を一応は続けている。投資家が受け取る配当/分配金の大きさ、将来性を考えると、、、少なくとも、ビルFがこれ以上売られる可能性は低いんじゃないかと思う。
(ただし、GSEなどの海外情勢は影響するでしょうけど)
日本の将来の成長力が落ちていく、あるいは企業の増益力が限られるとするならば、足もとの利回りは重視されるんじゃないかと思う。デフレ的な環境ならば尚更に。
なので、、、ビルF、JRE、グロワン、森トラスト、森ヒルズ、といった銘柄を仕込むにはいい水準じゃないかと思うんですよね。。。価格上昇というよりも、数年間の配当を楽しみにするには。
ただし、前で書いたとおり、インフレが見えてきたらいったん外すほうが吉。その意味では、年金の代わりというには短期的過ぎるかもしれませんが。。。
(もうちょっと)
ビルFとJGBは逆相関というか、あまり連動性はないと思うのですが、電力株とは似た動きをしている。
ところが、ここ2カ月ほどは電力株が買われて利回りが低下しているのに、ビルFは売られていて、両者のスプレッドは1.3%ほどに。時系列で見ると、スプレッドはやや大きい水準。
確かにPERで見ると電力株よりもビルFははるかに割高。だけど、資源価格高とか人件費抑制の難しさを考えると電力の配当が増える環境ではないのに対して、ビルFは増益基調を一応は続けている。投資家が受け取る配当/分配金の大きさ、将来性を考えると、、、少なくとも、ビルFがこれ以上売られる可能性は低いんじゃないかと思う。
(ただし、GSEなどの海外情勢は影響するでしょうけど)
日本の将来の成長力が落ちていく、あるいは企業の増益力が限られるとするならば、足もとの利回りは重視されるんじゃないかと思う。デフレ的な環境ならば尚更に。
なので、、、ビルF、JRE、グロワン、森トラスト、森ヒルズ、といった銘柄を仕込むにはいい水準じゃないかと思うんですよね。。。価格上昇というよりも、数年間の配当を楽しみにするには。
ただし、前で書いたとおり、インフレが見えてきたらいったん外すほうが吉。その意味では、年金の代わりというには短期的過ぎるかもしれませんが。。。
(もうちょっと)
2008/08/27のBlog
[ 19:01 ]
[ 日本の経済・相場 ]
本当に久しぶりです。すみません。
不真面目ながらも一応、相場も見てます。
まー、wha_man3さんの予測の素晴らしさを改めて実感しているわけです。
昔、接していたころはその着眼点の鋭さを感じてましたが、経験と緻密な考察に裏打ちされた大局観がこうも凄いとは、、、初めて実感してるのです。
それでね、流動性が引く時、ですよね。
金融システム危機を根本に抱えながら、同時に資源高&インフレ懸念、おそロシア、いろいろ理由があって投資家がカネを引いている。原油価格が下がったのはいいけれど、そこで現われてきたのはエマージングも含めた需要不足。日本や米国のBEI(ブレークイーブン・インフレ率)が、落ち着いているというよりもデフレ懸念を感じさせるように落ち込み始めているように思えてしょうがない。
未だにデフレかよw、という指摘もあるでしょうが、J-REITを含めたスプレッド商品への投資に際して物価観は欠かせないので、まずはここから。
不真面目ながらも一応、相場も見てます。
まー、wha_man3さんの予測の素晴らしさを改めて実感しているわけです。
昔、接していたころはその着眼点の鋭さを感じてましたが、経験と緻密な考察に裏打ちされた大局観がこうも凄いとは、、、初めて実感してるのです。
それでね、流動性が引く時、ですよね。
金融システム危機を根本に抱えながら、同時に資源高&インフレ懸念、おそロシア、いろいろ理由があって投資家がカネを引いている。原油価格が下がったのはいいけれど、そこで現われてきたのはエマージングも含めた需要不足。日本や米国のBEI(ブレークイーブン・インフレ率)が、落ち着いているというよりもデフレ懸念を感じさせるように落ち込み始めているように思えてしょうがない。
未だにデフレかよw、という指摘もあるでしょうが、J-REITを含めたスプレッド商品への投資に際して物価観は欠かせないので、まずはここから。
ものすごく気になるのは、米国の時間当たり賃金が失速していることです。前年比+4%前後の水準だったものが、この3-4ヶ月に急激にペースを落としていて、前年比+3%、3か月前比の年率では+1%前後にまで鈍化している。
未だにインフレだの、スタグフレーションだの言う人が居るけど、やっぱり懸念すべきはデフレの方向だと思う。
未だにインフレだの、スタグフレーションだの言う人が居るけど、やっぱり懸念すべきはデフレの方向だと思う。
米国の10年債券の各スプレッドをざっと見てみる。
Muniはモノライン危機ほどには上昇していない。しかし、[Accrued Interestさんの記事]によると、MuniのCDSであるMCDXはCDX IGを上回っているらしく、依然として地方財政は厳しい。
Baaもかろうじて3月危機を下回っている。一方、今の焦点はGSE危機によるモーゲージで、対米国債スプレッドは3月のピークを上回ってきた。逆にBEIは低下している。
この市場動向と、上の賃金の失速を合わせて見ると、(資産デフレによる)所得制約が需要不足を生み、それが先行きの企業業績への懸念とデフレ期待を強めていると読める。
ちなみに、ケースシラー指数は四半期では下落ペースが落ち着いて来ているようにも見えるけど、例年、2Qは価格が上がる時期。季節性によるものだと思う。この点、Calculated Risk氏も指摘している。
ただし、中西部は水準的に下げ止まり圏内じゃないかと思う。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
日本についても同様。
須田委員は「インフレの上方リスク」を指摘したけれど、これは自己弁護だろう。
政府が経済対策を打たなきゃならない状況でありながら、「今のところ、私どもの標準シナリオは、従来のものから大きくぶれている訳ではないということです。」ってぇのは、、、まー、よく言うよw
低金利が将来のインフレを生むという懸念を持つ前に、その低金利が必要な状況だということをよく考えるべきだ。震源は米国だが、日本もその影響を受けているし、「緩和的な金融環境」ではなくなっている。
インフレを懸念する前に、需要のダウンサイド・リスクを見るべきだ。
こういうおバカがボードにいる限りは日本のデフレ的な環境はなかなか改善しない。
派遣労働の問題など、構造的な要因も大きいのでしょうけどね。
基本的に、日本の抱える問題は需要不足。金融引き締めとかインフレなどのシナリオの可能性は低い。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
GSEについてはよく分かりませんが、後ほど少々。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
REITはインフレ・ヘッジ資産、なーんて書いているのを見かける。
