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HAKODADI ・・函館の政治と経済
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2008/07/24のBlog
先週から今週までの主な動きをまとめます

●7月12日 弥生小学校同窓会
 一般にはほとんど知られていませんが、この会合でも「弥生小」問題が話題になり、来賓として出席した市長もそのことに触れ、「外観を残すことにこだわるのではなく、積み重ねられてきた歴史・伝統の『記憶』を伝えていくことが大事」(要旨)と述べたと伝えられています。解体の是非に直接言及はしなかったとも。

●7月16日 元町倶楽部からの意見書提出(既報)
 意見書は市長宛でかつ「質問書」の体裁をとっていますが、いまのところ公式の回答はない模様です。

●7月18日 市内の個人から、弥生小の耐震診断に関する公文書の開示請求提出
 25日以降に資料の閲覧ができる旨の通知があったようです

●7月18日 西部フォローアップ委員会の臨時会合(勉強会)の召集決定
 7月31日(木)15:00~17:00の予定で開催。なお、市側は都市建設部関係者のみ出席。(市教委は多忙を理由に欠席)耐震診断関係等、関連資料の閲覧も予定。マスコミを含め、公開とするかどうかは未定。

●7月20日 北海道新聞に「弥生小学校」問題が掲載(スコープ(スクープではありません)という論評記事)
タイトルは
  弥生小校舎、建て替えか保存か
 PTAは新築を望む・市民団体「遺産 誇り持って」・市教委「耐震補強は困難」

 来年、函館市立西小と統合する同市立弥生小の校舎をめぐり、市民の関心が高まっている。市教委は「老朽化で耐震強度が低下している」として、統合後は解体のうえ新しく建て替えることを検討するが、1938年(昭和13年)に建てられた現校舎は歴史的価値の高さから市の景観形成指定建築物とされ、取り壊しを惜しむ声もある。

 特に独自取材した気配はなく、解体推進派と反対派の双方の主張を併記しただけとはいえ、ほとんど無風だった市民の意識に一石を投じたとはいえよう。

● 7月28日 市教委による住民向け説明会 
18:30~ 弥生小学校体育館(一般参加自由・事前申し込み不要)

 弥生小学校の建て替え問題で初の一般住民向けの説明会です。すでに統合両校のPTAの賛同を得ているとはいえ、学校の建物自体を全面解体することの是非をきちんと一般向けに方針説明してこなかった市教委。耐震診断の疑問点、耐震補強が困難な理由などなど十分には明らかにされてこなかった問題点が明らかにされるのか。
 この問題に関心をお持ちの市民の皆様多数のご参加を期待します。

関連記事 
●ギャラリー村岡のJiroJiroJunction "歴史的建造物を解体するための説明会ですよ"
●函館・弥生小学校の保存を考える 初めての住民説明会

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あとは 9月の議会での論争(が期待できれば)と景観審議会(開催時期未定)が公の場での議論の舞台。なにしろ、行政の側には今年度予算化している「建物基本設計」の発注(年度内の実行)というタイムスケジュールが控えていますから、なんとか8月中には、「方針決定」のお墨付きが必要なわけです。
2008/07/23のBlog
最近立て続けに2種類の大変優れたマップに触れる機会があった。いずれも従来の観光マップとはまったく対極の、歩き・見て・観察し・考えるためのマップである。

ひとつは
函館街なかみてあるきマップ
NPO街なかプロジェクトが発行したもので、すでにはこだて150サイトでも詳しくレポートされているが、要は函館西部地区の歴史散策に役立つように作られたマップ。
29箇所の歴史的スポット写真入で紹介されている。中には和洋折衷住宅、公共建築のうちでもデザイン的に優れたものが厳選され、さらにはいまは失われた建物、そして電柱・マンホール・消火栓まで取り上げられている。
もちろん裏面のマップにはそれらの場所が記載され、かつ旧台場、旧金森デパート、外国人居留地跡など、いまは確認すら難しくなっている歴史的旧跡もきちんと記載してある。
面白いのは旧町名。鍛治町、旅篭町など統合で失われた町名を表示している。

ちなみに臨海研究所の場所の説明は秀逸

大正15年に完成した建物を解体し復原
函館水上署跡

とある。復原後の現在も「景観形成指定建築物」であることは記載されているが、あくまでも「跡」と表記していることに、レプリカに対するひとつの見解が示されているように感ずるのは筆者のひとりよがりだろうか。(写真は取り壊し前の旧西警察署(水上警察所の後身)
右の写真にはオーラを感じても、今の建物にはそれだけの迫力はない。
もう一枚、これは函館ではない。離島・奥尻の 
島歩き「奥尻島」フットパス
このたび整備された奥尻島内の3コースのフットパスの案内マップである。
説明が凝っている。各コースにつき11~15の魅力スポットの説明がある。
たとえば

