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グラの相場見通し
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2006/09/27のBlog
[ 21:10 ] [ 日本の経済・相場 ]
今日、日銀が[4-7月の国際収支]を発表してました。

久しく見ていなかったので、その変化にちょっと驚きました。

1.対内直接投資(FDI)がマイナス(p5)
対内FDIがマイナスというのは、新規の対内投資以上に、これまでの投資が引き揚げる方が多いということです。ボーダフォンの売却なんでしょうかね。。。

[以前の記事]でも、対内FDIの水準が中期的な経済成長を左右するかもしれないと書きましたし、IMFのWEOなどでもそうした指摘を見たことがあります。
安倍政権でも対内投資を倍増すると言ってましたが、倍増と言わずに5倍増でもいいですよw。マジで。


2.海外からの配当等の還元が拡大 (p4)
これは常識なんでしょうが、数字で確認しておくと、
-06年上半期の還元収益は+26.1%で、経常収益の増加率+15.3%を上回る。
-経常利益に占める構成比は11.4%と上昇している。

自動車の北米からの受け取りが増えている、ということは対外FDIの効果ですね。三菱商事などの商社の貢献も大きかろうと思います。グローバル化に適応している企業と、適応できていない企業との2極化を考えると、個々の企業での貢献度は更に大きいことでしょう。

3.サービス収支の変化 (p2)
輸送収支のマイナス幅が徐々に減ってますね。海上三国間貿易の運賃増加や、海外船籍から国内船籍にシフトしていることが指摘されています。商船三井などの事業形態が変化していることが現れているのではないかと思います。

また、旅行収支のマイナス幅(支払い超過)も減ってます。これは日本人が海外旅行をしなくなったという訳ではなく、03年あたりから外国人の日本訪問が増えていることを反映しています。多分、中国人旅行者の北海道・富士山観光が増えたのではないかとw。

以上、相場とは直接には関係ない事柄ですが、現状確認でした。
今日は爆騰しましたが、9月に入ってからの日本株の低調さは、あたかも資源国であるかのようでした。
右のグラフは、黄色がSENSEX、緑がレッド・チップ、水色がTOPIX、紫色がナスダックです。9月は日本株だけが独歩安ですね。この理由は、、、そう、お察しの通り、9/8の福井総裁発言だと言いたいのです(^^)。

利下げ期待の米国はもちろん、利上げ継続が確実の欧州でさえ長期金利は低下し、株価は上昇した。この間、JGBは1.6%まで再低下したにもかかわらず日本株が下落した理由は、景気(特に内需)の足腰が定まらないなかで追加利上げを滲ませた福井総裁への不信感(+株価の割高感)だと考えます。

かなーり穿った私の見方かもしれませんが、福井総裁は「利上げしたい」という気持ちを滲ませれば株価が下落し、利上げが難しくなるというジレンマ、自縄自縛に陥っているんですね。

新聞等では「市場では、年度内の利上げなしとの見方が固まりつつある」と書いてますが、私にはそうは思えない。総裁発言を見ても、あるいは9月の日本株の動きを見ても、年内利上げシナリオを株式市場は無視できていないし、金融政策は大きなリスク・ファクターとして重しになっていると思います。逆に、福井総裁があきらめて当面の利上げを見送る姿勢を鮮明にすれば、日本株だけでなく、世界の株式にとって非常に大きなプラス材料になると思います。

☆☆☆☆☆☆

私のポートフォリオでは日本株の比率を20%にまで引き下げましたので、もはや日銀が利上げをしようが見送ろうが、好きにして!という心境ですが、これから10月末の展望レポートまでは金融政策の方向性を巡って、暫く神経質な展開となるでしょう。

安倍政権が景気拡大を志向するからと言って、日銀のスタンスが変わるとは私には思えないんですよね。日銀自身も、景気を殺したいから利上げするとは思っていないわけで、経済状況が許せば金利水準の調整=利上げをしたい、と考えているだけですから。問題なのは、強めの経済指標を選択的に選んでいるという部分なのですが。。。

ですから、当面の金融政策は、利上げをしたい日銀 vs 経済指標という構図です。日銀が利上げできるだけの指標が出てくるか、という問題ですね。なんかオカシイんですが、まあ、そういうことです。