だけど、米国のREITに関する分析をググったところでは、「インフレ(CPI)とREITリターンの相関性は、認められないか、あるとしても若干の逆相関」という感じです。
REITの価格=(将来のCF=分配金≒賃料収入)/利回り
とざっくり考えると、たぶん、インフレが賃料収入を押し上げる効果(あるいは市場が見込む将来の収入)よりも、インフレによる利回り(金利)上昇の影響のほうが大きいんだと思います。
もし遠くない将来にインフレを見込むのならば、特にJ-REITへの投資は控えるべきだと思う。なぜなら、今の金利水準がとても低い(デュレーションが長い)ので、金利上昇の影響が特に大きくなるから。
たとえば、1年後の日本のコアコアCPIが安定的に1%以上になるとか、、、
その場合は、JGB利回りは2.5%以上に、ビルFの利回りは4.5-5.0%くらいになる感じかな。
僕はそういうシナリオは見てませんし、今のビルFの3.5%は、たぶん、投資してもいい水準だと思います。
ただし、日本経済が順調に回復してデフレ脱却が見えてきたら、一旦は外す方針で。
いつになるやら・・・
(続く)
Muniはモノライン危機ほどには上昇していない。しかし、[Accrued Interestさんの記事]によると、MuniのCDSであるMCDXはCDX IGを上回っているらしく、依然として地方財政は厳しい。
Baaもかろうじて3月危機を下回っている。一方、今の焦点はGSE危機によるモーゲージで、対米国債スプレッドは3月のピークを上回ってきた。逆にBEIは低下している。
この市場動向と、上の賃金の失速を合わせて見ると、(資産デフレによる)所得制約が需要不足を生み、それが先行きの企業業績への懸念とデフレ期待を強めていると読める。
ちなみに、ケースシラー指数は四半期では下落ペースが落ち着いて来ているようにも見えるけど、例年、2Qは価格が上がる時期。季節性によるものだと思う。この点、Calculated Risk氏も指摘している。
ただし、中西部は水準的に下げ止まり圏内じゃないかと思う。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
日本についても同様。
須田委員は「インフレの上方リスク」を指摘したけれど、これは自己弁護だろう。
政府が経済対策を打たなきゃならない状況でありながら、「今のところ、私どもの標準シナリオは、従来のものから大きくぶれている訳ではないということです。」ってぇのは、、、まー、よく言うよw
低金利が将来のインフレを生むという懸念を持つ前に、その低金利が必要な状況だということをよく考えるべきだ。震源は米国だが、日本もその影響を受けているし、「緩和的な金融環境」ではなくなっている。
インフレを懸念する前に、需要のダウンサイド・リスクを見るべきだ。
こういうおバカがボードにいる限りは日本のデフレ的な環境はなかなか改善しない。
派遣労働の問題など、構造的な要因も大きいのでしょうけどね。
基本的に、日本の抱える問題は需要不足。金融引き締めとかインフレなどのシナリオの可能性は低い。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
GSEについてはよく分かりませんが、後ほど少々。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
REITはインフレ・ヘッジ資産、なーんて書いているのを見かける。
だけど、米国のREITに関する分析をググったところでは、「インフレ(CPI)とREITリターンの相関性は、認められないか、あるとしても若干の逆相関」という感じです。
REITの価格=(将来のCF=分配金≒賃料収入)/利回り
とざっくり考えると、たぶん、インフレが賃料収入を押し上げる効果(あるいは市場が見込む将来の収入)よりも、インフレによる利回り(金利)上昇の影響のほうが大きいんだと思います。
もし遠くない将来にインフレを見込むのならば、特にJ-REITへの投資は控えるべきだと思う。なぜなら、今の金利水準がとても低い(デュレーションが長い)ので、金利上昇の影響が特に大きくなるから。
たとえば、1年後の日本のコアコアCPIが安定的に1%以上になるとか、、、
その場合は、JGB利回りは2.5%以上に、ビルFの利回りは4.5-5.0%くらいになる感じかな。
僕はそういうシナリオは見てませんし、今のビルFの3.5%は、たぶん、投資してもいい水準だと思います。
ただし、日本経済が順調に回復してデフレ脱却が見えてきたら、一旦は外す方針で。
いつになるやら・・・
(続く)
2008/08/07のBlog
[ 01:12 ]
[ 欧米 ]
MarketWatch: [Morgan Stanley to analyze Fannie, Freddie reforms]
WSJ: [Treasury Hires Morgan Stanley For Advice on Fannie, Freddie]
ブッシュの任期限定でMSを採用。対価はコスト相当の9.5万ドルのみ。
コメントはありません。てか、わけわかりません。
WSJによれば、このMSとは別に、アトランタ連銀のエコノミストW. Scott Frame氏が財務省内部のアドバイザーとして一時的に就任とか。今週火曜から。
同氏のアトランタ連銀での紹介。FNM、FREのみならずFHLBについても分析している模様。
Atlanta Fed: [Research Economist - W. Scott Frame]
正直、既に僕の手には負えない領域ですが、、、関心のある方はご覧くださいませ。
WSJ: [Treasury Hires Morgan Stanley For Advice on Fannie, Freddie]
ブッシュの任期限定でMSを採用。対価はコスト相当の9.5万ドルのみ。
コメントはありません。てか、わけわかりません。
WSJによれば、このMSとは別に、アトランタ連銀のエコノミストW. Scott Frame氏が財務省内部のアドバイザーとして一時的に就任とか。今週火曜から。
同氏のアトランタ連銀での紹介。FNM、FREのみならずFHLBについても分析している模様。
Atlanta Fed: [Research Economist - W. Scott Frame]
正直、既に僕の手には負えない領域ですが、、、関心のある方はご覧くださいませ。
2008/08/05のBlog
[ 06:41 ]
[ 欧米 ]
いろいろ宿題を抱えている気がしますが、、、
いまさら、[MBI]と[ABK]が急騰していることに気づいたのですよ。
どうやら、AmbacがCitiと契約していたCDO14億ドルの保証のキャンセル料として8.5億ドルを支払い、また、同様のキャンセル料としてMerrillに5億ドル支払で合意したとの報道が理由のようです。
[Ambac settlement sparks debt insurer rally]
それで、こっからちょー幼稚な妄想ですが、これは、、、奉加帳?