牛の放牧:種ウシが放牧されており、種付け場がある。柵越しに「べーいべいべいっ」と呼びかけると何事かという顔で牛が寄ってくる。

津波看板:この地点に12.3Mの津波(15年前の南西沖地震、奥尻では200人近い犠牲者)が到達したことを示す看板。

歴史と風物・産業に等分に目配りする優しい文章がある。ちなみにこのマップ試作版は当分専用サイトからダウンロードもできる。
先に、関空・函館減便に関するコメントを書いたが、今回は続報。

最初に新聞に関連記事が載ったのは7月3日

航空燃料の高騰を受け、日本航空と全日本空輸が国内路線の廃止や減便を検討していることが3日、分かった。搭乗率が低い関西空港と北海道や東北を結ぶ路線を中心に、早ければ今秋にも一部路線の見直しを実施する。(中略)二社は搭乗率などを基に、廃止、減便する路線の候補を絞った上で、地元自治体や国土交通省と調整して、八月にも今年秋以降の具体的な運航計画を発表する。

聞くところでは、函館市に対してJAL/ANAが減便方針を伝えたのは、この最初の新聞記事が出た前後、今回の新聞記事報道より2週間以上前であったという。

17日の新聞記事は
航空燃料の高騰などを受け、日本航空と全日本空輸が函館-関西空港線の休止や減便に向けた意向を、函館市に伝えていたことが16日、分かった。

なるほど、記事でも「伝えていたことがわかった」という表現。

つまり航空両社は当事者である函館市に「減便方針」は伝えたが、対外発表はしていなかったということのようだ。
それでは、この間、函館市の担当部局は何か対応していたのだろうか。

20日の道新によれば

「観光地として大打撃を受ける。ぜひ再考していただきたい」。函館市の高橋良弘港湾空港部長は18日、地元経済界の代表者らとJAL本社を訪ね、同社幹部に深々と頭を下げた。
という。

つまり、JALへの「陳情」は17日の新聞報道をうけて「急遽」行われたという印象が強い。

地方空港で、路線数の少ないところなら、最初の発表で即座に幹部が上京、説明を求めかつ陳情に及ぶというところであろう。(実際、路線維持のための陳情、それも空港使用料の減免などインセンティブを用意してというのはよく聞く話である)

そもそも、函館便は搭乗率が高い(60-70%)から大丈夫という、楽観的な見通しが市側にはあり(市内の経済紙の取材への回答)、「減便・休止」は「寝耳に水」であったというのが実情らしい。

しかし、今回の措置が、「原油高の影響」のみならず、「羽田発着枠の増加」が背景にあることを考えれば、別のシナリオも考えられるのではなかろうか。

つまり、関空:函館という一日1本という(機材も小さい)非効率な路線よりも、羽田のハブ機能を生かして、関空(あるいは伊丹):羽田:函館という乗り継ぎ便にシフトしたほうが、航空機の効率的・経済的運用ができるということである。

もちろん、乗り継ぎなしの直行便のメリットは少なくない(乗り継ぎの手間、待ち時間、料金割高など)が、航空会社からすれば、この燃料高のご時世、しかも羽田増枠という環境では、経営上魅力的な選択であることは間違いない。関西方面からの客にとっても代替手段があるのだから、それほど急激な減少はない、そういう読みだっということだ。

だとすれば、市の当局者が「通告」後にするべきことは、この代替手段が有効になるかどうかの確認・要請ではなかったか。つまり、関空(あるいは伊丹):羽田:函館という代替路線の増便を獲得するということである。
函館空港側から見れば、関空からの便が減っても、羽田からの便がそれを埋めるのであれば、航空輸送のキャパシティは減らない。

通告後の期間にそうした対応策が関係者間で練られ・かつ実行されたのか?新聞報道などでは何も伝わってこない。

もちろん、便数が維持されれば客がついてくるという時代ではない。町の魅力を作っていくという地道な努力がついてこなければ、中長期的には函館観光の衰退はまったなしだ。

関空:函館乗降客年間22万(ピーク時29万から減少の一途)、台湾便は年々増えているといっても7万程度。
この減便が新聞に載った17日には、市・商工会議所・議会幹部の大誘致訪問団(総勢15人)は台湾で4泊5日の誘致活動を展開していた筈だが、そういえば、その成果が報道されていたか・・記憶にない。
2008/07/18のBlog
先日、「反対」の意見書がでたばかりの弥生小問題。
市役所のサイトによれば、市教委による初の一般市民向け説明会が開催されるという告知がでた。