金融政策上、重要と思われる日程は以下の通りです。

9/29 CPI
10/2 短観、毎月勤労統計(賃金)
10/13 金融決定会合、福井総裁会見
10/18 9月会合議事要旨
10/31? 展望レポート
11/16 金融決定会合、福井総裁会見

短観が非常に重要なのは間違いないところですが、短観が強すぎると利上げ観測の強まり→株価下落、短観が弱すぎると景気失速懸念→株価下落、と上にも下にも行きすぎるのは株価的にはよろしくない。各DIが横ばいからちょっぴり上昇、くらいが株価としては好ましいでしょう。

短観が反落しない限り、展望レポートの発表までは福井総裁のトーンが変わるとは考え難いです。展望レポートで、弱すぎる賃金上昇率や低いマネー増加率、雇用コストからの物価上昇圧力などについて、どういった分析を加えてくるかに注目したいところです。「今般の景気拡大においては賃金上昇率は過去ほどには高くなく、よって雇用コスト面からの物価上昇圧力は限定的」などの表現がでてくれば、良いんですが。。。

☆☆☆☆☆

安倍政権に期待するのは、インタゲ採用です。今回の経済閣僚からそういう政策が出てくるのかどうかは全く分かりませんが、インタゲの採用については、既に内閣府が提言しています。また、IMFのWEOにおいても「中長期的な物価安定の理解」の0-2%というのは下限が低すぎると指摘されています。このように、内外から公式に提言が出ている以上、経済成長を志向する政権になったのならば、インタゲ発言が出てもおかしくない。

でもまあ、「理解」の水準見直しは年1回で、多分来年4月の展望レポートまで変更はないでしょうし、インタゲ採用には政治的駆け引きが必要ですよね。

福井総裁が正気になるまで(あきらめるまで)、日本株については懐疑的です。個別銘柄では選別が進むと思いますが、全体としてはTPX1500-1600で横ばい。チャートからは下抜けしそうにも見えるんですが。。。
2006/09/25のBlog
先にご紹介した周小川総裁の発言、個人的に同じことを感じていたので、とても興味深く読みました。記事に気づくのがかなり遅かったですがw。

だいたい、GDPの50%を占めている設備投資(政府を含む)が30%で伸びている段階で、GDPを15%押し上げるし、個人消費も10-13%程度で伸びていることは確実、対外黒字も拡大しており、ともにGDPを押し上げていることから、思いっきりラフに計算してGDPは20%台前半で伸びてなきゃおかしいそれが11%だなんて!
でなきゃ、設備投資の伸び率そのものが高すぎるのかというと、設備投資関連の個別企業の売り上げをざっと見ると30%成長という数字には違和感はない。
だとするとGDPはやはり20%程度で伸びているのか・・・異常だとしか言いようがないっす。

にも拘わらず、中国のCPIは2%程度で落ち着いている。中国のCPIにおける農産物の構成比が高い(らしい)ことをさっ引いても、実態で20%もの経済成長を続ける経済のCPIが低いどころかデフレ懸念を内包しているということは・・・何かがオカシイ。成長率の限界が分からないと言いたくなる気持ち、分かります。

オカシイことの1つは、設備投資の除却率が異常に高いことです。[以前の記事]では中国の設備投資の長期的な除却率は9%程度と(中国政府によって)想定されていると書きました。日本の除却率は4%です。中国では、設備の平均寿命は1/9%=11年でしかないということです。

それだけ産業構造の変化のスピードが速いとも言えますが、投資の回収期間が極めて短期であり、目先の収益性の高そうな業種に集中投資する、かの国の企業家と地方政府の投資姿勢が伺えます。また、限りある資源を極めて非効率に使っていることの表れでもあります。短期で資金回収し、追加収益が難しくなったらポイ捨てしてる。。。

家計の貯蓄率が50%だということは、潜在的な消費余力が高いとも言えるが、市場経済が十分に機能しておらず、中国消費者の望む商品が供給されていないということでもある。ここでも、非効率性の弊害が起きている。
話が逸れますが、私は中国人寿の利益率があまりにも高いことに懸念を持って、人寿を持っていなかったのですが見事に失敗しました。orz...。金余りでかつ社会保障が整っていないならば、余分な金が流れ込むことは納得です。でも、まだ上がるんでしょうか。。。