FNMの10-Kによると、サードパーティによるCredit Enhancementが2007年末で1908億ドルあるらしい(p137以下)。
内訳はモーゲージ保証が1041億ドル(うちAA以上が600億ドル)、レンダー・リコースが437億ドル、金融保証が118億ドルなど。
カウンターパーティの詳細がディスクロされてないのが残念ですが、当然MBIやABKも含まれているだろうし、[MTG]や[GNW]などのモーゲージ保証会社も含まれているでしょう。
んで、これらモノラインやモーゲージ保証会社が飛んだら、FNM、FREだけでなくFHLBも打撃を受ける。FHLBも取引してますからね。
だ・か・ら、、、実態よりも低いキャンセル料で手を打ったと。。。
モノラインを生かすためにw
アハw、妄想か?
でも、もしそーなら、今後、エラそうに日本の金融制度に口出ししないで欲しいもんだ。
いまさら、[MBI]と[ABK]が急騰していることに気づいたのですよ。
どうやら、AmbacがCitiと契約していたCDO14億ドルの保証のキャンセル料として8.5億ドルを支払い、また、同様のキャンセル料としてMerrillに5億ドル支払で合意したとの報道が理由のようです。
[Ambac settlement sparks debt insurer rally]
それで、こっからちょー幼稚な妄想ですが、これは、、、奉加帳?
FNMの10-Kによると、サードパーティによるCredit Enhancementが2007年末で1908億ドルあるらしい(p137以下)。
内訳はモーゲージ保証が1041億ドル(うちAA以上が600億ドル)、レンダー・リコースが437億ドル、金融保証が118億ドルなど。
カウンターパーティの詳細がディスクロされてないのが残念ですが、当然MBIやABKも含まれているだろうし、[MTG]や[GNW]などのモーゲージ保証会社も含まれているでしょう。
んで、これらモノラインやモーゲージ保証会社が飛んだら、FNM、FREだけでなくFHLBも打撃を受ける。FHLBも取引してますからね。
だ・か・ら、、、実態よりも低いキャンセル料で手を打ったと。。。
モノラインを生かすためにw
アハw、妄想か?
でも、もしそーなら、今後、エラそうに日本の金融制度に口出ししないで欲しいもんだ。
2008/07/29のBlog
[ 22:39 ]
[ 日本の経済・相場 ]
いまさら、利下げを求めるのも恥ずかしい気がしますが。
株価が下げると利下げを求める”利下げ乞食”などと思われても仕方ありませんかね。
6月の短観から日銀の姿勢に明確な変化が起きることを”期待”してたのですが、一向に変化がありません。ダウンサイド・リスクを重視しているのはわかりますがね、様子見をするだけ。
これじゃぁ福井前総裁と大差ありません。
みずほ総研: [今回の交易条件悪化局面の特徴と経済への影響について]
シニアエコノミストの泰松真也さんは存じ上げませんが、鋭い分析をしていらっしゃいます。これも。
みずほ総研: [「好循環メカニズム」の所得分配面からの検証]
輸入価格の上昇が、GDPデフレーターと内需デフレーターに及ぼしている影響をおもに分析していらっしゃいますが、要は前2回のオイルショックと比較して、今回は価格転嫁が進んでいない、それゆえに企業部門と家計の所得が圧迫されてきた。
すなわち、「好循環メカニズム」なんぞはそもそも存在していなかった、ということでしょう。
04-07年度末までの価格転嫁率が15%程度でしかないと推計されることから、先行きは価格転嫁が進むと同時に賃金抑制が進む。家計は、名目所得の伸び悩みと物価上昇によるダブルパンチで、実質購買力はさらに低下していく。また、法人企業統計を見るまでもなく、企業収益・CFの鈍化は設備投資の減少に繋がる。
外需についても、これまでの交易損失を上回る実質輸出数量の伸びは期待し難い。
「悪循環メカニズム」が見えている、ということですかね。
みずほ総研さんが言っている通り、「パイの拡大」策が必要ですよ。
金融政策の面からは、利下げ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
株価が下げると利下げを求める”利下げ乞食”などと思われても仕方ありませんかね。
6月の短観から日銀の姿勢に明確な変化が起きることを”期待”してたのですが、一向に変化がありません。ダウンサイド・リスクを重視しているのはわかりますがね、様子見をするだけ。
これじゃぁ福井前総裁と大差ありません。
みずほ総研: [今回の交易条件悪化局面の特徴と経済への影響について]
シニアエコノミストの泰松真也さんは存じ上げませんが、鋭い分析をしていらっしゃいます。これも。
みずほ総研: [「好循環メカニズム」の所得分配面からの検証]
輸入価格の上昇が、GDPデフレーターと内需デフレーターに及ぼしている影響をおもに分析していらっしゃいますが、要は前2回のオイルショックと比較して、今回は価格転嫁が進んでいない、それゆえに企業部門と家計の所得が圧迫されてきた。
すなわち、「好循環メカニズム」なんぞはそもそも存在していなかった、ということでしょう。
04-07年度末までの価格転嫁率が15%程度でしかないと推計されることから、先行きは価格転嫁が進むと同時に賃金抑制が進む。家計は、名目所得の伸び悩みと物価上昇によるダブルパンチで、実質購買力はさらに低下していく。また、法人企業統計を見るまでもなく、企業収益・CFの鈍化は設備投資の減少に繋がる。
外需についても、これまでの交易損失を上回る実質輸出数量の伸びは期待し難い。
「悪循環メカニズム」が見えている、ということですかね。
みずほ総研さんが言っている通り、「パイの拡大」策が必要ですよ。
金融政策の面からは、利下げ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
資金需要判断(主要銀行貸出動向アンケート調査2008年7月)は、特に企業部門の需要が急低下している。
とても、「金融環境は緩和的」などと言ってられる状況じゃない。
そして、失業率、有効求人倍率を見れば、労働需給が悪化していることは明らか。
みずほ総研さんの分析からも、企業が人件費抑制にさらに取り組むだろう事が予想される。
雇用はおろか、賃金にもダウンサイド・リスクがある。
賃金と物価のスパイラル的上昇なんて、”あり得ない”。
それどころか、より高い(名目)賃金の上昇こそが必要なのだ。
価格転嫁が難しいこと、賃金上昇率が低いこと(労働生産性上昇率を下回っていること)は、デフレの影響が根強く、そして、未だに労働需給は供給超過にあることを反映しているんじゃないか?