「西小学校・弥生小学校統合校舎整備の考え方について」の説明会


7月28日(月)夜18:30~ 弥生小学校体育館

お知らせは、格別のメッセージもなく、これまでの個別説明の実績が書かれているのみ。それによれば、過去にPTA,同窓会,町会への説明が2回(合計参加者37名)、関連5団体(元町倶楽部を含む)への個別説明を実施してきたと記載している。また、添付されている説明資料はすでにこのブログで掲載したものとまったく変わらない。
つまり、問題の耐震診断に関する疑惑にはまったく触れずじまい。

それにしても、この拙速なやりかたはどうだろう。今日18日にウェッブ上で告知(多分新聞等は明日)して10日後の開催。しかもどうやら1回で済ませたいようだ。

この問題に多少でも興味のある方はぜひ当日、弥生小学校に足を運んでいただきたい。もしかすると滅多にみられない弥生小学校の内部も見学できるかもしれない。(保証はできないが)

なお、yayoizakaブログは、耐震診断について更に突っ込んだ論評を載せている。現段階では資料不足で推測でしか書けない部分が残るが、それにしても大変な労作である。頭が下がる。
昨日の新聞報道によると、JAL,ANAが関空=函館便を減便するという。
JALの場合は11月から一便を休止、ANAの場合来年7月から従来の夏の2便体制を1便に減らすという。結局、この秋以降はANAの一日1便のみになるわけだ。

先に、両社が「地方空港間の減便を検討」と報じられた際には、まだ搭乗率が60%台程度あるから大丈夫というコメントがあったが、燃費高騰で経営上の問題が深刻化している航空各社の「不採算路線切捨て」は予想以上に厳しかったということのようだ。

もともと、JAL/ANAの一日1便も出発・帰着時間がいずれも午後の早い時間(しかも両社の運行時刻がほぼ同じ)使い勝手が悪かったこともあり、観光・ビジネスともに魅力的ではなかったことも原因のひとつ。乗り継ぎで割高でも羽田経由の方が断然便利だったという事情はある。

それにしても地方空港の誘致合戦、撤退阻止の運動が全国各地で自治体首長も巻き込んで苛烈に繰り広げられる中、方針発表以来、そうした努力が関係者によってなされたのだろうか?

来函観光客がじりじりと減り続ける中、その理由として「航空機材の小型化、便数減」という他人任せの言い訳を繰り返してきた観光関係者は今こそ、「観光客が減ってきたからこそ航空各社も便の小型化・減便に動いたのだ、という当たり前の事実に立ち返るべきであろう。

ちょうど、先週空港を利用した際に気がついたこと。

3Fレストランに新メニューが出ていた。前からメニューに「函館らしさがない」と批評していたが、多少は前向きになってきたというべきか。

戸井の活〆鮪定食

一方で2Fのみやげ物店からは一店舗が撤退して、その跡が客用の席になっていた。後に市内発行の経済紙に拠れば、店舗側からの強い要求に対して、空港ビル側が最近やっとテナント料の値下げに応じたとも。
開業当初から、テナントスペースの空きが目立つ空港ビル。それにしても新規出店がないどころか撤退が始まっているとは、驚きである。

新聞記事が出た17日、空港ビルの幹部は市長、商工会議所会頭らと前市長時代からもはや「恒例」となった台湾観光誘致ミッションに出かけていて不在。

もちろん、このニュースに対するコメントなど出るはずもない。

2008/07/17のBlog
今朝の道新に「元町倶楽部有志」による「弥生小学校・保存」の意見書提出の記事が載りました。
待望久しい景観保護団体からの意見書ということで、今後この意見書への賛同の輪が広がるかどうか、注目すると同時に、本ブログとしても引き続き、独自に活動をすすめていきたいと思っています。

元町倶楽部代表の村岡さんのブログ(下記)で意見書全文が読めます

ギャラリー村岡のJiroJiroJunction (ブログ)
http://blog.gmuraoka.com/index.php?itemid=211573


「函館・弥生小学校の保存を考える」ブログにも早速「意見書」全文がPDFファイルで掲載されました。
http://yayoizaka.web.fc2.com/fujyori3.pdf
2008/07/16のBlog
先日、弥生小学校付近を通りかかるとバス通り側の3階部分に大きな張り紙の表示が出ていました。

木立に邪魔されて全貌を一気に見ることは困難ですが

さようなら校舎 思い出をありがとう 統合21年
思いやりの心をもち豊かに表現できる弥生の子

とあります。

公式には、「現校舎をどうするか」最終決定はされていないと、市当局は再三言明していますが、この張り紙の表現は、すくなくとも現在の校舎が何らかの形で存続することはない、ということを示していることは、素直に読めばわかることです。