閑話休題
更に言えば、金融面でも非常に緩和的な金利水準にあるために設備投資が活発に行えるわけであり、また、地方政府からの迂回融資が邪魔して、人民銀の量的規制が機能していないことの表れでもある。ここでも、非効率性の問題が大きく横たわっている。

経済学的な説明はできませんが、中国は資源の面でも、個人貯蓄の使途としても、金融面でも、非効率的に浪費を繰り返しながらも、インフレなき経済成長を実現している。これを可能としている理由の1つは、中国の生産性の上昇が極めて高いということかもしれません。Conference Boardの生産性分析では、中国の2001-2003年の生産性上昇率を平均7.7%と見ていますが、これは低すぎるGDPを基にした数値です。実際には中国の生産性は15%あるいはそれ以上に高い伸びを実現しているのではないか(以前、産業分析で中国の生産性上昇率が10-15%程度というレポートを読みましたが、今は見つけられませんでした)。

だとすると、中国人民の生産性上昇=所得増加が有効に使われていない、ということであり、潜在的な消費意欲の高さを示しているでしょう。また、彼らの生産性上昇が無駄に浪費されていると言えるかもしれない。

もう1つ確実だと思うのは銀行融資(政府保証)の不良債権化です。高い経済成長と投資回収期待に基づいて投資行動を行っている企業家・地方政府と同様に、銀行もじゃぶじゃぶに資金をあてがっているのは、これまでの銀行融資の急増から明らかです。

先の記事では、「購買力平価ベースでのGDP成長率の姿を投資家が確信すれば、ようやく中印の株価はバブルになるかもしれない」と書きましたが、一足先にその姿を確信しているのは中国の企業家・地方政府・銀行であり、彼らがバブルに陥っていることは間違いないところでしょう。

☆☆☆☆☆☆

またもや、(私こそ無駄にw)長々と書きましたが、「成長率の限界が分からない」という周総裁の言葉は、裁量的政策では、巨大な大きく変化した中国経済を御することの難しさを悟るが故の言葉だと思います。ポールソンに言われるまでもなく、彼らは知っているのです。

それでは、何が必要かというと、地方政府からの融資能力の剥奪、金利水準の大幅な引き揚げ(マネーサプライの総量管理)、人民元の切り上げ(5-10%程度か)、法人税引き上げ(特別減税の削減)と社会保障基金の整備、などでしょうか。
融資能力と租税問題は地方利権に大きく切り込むことになるので、胡錦濤が中央での権力基盤を強めつつあると言ってもすぐには難しいのではないか。また、マネー管理も、地方の融資能力を剥奪し、直接・間接金融の形で民営化しなければ機能しません。最終的には、予想外に大幅な人民元切り上げしか、即効性のある市場機能回復のための良薬はないように思えます。まずは、人民元切り上げによって過大な投資期待を抑制すること、これが肝要だと、私は思うのですが。。。

根本的には、途上で終わった朱鎔基の改革を継続して地方利権に食い込んでいくことなしに、中国経済の市場化はあり得ない訳で、そういう観点からも先の上海市書記の解任は評価できると思います。
上海市書記が解任というニュースもありますが、胡錦濤=中央が権力基盤を強めているのね、投資抑制への実効性が上がるかもね、というありきたりのことしか浮かびません。。。[中国経済成長スピードの限界、分からない=人民銀行総裁というちょっと前の記事]の方が個人的にはおもしろいw。

マジでネタ切れですので、つまらないかもしれませんが、2005年時点でのGDPのチャートを。
現在と将来の世界のイメージや、世界経済に与える影響力を理解しておきたいと思い、ちょっと探したんですが、悲しいかな個人投資家では簡単に見つけられず、Wikiなどを使って自分で計算しておいたものです。

(1)市場価格ベース(為替レート・ベース)
最初に為替レートでみた、世界のGDPの比率です。まだ日本の新聞などではこの表示方法が一般的のようですね。
米国と欧州が3割、日本が1割経済です。「世界の中の日本」の大きさを表現すると、「日本の中の九州」程度、となるでしょうか。