そのため、今回の輸入インフレの影響が、物価上昇(価格転嫁)に向かわずに内需低迷、国内デフレの進行に繋がっている。
CPIが2%?
GDPデフレーターは▲1.5%、内需デフレーターは0.5%でしかない。
その差は何か?
かなりざっくりと言えば、所得環境の悪化、雇用環境の悪化だ、ということですね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「機動的な金融政策」なんて言うなら、速やかに利下げするべきだろう。
ただの評論家なら、実務に携わるべきじゃない。
とても、「金融環境は緩和的」などと言ってられる状況じゃない。
そして、失業率、有効求人倍率を見れば、労働需給が悪化していることは明らか。
みずほ総研さんの分析からも、企業が人件費抑制にさらに取り組むだろう事が予想される。
雇用はおろか、賃金にもダウンサイド・リスクがある。
賃金と物価のスパイラル的上昇なんて、”あり得ない”。
それどころか、より高い(名目)賃金の上昇こそが必要なのだ。
価格転嫁が難しいこと、賃金上昇率が低いこと(労働生産性上昇率を下回っていること)は、デフレの影響が根強く、そして、未だに労働需給は供給超過にあることを反映しているんじゃないか?
そのため、今回の輸入インフレの影響が、物価上昇(価格転嫁)に向かわずに内需低迷、国内デフレの進行に繋がっている。
CPIが2%?
GDPデフレーターは▲1.5%、内需デフレーターは0.5%でしかない。
その差は何か?
かなりざっくりと言えば、所得環境の悪化、雇用環境の悪化だ、ということですね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「機動的な金融政策」なんて言うなら、速やかに利下げするべきだろう。
ただの評論家なら、実務に携わるべきじゃない。
2008/07/28のBlog
[ 01:20 ]
[ 欧米 ]
資料だけです。
2007年末のFHLBのAdvance(担保貸付)の銀行別、内訳。
上位3-10行、Milドルとシェア。
増加額は、2006年末比。ただし、Boston、Cincinnati、Dallasの3つは前年データをとってませんので、増加額はありません。
個別行では、前年のデータがわからない場合の増加額はN/Aとしてます。
TOP5の合計は灰色のセル。
SF、Seattle、Pittsburghでの集中度が高い。
特にSF、SeattleはWMの影響が不可避。
WBはDallas、SFの2つのFHLBで資金調達。
BACはBoston、Seattleのほかに、ChicagoのLasalle Bank もBAC子会社。あ、CFCもかw
NCCはCincinnatiから調達。
2007年末のFHLBのAdvance(担保貸付)の銀行別、内訳。
上位3-10行、Milドルとシェア。
増加額は、2006年末比。ただし、Boston、Cincinnati、Dallasの3つは前年データをとってませんので、増加額はありません。
個別行では、前年のデータがわからない場合の増加額はN/Aとしてます。
TOP5の合計は灰色のセル。
SF、Seattle、Pittsburghでの集中度が高い。
特にSF、SeattleはWMの影響が不可避。
WBはDallas、SFの2つのFHLBで資金調達。
BACはBoston、Seattleのほかに、ChicagoのLasalle Bank もBAC子会社。あ、CFCもかw
NCCはCincinnatiから調達。
2008/07/27のBlog
[ 22:33 ]
[ 欧米 ]
米上院がGSEを事実上救済する法案を可決。週明け早々にも大統領署名を得る運びに。
ぜひ、吉行誠さんの記事をご覧ください。今回のGSE救済に至った背景と、この救済法案に関する考察です。
[consumersな憂鬱:"GSE救済は、GSEの債務超過というより、WaMuとFDICの破綻回避か"]
吉行さんの記事によれば、重要な条項はセクション1117だそうで、これ以外は読んでませんw
[H.R. 3221.EAH2](←下院修正案。最終案ではないかもしれません・・・)
日本の新聞はもちろん、WSJやNYTですらFNM、FREしか触れていませんが、FHLBもまた重要な対象です。
FNMとFREに関する条文はほぼ同じですが、この2つに関する証券の記述が” any obligations and other securities”であるのに対して、FHLBでは”any obligations”となっているので、吉行さんご指摘の通り、FHLBの株式購入(資本注入)はできません。
"The need to maintain the corporation's status as a private shareholder-owned company."民間保有の株式会社としての地位を維持する、ってのも政治的配慮でしょうね。GSEの株価はどういう反応をするんでしょう?
同時に政府債務上限を現行の9.8兆ドルから10.6兆ドルに800億ドル増やしましたので、最大、この範囲で国債発行で得たカネでGSEの株式、債券、MBS、その他もろもろの証券を購入できます。現行法案では2009年末までの時限立法ですが、延長される可能性は高いでしょうね。
しかし、、、ポールソンの力技すげーーー!あほな上司と火事場泥棒のような議員w連中を見事に切り盛りしやがった。
実際の証券購入、資本投入が来年になるとしても、現政権としての最低限の責務は果たしましたよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
振り返ってみれば、1年前の8月危機からひそかにサブプラ関連の不良債権への公的資金投入は、実質的に続いていた。FHLBのAdvanceを使って。FEDのオペ拡充やBSC買収に伴う資金投入なんて比較にならない規模で。
また、FNMやFREも民間銀行の不良債権を吸い上げてきた(らしい)。
これら不良債権の塊を、今回、一括して政府部門に移転する道筋ができちまった。
見事な裏ルートwww
FHLBも対象に含めたことで、FDICに災禍を及ぼして民間銀行の預金準備負担を急激に高めるリスクもとりあえず低下した。
今後は、WMやWB、その他キケーンな銀行を順次破たんさせ、その処理過程で、FHLBがこそーりと損失処理。まんいちFHLBが資金不足に陥った場合には財務省が個別FHLBの債券を購入して手当てする。その過程は、あとで議会に報告される。。。という感じでしょうかね?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ご関心のある方は、以前の記事のコメント欄でのやり取りもご覧ください。
なによりも、吉行さんの一連のエントリーと、各Blogでのコメントも。
本件に関する、吉行さんの精力的な分析と問題提起に心からの感謝と敬意を感じます。
ぜひ、吉行誠さんの記事をご覧ください。今回のGSE救済に至った背景と、この救済法案に関する考察です。
[consumersな憂鬱:"GSE救済は、GSEの債務超過というより、WaMuとFDICの破綻回避か"]
吉行さんの記事によれば、重要な条項はセクション1117だそうで、これ以外は読んでませんw
[H.R. 3221.EAH2](←下院修正案。最終案ではないかもしれません・・・)
日本の新聞はもちろん、WSJやNYTですらFNM、FREしか触れていませんが、FHLBもまた重要な対象です。
FNMとFREに関する条文はほぼ同じですが、この2つに関する証券の記述が” any obligations and other securities”であるのに対して、FHLBでは”any obligations”となっているので、吉行さんご指摘の通り、FHLBの株式購入(資本注入)はできません。
"The need to maintain the corporation's status as a private shareholder-owned company."民間保有の株式会社としての地位を維持する、ってのも政治的配慮でしょうね。GSEの株価はどういう反応をするんでしょう?