函館の旧市街・都市景観形成地域の指定をうけている西部地区の真ん中にある、歴史と伝統、そしてすばらしい建築技術とデザインをもつこの建物の「解体」がいったいどういう経緯で(特に市民の意見を十分に反映させるという、開かれた市政の推進という観点から)決まったのか、疑問です。
この問題について積極的に取り上げている情報源として以下2つをあげる。この問題の本質を見極めるには多少の予備知識は必要だ。

ezzoforte

函館・弥生小学校の保存を考える
[ 22:29 ] [ 産業政策 ]
今日、市内のスーパーからはイカの姿が消えていた。

全国の魚業者による「重油高騰への行政の緊急対策」を求める実力行使「一斉休漁」が函館でも徹底して実施された結果であろう。

たしかに4年前に比して2倍以上に暴騰したという重油価格は、沖合いで、かつ煌々と輝く集魚灯を活用するいか漁のような「燃料多消費型」の魚業には大打撃。
長期的には、集魚灯のLED化など省資源タイプへの転換が必要なのはもちろんだ。

例年より出漁数が減り、一方気候変動影響か、例年よりいかが小型であることも手伝い、今年のいか漁は活気がない。

それにしても、供給量が減れば、価格は上がるのが経済の常識なのだが、最終販売価格はそれほど上がっていないのだそうだ。

理由は、いか(のみならず魚一般の)の流通システムにあるという。卸段階の買い付け業者が少なく(中小業者が淘汰され、大手スーパーなどひとにぎりの買い手しかいない)その結果、「高くすると消費者の魚離れが加速する」ことを恐れる買い付け側が価格の高騰にストップをかけているという。
実際に今日の新聞でも「休漁」の結果、「極端に少ない」水揚げにもかかわらず、買い手がもっと減った結果、今朝の取引価格は前日より20-30%も下がった(他の都市の例だが)という。

そういえば、函館のいかの仲買のせりは、高い価格から始めて供給量いっぱいまでは下げ続けるという特異な方式なのだそうだ。初せりのときは極端にすくない水揚げで「一箱2,000円!」と始まったとたんに全量がさばけてしまったという。

消費者の立場からは、安いことはありがたいのだが、経済原則を無視した採算無視の不当に安い価格が続けば、生産者が事業意欲を失う(廃業する)という事態が早晩やってくる。

酪農王国北海道でバターが足りない!という嘘のような話も、畜産農家の乳業離れが遠因。
この国の食料対策、さらには一次産業全般への無策を象徴するような危機的事態が静かに進行している。
2008/07/10のBlog
本日(7月10日)、道新、函新はそろって、西・弥生小学校の統合後の学校名が「弥生小学校」に決まったことを報道した。
建設地(現弥生小学校敷地)、西小ともに弥生町にあること、弥生小の歴史などを考慮しての決定という。ちなみに決定権限は教育委員会。

ところで、統合後の校舎はどうなるのか、依然としてあいまいな表現である。
すなわち

2012年からは現在の弥生小の場所での建設を検討している新校舎に移る方針。(道新記事)

というのみ。現弥生小学校は取り壊すのか、保存(全面・部分)するのか曖昧な表現である。
すでに 景観関連団体などの関係者に配布されている資料では
「弥生小学校の耐震診断の結果」と題して

校舎の耐震診断とコンクリートの圧縮強度等を実施した結果(中略)有効な耐震補強の実施は難しいものと判断される。

として、間接表現ながら現校舎の保存・改築を否定し、解体は不可避と読めるような表現をしている。
更には、「統合校舎の整備方針」として

耐震診断の結果および両校PTAなどからの要望をふまえ、学校としての安全性確保や学習環境の改善を図るとともに、景観形成指定建築物の指定継続を目指す必要があることから、弥生小学校の有する歴史性や独特の意匠、さらには地域の町並みに配慮しながら建物の外観を構成する主な立面を忠実に復元し、改築する方向で検討することとする。

として、事実上、現校舎の解体・新築(ただし外観は現状に似せて)の方針であるというに等しい。もっとも、この方針が確定的とういのではなく、すぐあとに続いて

整備に当たっては、今後市民意見等もふまえながら決定することとしたい。

と暫定方針であるという言い方になっている。

ちなみに、10ページからなるこの資料は作成者の名前も日付もないもので、前半が「統合関係」後半が「耐震診断」関係からなる。「弥生小ブログ」のファイル所在アドレスを以下に示す。