(2)購買力平価(PPP)ベースのGDP
次は、購買力平価で見た世界のGDPの割合です。購買力平価については[この記事]がわかりやすいと思います。
為替レートは短期的な変動が大きく、また、政府によって恣意的に操作されることがあります。ですから、各国の物価水準を比較することで、為替レートによる影響を除き、それぞれの国での生活水準、購買力をより正確に反映したもの、とお考えください。

踏み上げ太郎さんがよく紹介されるBPの資料によると、石油消費と整合的なのは為替レートで見たGDPよりも、購買力平価で見たGDPの方のように思えます。

順に、為替レート・ベース、購買力平価ベース、石油消費量(いずれも構成比)です。
米国 -- 28 -- 21 -- 25
EU 14 - 25 -- 16 -- 15
日本 -- 11 --- 6 --- 6
中国 -- 5 -- 13 --- 9


(3)市場価格ベース(為替レート・ベース)のGDPの成長額
経済でも、相場でも、大切なのは規模そのものではなく、成長率、ないしは成長額ですね。どれだけプラス・アルファを生んでいるかが重視されます。ですから、今度はGDPの成長額を比較してみます。ここではIMFのWorld Economic Outlookから引用して、2004-05年の実績と、06-07年の予測、計4年間の成長額を比較します。
(1,2で見た構成比率は2005年での名目GDPベースです。これから見る成長額は、その名目GDPに、4年間の実質GDP成長率を掛けて算出しました)
今度は、為替レート・ベースで見たGDP成長額です。先に見た、購買力平価でのGDPの実額の比率と似ています。ただし、米国だけは影響力が3割程度に膨らみます。米国の成長力の寄与は、依然として大きいと言えるでしょう。

米国が世界の成長の3割を生みだし、次いでEU(+英国)と中国がそれぞれ15%前後を生んでいます。日本の寄与は、比較的成長率が高い時期であるにも拘わらず、7%に過ぎません。
これが世界経済に与える影響力の真の姿だろうと思います。

ポールソンの先日のスピーチでは、「過去5年間の世界のGDP成長のうち、50%を米国と中国が生み出した」と述べましたが、まあ、的外れではありません。あたり前ですが(^^)

(4)購買力平価(PPP)ベースのGDPの成長額
最後に、購買力平価ベースのGDPの成長額を見てみます。これだと、中国の比率が27%と米国の16%を凌駕し、インドも10%となっています。

私は、これが世の投資家の期待を表しているんじゃないかな、と思ってました。私自身も、株式のポートフォリオ構成の1つの目安になると考えていたんです。

ですが、先日のポールソンのスピーチで「米国は中国に追い越されることを恐れてはいけない」という部分にどきっとしたんです。ということは、まだ、私はそこまで中印の成長を直視していないということじゃないかと思います。また、世の投資家も、そこまでの確信を一般的に持っていないんじゃないか、そしてそこまでの確信が一般的に広がってこそ初めてBRICsの、中印の株式はバブルを迎えるんじゃないかなぁ、と思ったのでした。

(注記)
購買力平価は、内外価格差を是正して算出するものです。通常、内外価格差が大きいのは非貿易財、非製造業ですので、中国やインドの購買力平価でのGDPは、非製造業のGDPをふくらませたもの、とも言えます。
ところが、非製造業の成長率は製造業ほどには高くはないですね。ですから、購買力平価ベースのGDPをもとにして実質GDP成長率を掛けた将来予測は、過大予測になる虞がある、という指摘をどこかのレポートで見たことを注記しておきます。
購買力平価でGDPを見るならば、成長率の低い非製造業をふくらませた分だけ、全体の成長率は低めに見ておくべきだ、という指摘です。

ですが、市場の期待というのはある種の幻想ですから、ここでは購買力平価ベースのGDPに、実質GDP成長率(予測)をそのまま掛けています。
2006/09/24のBlog
[ 01:18 ] [ 日本の経済・相場 ]
[関連したBlog]
福井総裁会見に関する記事で、「銀行貸出は不動産業に偏っている」と書きましたが、不正確だったようですので、訂正します。