同時に政府債務上限を現行の9.8兆ドルから10.6兆ドルに800億ドル増やしましたので、最大、この範囲で国債発行で得たカネでGSEの株式、債券、MBS、その他もろもろの証券を購入できます。現行法案では2009年末までの時限立法ですが、延長される可能性は高いでしょうね。
しかし、、、ポールソンの力技すげーーー!あほな上司と火事場泥棒のような議員w連中を見事に切り盛りしやがった。
実際の証券購入、資本投入が来年になるとしても、現政権としての最低限の責務は果たしましたよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
振り返ってみれば、1年前の8月危機からひそかにサブプラ関連の不良債権への公的資金投入は、実質的に続いていた。FHLBのAdvanceを使って。FEDのオペ拡充やBSC買収に伴う資金投入なんて比較にならない規模で。
また、FNMやFREも民間銀行の不良債権を吸い上げてきた(らしい)。
これら不良債権の塊を、今回、一括して政府部門に移転する道筋ができちまった。
見事な裏ルートwww
FHLBも対象に含めたことで、FDICに災禍を及ぼして民間銀行の預金準備負担を急激に高めるリスクもとりあえず低下した。
今後は、WMやWB、その他キケーンな銀行を順次破たんさせ、その処理過程で、FHLBがこそーりと損失処理。まんいちFHLBが資金不足に陥った場合には財務省が個別FHLBの債券を購入して手当てする。その過程は、あとで議会に報告される。。。という感じでしょうかね?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ご関心のある方は、以前の記事のコメント欄でのやり取りもご覧ください。
なによりも、吉行さんの一連のエントリーと、各Blogでのコメントも。
本件に関する、吉行さんの精力的な分析と問題提起に心からの感謝と敬意を感じます。
2008/07/15のBlog
[ 23:17 ]
[ 欧米 ]
==========追記=========
GSEに関して、僕のくだらない記事よりもこちらをお読みなるのがよろしいかと。
consumerな憂鬱”GSEは債務超過か - FNMA, Freddie証券の価値評価”
======================
GSEが焦点になるとしても、もうちょっと先かなーと思っていたんですが、甘かった。いつものことですが。。。
FNM、FREの会計は怪しいなぁと思いつつ、どこが怪しいのかよくわからない。
というよりも、FNM、FREのビジネスが複雑で、それぞれのビジネスからどの程度の損失が出てくるのかわからんのです。orz...
WSJにFNMは200億ドルの資本が必要、と書かれていたらしいけど、ほんとにそれだけで済むのかなー。。。
FNMが持っているor再証券化している(?)Alt-Aだけで3140億ドル、サブプラは208億ドルもあるんですよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
GSEに関して、僕のくだらない記事よりもこちらをお読みなるのがよろしいかと。
consumerな憂鬱”GSEは債務超過か - FNMA, Freddie証券の価値評価”
======================
GSEが焦点になるとしても、もうちょっと先かなーと思っていたんですが、甘かった。いつものことですが。。。
FNM、FREの会計は怪しいなぁと思いつつ、どこが怪しいのかよくわからない。
というよりも、FNM、FREのビジネスが複雑で、それぞれのビジネスからどの程度の損失が出てくるのかわからんのです。orz...
WSJにFNMは200億ドルの資本が必要、と書かれていたらしいけど、ほんとにそれだけで済むのかなー。。。
FNMが持っているor再証券化している(?)Alt-Aだけで3140億ドル、サブプラは208億ドルもあるんですよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
先週飛んだIndymac(IMB)の10-Qを眺めたんです(右図)。飛ぶ銀行のF/Sを見ておきたくて。
National City(NCC)が健全に見えるほどの醜さでしたw
4Qには証券の保有目的の変更までやってるぽいですね。
それで、やっぱりFHLBからのAdvance(担保借入)が総資産の1/3もありました。
FDICはIMBの預金者ではなくて、FHLBを救済してるんじゃないかw?
NCCですら総資産の6%しかないのに。
ちなみにNCCのAdvanceはこの3四半期で、
10億ドル(2007.Q2)→51(Q3)→63(Q4)→94億(Q1)ドルと急増している。
たぶん、社債発行が困難になっているため。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
FNMやFREに切り込めない代わりに、FHLBの財務内容を見てみました。
以前の記事でご紹介したとおり、FHLBの資産内容は①加盟銀行への担保融資(Advance)②MBSの自己保有③個人向け住宅ローンに大別できます。FNM、FREと比べて事業内容がシンプルで分かりやすいのです。
焦点の1つはFHLBが持つMBSのうちの民間発行(non-Agency)のMBS、さらにその中でのAlt-A MBSでしょう。
National City(NCC)が健全に見えるほどの醜さでしたw
4Qには証券の保有目的の変更までやってるぽいですね。
それで、やっぱりFHLBからのAdvance(担保借入)が総資産の1/3もありました。
FDICはIMBの預金者ではなくて、FHLBを救済してるんじゃないかw?