 「西小学校・弥生小学校統合校舎の整備について」 
「統合関係」
 「耐震診断・資料」
・・・・関連するブログ記事(解説)
筆者は弥生小学校について、あからさまに「全面保存」を主張する意図はない。
しかしながら、この建物のもつ建築的・歴史的価値、そして函館西部地区の歴史的景観を保護しつつ、次代につないでいくことを考えると、「耐震診断」=>「耐震補強困難」の簡単な文脈で、この建物を解体することには、もっと議論をするべきであるとは思う。

この建物の持つ価値をどうやって継承していくかについて、もっと多方面の方々からの意見・提言をうけて、幅広い視点でいくつかの選択肢を検討していくべきではなかろうか。
そして弥生小学校にはそうした努力を傾注するだけの価値があると信ずる。

実は筆者自身、この問題についてそれほど深刻に考えていたわけではなかった。
西・弥生統合問題も、「弥生小は残るんだろう」ぐらいの漠然とした感想しかもっていなかった。ところが、事態はそれほど簡単ではなかったのだ。
この3-4月から「弥生小はなくなるらしい」という情報がいくつか聞こえてきた。行政側からの公式の表明がないまま、しかし事態は確実に「解体・新築」へと進みつつある、とわかった頃、何度かこのブログでも紹介した「函館・弥生小学校の保存を考える」というブログの存在を知った。
このブログによって、それまでの漠然とした「弥生小学校」への見方がひっくりかえったといってもいい。
この建物のもつ建築的・デザイン的・教育的・歴史的価値、とりわけ、西部地区の都市景観形成指定地域の真ん中にあって、このエリア全体を代表するシンボル的存在であることにあらためて気づかされたといっていい。

というわけで、 しばらくは、この弥生小問題にこのブログの対象がシフトすることになると思うが、できれば辛抱強くお付き合いいただければ幸いである。
さて、弥生小全面解体の有力な根拠とされている「耐震診断」だが、上記のブログで本日、大変興味深い事実が明かされている。 「もうひとつの耐震診断

現在、関係者に配られている「耐震診断」②に先行する、もうひとつの「耐震診断」①が存在するという。しかもその①では、弥生小の耐震性能は「大丈夫」という評価であったという。
もしそれが事実とすれば、2つの異なる結論をもつ耐震診断を適切な第三者にゆだねて再検討するなどの対応が必要ではないか。

函館の歴史的・公共建築物の中には近年、大規模改修、解体新築を施したものは少なからず存在する。旧丸井デパート(現まちづくりセンター)、旧西警(現臨海研究所=写真)がそれ。前者は4階部分と奥の部分を撤去、多数の耐震壁を追加した。
後者は全面解体=>新築(外観復元)を行ったが、いずれもその根拠は「耐震診断」で「もたない」という結論に基づくものであったことは記憶に新しい。

耐震偽装問題が世間を騒がせる中、「耐震上問題である」と結論付けた「報告」をまるごと鵜呑みにするほど、残念ながら行政・業者の信用度は高くない。理に叶う対応を切望する次第だ。
2008/07/03のBlog
しばらく間があいてしまったが、その後の経過をまとめておきたい

(写真は摩周丸から西部方面。弥生小学校の特徴のある窓の見える建物?みつけられますか)

1)市議会定例会

6月中旬に開催された定例市議会では、弥生小・西小統合後の弥生小学校の扱い(存続、一部改造、部分保存、全面解体・新築)については質問皆無。したがって、市・教育委員会からは経過説明も基本方針の開示もなされなかった。
いかに議員の関心が薄いか(ということは市民の認知も進んでいない)ということだろう。あるいはすでに市教委・市議会各派で根回しは終わっているのだろうか。

2)西部フォローアップ委員会

6月3日に開催された西部フォローアップ委員会でもこの問題が質問として提起された。都市建設部の回答は「最終方針は未定である。ただ7月中に方針をまとめて、秋には基本設計の発注という段取りは決まっているが」という歯切れの悪いもの。
(下に議事録の該当部分を掲載 全文は市のサイトで )

3)教育委員会

「函館市立小・中学校の配置についての基本指針(素案)」に対するパブリックコメント募集(7月1日締め切り)を出しています。

弥生・西小の統合を「基本指針」に格上げするための措置と思われます。悪く取ればこれで統合に関する「市民理解を得た」というお墨付きをとりたいということかもしれません。
なお、小規模小学校の統合の是非(あるいは功罪)については、前にも紹介した「函館・弥生小学校の保存を考える」ブログですでに、東京都中央区に多い「復興小学校」の例を引いた詳しい批判的論述がありますので、ご関心の向きは是非ご一読ください。

なお、市教委では、この基本指針に関する住民説明会を7月18日から順次開催するという。

4)解体・統合の事実上の表明
また市教委のホームページで、今年の知恵の予算の中に
弥生小:
弥生校舎思い出写真館
(平成20年度で子供たちがお別れする現校舎を題材に,別れと思い出をテーマに子どもの目線写真を撮り展示。また,新築当時の写真や現校舎の四季や行事をパネル展示し,保護者や地域住民にも見てもらい,思いを深める機会とする。)