[内閣府 今週の指標]によると不動産業向け貸出に偏っていたのは05年までのことで、今年に入ってからは業種の広がりを見せています。

ただし、本石町さんの記事などでは地方での資金需要は低下しているとの指摘もありますし、特殊要因調整後の増加率が+2.7%というのは如何にも低い。「かなり着実に伸びている」という福井総裁の表現にはやはり抵抗を感じます。

☆☆☆☆☆☆
それはさておき、この内閣府の週刊記事、かなりの優れものです。「今週の指標」だなんて控えめなタイトルにせずに「週刊!経済白書」くらい堂々と主張すればいいのに。どうせ、経済白書を書いている人たちの記事だろうし。

日本の経済指標だけでなく、海外経済も扱ってますし、要約も簡潔でわかり易く、それでいて客観的な分析。多分、継続的にお読みになると、経済に関する感覚が随分と養われるんじゃないかと思います。プロの方にも初心者の方にも、お勧めしたい。...って、知らなかったのは私だけ?
田舎から戻ってきました。グラの墓参りも済ませ、姪に「クマのプーさん」をあげてきましたよ。彼女が大人になったときにEeyoreのお話が役に立つことがあるかどうかはわかりませんが、小学1年なのに漢字交じりの文を一生懸命読んでくれてました。

2代目(正確には3代目)のワンちゃんは、私と入れ違いに実家に入りました。台風で環境が変わるのを避けるために、受け取りが伸びたのです。それだけが残念でした。

前回の記事は非表示にしました。頂いたコメントも非表示にしましたことをお詫びするとともに、改めて御礼申し上げます。

☆☆☆☆☆☆☆

私のお休みの間に(というか、それ以前に)大きな変化が起きていたようですね。wha_man3さん、踏み上げ太郎さん、Positive gammaさんのblogへのアクセスが一段と増えているのは、皆さんもそういう変化を感じていらっしゃるからではないかと思います(ドブログのアクセスが全体的に上がっている気もしますが)
[wha_man3さんの記事]を読んで、もやもやがすっきりしました。

全く、私は鈍感です。

商品市場は暫くダメですね。wha_man3さんのバブル宣言や踏み上げ太郎さんの時代遅れ宣言からはっきりしていたんですが、もはやレンジを切り上げるエネルギーが無いのは明らかです。商品の需給の大まかな計算さえしていませんが、wha_man3さんの2008年前半までは低コストの時代という解釈がとてもしっくりきます。あと2年なのか、それよりも前後するのかはわかりませんが、商品はとりあえず終わり。

商品市場が崩壊しても、世の投資家はそれで終わりだとは思っていないようです。リスク・トレランス(許容度)は全く低下していなくて、次の投資対象に目を向けている。ヘッジ・ファンドの破綻が投資家のリスク許容度を低下させる可能性はあるかもしれませんが、今のところは収益機会を求める姿勢は変わっていないようですね。

それで、その収益機会をどこに見出すかという作業を世の投資家はしている。踏み上げ太郎さんが中国経済の分析(鉄鋼や農業など)を加えたり、wha_man3さんがweb2.0銘柄を選別したりするのは、そういう変化を理解しているからだと思います。常に銘柄分析は行うんでしょうが、市場環境の変化、すなわち商品がダメだ、ということと米国経済の減速と将来の利下げを前提とした銘柄発掘だと思います。グロース・オポチュニティをどこに見出すかと言ってもいい。wha_man3さんの考えるグロース・オポチュニティは中印での中間層拡大と、先進国での付加価値創造企業≒web2.0だと理解しますが、私も同感です。

米国経済の減速は、それだけ市場のパイが以前ほどには拡大しないということであり、市場競争の激化を意味する。グローバル化の中で恩恵を受けてきた企業の選別・淘汰が進むのではないでしょうか。その意味で、企業分析の重要性が増し、マクロ分析の重要性は低下したのだと思います。また、商品価格の下落=コスト低下にもかかわらず、先進国の株式はあまり上昇していない理由の1つも、ここらへんにあるのかもしれない。