NCCですら総資産の6%しかないのに。
ちなみにNCCのAdvanceはこの3四半期で、
10億ドル(2007.Q2)→51(Q3)→63(Q4)→94億(Q1)ドルと急増している。
たぶん、社債発行が困難になっているため。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
FNMやFREに切り込めない代わりに、FHLBの財務内容を見てみました。
以前の記事でご紹介したとおり、FHLBの資産内容は①加盟銀行への担保融資(Advance)②MBSの自己保有③個人向け住宅ローンに大別できます。FNM、FREと比べて事業内容がシンプルで分かりやすいのです。
焦点の1つはFHLBが持つMBSのうちの民間発行(non-Agency)のMBS、さらにその中でのAlt-A MBSでしょう。
右図の棒グラフは民間MBSに占めるAlt-Aの割合です。ただし、Alt-A MBSの金額をディスクロしていないFHLBもあって、ディスクロしていないところは名前の頭に*をつけています。
丸いドットは、”満期保有目的の”民間MBSで生じている未実現損失(Unrealized Loss)の、簿価に対する損失率です。
たとえばBoston連銀(FHLB Boston)では、保有している民間MBSのほとんどがAlt-Aであり、その未実現損失率は20%です。西海岸のSF、SeattleもAlt-Aの比率が75%と高く、そして未実現損失率も13%にまで急上昇しています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
US GAAPを全く知らないのですが、、、P/LとB/Sに反映させるかどうかで損益のタイプ?が分かれるんだと思うんですよ。
①P/L、B/Sともに反映
②P/Lには計上しないが、B/Sに反映させる(資本直入)
③P/L、B/Sともに反映させない(注記表示)
FHLBでは売買目的(Available-for-sale, Trading, AFS)証券の未実現損益は①、満期保有目的(Held-to-maturity, HTM)証券の未実現損益は③ですね。たぶんw
AFSの未実現損益はP/L計上と同時にB/Sには時価計上として反映される。HTMの未実現損益はP/Lに乗らず、B/Sは簿価(償却原価)計上のみで損益は反映されない。
つまり、上のグラフで見た”満期保有の”民間MBS(Alt-Aを含む)で生じている未実現損失はP/LはおろかB/Sにも反映されていない。
(念のため、これを以て”不正”だと言うのは性急。資産項目を”換金価値”と見るか、”将来費用”と見るかで計上の方針は異なる→Wiki。ただし、Alt-Aなどの民間MBSの資産価値が回復しないと見込まれる場合には、損失を実現するのが妥当。)
丸いドットは、”満期保有目的の”民間MBSで生じている未実現損失(Unrealized Loss)の、簿価に対する損失率です。
たとえばBoston連銀(FHLB Boston)では、保有している民間MBSのほとんどがAlt-Aであり、その未実現損失率は20%です。西海岸のSF、SeattleもAlt-Aの比率が75%と高く、そして未実現損失率も13%にまで急上昇しています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
US GAAPを全く知らないのですが、、、P/LとB/Sに反映させるかどうかで損益のタイプ?が分かれるんだと思うんですよ。
①P/L、B/Sともに反映
②P/Lには計上しないが、B/Sに反映させる(資本直入)
③P/L、B/Sともに反映させない(注記表示)
FHLBでは売買目的(Available-for-sale, Trading, AFS)証券の未実現損益は①、満期保有目的(Held-to-maturity, HTM)証券の未実現損益は③ですね。たぶんw
AFSの未実現損益はP/L計上と同時にB/Sには時価計上として反映される。HTMの未実現損益はP/Lに乗らず、B/Sは簿価(償却原価)計上のみで損益は反映されない。
つまり、上のグラフで見た”満期保有の”民間MBS(Alt-Aを含む)で生じている未実現損失はP/LはおろかB/Sにも反映されていない。
(念のため、これを以て”不正”だと言うのは性急。資産項目を”換金価値”と見るか、”将来費用”と見るかで計上の方針は異なる→Wiki。ただし、Alt-Aなどの民間MBSの資産価値が回復しないと見込まれる場合には、損失を実現するのが妥当。)
そこで、民間MBSの未実現損失を資本(B/S)に反映させたケースと、Alt-Aの損失率が40%にまで膨らみ未実現損失が急増するケースを作りました。
水色棒グラフは表向きの自己資本比率(株主資本/総資産)。
緑色三角のドットは、民間MBSの未実現損失を資本に反映させたもの。
赤色丸いドットは、Alt-Aの損失率が40%に上昇したケース。Alt-A MBSの残高をディスクロしてないFHLBは、民間MBSの45%がAlt-Aと仮定。
いくつかのFHLBは自己資本比率が3%を割り込んできますが、まー実質債務超過とはならない。
ただし、公的資本はFHLBにも必要でしょうね。
なぜなら、FHLBは収益性がとても低いからです。たとえば、Seattleが期間利益だけで自己資本比率を4%に持っていくためには20-50年くらいかかる。
これから倒産する銀行から受けている担保も十分かどうかもわからないし。。。
ちょーおおまかに、FHLBに必要な(公的)資金の額は150-200億ドル程度かな。
あと、これらの未実現損失が実現されるかどうかの分かれ目は、1つは個別証券の価格。おおまかに簿価を30%以上下回ると強制的に実現させなきゃいけない(と思う)。
もう1つは個別証券の格付け。FHLBやFNMの会計方針をざっと読むと、格付がAAを下回ると未実現損失を反映させるらしい(EITF90-20、なんだとか)。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
FNM、FREについて必要な公的資金額も計算したいのですが、正直、難しい。
欧州も、、、会計制度、ディスクロの違いなど、ややこしい。。。
水色棒グラフは表向きの自己資本比率(株主資本/総資産)。
緑色三角のドットは、民間MBSの未実現損失を資本に反映させたもの。
赤色丸いドットは、Alt-Aの損失率が40%に上昇したケース。Alt-A MBSの残高をディスクロしてないFHLBは、民間MBSの45%がAlt-Aと仮定。
いくつかのFHLBは自己資本比率が3%を割り込んできますが、まー実質債務超過とはならない。
ただし、公的資本はFHLBにも必要でしょうね。
なぜなら、FHLBは収益性がとても低いからです。たとえば、Seattleが期間利益だけで自己資本比率を4%に持っていくためには20-50年くらいかかる。
これから倒産する銀行から受けている担保も十分かどうかもわからないし。。。