事実上、解体方針が決定しているかのような表現(断定ではないが)で、上記の都市建設部長の発言と照らし合わせると不可解といえなくもない。

=======
以下は 上記2)議事録の該当部分(なお関連の項目として昨年 伝建指定を解除、解体された大野家住宅に関する質疑も掲載)


統合に伴い解体(?)の方向にある「弥生小学校」について

星野委員長
「西部地区(都市景観形成地域)のまちづくり構想」の中でも市が所有する歴史的
建物は率先して復原・改修するとある。弥生小学校と西小学校の統合に伴う、弥生小
学校の校舎についてはどのようなスケジュールになっているのか。弥生小学校は歴史
的な価値のある建物である。景観を守る立場にある都市建設部としてはどう考えてい
るのか。

山本部長
弥生小学校と西小学校の統合、統合後の校舎が弥生小学校、今年度中に基本設計を
委託するということについては決定している。弥生小学校は、地域にとっても大事な
小学校であり、何とか残したいという思いはある。ただ、構造的に現状のままで利用
するということは難しい。外壁を残しながら内部を全く新しいものにするということ
も技術的には可能であるが、今までに地域交流まちづくりセンターや臨海研究所を建
設する際に使った手法なども検討しながらできるだけ昔の素材を使いたいとは考えて
いる。各所からの意見を集約しながら市のスタンスを決めて、7月くらいをめどに説
明の場を設ける予定である。その上で秋口に方向性を決め、基本設計委託を行うこと
をイメージしている。都市建設部としても景観指定建築物という観点からだけではな
く、建物として伝承していくことが可能かということも考えなくてはならない。

星野委員長
都市建設部と教育委員会とはスタンスが違うのか。

山本部長
スタンスは共有するように内部協議を進めている。

星野委員長
議会でも景観指定建築物であることが邪魔して子供達の安全・良好な教育環境が妨
げられるということがあってはならないと言われていたが、解体やむなし新築という
ことが比較的安易に出ているような気がする。

山本部長
現校舎の再現法について検討していたが資金的にも難しかった。今後、教育委員会
と都市建設部とで細部の理念について協議していかなければならないと考えている。

原委員
弥生小学校と西小学校が合併する条件として新築するということで都市建設部が押
し切られたという様に見える。本当に都市建設部が頑張ってもらえたのかという疑問
が残る。

星野委員長
古いものは大事にしたいと現市長がはっきり言ってきている。いくつか基本的な立
脚点があるはずで、それと教育基本方針をすり合わせていくように努力してほしい。
この話の持つ意味の重要性を充分認識して、部局間、各方面とコミュニケーションを
とりながら慎重に進めてほしい。弥生小学校の件については引き続きやや集中的な議論を交わしていきたいと思う
解体された伝建「大野家住宅」についての質疑

原委員
教育委員会の所管かと思うが、元町の伝統的建造物に指定されている大野家住宅が
解体に至った経緯とどうして残すことができなかったについて説明してほしい。

山口課長
大野家住宅は、平成元年に伝統的建造物に指定されてから今日まで貸家として利用
してきたが、空き家が増え、維持管理が困難だということで5年程前から解体したい
という相談を受けていた。なんとか残してほしいと説得してきたが、これといった手
法もないなか大野氏からこれ以上は持ちこたえられないということで指定解除の申し
出があり、都市景観審議会に諮問した。審議会では伝統的建造物ではあるが改装している部分も多く、伝統的建造物としての特徴的なものが屋根の庇の一部に残っている程度で多くはないことなどもあり、指定解除もやむを得ないという見解となった。そ
のような経緯を経て教育委員会で指定解除をし解体に至った。

原委員
5年間対応してきたのは、主に教育委員会なのか。その間、都市建設部としてはど
のような働きかけをしてきたのか。

山口課長
景観形成指定建築物についても同じようなケースが発生する。私たちの持っている
力を存分に発揮して、指定解除にならないようにお手伝いするというのがこれまでの
市の姿勢であった。所有者の立場にたって、所有者の方が建物を維持し、次の方に引
き継いでいただけるような手法をなんとか考えてきた。
例えば、宅建協会に話をし、市が斡旋にまで入ることに対して理解をしてもらいな
がら市のHPで建物を紹介したり、報道機関等に呼びかけ、建物の購入者を探すなど
教育委員会とも話をしながら精力的に動いてきた。結果的には、力が及ばず指定解除
という残念な結果になってしまった。