マクロ的に見れば、米国経済が減速感を強め、金融緩和に向かっていることははっきりしていますが、仮にリセッションになったとしてもシビアな企業収益の落ち込みに至る可能性は低そうです。個別企業では、困難に直面する企業が増えるでしょうけど。

9月のフィラデルフィア連銀指数が-0.4に低下したことが米国のリセッション懸念を高めたと言われてますが、リセッション時はおろか、ソフトランディングに成功した95年でもPhillyは▲10以上に落ち込んでいるので、▲0.4程度でリセッション懸念というのは行き過ぎです。私は7-9月のGDPは+1.5-2.0%程度になるだろうと考えていますが、今回のPhillyはそれと整合的な動きです。

住宅価格の(相対的な)下落が将来の生産活動を押し下げ、金融不安を伴ってリセッションに至る、と言う懸念ならばわかりますが、しかし、今のところはGSやMSなどのマネーセンターの銀行株は堅調に上昇していますので、金融不安を想定するのは尚早です。

☆☆☆☆☆☆

ともあれ、マクロ的な分析は投資活動の上ではあまり意味をなさなくなったと思います。米国は金融緩和に向かい、日欧は「ゆっくりと」利上げをする。株価は全般的には上昇するけれど、選別色が強くなる。個別銘柄の分析の方がはるかに重要になる。

今はリスク量をMAXに維持し、今後2年間の相場上昇で徐々にリスク量を落とす、そういう局面なんだと理解しました。
2006/09/16のBlog
これまでも平気で1週間くらい休んだりしてましたが、来週はネタがないからではなく(ネタはないんですがw)、所用で帰省しなければなりませんので、お休みします。田舎にはなんか色々とシキタリがあるそうです。。。

初めてグラのいない田舎に戻るのです。やつが可愛かったので、寂しくなければいいんですが。既に2代目がいるそうなので、そいつとも良好な関係を築ければと思っています。


グラはこのBlogを始めた直後に亡くなりました。突然に。
そういうことを予見せずに、タイトルを「グラの相場見通し」にしていたんですが、今となってはそれで良かったと思います。
ここでの見通しはグラの見通しなんですね。私、nobinobiはグラの手下となって材料集めをし、分析らしきことをし、情報と知識を集め、加工した上で天国のグラに上程する。私はさしずめ日銀の事務方で、グラが総裁です。

あいつは株式のポジションも持たないし、経済や相場に関する予断は全く持っていないわけです。当然ながら。

右の写真は怒っているように見えるでしょ。そう、怒っているんです。私があいつの写真をとるだけで散歩に行ってくれないから怒っているんですよ。全く、一緒に遊ぶことしか考えていない。だから、相場のことなんかに全く予断を持つはずがない。
それで、部下であるところのnobinobiが集めた材料を元に虚心坦懐に天国から判断を下す、という訳です。

変でしょ。自己満足でしかない。
ですがね、そう考えると自分なりに冷静に判断できるような気がするんですよ。
今のポジションやこれまでの考えや思いこみを一旦なしにして、正面から現実を見ることができるような気がする。米不動産市場のことを考えるときも、天から無心で眺めるように意識したつもりです。

あいつは寂しがり屋だったんで、こうして皆さんにちょっとでも見ていただくと嬉しいんじゃないかと思います。ありがとうございます。


ただ、こういうの年賀状のペットの写真みたいで、人様に見せるもんじゃないとも思うので、帰省から戻ってきたら、この記事は消します。
それでは、しばしお休みなさい。
2006/09/15のBlog
相変わらず、全くの妄想で申し訳ないんですが、これまでも全てがそうだった、ということで。。。

米下院での対日強硬姿勢はどれくらい本物なんでしょう?
従軍慰安婦非難決議、靖国参拝批判、南京大・・・・

米中が軍事的に接近するとは思いにくいですが、経済面ではっきりとした方向性を出した以上、米中関係が緊密化していくのは間違いない。と同時に、イランとの対話姿勢がはっきりしてくるとしたら、米国外交の矛先は日本に向かう可能性が高いんじゃないかと。。。ブッシュ政権で経済が政治・軍事よりも重視されるとは思いにくいんですが、原油価格を引き下げることこそ政権浮揚のために必要だとポールソンに説得されれば、イランなどとの対話姿勢というのも本格化しないだろうか。