ちょーおおまかに、FHLBに必要な(公的)資金の額は150-200億ドル程度かな。
あと、これらの未実現損失が実現されるかどうかの分かれ目は、1つは個別証券の価格。おおまかに簿価を30%以上下回ると強制的に実現させなきゃいけない(と思う)。
もう1つは個別証券の格付け。FHLBやFNMの会計方針をざっと読むと、格付がAAを下回ると未実現損失を反映させるらしい(EITF90-20、なんだとか)。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
FNM、FREについて必要な公的資金額も計算したいのですが、正直、難しい。
欧州も、、、会計制度、ディスクロの違いなど、ややこしい。。。
2008/07/06のBlog
[ 16:57 ]
[ 欧米 ]
[ECBトリシェ総裁会見要旨、Q&A]
お恥ずかしいのですが、僕はECBの総裁会見要旨をこれまで読んだことはありませんでした。
データやレポート類は多少目にしたことはあるのですが。
理解の浅い点をご容赦ください。
とはいえ会見要旨を読んだ限りは、ECBが利上げをした理由はまあ想定内です。
その目的は、中期的なインフレ期待を抑制し、商品価格上昇の2次的影響を未然に防ぐこと。
また、利上げ決定に至った背景は、
①商品価格・HICP上昇率の加速
②労働市場のタイト化
③M3と、非金融部門貸出の高い伸び
④財政赤字の拡大
といったところです。
通常ならば、利上げは正しい選択です。
[三菱UFJ証券さんの欧州経済チャート集]を参照してください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
その前に、ユーロ経済圏に関する僕の大まかな理解は、
- 東欧・アフリカ諸国からの正規・非正規労働者の流入により、持続的な成長圧力が起きている。
- EUの拡大政策は、中所得国での所得水準の向上(とEU市場の拡大)というプラス面を持っているが、同時にそれら中所得国の賃金・物価の上昇圧力を強めている。
- また、EUの労働生産性上昇率は日米を下回っていること、企業の市場寡占化が高いことから、価格転嫁が進みやすい構造を持っている。
- ドルの信認が揺らぐのとは対照的に、ユーロの基軸通貨性が高まり資金流入が起きている。そのため長期金利への低下圧力が生じ、経済への刺激効果を生んでいる。
つまり、ユーロ圏は(英国と同様に)ヒト・カネの流入を背景にした高成長局面にある。同時に、割と硬直的な経済構造を有しているため生産性が低く、高成長(高需要)はインフレ圧力に直結しやすいのではないか、、、と考えているのです。
だからこそ、設備稼働率やIFO指数は未だに高く、失業率の水準は歴史的に低く、そしてインフレ圧力が比較的強いのだと僕は考えているんです。
それに対して、現在の実質金利水準は、短期(政策)金利、長期金利ともに低い。
以前の記事で、[BISによるユーロ金利のテイラー・ルール分析]を紹介したことがあります。1999年とかなり昔の分析ですが、これによるとユーロ金利の均衡実質金利は3.5%です。
このテイラー・ルールに今の状況を当てはめると、、、政策金利は5.5-5.75%程度になります。今が4.25%ですから、あと1.25-1.5%ほど金利は引き上げられることになる。
(GDP +2.2%、GDPデフレーター +2.0%として。HICP +4.0%を使うとさらに高い水準になる。ただし、HICPを使った場合には均衡実質金利も多少は変わるだろう)
さらに、今のユーロ圏が高成長局面にあるとするならば、実質金利は歴史的水準よりも幾分高くあるべきだと考えられる。東西ドイツ統合後に実質金利が高まったのと同様に。
それなのに、ユーロ金利の実質金利は長短ともに低い。三菱UFJ証券さんのチャート集P18にいいグラフがありますが、短期実質金利がやや緩和的であるだけでなく、長期の実質金利は歴史的に低いのです。これはイールド・カーブの平たん化を反映したものです。
通常は、イールド・カーブの平たん化(長短金利差の縮小・逆転)は景気後退を示唆します。そうなのかもしれません。
しかし、ユーロの基軸通貨化を反映した資金流入によるものなのかもしれません。グリーンスパンの”なぞ”が欧州で起きているのかもしれませんね。
逆にいえば、今の長短金利水準は緩和的で、将来のインフレ圧力を生むリスクがある、ということになります。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ユーロ圏の中期的な経済状況について以上のように考えているので、サブプラによる金融システム危機がなければ、ユーロ金利はもっと高まっていただろうと僕は思っています。
たぶん、トリシェが6月に先走ってしまったのも、また、ECBメンバーがタカ派な発言をする理由も、こういう認識が背景にあるんじゃないかなーと思うんです。
それで、、、
トリシェの今回の会見に戻って、ちょっと奇妙に思えたのは、EU経済の堅調さの理由に「エマージング経済の強さ」を挙げていること。
当然ではあるのですが、日米欧、すべての先進国がエマージング経済を頼りにしている。
その強いエマージングの理由の1つは、資源価格高を背景にしたロシア・中東の好調さですよね。
原油価格が今後も持続的に上昇するならば、単なる2次的なインフレ圧力だけでなく、外需の強さとしてEU経済を刺激し、インフレのリスクをさらに高めることになる。
一方で原油価格が反落すれば、外需の落ち込みが起きるでしょう。
原油価格について面白いグラフ。
[Historical Crude Oil Price]
インフレ調整後の実質価格では、原油価格は79年の水準を上回ってますね。
当時とはエマージングを含めた原油の消費量も、可採年数も違うと思うかもしれませんが、その当時も確か可採埋蔵年数は40年とか言われていたと思います。
[妥当な原油価格は60-70ドル]という見方はあながち外れじゃないと思います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
話がそれたんですが、、、
このように見てくると、ECBは長期的には利上げを続ける、ということになりますね。
原油価格がさらに上昇し、同時にロシア・中東経済を刺激し続けるのならば、インフレ抑制&実質金利調整の必要から積極的な利上げを行わざるをえなくなる。最悪のシナリオ。
一方で、原油価格が反落し、外需が落ち込むのならば、その影響をじっくりと見極めたのちに緩やかな実質金利調整のための利上げ。
どっちにせよ、経済が急激に悪化しない限りは、利上げ局面の継続ではないかと。。。
それで、わからないのは、欧州の銀行・金融システムの痛み方です。
欧州の住宅市場で、サブプラと同様に証券化を使っていたとしても、低所得者向けへのルーズ・マネーが膨らんでいたのかどうかは、僕には分かりません。
米国のサブプラの影響は、保有証券の毀損だけでなく、AIGなど米保険会社による保証が失われることで資産圧縮圧力が生じているかもしれません。が、よく分かりません。