原委員
新聞報道等によると主に教育委員会とのやりとりしかなく、具体的な事業手法等の
提案等があまりなかったような印象を受けている。
例えば、今回始まった空き家流通促進等の事業やそのような方面の活動をしてきた
街なかプロジェクトへの話のつなぎはなかったのか。それほど積極的ではなかったの
かなと感じている。
指定建築物については、同じような状況が多くあるわけで、これを許してしまった
ことは、同じようなことがたくさんおこる可能性があるということである。この委員
会としては見過ごすわけにはいかないと思うので、部局の垣根を越えたかたちで動い
ていただき、このようなケースが再び起こらないようにしてほしい。

山本部長
指定建築物を失ったことについては大変残念であり、所有者についてもつらい決断
だったかもしれない。その間、市が何ができたかということを考え、その痛みを感じ
なければならないと思う。
伝統的建造物については文化財としての扱いを受け、景観エリアについては市の条
例において守ってきた。二重とも言われながら役割分担をしながらやってきた。市の
担当の人間が入れ替わることにより、対応に隙間ができないように気をつけていかな
ければならない。
大野家解体の後、景観指定建築物である旧小林写真館の所有者が亡くなり、現在、
旧小林写真館の存続方法などについて、相続人と話をしている。所有者にとっても一
番いい方法を探そうということで、歴史的建造物を利活用していく事業をベースにし
て、住宅都市施設公社や街なかプロジェクトの方達の知恵も借りながら一番良い方法
を探している。
ひとつひとつの建造物に対しては、細やかに利活用を考えていく仕組みを定着させ
ていきたいと考えている委員の方々の知恵もお借りしながら色々な道筋を見つけ
乗り越えていきたい。

原委員
伝統的建造物地区ができた時点で文化財保護法の改正と都市計画法の改正と両方行い、一体として地域地区に組み込まれたわけである。教育委員会とのきめ細やかなやりとりはもちろんだが、人的なパワーに頼るだけではなく、制度としてきちんと組み
込まれることも大切ではないかと思うので検討いただきたい。

星野委員長
旧堤商会について、細かな経緯はわからないが、最終的には所有者が変わり、外観
を見直して再活用している。その際に都市建設部が中心になり、HPで借り主を募集
したように記憶している。-
大野家に関して5年間もかけて、関係者だけではなく、広く知らしめて活用する手
だてが講じられたのかどうかが疑問である。それだけの時間をかけて教育委員会と所
有者の間で残してくれ、いや残せないという話のやりとりだけだったとすると知恵が
なさ過ぎる。
都市建設部を中心として、景観条例等もろもろの手法があるはずだし、街なかプロ
ジェクトの行っている空き家の活用や流通促進の手法もありながらそれにうまくつな
がっていないような印象を受ける。
こちらは伝統的建造物だから教育委員会でこちらは景観形成指定建築物だから都市
建設部でそれぞれ所管が違うと言うのは一般の市民には理解しがたい話で両方市役所だろうという話になる。庁内で横の連携をとりながら、利活用についてノウハウを持
っている都市建設部が力強く教育委員会をサポートしながら進めていくという体制を
将来的には作り上げていくということをしていかないとこれからどんどんこのような
ケースは増えていく。

原委員
TVニュースかなにかで教育委員会の方が助成制度の拡大について今後検討すると
いうことを言っていたような気がするがどうなのか。

山本部長
大野家住宅の解体については、補助制度も含めて、今までの行政支援のあり方その
ものが充分であったかという意味では、大きな反省点になるという出来事だった。そ
の意味でもう一度、補助制度を含めた行政支援のあり方について改めて振り返らなけ
ればならないという意味だったと理解している。

平井次長
都市景観審議会で解体についてやむを得ないという結果が出たが、審議会の中でも
今後このような事例が数多く出てくる可能性があるので抜本的に対策を講じなければ
ならないということが言われていた。今年度中には再度どのような方向で進めていく
のかということについて議論するために景観審議会が開かれると思う。

星野委員長
日本では成功している事例があまりないが、手法としては、ヨーロッパなどでは、
ナショナルトラストのように別にきちんと基金を持っていて、緊急避難的にそこが購
入し、活用するすべを考える、あるいは第3者に用途等を確認した上で売るなど行っ
ている。これは、行政が直接やることではなく、かといって純然たる民間ではリスク
が大きく難しい。中間的なところでなにか仕組みを考えていくような知恵が必要であ
る。そろそろそのようなことを考えていかないと今のような事態に柔軟に対応できな
い時期にきているのではないか。
2008/06/30のBlog
函館開港150周年記念事業の公式サイトは4月25日スタート以来、着々と「ハコダテの日常」の発信を続けています。サイトへのアクセスも着実に増え続けていて、ページビューでは連日5,000~6,000、ユニークユーザー数(純訪問者数)も1,000~1,200に達しています。