中間選挙で民主党が少なくとも下院を取るだろうし、親中派としてのキッシンジャーの対日姿勢を思い浮かべれば、ポールソンと議会はスケープ・ゴートとして日本を狙ってくるんではないだろか。

安倍シンゾー政権誕生間近ですが、安倍さんは国内マスコミの批判にも聞く耳を持たない一本気な?性格だとすれば、最大の売りであるところの外交で点数が稼げずに空回り、そのあおりでもともと得意ではない国内政策も滞りがち、なんてことにならないかしら。

ポールソンは日本の対内FDIの低さなどの閉鎖性を突いて、改革継続に名を借りた市場開放を迫ってくる。そのときに安倍さんが民族主義的な反発を示せば、逆に改革路線自体が政権にとって好ましくないものとならないだろうか・・・

米議会のなんちゃら決議が不条理に思えても、その背景を考慮して思慮ある対応をして欲しい。。。

なんてね、私が想像するくらいなら、とっくに次の政権の偉いさんも目がいっているでしょう。
(個人攻撃なのかもしれませんので、リンクと記事の一部を削除しました。)
[関連したBlog]

9/8の福井総裁会見の「解釈」についてですが、この人の(リンク削除しました)9/14付け『CPIを境に金利は景気減速見極めモードへ』というレポートは、私とは180度違う解釈なので、ご紹介しておこうと。

曰く、
「9/8に行われた福井日銀総裁の記者会見では、金融政策について直接的には新味のある内容ではなかったものの、市場金利水準を容認したことで当面(少なくとも年内)の利上げ見送りを事実上示唆したものと判断される」
とおっしゃっている。

この方は、福井総裁の「長期金利について、行き過ぎがあるとか、違和感があるとは一瞬たりとも思っていない」という言葉でもって、福井総裁は市場金利水準を容認したと判断されたようですが、この発言は水野委員とかが「金利は低すぎる」という暴言を吐いたことを念頭に置いて、一旦、「市場金利水準には違和感はない」と言っただけだと思うんですよ。あくまで(余計な)リップサービス。
しかしですね、福井総裁の本音は、「一旦、1.6%まで落ちたものが今日では1.7%台まで戻っておりますが、こういう動きこそが非常に大事です。」という部分だし、「市場金利はもっと成熟していく」という部分だと、私は思うんですがねぇ。。。


私は仕事としてマーケットを追っている訳じゃありませんし、市場の見方について意見交換をする機会はありません。素人のつぶやきにすぎません。ですから、こういう常に市場を見てまわりと意見交換してるはずの人が、自分とは全く違った判断をしていると気になるんです。
私が間違っているのなら、これ以上、日銀絡みであれこれ書くことは有害でしかありません。


念のため付け加えると、年内利上げなし、となる可能性ももちろんあると思ってますよ。福井さんが正気になって(^^;、10月末の情勢判断資料で明確にダウンサイド・リスクにも配慮するならば、利上げなしの可能性が俄然高くなります。
ですがね、今回の会見で年内利上げなしという判断は、私にはできません。
[関連したBlog]
TBの記事のコメントに書いたことですが、一応、別の記事として書きます。

8月の決定会合議事要旨が13日に出ましたが、そのなかで色々注目すべき点があるでしょうが、特に気になったのは「3.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要」p8での以下の一文です。

ある委員は、マクロ的な需給の伸びが均衡しており、需要超過幅が拡大していく局面にあるとはみられないことを踏まえると、現行の政策金利は妥当な水準であり、金利水準の調整はゆっくり行うことが妥当であると述べた」

極めて妥当な見解です。これは武藤さんか、野田さんではないかと思っているのですが、まっとうな警告を発したのが1名しかいなかったということなんです(これに関してコメントにて野田さんであるとのご指摘あります)。

現下の状況では、年内利上げなんてすべきではないと思うのですが、可能性はかなり高いと思わざるを得ないです。株式はもちろん、為替にも大きな影響を及ぼすでしょうし、海外の株式市場にも少なからず影響があるかもしれません。