M3や非金融部門向け貸出は高い伸びを維持しているので、懸念されるほどの信用収縮は欧州では起きないのかもしれません。
しかし、、、金融株の売られ方や消費者センチメントの急落を見ると、利上げはもう少し待つべきだったんじゃないか、と思うのです。
ほかにも、賃金交渉の動向とか、周辺国の変調とか、いろいろあるんでしょうが、、、いずれも、よくわかってません。。。
お恥ずかしいのですが、僕はECBの総裁会見要旨をこれまで読んだことはありませんでした。
データやレポート類は多少目にしたことはあるのですが。
理解の浅い点をご容赦ください。
とはいえ会見要旨を読んだ限りは、ECBが利上げをした理由はまあ想定内です。
その目的は、中期的なインフレ期待を抑制し、商品価格上昇の2次的影響を未然に防ぐこと。
また、利上げ決定に至った背景は、
①商品価格・HICP上昇率の加速
②労働市場のタイト化
③M3と、非金融部門貸出の高い伸び
④財政赤字の拡大
といったところです。
通常ならば、利上げは正しい選択です。
[三菱UFJ証券さんの欧州経済チャート集]を参照してください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
その前に、ユーロ経済圏に関する僕の大まかな理解は、
- 東欧・アフリカ諸国からの正規・非正規労働者の流入により、持続的な成長圧力が起きている。
- EUの拡大政策は、中所得国での所得水準の向上(とEU市場の拡大)というプラス面を持っているが、同時にそれら中所得国の賃金・物価の上昇圧力を強めている。
- また、EUの労働生産性上昇率は日米を下回っていること、企業の市場寡占化が高いことから、価格転嫁が進みやすい構造を持っている。
- ドルの信認が揺らぐのとは対照的に、ユーロの基軸通貨性が高まり資金流入が起きている。そのため長期金利への低下圧力が生じ、経済への刺激効果を生んでいる。
つまり、ユーロ圏は(英国と同様に)ヒト・カネの流入を背景にした高成長局面にある。同時に、割と硬直的な経済構造を有しているため生産性が低く、高成長(高需要)はインフレ圧力に直結しやすいのではないか、、、と考えているのです。
だからこそ、設備稼働率やIFO指数は未だに高く、失業率の水準は歴史的に低く、そしてインフレ圧力が比較的強いのだと僕は考えているんです。
それに対して、現在の実質金利水準は、短期(政策)金利、長期金利ともに低い。
以前の記事で、[BISによるユーロ金利のテイラー・ルール分析]を紹介したことがあります。1999年とかなり昔の分析ですが、これによるとユーロ金利の均衡実質金利は3.5%です。
このテイラー・ルールに今の状況を当てはめると、、、政策金利は5.5-5.75%程度になります。今が4.25%ですから、あと1.25-1.5%ほど金利は引き上げられることになる。
(GDP +2.2%、GDPデフレーター +2.0%として。HICP +4.0%を使うとさらに高い水準になる。ただし、HICPを使った場合には均衡実質金利も多少は変わるだろう)
さらに、今のユーロ圏が高成長局面にあるとするならば、実質金利は歴史的水準よりも幾分高くあるべきだと考えられる。東西ドイツ統合後に実質金利が高まったのと同様に。
それなのに、ユーロ金利の実質金利は長短ともに低い。三菱UFJ証券さんのチャート集P18にいいグラフがありますが、短期実質金利がやや緩和的であるだけでなく、長期の実質金利は歴史的に低いのです。これはイールド・カーブの平たん化を反映したものです。
通常は、イールド・カーブの平たん化(長短金利差の縮小・逆転)は景気後退を示唆します。そうなのかもしれません。
しかし、ユーロの基軸通貨化を反映した資金流入によるものなのかもしれません。グリーンスパンの”なぞ”が欧州で起きているのかもしれませんね。
逆にいえば、今の長短金利水準は緩和的で、将来のインフレ圧力を生むリスクがある、ということになります。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ユーロ圏の中期的な経済状況について以上のように考えているので、サブプラによる金融システム危機がなければ、ユーロ金利はもっと高まっていただろうと僕は思っています。
たぶん、トリシェが6月に先走ってしまったのも、また、ECBメンバーがタカ派な発言をする理由も、こういう認識が背景にあるんじゃないかなーと思うんです。
それで、、、
トリシェの今回の会見に戻って、ちょっと奇妙に思えたのは、EU経済の堅調さの理由に「エマージング経済の強さ」を挙げていること。
当然ではあるのですが、日米欧、すべての先進国がエマージング経済を頼りにしている。
その強いエマージングの理由の1つは、資源価格高を背景にしたロシア・中東の好調さですよね。
原油価格が今後も持続的に上昇するならば、単なる2次的なインフレ圧力だけでなく、外需の強さとしてEU経済を刺激し、インフレのリスクをさらに高めることになる。
一方で原油価格が反落すれば、外需の落ち込みが起きるでしょう。
原油価格について面白いグラフ。
[Historical Crude Oil Price]
インフレ調整後の実質価格では、原油価格は79年の水準を上回ってますね。
当時とはエマージングを含めた原油の消費量も、可採年数も違うと思うかもしれませんが、その当時も確か可採埋蔵年数は40年とか言われていたと思います。
[妥当な原油価格は60-70ドル]という見方はあながち外れじゃないと思います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
話がそれたんですが、、、
このように見てくると、ECBは長期的には利上げを続ける、ということになりますね。
原油価格がさらに上昇し、同時にロシア・中東経済を刺激し続けるのならば、インフレ抑制&実質金利調整の必要から積極的な利上げを行わざるをえなくなる。最悪のシナリオ。
一方で、原油価格が反落し、外需が落ち込むのならば、その影響をじっくりと見極めたのちに緩やかな実質金利調整のための利上げ。
どっちにせよ、経済が急激に悪化しない限りは、利上げ局面の継続ではないかと。。。
それで、わからないのは、欧州の銀行・金融システムの痛み方です。
欧州の住宅市場で、サブプラと同様に証券化を使っていたとしても、低所得者向けへのルーズ・マネーが膨らんでいたのかどうかは、僕には分かりません。
米国のサブプラの影響は、保有証券の毀損だけでなく、AIGなど米保険会社による保証が失われることで資産圧縮圧力が生じているかもしれません。が、よく分かりません。
M3や非金融部門向け貸出は高い伸びを維持しているので、懸念されるほどの信用収縮は欧州では起きないのかもしれません。
しかし、、、金融株の売られ方や消費者センチメントの急落を見ると、利上げはもう少し待つべきだったんじゃないか、と思うのです。
ほかにも、賃金交渉の動向とか、周辺国の変調とか、いろいろあるんでしょうが、、、いずれも、よくわかってません。。。