最近は首都圏からのユーザー登録も増えてきています。一般的な「観光情報」とは違うDeepな情報が得られる、という点が評価されているのかもしれません。

ともあれ、市民発信型のネットメディアという貴重な存在。

このサイトへのリンクバナーが決まりました。
150周年に共感・共鳴する皆さん、ぜひともご自分のサイト、ブログにこのバナーの設置をお願いします。
アドレスは
http://www.hakodate150.com
ちなみに記念事業のオフィシャルロゴマークも決定しました。
2008/06/13のBlog
[ 22:57 ] [ 情報・IT・関連ブログ&サイト ]
アップル・iphoneとソフトバンクの提携発表からわずか1週間。

米国WWDCで、なんと日本を含む全世界70か国で7月11日に新世代3Gタイプのiphone発売が発表された。詳細記事

なぜ、iphone が衝撃的か。

1)手のひらサイズの携帯でウェブが操作できる
 (従来の携帯も確かにできた・・とはいえ、操作性の悪さは致命的)
2)とりあえずソフトバンクモバイルでのみ使用可能だが、今後はキャリアによって制約されない方向が進みそう
 (DOCOMO、AU,SoftBank と縦割りにサービスの壁がなくなる!)
3)GPS搭載
 認証機能(おさいふケータイのような)が追加されれば、個人別に特定した情報発信が可能になる。つまり真に本格的なモバイルネットワークが可能に。

とりあえず、筆者のような「熟年」ネット利用者にとっては、携帯で「ネット検索」ができるようになる!というのが大朗報。
自宅・事務所でのPC利用と、移動中、客先などでのネット環境がシームレスになることの効用は測り知れない。

そして、なんと 199ドルとは?!
日本での販売価格は多分24800あたりか

もっとも函館に7月11日、何台が並ぶか・・・興味津々
2008/06/11のBlog
函館のいか漁に異変が生じているのではなかろうか。
6月1日解禁の道南のいか漁、まずは「まいか」の水揚げから始まるのだが、例年に比べて発育が遅れているらしく?こぶりなのだそうだ。
5月の寒さの影響なのか、それとももっと大きな気候変動の影響か、いまのところ原因はよくわからない。もっとも、初期のいかが小さいのは当たり前で、これからどんどん大きくなる、心配するなという意見もあるが。

解禁日(1日が日曜だったので、実際には2日が初せり)には海が荒れたとかで、出漁した漁船がごく僅か(2隻?)で、したがって水揚げも少なかったという。当然高値で瞬間競り落とされてしまった(高値から順に下げていく方式なのだそうだ)というが、それにしても体は小さかったという。
実はもっと深刻な問題は燃料の高騰による?出漁の抑制。
イカ釣り船の原動機用のみならず、かの集魚灯がものすごく燃料を食うのだそうだ。いか漁も、初めのうちは函館近海はあまり獲れず、松前沖まで遠征する。
となると往復の燃料代もかさむ。ちょっと天候がすぐれないとなると赤字操業を避けるために出漁を見合わせるということもありそうだ。

昨日の新聞でも漁連がよびかけて、燃料高騰に抗議して、全国的に18-19日はいか漁を休止するという。函館で出漁見合わせは30隻に及ぶという。

今週の火曜日も市内のあるスーパーではいかの姿がまったく見えなかったという。
(月曜の夜は荒天だったかな? )

函館の名物いかがこの夏は存分に食べられなくなるかも知れない。想像するだけでも悲しいものがある。

(写真は6月2日の函館の水産卸売市場 提供 高山潤氏)
2008/06/06のBlog
3年前、平成17年3月、弥生小学校をメイン会場に

はこだてまちなかオープンスクール

というフォーラム・ワークショップが開催された。

「部外者」には普段なかなか入れない「景観形成建築物」弥生小学校の内部を垣間見る機会が与えられたのだ。
2日間におよぶスクールはいい体験であった。講師も、参加者のかたがたも熱心に
「まちの再生」を論じ、語り合った。

そして、スクールの教室となった弥生小学校。これがすばらしかった。造形もさることながら、使い込まれた過去から現在への「時間」の蓄積が濃密な空気として感じられた。場所のチカラとはこういうものか、としみじみと感じた。

実施要領(公式サイト)
報告書 (PDF)
あのスクールに集まった講師、市民の皆さんに是非お伝えしたい。

「あの弥生小学校が解体の「危機」に瀕しています。」と
オープンスクール(1)
オープンスクール(2)
オープンスクール(3)
オープンスクール(4)